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タイトル戦情報

第31期 王位戦

2005年11月27日(日)、王位戦の決勝が行われた。
前日の熾烈な準決勝を勝ち抜いてきたのは、現在バリバリのA1リーガーで今期絶好調、鳳凰位決定戦への出場もほとんど手中にしている多井隆晴。もう一人プロ連盟から決勝に駒を進めたのは、今年で三年連続となる藤崎智。タイトル戦の決勝に出るだけでも大変な事なのに三年連続は「凄い!」としか言い様がない。

この両者、決勝進出回数が二人合わせて30以上という実績の持ち主なのだが、決勝の舞台ではこれが初対決となる。今までの二人の獲得タイトルはというと、多井が日本オープン・新人王を、藤崎が十段位・日本オープン、と意外に少ない。

そうシルバーコレクターと呼ばれている二人の対決でもある。


他のメンバーは101競技連盟で現在Aリーグ所属の福井久善。その柔和な物腰からは想像出来ない押しの強さを見せるファイタータイプの様に見受けられる。
最高位戦からは、いわますみえ。女流最高位万年2着という実績?の持ち主で、G1タイトル二人目の女流制覇を目指す。
最後は一般から、赤沼和典。寡黙にアガリを目指し続けるその姿勢には好感の持てる打ち手である。
以上5名により半荘5回(一人一回づつ抜番)後、成績上位4名で半荘2回の計7回で決勝は争われる。



◆1回戦   起家 多井 福井 いわま 赤沼   抜番 藤崎


東1局0本場 ドラ

開局、北家の赤沼から


捨牌                  


手牌  

ドラ切りリーチとくると、それを受けて多井がを鳴いて下の形から

赤沼

 (ポン)


をツモ切り、を鳴いて打ツモ、4,000オールとする。


このの単騎選択、牌山には0枚、1枚という厳しい選択であり、一方赤沼のは、牌山に5枚も残っていた。

恐らくここで多井がアガリを逃していると赤沼のアガリであったであろうというところで、のスジで安易にを打たず、マチとした攻める姿勢が生んだファインプレーである。

 

東1局1本場 ドラ
幸先よくアガった多井に対してマッタをかけたのがいわまである。3巡目にを鳴いて


 (チー)


イーシャンテンにした後、ツモ切り、上家福井の切ったも鳴かずにテンパイをとらず、

その後と引き


この形から11巡目を引くもテンパイとらず、次巡を引きテンパイ、17巡目にをツモアガリ、3,000・6000とする。11巡目にマチにとっていても牌山にはは残っておらず、唯一のハネ萬をアガる手順でトップを捲り返してしまう。親の満貫をアガった多井の親を落としたいと考えると、途中でテンパイを入れ安くアガってしまうのだろうが、いわまは真向勝負と言わんばかりに戦う意志をみせたいいアガリだと思う。

このまま多井、いわまがデットヒートを繰り広げ、最後は多井が辛くも逃げ切り一勝目をもぎ取る。

第31期王位戦決勝
 
赤沼
いわま
多井
福井
藤崎
1回戦
▲15.6
13.8
30.2
▲28.4
---

 

◆2回戦   起家 多井 福井 藤崎 赤沼   抜番 いわま

再び出親となった多井が東1局に2,600オールなどをアガり、東3局には最大のライバルともいえる藤崎から


 (ポン) (チー)

を出アガリ8,000点、快調にポイントを伸ばしていく。

多井

東4局1本場 ドラ

赤沼が前局トップ目の多井から7,700をアガり迎えた1本場


  (チー) (ポン)


多井が二つ仕掛けてこのテンパイを入れる。連勝させてたまるかと福井、赤沼が果敢に相次いでリーチと来るも、敢え無く親の赤沼がをつかみ、前局の7,700をそっくり返す形となってしまう。
多井はこのまま危なげなくトップを守り2連勝、多井強しである。

第31期王位戦決勝
 
福井
多井
赤沼
いわま
藤崎
1回戦
▲28.4
30.2
▲15.6
13.8
---
2回戦
6.5
32.2
▲14.2
---
▲24.5
▲21.9
62.4
▲29.8
13.8
▲24.5




◆3回戦   起家 多井 福井 藤崎 いわま   抜番 赤沼

 

三たび多井の起家スタート、多井が三連勝するのかという気にさえなる。ところが、開局親の多井が、

 

  ドラ 


から6巡目にをポンすると、下家の福井に急激に好牌が流れ出す。


福井 6巡目 


ここにと入りテンパイ、その後をポンしてをツモアガリ2,000、4,000となる。


 (アンカン)  (ポン)  ツモ


多井のポン、多分これは戦術や体勢などいろいろな要素のからんだ鳴きなのだと思う。ただ私の目には、この鳴きが何か大事な物も流してしまった様に感じ取れた。

一方、もう一人のシルバーコレクター藤崎なのだがどうも具合が悪い。

東2局に

  ドラ

のテンパイをいれるも直前にツモ切られたを最後にが場に顔を見せることは

なくそのまま流局。
どうも紙一重でアガリに結び付かない、この紙一重をこの後何度か味わう事になるのだが・・・

藤崎

南3局1本場 ドラ


東家 藤崎 


タンピンのイーシャンテン、456の三色までみえる形となっている。9巡目にをツモってくるも、前巡に多井、いわまに立て続けにを切られていたため、少し考えてをツモ切り11巡目に下のテンパイを組んだ。



すると同巡いわまが、リーチと宣言し切った牌は無情にも、藤崎テンパイのまま押すもいわまに振込み、そのまま今回も4着となってしまう。

第31期王位戦決勝
 
福井
多井
赤沼
いわま
藤崎
1回戦
▲28.4
30.2
▲15.6
13.8
---
2回戦
6.5
32.2
▲14.2
---
▲24.5
3回戦
24.9
▲8.4
---
7.2
▲23.7
▲0.3
54.0
▲29.8
21.0
▲48.2



◆4回戦   起家 いわま 福井 赤沼 藤崎   抜番 多井


首位を走る多井の抜番、その多井への挑戦者を決めるかの様な対局である。

東2局 ドラ

親の福井の手牌が8巡目にを引き入れ下の形となる。


ここで何を切りますか?と問いかけてみると多分多くの人がもしくはと答えるのではないだろうか。

福井の切った牌は

福井

後ろで見ていた私が予想外の打牌に驚いている間に、下家で万子のホンイツ気配の赤沼が辺でチー、

次巡福井の手元にはを切りダマテン。すると同巡、西家の藤崎が


をツモり打、7700のあっという間の完成である。


実はこれ、赤沼の鳴きで流れたのがを切っているとタンピン高目三色か、タンピンイーペーコーののテンパイとなっていた。そして藤崎に入ったは下家の赤沼に、牌姿からしてダマならば恐らくツモ切りであろう。

ただリーチをするとこのが出てくるかは分からず、牌山には残り2枚なのでこの先どうなっていたかは、神のみぞ知るである。

このアガリが是か非か私には判断できないのだが、この半荘はその後東3局からいわまが5連続のアガリをみせて大きなトップを取り多井に追いつく事になる。この結果を見ているといいアガリとも言えない様な気がするのである。

第31期王位戦決勝
 
福井
多井
赤沼
いわま
藤崎
1回戦
▲28.4
30.2
▲15.6
13.8
---
2回戦
6.5
32.2
▲14.2
---
▲24.5
3回戦
24.9
▲8.4
---
7.2
▲23.7
4回戦
12.4
---
▲10.9
31.7
▲33.2
15.4
54.0
▲40.7
52.7
▲81.4



◆5回戦   起家 多井 いわま 藤崎 赤沼   抜番 福井


1、2回戦の勝ちパターンよろしく、起家の多井がトイトイドラ3の満貫をアガり、スッとトップ目に立つと東2局、多井が攻めの強さではなく、守りの強さを魅せる。当面のライバルとなっているいわまの親番、いわまの6巡目までの捨牌が

  ドラ


その時上家の多井の手牌が

  ツモ

ここから打とする。このは死んでも切ってたまるか(いわまに対して)という覚悟の一打の様に感じられる。

そしてそこから順調にと重ねて、最後にはをツモり2000・4000これが決め手になりトップを勝ち取る。

オーラス多井のトップはゆるぎない物になっていたのだが、そこでは水面下の戦いが繰り広げられていた。そう、4位5位の足きり争いである。

ここまで調子の悪かった藤崎が奮起して、オーラス前には赤沼を抜いて4位につけていた。この両者の戦いを冷静に見ていた者がいた。誰であろうトータル首位に立つ多井である。この半荘でいわまを大きく離した多井にとって、優勝に届くにはかなり難しい二人の争いは一見関係ない様にみえるが、そこには6、7回戦を誰と同卓するのかという大きな意味があったのである。

藤崎、赤沼どちらを残すかによって卓上がガラリと変わる可能性が高く、仮に赤沼を残すと乱打戦に、藤崎だとシビアな戦いになると思われ、多井は後者を選択した。


親の赤沼が先制リーチと来ると、多井は本来なら黙って見ていればいいのだが、誰から出ても藤崎が残る点数の手に仕上げ追いかけリーチ、きっちりと藤崎を残す。

第31期王位戦決勝
 
福井
多井
赤沼
いわま
藤崎
1回戦
▲28.4
30.2
▲15.6
13.8
---
2回戦
6.5
32.2
▲14.2
---
▲24.5
3回戦
24.9
▲8.4
---
7.2
▲23.7
4回戦
12.4
---
▲10.9
31.7
▲33.2
5回戦
---
44.4
▲43.8
▲6.5
5.9
15.4
98.4
▲84.5
46.2
▲75.5



◆6回戦   起家 藤崎 多井 いわま 福井

2位と50ポイント以上の差をつけた多井が、ここから繊細な打ち回しをみせる。

例えば東1局 親の藤崎の捨牌が3巡目までにと並ぶと、そこから対応を始めきっちりと受けをみせ、

東2局の自分の親番では


  ドラ  

の形でも、を暗カンし場の注目を集めている藤崎の捨牌にがあり、きっちりとダマでアガリきる。


多井の手牌がアガリ形になる前は



の形でフリテンのドラ待ちとなっていたのだが、を引きテンパイ打とした同巡に藤崎がのテンパイを入れるも間に合わず、やはりをつかみ放銃となってしまう。またまた紙一重である。


多井が点棒をキープしつつ、じっくりとそして丁寧に場を回していくのに対し、点棒を叩きにいくべきいわま、福井なのだが、どんどん場が軽くなって行く様にみえる。両者には重い攻めで多井を苦しめる形を作って欲しかったのだが・・・。

それが顕著に出ていたのが東4局2本場 ドラで、まず北家のいわまが9巡目に

ドラのを切ってリーチ


序盤にを切ってしまっていて、リーチ後のツモも

跳満クラスの手の作れそうな手材料が結局出アガリ2600のリーチとなってしまう。

いわま

かたや親の福井は

  ツモ


この形からを打ってしまい次巡ツモ、789の三色を逃し最終的には



でリーチ。

789の三色を捕らえていれば、いわまのリーチ後のでアガれていたのだが、をつかみ2600の放銃となってしまう。
何とかいわまがトップを取るも、最終戦を前に30ポイント近くを残したままとなってしまった。

第31期王位戦決勝
 
福井
多井
赤沼
いわま
藤崎
1回戦
▲28.4
30.2
▲15.6
13.8
---
2回戦
6.5
32.2
▲14.2
---
▲24.5
3回戦
24.9
▲8.4
---
7.2
▲23.7
4回戦
12.4
---
▲10.9
31.7
▲33.2
5回戦
---
44.4
▲43.8
▲6.5
5.9
6回戦
7.7
▲3.1
---
20.1
▲24.7
23.1
95.3
▲84.5
66.3
▲102.2




◆最終戦   起家 福井 多井 藤崎 いわま


5回戦での多井の藤崎残しが生きてくる。競技麻雀は毎半荘ごとに席決めをする、そしてこの7回戦。

福井 多井 藤崎 いわまの並びとなり、多井にとっては座巡良しである。2着目につけているいわまが、現在4位で、優勝だと200ポイント、3位にすら100ポイント近く離されている藤崎の下家なのである。藤崎は優勝以外意味がない事を知っている、当然他のプレイヤーに迷惑にならない様に打つ事が想像出来る。誰に有利不利という意思がある訳ではないのだが、必然的に下家のいわまが不利となってしまう。

ここで第2のポイントとなるのが親決めで、タイトル戦の決勝ではオーラスとなると様々な条件が付加されるため制約の少ない親が有利となるケースが多い。そしてそのラス親を引き当てたのがいわまで、多井にとってはきついオーラスになるであろうと予測ができた。


序盤やはり前に出てくるのがいわまと福井で、座巡の有利不利もあり南1局の時点で

福井44700 多井32800 藤崎23400 いわま19100となる。

親の福井からすると多井との差は5万点以上あり、優勝にはこの親をキープしないとほとんど目がなくなってしまうのである。

そんな中、まずいわまがと仕掛けてピンズのホンイツで


  (ポン)  (ポン)


といち早くテンパイにたどり着く。

もいわまの捨牌をみるときつい牌なのだが、福井もこの親が優勝への最後の砦と言わんばかりに、

最後にはを通してテンパイを組み上げる。しかし残りツモ2回のところでをつかみテンパイを崩し、

そのままテンパれずに親を流してしまい、優勝戦線からはほとんど脱落状態となってしまう。

後はオーラスいわまの親でどうなるかの勝負となるはずだった。

南4局0本場 ドラ  いわま26900 福井46200 多井29300 藤崎18600


いわまは多井が3着のまま、9000点以上の差をつけてトップならば逆転、

福井は倍満以上を多井から直撃が優勝の条件となる。

9巡目、早々といわまが


でリーチ、これをツモると次局、2700点差となる福井をまくれば優勝という所まで多井を追い詰める事ができる。

場が緊迫する・・・。

多井も反撃できる手格好でもなく、福井も倍満以上の手が入りそうもない。

いわまがツモるか流局だと思っていると、突然リーチという発声が・・・・福井だ!


出アガリ2600点のリーチ、あわてて計算をすると2600点でトータル3着から2着になるのである。

この計算が終るか終らないかのうちにいわまがをつかみジ・エンド。振り込んだいわまも、

その瞬間優勝を手にした多井も何が起きたのかという感じで一瞬空気が止まった様に思えた。

私の価値観からするとあり得ない事なのだが、勝ってなんぼ勝利以外は2着も予選敗退も同じだと思ってプロとして私は麻雀を打っているつもりである。確かに2着と3着では賞金も違うのだが、私には出来ない、いやしたくない。やはり勝利者として名を残したいと思っているし、それがプロのあるべき姿なのだと思っているからである。ただ私とは考え方が違うというだけで、この行動を一概に否定するつもりはありません。こういう考え方の人もいるのだと、改めて認識させられました。皆さんがどう考えるかも皆さん次第だと思います。

第31期王位戦決勝
 
福井
多井
赤沼
いわま
藤崎
1回戦
▲28.4
30.2
▲15.6
13.8
---
2回戦
6.5
32.2
▲14.2
---
▲24.5
3回戦
24.9
▲8.4
---
7.2
▲23.7
4回戦
12.4
---
▲10.9
31.7
▲33.2
5回戦
---
44.4
▲43.8
▲6.5
5.9
6回戦
7.7
▲3.1
---
20.1
▲24.7
最終戦
33.8
4.3
---
▲11.7
▲26.4
56.9
99.6
▲84.5
54.6
▲128.6


<最終成績>
優勝:多井隆晴
2位:福井久善
3位:いわますみえ
4位:藤崎智
5位:赤沼和典


左上から5位:赤沼、2位:福井、3位:いわま、4位:藤崎  下段、優勝:多井


今回の王位戦を振り返ってみると、多井の一人舞台であった様にみえる。序盤強さでアドバンテージを取り、

終盤は技術できっちりと守り通していた。

ビッグマウスと呼ばれる彼の優勝コメントも

「どうも多井王位です。これから一年間は誰でも呼び捨て(王位)OKですよ(笑)。

 これからは人間的にも大きな麻雀プロになっていきたいです。」

今までの発言とは一味違っている。今回の決勝での彼の攻めの強さ、丁寧さ、技術力の高さを見ていると、

またひとつ麻雀の高みに向けて成長して行った様に漠然とだが感じられた。

現在同じリーグで戦い、同期で一緒にやってきた私にとっては迷惑な話のだが・・・。
とにかく、優勝おめでとう!

 

文責:藤中慎一郎 (文中敬称略)

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