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タイトル戦情報

第21期 新人王戦

 


去る、8月25日、第21期新人王戦が有楽町・錦江荘と新橋・じゃん亭Nobuにて行われた。
連盟入会3年目までに出場資格があるのだが、今年の参加者は110名と過去最多を数えた。
 
システムは予選7回戦までは王位戦の2日目と同じテールカット方式で4,5,6回戦終了後に足切りが行われる。得点は予選の間は持ち越しとなり、迫りくる足切りボーダーと上がっていく決勝ボーダーとの間で選手は見えない数字の波に翻弄される。 観戦する側からみれば面白いシステムである。「4/110」これが予選を戦う選手達の合言葉である。その後勝ち上がった選手4名による半荘2回の決勝戦が得点をリセットしておこなわれ、勝った者が第21期新人王となるのだ。
 
「早いな。もう6年も経つのか・・・」新橋会場に向かう途中そんな事が頭をよぎる。
「その間俺は何をやってたんだ。」いつまでも大して進歩がない自分自身に苛立ちを覚え、(原付の)アクセルに自然と力が入る・・・「うあ、危ねえ」トラックにアオられ、我に返る。今日は観戦記者なのだ。こんなところで事故でも起こしたら申し訳がたたない・・・

開始15分前に会場に着くともうほぼ卓は埋まり開始を待つだけであった。周りと談笑する者、タバコを吸う者、1人本を開く者・・・時間の過ごし方は様々であったが、空気が硬いように感じられたのは、こちらの会場の大半が1年目の選手だからであろうか。
 


1回戦〜4回戦
 (プラス者は全員通過)
 
先ほど書いたが、今年は2会場で開催されている。そんな中で私が先に新橋会場を訪れたのは、大場篤がこちらにいたからであった。
先日行われた十段戦決勝でオーラスを迎えた時は十段位に手をかけていた。勝った前原雄大に1度は「彼が勝つなら仕方がないな」と思わせた大場であった。そんな大場がまだ研修生だった時の担当講師が私であり、個人的にも注目したい1人であった。
早速、大場の様子を見に行くとどこか集中していないようにみえる。十段戦ではあれだけの観衆の前で堂々と打っていたのに、今日はたった1人の私を気にしている。手牌にもそれが表れる。



ドラは関係ないが、ここからを1鳴きし打、ツモで打.。ホンイツにしたいのか親を蹴りたいのかが分からない。が5枚切れとはいえ、中途半端な手順である。別の局では、
 
 ツモ

これをツモ切ってしまいあっという顔をしてなんと後ろの私を振り返って見てしまった。完全な集中力不足。
私は「しっかりしろ」と心の中で怒鳴りつけてその場を離れた。
 
石田純平のデキがよさそうだ。早いリーチがよくかかり、着実に点棒をかき集めている。
石田は調子が悪い時は徹底して我慢して受けることが出来る打ち手であり、そんな石田が攻めているということは本人も好調を感じての事であろう。

迎えた南2局の親
 
 ツモ ここからこのをツモ切る。

がマジョリティだろうが、好調時にはこのほうが高打点となるのでよりいい。その後を引き入れリーチツモでしっかりと4,000オール。

仕上がったか次局、
 
 ツモ

石田はこの回7万点近いトップを取る。大会システムからも早めに上位につけたほうが有利に進めるだけにこのポイントは大きいだろう。
ただ、本来追い込み脚質の石田にとって、この展開はどう感じただろうか。それは本人しか分からないが・・・
 
次週に行われるプロクイーンの決勝に残った内田美乃里もこの会場にいた。攻撃型が多い女流プロの中で、内田は少数派の対応型といえるだろう。

南3局31,900点持ちで

 ドラ

こんな手牌をしているが2枚目のも平然と見送る。この局はその後2軒リーチを受けるも、

 チー と粘り3人テンパイ。

オーラスもあまりよくない配牌を丁寧にホンイツに仕上げて

 ポン とし、リーチが入るや、でチーして、リーチ者の捨て牌のに照準を合わせる。直後に手詰まり気味のトップ目を直撃して見事逆転。今日の新人王戦は別としても、攻撃型が揃うプロクイーンの決勝でこのように落ち着いて打てれば栄冠を手にする可能性は十分にあると思った。
 

鎌田勝彦の表情が冴えない。元来ポーカーフェイスで態度に出るタイプではないが、今日はどこか気というか、オーラのようなものを感じない。2回戦も同卓の安乗参に独走を許してしまった。ポイント持ち越しというシステムにおいて必要不可欠な勢いが見て取れず、当初の期待がやや薄まった。
 
十段戦で決勝を戦い抜いた加藤博己が近づいてきた。今日は運営のようだ。
「大場はどうですか?」やはり気になるのだろう。
「ぜんぜんダメだよ。集中してないもん。やばいんじゃないの。」私がそう返すと、どこか寂しそうに持ち場に戻っていった。
 
もう一度大場を見に行くと、表情が引き締まり険しくなっていた。私を気にするそぶりも見せず、卓上に集中していた。
「これならなんとかなりそうだな」そう確信し新橋を離れた。
 
有楽町会場の錦江荘に着くとちょうど2回戦が終わったとこであった。目を引いたのは金髪の大男、ガースだ。
近づくとなにやら英語の本を読んでいる。
「ガース英語読めるの?(笑)」
「ウン、スコシネ(笑)」
得点表をみると+7.3、まだまだ余裕のようだ。そうこうしているうちに3回戦が始まった。
 

内川幸太郎の手順が目を引いた。

 ツモ ドラ 

さて何を切るだろうか?

内川はここからをためらいもなく切った。「へー。」その後、手にあったソウズをすべて切ってこの形、

 ツモ 絶好の引きだ。

内川もリーチにいった。を捨てて・・

「え、なんで?」疑問が頭をよぎると同時に親が手を倒した。待ちの2,900。
放銃したことはさほど問題ではない。しかし、イーペーコーを丸々捨ててまでこだわったタンピンなのだから、ここで切るのは確定のであろう。
内川は長野在住である。それでもどこにいってもいつも顔を見る。「お前本当は東京に住んでんじゃないの?」と思うくらいだ。
そこまでプロ活動にエネルギーを使っている内川だからこそを切ったならばを切って欲しかった。
後ろを離れた後に1トーン高い声で「3,000,6,000」と聞こえてきた。声の主は内川だった。
踏ん張るところを見せたのは彼なりの意地だったのだろう。
 

新橋会場で4回戦を勝ち残った選手達が合流してきた。
注目していた石田や内田、そして大場も勝ち抜いてきた。
しかし鎌田は来なかった。やはり、不調を抜け出すことが出来なかったようだ。
 




4回戦終了。ここで約半数の54名が足切りになった。

鎌田勝彦「よく言われることですが、人は舐めても麻雀は舐めてはいけませんね。」

野崎次郎「3回戦終わったときに若干のマイナスで、攻めたのですが撃沈しました。無念です。」

中川由佳梨「最後までがんばったけどダメでした。また来年がんばります。」

太田優介「実力どうりの結果になっちゃいました。」

岩井茜「来年またがんばります。」

山上理恵「来年またがんばります。」

玉木章司「最後の新人王でしたが残念です。」

貫上洋志「なにも出来ませんでした。」

宇加冶尚行「最後までモチベーションを保てませんでした。」

美波智子「3年連続4回戦で足切りでした。勉強不足です。」

楠木一朗「4411で予選落ち。リーグ戦でがんばります。」

奈良圭純「来年の最後の年に向けて、いい勉強になりました。」

朝霧千裕「3年連続予選落ちでした・・・来年がんばります・・ってもうないですよね。」
 
前嶋昌宏「いま補欠待ちです・・・」(補欠は全員通過できず・・・)

この他ではガース、藤岡良一、石井智士、安乗参なども涙をのんだ。





5回戦

 
好調なのが岡田茂。

腰の重い我慢の利く麻雀で、ここまで+77.9Pと決勝も見える位置につけている。

東4局北家で

 ドラ

宣言牌はでしっかりとをツモりあげた。
しかし次局の親番で風が微妙に変わる。南1局東家、西家からのリーチを受けての手牌、

 ドラ

上家に切られたに見向きもせず手を伸ばす。これはスタイルであろうからいいと思うが、その後当たり牌を掴みツモ切りしてしまったのはなにか岡田のスタイルとは違う気がした。ここから岡田は苦しい戦いを強いられることになる。
 
ここまでくると敗れた者が観戦や応援にまわり会場内を移動するのが困難になってくる。
困難なのは私にも原因はあるだろうが・・・取材というのも楽ではない。
 




5回戦終了。20人足切り36人通過

元木伸明「東4局の親番で好配牌を手にし、第1打にを切ったら・・・四風子連打・・・今日1番の失着でした。」

稲川晶満「勉強不足でした。この悔しさをバネに頑張りたい。」

藤本哲也「オーラスのチートイ選択に泣きました。」

吾妻さおり「4回戦オーラスの親で配牌四暗刻イーシャンテンをツモれなかったのが敗因です。相手にはいっぱい倍ツモされちゃいました。」

内田美乃里「最後まで打ちたかったのですが、ボーダーに0.7P足りないという悔しい結果になってしまいました。」

藤原貞生「同じ苗字のA1の藤原さんに負けないよう来年出直してきます。」

岡本丈司「親リーに向かっていったのが落ち目になる変わり目でした。麻雀は1局で体勢も変わるので、よい勉強になりました。」

井上洋一「残ってる人を見ると残るべき人が残っている気がします。来年はそのラインを超えれるように、精進してきます。」

西岡慎泰「この空間は新人オーラが出ていると負ける気がします。やんちゃに攻めた半荘が1番調子良かったです。」





6回戦

 
ここ2年この新人王戦では女流の活躍が目立っているが、今年もまだ6名が残っている。
昨年は初の女流新人王が誕生したが、今年もその勢いは続いているようだ。
現女流桜花優木美智、プロクイーン決勝進出者仲田加南などは、男達を向こうにまわし堂々とトップを取り決勝進出に近づいた。
反対に残念だったのが黒沢咲と、田村りんかの仲良しコンビ。共に5回戦をぎりぎりの通過であったが、とうとう一緒に力尽きてしまった。
 



6回戦終了。20人足切り16人通過

黒沢咲「6回戦は手が入ったのでいけるかなと思ったけどダメでした。でも、最後まで攻めて攻めて攻めまくりました。」

田村りんか「最初の2回ぐらい調子が悪くてダメかなと思っていた割には頑張れました。」

赤荻めぐみ「まだまだまだまだでした。来年こそ力をつけてがんばりたいです。」

和久津晶「来年こそがんばります。みなさんありがとうございました。」





7回戦


ついにベスト16が出揃った。しかしボーダーラインは111.7Pと類を見ない高ポイントである。
選手は他の卓の状況を知ることは出来ないので、目の前の敵に勝つことが決勝への近道となる。
 


A卓
 石橋薫、村中崇、優木美智、内川幸太郎
 
この卓は現在首位の石橋が余裕の試合運び。内川が何度も引きずり降ろそうとするがその度に石橋が潰してしまう。
優木の2度目の新人王戦ファイナル進出もならず、石橋が1つ目の椅子に座った。

村中崇(10位)「面白かった。四暗刻もあがったし、見せ場は作れました。悔いはないです。」

内川幸太郎(12位)「また来年頑張ります。」

優木美智(14位)「まあまあ頑張ったんですけど・・・力不足です。ありがとうございました。」



B卓 工藤宏紀、仲田加南、大場篤、岩井健太
 
ここはトータル2位の工藤を巡る戦い。
仲田、大場、岩井という実力者たちが工藤を1人沈みにして3人の戦いとなるも仲田がパワーで押し切った。
仲田のポイントは104.6Pまだ確定とはいかなかった。

工藤宏紀(7位)「来年また頑張ります。」

大場篤(8位)「精一杯やりました。」

岩井健太(13位)「俺は勝った時しかしゃべらねぇ。」



C卓 平尾昌邦、上村慎太郎、中村竜逸、岡田茂
 
この卓は上村が爆発し、早々と決勝進出を決めた。
対照的に岡田は親落ちしてしまい圏外へ。
オーラス浮けば決勝確実の平尾が手にしたのがドラのこの手牌。
 


上家の親中村からが打たれる。平尾はチーして打とした。「まさかな」ふと予感がして中村の手牌を覗き込む。



「・・まさかな」そのまま見ていると中村のツモは.、音も無くを切り出す。
「・・・・・まさか・・な」直後平尾にテンパイが入り打。この瞬間に平尾の決勝進出が消え失せた。
明らかな平尾のミス。しかしまだ若い平尾にとって大事なのはこれをどう活かすかだと思う。がしかし、大きな代償なのは間違いない・・・

平尾昌邦(6位)「勉強し直します。」

中村竜逸(9位)「やっぱり強い人が勝つなあという感じです。」

岡田茂(16位)「力不足です。」



卓 寺戸孝志、吉田直、岩楯健寛、石田純平
 
トータル4位の寺戸は早々とハネ満をツモり安全圏へ。
岩楯、石田は6万点トップが必要なだけに厳しい。
後はトータル+108.9Pの吉田が巻き返せるかが焦点であった。

オーラスの親で吉田に手が入る。
 
 ドラ

張った瞬間に「曲げちまえ」と思ったが、吉田は曲げなかった。私が吉田の立場であったらやっぱり曲げなかったであろうが、強者は曲げる気がした。隣で観戦していた前原雄大に筆談で「リーチですか?」と問うと、前原は静かに頷いた。
その後吉田はをツモり4,000オールとしたが、結局仲田の+104.6Pには届かなかった。そのポイント差は5.8Pであった・・・

岩楯健寛(11位)「最終戦は自然にトップ狙いでいきましたが、判断が微妙でした。」

石田純平(15位)「力不足でした。それ以外は特にありません。」

 
コメントを取ろうと吉田を捜したが見当たらない。どこへいったのだろう。何はともあれ決勝メンバーが決まった。私が戦前本命視していた石田や大場もここで消えてしまった。
 
しばらくして、ようやく吉田が見つかった。近づくと顔はびしょ濡れで目は真っ赤であった。何をしていたかは明白である。
実は私と吉田は同期であった。当時の吉田は金髪でいかにもやんちゃな印象であったが、いつの間にかいなくなっていた。
そんな彼が7年経ってなぜもう一度この世界へ戻ってきたのか、今日の吉田を見てわかった気がした。

吉田直(5位)「まだまだ未熟です。」






決勝進出者のコメント

石橋薫(1位通過)「ラストチャンスなので頑張りたい。」

寺戸孝志(2位通過)「最後のチャンスなので頑張ります。」

上村慎太郎(3位通過)「ここまできたので獲ります。」

仲田加南(4位通過)「残って嬉しいです。」

 
決勝の舞台には何が待ち受けているのだろうか・・・






( 文責:紺野 真太郎 文中敬称略 )

 
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