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タイトル戦情報

第7期プロクイーン決定戦 

決勝観戦記(初日)

(執筆:北條 恵美 )


1年を通してリーグ戦を行う女流桜花がマラソンなら、
プロクイーン決定戦は短距離走。
1次予選→2次予選→ベスト16→ベスト8であっという間の決勝。

4回勝つだけでいいのである。

「たった4回だよ。こんなに効率のいいタイトル戦なんてないよ。」

と言ったのは、開設当初より立会人を務める藤原隆弘プロ。

そうは言っても、私にはまったくもって縁のない大会。
ベスト16はおろか、2次予選を通過したことさえありません。
この決勝卓に残るには、相当な瞬発力が必要かと思われます。

それと、強い気持ち。
両方を兼ね備えた選手たちの戦い。

黒沢 咲   (連盟)ディフェンディング
二階堂 亜樹 (連盟)
仲田 加南  (連盟)
石井 阿依  (協会)
奥村 知美  (協会)

あれ?今回の決勝メンバー、全員リピーターじゃない?
主役が目まぐるしく入れ替わる、プロクイーン決定戦となりました。


−女王は、私− 

1回戦(起家から、黒沢・二階堂・石井・仲田)抜け番:奥村

初戦の抜け番を選んだ奥村をのぞき、全員がフラットな状態。
仲田がピンフのみをアガってスタート。

東2局。
仲田の手が5巡目で簡単に三色の手になる。

 ドラ

第21期新人王となり、連盟が主催する麻雀力向上を主旨とする勉強会や、
伊藤優孝プロが塾長を務める研究会に積極的に参加するなど、
麻雀・麻雀界に対する意欲が今回の決勝卓へ彼女を押し上げる。

東1局の静かな出だしをそのままに、ダマで様子を見るが、
すぐに二階堂から出アガりの効かぬ打ちを受け、ツモってきたを空切りしてリーチと出る。

ところがリーチ直後に持ってきたのはドラの
この、ドラをも活かせる、感触の良い3面張を逃してしまったことに、
「この形でよかったのか?」さらには、「リーチでよかったのか?」と不安が襲い掛かる。

もっと言うと、待ち取りの選択は-の他に-にできる場面もあった。

せっかくの好発進が流局で終わり、このリーチによってまるでボタンをかけ違ったかのように、
今後の彼女の麻雀はAルールとBルールの間を彷徨。
Bルールを打っているのに、打牌選択・手牌構成がAルールに片寄った、チグハグな状態に苦しむこととなる。

流局後の東3局1本場。
親の石井、手がまだまとまりを見せぬところから白をポン。

彼女は自由だ。

ポンして3シャンテン。
チーして2シャンテン。

関係ない。

積極的に場の主導権を握りに行く。
去年と同様に、今年も自由に動き回る。

石井の鳴きによって手が膠着してしまった仲田・二階堂。
そして、手を進めようとしていた石井自身をも尻目に、
門前・高打点主義の黒沢が、1枚目のをスルーしたトイトイ三暗刻をツモり、悠然とトップ目に立つ。

その後も石井が自由にリーチを打ち、我関せずと形式テンパイを取り、仲田・二階堂を対応させる。

一人、満貫の恩恵を受けた黒沢が、そのリードをキープしたまま「女王は私」とばかりに、
冷然と1回戦のトップを手中に収めた。

黒沢 咲

 

1回戦成績 黒沢咲+31,4P 石井阿依+8,6P 二階堂亜樹▲13,9P 仲田加南▲26,1P 抜け番:奥村知美


 −今年の主役は・・・− 

1回戦のトップを手に、女王が抜けた2回戦。
誰もがここは「私が!」と思うところ。
ところがみんなの出鼻を挫くように、石井がひたすら自由に動き回る。
決勝の舞台で、普段どおりに自分の麻雀が打てるメンタルは素晴らしい。

2回戦(起家から、二階堂・奥村・仲田・石井)抜け番:黒沢

  ポン ドラ

その石井が、ここからをポンして字牌を1枚ずつ抱えながら、打
をポンしているので、彼女からしてみれば理に適う打は、対戦者3名の目にはテンパイに映る。

・・・ホントはまだなんだけど。

その後、石井の鳴きによって流れてきた牌を、親の二階堂が上手に使って一人テンパイ。
この後二階堂は、4本場まで積んで4万点以上まで点棒を集めるが、感触は決して良くない。

ダブ東ポン、流局テンパイ料→3,000点。
イーペーコーのみ→2,000+600点。
ダブ東のみ→2,900+900点

どれも必然の鳴きと必然の手順でアガっているが、如何せん、打点が低い&決定力に欠ける。

案の定というか、親が落ちた次局(東2局)、ピンフドラ1の自然なリーチを打つが、
ダブ東ドラドラで押していた親・奥村へ12,000点の放銃となってしまう。

東2局1本場。
さあ、わからなくなってきました。
親で順調に加点していたと思っていた二階堂の点棒が奥村へ移動。

 

仲田は配牌当初から寄っていたピンズに素直に染め、
二階堂が珍しい仕掛けをしているな・・・と、よく見るとドラ暗刻のバック。
石井は「縦」と「横」が絡み合ったツモを何とかタンヤオベースにまとめ、
親の奥村は負けじとダブ東を鳴いて応戦。

まさにチキンレース。

岸壁に向かってブレーキを踏むことなく突進し、誰がどこまで可能な限り限界で踏み止まれるか。
落ちたら終わりである。

全員が前に出た状態で、ピンズを引いて、最後の一歩を踏み止まったのが奥村。

逆に、この形で最後の最後まで押し切ったのが石井。

 ドラ

ここから、仲田の-待ちのチンイツに対し、最初に手をかけるも、
一呼吸置いてからを切り飛ばし、テンパイ料を奪う。

その後も石井が、リーチ、リーチと畳み掛け、2回目のリーチをものにした次局、東4局4本場。

親の9巡目、他家に動きなし。

 ドラ

連荘中の石井は、ここから迷わず打
が入り、ここでも逡巡の迷いもなく、打のカン待ちでリーチ。
そして、一発でラス牌のをツモ!

リーチ・一発・ツモで、2,000は2,400オール。
決勝という舞台。
記録も取られている。
多くの観戦者が、一打一打を固唾を呑んで見守る中、形に拘らず、
終始「自分が打てる麻雀」をしっかり打った、彼女の選択が実を結んだ瞬間。

オーラス。
それぞれの持ち点は、石井35,700、奥村34,500、仲田31,700、二階堂18,100。

気が付くと、ノーテン罰符や細かいアガりでズルズルと点棒を削られた二階堂が一人置いてきぼり。
それでも満貫直撃、跳満ツモで着順が変わる。

300・500でトップをかわせる奥村が、役牌ダブルバックで、鳴ける牌から積極的に鳴き、ホンイツ仕掛けで順調にテンパイ。

 ポン ポン ドラ

ここで二階堂。

この配牌を、

 

満貫、跳満が見える手まで漕ぎ着ける。
舞姫が、卓上のみならず麻雀界で多くのファンを惹きつける舞姫たる所以である。

一発・裏有りのBルール。
を切ってメンピンドラ1にしたくなる形だが、確定満貫にするため打でリーチ。

こちらが正解。
安易な打牌を選んでいると、奥村に5,200の放銃となっていたところ。
それが逆に、奥村から8,000の出アガりになるのだから、麻雀は面白い。

石井 阿依

 

2回戦成績 石井阿依+20,7P 仲田加南+6,7P 奥村知美▲8,5P 二階堂亜樹▲18,9P 抜け番:黒沢咲+31,4P

2回戦終了時 黒沢咲+31,4P 石井阿依+29,3P 奥村知美▲8,5P 仲田加南▲19,4P 二階堂亜樹▲32,8P


3回戦(起家から、石井・仲田・奥村・黒沢)抜け番:二階堂

配牌とツモの良い石井が中心に局が進んで行く。
ところが、仲田、奥村、黒沢の3名も、出れるところは前に出て、みな一歩も譲らない。
三者それぞれが、危険牌や当たり牌を引くと迂回し、流局に持ち込む。

場が大きく動いたのが東4局2本場。
石井が先手を取って、またもやリーチ。

ここは親の黒沢、一発だけは放銃の可能性を避けて現物を打つものの、
その後はテンパイに向けて真っ直ぐ模打をくり返す。
5巡後に追いつき、三面張で当然のリーチ。
一発で石井が掴み、大きな大きな12,000点をものにする。

黒沢が親の一発で、石井の牙城を崩したかに見えたが、今年の石井は去年とは違う。
東4局4本場。
今度は石井が、1,000・2,000は1,400・2,400をツモあがり、戦線に復帰。

迎えた親番、南1局。
わずか2巡でピンフ一通出来合いのリーチ。

これには困った。
高いのか?安いのか?待ちはいいのか?悪いのか?
見当が付かぬまま仲田、奥村、黒沢、互いに通した牌を頼りに、
石井のツモアガりをどこかで予期しながら後ろ向きな気持ちで手を進めていくほか術がない。

そう思っていた矢先、これに飛び込んだのが黒沢。

リーチ後の石井の現物に仲田が合わせ、黒沢自身もを合わせ、ワンチャンスとなったをツモ切ると、
先ほど頂いた12,000点をそっくりそのまま石井に返上する。

南1局1本場。
ここまで黙って耐えていた仲田が奥村のリーチに対し、捨牌に窮することなく逆に5,200を討ち取る。
満を持して向かえた親番。

しかし配牌が悪い。
そして追い討ちをかけるように、奥村の仕掛けと、目下トップ目の石井のリーチが行く手を阻み流局。

南3局1本場。
追加点のチャンスとなる親番を流されてしまった仲田。
今度は、奥村の親を手なりの早いリーチで潰しに行く。

 リーチ ドラ

を切ってのスジ引っ掛けなんて、ほんの慰めにしかならないんだけど、

 ドラ

この形から、これ以上の失点を避けたい気持ちと、678の三色に仕上げたい思いに囚われた黒沢からがこぼれる。

オーラス1本場。
満身創痍の黒沢。
石井への12,000点返上は、自分を納得させる理由がまだ見つかる。
だが、仲田への放銃は、自分自身を許せないだろう。
一度は「親のリーチ」で1本場は得るものの、最後は奥村がBルールの特性を目一杯活用した、
「メン・ピン・一発・ツモ・裏」の2,000・4,000をツモって、
今期のプロクイーン決定戦は、混戦の様を呈してまいりました。

奥村 知美

 

3回戦成績 石井阿依+20,2P 仲田加南+5,9P 奥村知美▲5,3P 黒沢咲▲20,8P 抜け番:二階堂亜樹▲32,8P

3回戦終了時 石井阿依+49,5P 黒沢咲+10,6P 仲田加南▲13,5P 奥村知美▲13,8P 二階堂亜樹▲32,8P


 −もがく舞姫− 

抜群の山読みを披露し、観客を魅了する手組みの二階堂。
配牌とツモが噛み合うかどうかに手作りが依存してしまう、多くの打ち手とは一線を画す。
この決勝戦でも、安直なテンパイは受け入れず高みを目指し、一人、牌姿の美しさを誇っていた。

ところが・・・である。
求める牌は、確かに山に居る。
山には居るが、他家の手の中に収納されてしまう。
もしくは手の届かぬ王牌の中に埋もれている。

4回戦(起家から、奥村・石井・二階堂・黒沢)抜け番:仲田

本手リーチを打てども打てども結果に結びつかず、それでも自分を信じて自身の手の成就を追った結果、
黒沢へ2,600は3,200点。(リーチ棒3,000点付き)
さらには、奥村へ12,000点を放出。

しかし、この後の切り替えが早かった。

親満をアガった後の奥村のリーチに対し、通常だったら自分の読みが利く範囲まで押し、
迂回しつつ最後まで門前で手を仕上げるか、もしくはきっちり手仕舞いをする二階堂が、テンパイ取りで仕掛けたのである。
ドラ2枚保有の、ハイテイならば満貫になる仕掛けなのでリスクと見合う、という見方もあるが、
流局まで残り1巡しかないところで仕掛ける彼女を初めて見た。

対する黒沢は、3回戦の抜け番で2回戦の強気のヴィーナス「らしからぬ」失策から立ち直り、冷静さを取り戻していた。
奥村のリーチより一足先にピンフテンパイを果たしていたが、二階堂からもらった6,200点のリードを精神安定剤に、親のリーチを受けてあっさりと引き下がる。

是が非でもトップが欲しい奥村、次局も親の特権を活かした手なりの両面リーチを放つ。

これに、リーチの3巡前からテンパイしていた黒沢。
カンから-に変わり、高め三色も見える手牌に一変したが、周到にダマ。

 ドラ

一巡様子を見てみたが、親の現物でもなく他家からこぼれる期待も持てないと見ると、「リーチ」に踏み切った。

ここでまた、二階堂が前に出る。
先ほどは、残り1巡とは言え3,900、8,000が一応見えるテンパイ取りだったが、
今回は、完全に形テン取りである。

この鳴きによって、奥村が二階堂の代わりに黒沢の当たり牌を掴み、
4人で戦う麻雀の不条理さを噛み締めることとなった。

南1局2本場終了時。
奥村27,400、石井28,000、二階堂19,800、黒沢44,800。

こうなると、黒沢にとっては楽である。
点棒を持った黒沢は固い。

押せるところまでは押すが、一度仕掛けが入ると対応に回り、
「ノーテン罰符は通行料」とばかりに、最後は自身のオーラスの親までも惜しげもなく手仕舞いした。

二階堂 亜樹

 

4回戦成績 黒沢咲+28,3P 奥村知美+4,9P 石井阿依▲7,5P 二階堂亜樹▲26,7P 抜け番:仲田加南▲13,5P

4回戦終了時 石井阿依+42,0P 黒沢咲+38,9P 奥村知美▲8,9P 仲田加南▲13,5P 二階堂亜樹▲59,5P


 −仲田の迷い− 

仲田がどこか消極的である。

役牌がトイツであれば、一鳴きして千点でもアガりに行く。
ドラがトイツであれば、両面でもチーし、残った孤立牌にくっつけてテンパイを目指すのが奥村と石井だが、
仲田は逆である。重い。腰が重過ぎる。

千点、二千点をアガりたくないのはわかる。
門前で高打点に仕上げたいのもわかる。
愚形リーチをためらうのもわかる。

見ていて気持ちが伝わるから、歯がゆい。
肩の力を抜いて、もっと楽に戦えばいいのに・・・。
いつもの仲田さんはもっと自在で強いはずだよ。

5回戦(起家から、奥村・仲田・二階堂・黒沢)抜け番:石井

そんな仲田、息を吹き返したのが南2局親番。

黒沢の先行リーチが入ったものの、暗刻だった五が他家の暗カンによって新ドラになる。
首尾よくペンが埋まり、リーチ。

 リーチ ドラ

これを、でツモって6,000オール。

南2局1本場。親番続行中。
配牌4トイツから、次のツモ牌で五つ目のトイツができ、七対子に決め打つ。
9巡目には目論見どおり、七対子のドラ単騎でテンパイ一番乗り。

これもツモって、仲田で決まりかと思った矢先、
二階堂が同じドラ単騎の七対子で追いつく。
ヤミテンの仲田をよそに、二階堂はリーチと討って出る。

仲田、ちょっとでも弱気の虫が出て待ち換えをしようものなら、二階堂にズドンである。
、と脂っこい牌を押す。

結果は、二階堂のツモアガリだったものの、押してくれてよかった。
二日目での台頭を期待させてくれる、仲田の初トップで、プロクイーン前半戦が終了しました。

仲田 加南

 

5回戦成績 仲田加南+22,3P 黒沢咲+3,3P 奥村知美▲12,8P 二階堂亜樹▲12,8P 供託+1,0P(*3,4着は同点) 抜け番:石井阿依+42,0P

5回戦終了時 黒沢咲+42,2P 石井阿依+42,0P 仲田加南+8,8P 奥村知美▲21,7P 二階堂亜樹▲72,3P







(執筆:北條 恵美 文中敬称略)

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