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タイトル戦情報

第37期 王位戦 A級決勝

( レポート:増田 隆一)


去る11月20日(日)、有楽町の錦江荘で王位戦A級決勝が行われました。
これは、前日のA級本戦を勝ち上がった59名と、歴代王位、鳳凰位、十段位(今年は瀬戸熊の併冠)、
前年度決勝進出者(5人打ちなので井出王位を除く4名)の72名によって、準決勝15名(井出王位がこれに加わる)の椅子を争う戦いです。
まずはシステムを説明しましょう。

72名でまず4回戦を戦い、下位24名が敗退。
その後、1回戦ごとに下記のように敗退していきます。

半荘5回戦後、下位12名が敗退
半荘6回戦後、下位 8名が敗退
半荘7回戦後、下位13名が敗退

そして、残った15名が次週の準決勝にコマを進めます。

カットされたら終わりなので、まずは各回のカットラインをクリアしなくてはならないのですが、
ギリギリで残っても、どこかで大きなトップを要求されてしまうので、調子が良い回は、大きく加点させることが勝ち上がりのコツ。
ただ、難しいのは、攻めすぎてカットラインを下回ってしまえば終わりだということ。

無謀か勇敢か?クレイジーかクレバーか?このあたりはしっかり見極めなくてはなりません。
ほかに、プロ連盟が開催しているタイトル戦で、このシステムを採用しているものはないので、
戦い方を熟知している歴代王位を始め、決勝、準決勝の常連がかなり有利と言えるでしょう。

さて、会場を見てみましょう。
あれ?歴代王位やAリーガーがあまりよくありません・・・。

歴代王位、荒、森山も振るわず。

荒 正義
森山 茂和

清水 香織
ダンプ大橋

前日のA級本戦を1位通過した九州の小車プロも敗退。

小車 祥

瀬戸熊「次はがんばります」

瀬戸熊 直樹

荒「竜頭蛇尾だね」
増田「何ですかそれ?」
荒「始まりはよかったのに、終わりが悪いってことだよ。PCで変換したら出るよ」
(荒さん、入力したら出ました笑)
この言葉どおり、スタートは良かった荒も、滝沢、羽山の両歴代王位との対戦で引導を渡され敗退。

樋口「最初のトップで固くなっちゃいましたね。もっと勢いのまま打てばよかったです」

樋口 新

仁平「大トップが必要な4回戦でクリアできたんだけど、そこで力を使っちゃいました」

仁平 宣明

そして最終戦。7卓で15名残りの戦いです。
これは、周り順で組み合わせが決まるので各卓、1位から14位までが必ず2人います。
なので、自分の卓でトータル2位以上ならば、トータル14位以内に入っている可能性が高いので、かなり勝ち上がりは濃厚。

ところが、今年は異例にボーダーが低く、最終戦を迎えた時点で32.6P(例年は40P以上)。
これは、ボーダーライン上にかなりの人数がひしめいていることの現れなので、
現状、自分の卓のトータル2位、最終的にそれを維持しても、ポイントを減らしてしまえばまだ分からないのです。

しかし、裏を返せば現状トータル2位以上で、そこからポイントを増やせば勝ち上がり濃厚とも言えるので難しい。
もちろん、圧勝してしまえば問題はありませんが、ポイントを減らした卓内2位の場合、ポイントを増やした卓内3位の場合など、
終局が近づくにつれ、対局者は例年以上に難しい決断を迫られることとなりそうです。


1卓(1、14、15、28位)

トータル首位で余裕の高沢が、東場で5万点越えの1人浮きに。
そのまま南3局まで進行し、3人の敗退がほぼ確実に。
ところが、羽山が8.000点残りから、8,000、3,000・6,000と連続アガリ。
リーチ棒などの余禄で浮きに回り、歴代王位の意地を見せました。

羽山 真生


2卓(2、13、16、27位)

オーラスを迎え、最高位戦・浅井は確定。
牧野さんは、原点以上で終わればボーダー付近からポイントを加点、卓内トータル2位と勝ち上がりがかなり濃厚。
しかしオーラス、1,700点浮きの牧野さんに無情にも「ロン」の声が。2翻役は2,600以上になるのでまずアウト。
1翻役でもドラや役の複合でアウト。開かれる手牌をじっと見つめる牧野さん。
役は、・・・タンヤオのみ。ドラは・・・なし。この瞬間、勝ち上がりが決定しました。

 

3卓(3、12、17、26位)

こちらは波乱なし。卓内トータル1、2位の内川、最高位戦・小山が順当に勝ち上がりました。

内川 幸太郎

 

4卓(4、11、18、25位)

オーラス、勝ち上がり確定の協会・阿賀が4巡目にこのテンパイ。

 ドラ

安め6,400、高めツモ3,000・6,000のド級のテンパイ。
捨て牌もまだ目立たず、特に必要としている者もいないので、誰が掴んでも出てしまう牌。
100点浮きの滝沢は安めであっても、打ってしまえば敗退が確定。
阿賀のアガリは時間の問題。

さて、結果は?

次巡、親の中川が放銃し終局。滝沢はぎりぎりの所で勝ち上がりとなりました。

滝沢 和典

 

5卓(5、10、19、24位)

歴代王位協会の宮崎、大トップ条件をクリアした横山が勝ち上がり。

宮崎 和樹

 

6卓(6、9、20、23位)

トータル20位スタートの勝又が粘るも、近藤との約30P差の壁は厚く、澤井さん、近藤が順当に勝ち上がりとなりました。


7卓(7、8、21、22位)

トータル7、8位の安東、筒井は楽に決めたいところですが、緒方さんが大トップで立ちふさがります。
南場に入り、筒井は浮きの2着で一安心でしたが、問題は安東。
緒方、筒井にトータルで上回られてしまったので、卓内トータル2位ではなく、ボーダーとの勝負となります。

オーラス、緒方さんが終局に向かい仕掛けます。
西家・安東、14巡目。

 ドラ

ここに、上家の筒井が打は安全なので、チーテンを取る手もあります。現状、安東のトータルは43.9P。
ラス親のガースは、何が何でもテンパイを取りに来る局面で、緒方さんのテンパイも濃厚。
このまま、ノーテンならば安東は、42.4Pでもう1局。テンパイ料が入れば44.9Pでもう1局。

大概、最終戦で10P前後はボーダーが上がると思われ、開始前の32.6Pから考えると非常にきわどい位置となります。
このテンパイノーテンの差は果てしなく大きいのですが、安東の決断は見送り。

安東「40Pを超えていれば何とかなるかなと。
一瞬迷ったのですが、ラス親のガースからリーチが来たときに不自由なのもあって見送りました」
結局、緒方の300・500で終局。最終ボーダーは37.9P。
安東の読み通り、40Pはセーフ。正確な判断力を見せてくれました。

安東 裕允 
筒井 久美子

 

こうして、準決勝勝ち上がりの15名が決定しました。

【日本プロ麻雀連盟】
滝沢和典  羽山真生   横山毅   安東裕允 
近藤久春  内川幸太郎  高沢智  筒井 久美子 

【日本プロ麻雀協会】 
阿賀寿直  宮崎和樹 

【最高位戦日本プロ麻雀協会】 
小山直樹  浅井裕介 

【一般参加】 
澤井博  緒方剛  牧野 卓人


迎え撃つは井出王位。
さて、この中の誰が決勝に進出するのか?
タイトル獲得経験があるのは、歴代王位の滝沢、羽山、井出、協会宮崎のみ。

ニューヒーロー誕生か?
歴代王位の復権か?
井出の連覇か?

決勝に向けての準決勝、興味は尽きません!!



 

( レポート:増田 隆一 文中敬称略 )

 

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