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第33期 王位戦 A級決勝

( 文責:西岡 慎泰)

11月18日(日)、有楽町の錦江荘にて、第33期王位戦A級決勝が行われた。

前日のA級本戦から勝ち上がった60名が、この「錦江荘」へと舞台を変える訳だが、毎年威厳のある顔ぶればかり。
この会場の雰囲気に飲まれて実力を発揮できない若年者も、これまで数多く目にしてきた。

それではここで、A級決勝のシステムについて説明しよう。

ベスト16に進出することができるのは、現王位・滝沢和典を除いた15名。
半荘7回戦でポイント上位15名が通過となるが、
半荘4回戦終了時に下位24名が敗退、
5回戦終了時には下位12名が敗退、
6回戦終了時には下位8名が敗退、
7回戦終了時には下位13名が敗退と、まさに生き残りをかけたサバイバルマッチといえる。

ここで生き延びるには、7半荘を全力で闘える強靭な体力と、見えないゴールを目指すために挫折しない屈強な精神力が必要となるだろう。

もう一つ、順位点が5-15という点にも注目だ。
一発裏なしのルールで一着順10.000点変わるので、相互の点棒状況によっての押し引きがシビアになる。


そして、静まり返った空気の中、いよいよ王位戦A級決勝が始まった。





一回戦

スタートで離されてしまうと5回戦目を戦う事すら許されないこのシステム、1回戦目がラスだと直ちに黄信号となる。
では普段とは違った観点で、東1局に失点をしてしまった者の戦い方を勉強しようと思い、全体を見渡す。

開局、私の立つすぐ傍で、現在チャンピオンズリーグ四位につけている田中史孝がリーチに向かい8.000を放銃。
私などは、東場の早い段階で失点してしまうと、後は必然的に勝負する局面が多くなり、更に傷口を広げてしまうことがよくあるのだが、田中は次局すぐに3.900を和了すると、引く所は徹底して引き、形を崩さず自分の麻雀で+7.5の2着に落ち着いた。

そして、やはり気になるのはAリーガーや高段者。
くまなく探すと、あの小島武夫と第9期王位・森山茂和が同卓している卓を発見、じっくりと観戦。
小島のメンホンテンパイを2回ほど目にし、森山の徹底したリーチ攻勢に唸りを上げたが、ここはB1リーグ猿川真寿、一般の福島直次郎が競り勝つ結果となった。
思えばこの福島も、東1局で7.700放銃からのスタート。
小島・森山に競り勝った勢いはやはり大きかったか、猿川・福島の両選手は二回戦以降も着実にプラスを重ねていく事になる。

一回戦終了、驚くべきことに、A1リーガー望月・荒・前原・古川・朝武・藤原が揃ってマイナススタート。
今日は、波乱が起きそうだ。



会場に重い雰囲気が漂う中、2回戦開始までの間、昼食休憩へ。

そこに、いきなり陽気な声。
「俺は弁当後で食うからキープ。誰にも食われんようにな」
A1リーガー藤原隆弘である。初戦マイナスにも関わらず、普段どおりの明るさだ。
これは話を聞くチャンスだと思い、すかさず私が切り出した。
「序盤マイナスの人は、後々条件がキツいですよね?」
返ってきた答えは、
「7回戦で+70なんて、全部2着でもいいくらいなんだから、まだ焦ることないんだよ。」

なるほど。システム上、短期決戦で爆発力がいる大会だと勝手に解釈していたが、それに惑わされずに自分の麻雀が打ち切れる人が、きっと最後まで残るのだろう。






二回戦

私の実家方面で交流も深いB2リーグ日吉辰哉の隣で足を止めた。
オーラスの親で、ドラ
2着目と1万点程差をつけたトップ目からドラのポンの後にポンで、

 ポン ポン

ここで、迷わず打とする。すると、直後のツモは
私なら4.000オールだなぁと思いながら見ていたが、手終いした3名を相手に日吉が手元に置いた牌はだった。
彼が目指している場所は、まだ遥か先なのだろう。そう感じさせる6.000オールだった。






三回戦

女流プロはどうかな…と注目する。
今回A級決勝に出場している女流プロは4名。
第27期王位・清水香織、現女流桜花・優木美智、プロクイーン3位・内田美乃里。新人・吉岡美音。

この3回戦目では、内田が奮闘した。
1回戦目では前年度三位のB2リーグ松崎良文の前に3着で終わったが、2回戦目でトップを取ると、ここでも+36.0のトップと連勝、トータルでも+48.2と大きく前進する。
自在型で周囲の評価も高い内田、最終戦まで勝負に絡んでくるだろうと感じた。






四回戦

現鳳凰位・望月が苦しい戦いを強いられている。
五回戦目に残るにはここで大きなトップが必要だったが、ミスター麻雀・小島武夫が特大トップを取り、A2リーグ井出一寛と共にここで無念の敗退となった。

その他、森山・藤原の実力者が敗退、新人・吉岡美音も初の王位戦を終えた。




「相手にあまり関係なく自分の麻雀をする僕には、変動なしの順位ウマは不向きなのかも。でも、弱かったの一言です。もっと精進して出直してきます。」

敗戦後の望月、このコメントは私にとって衝撃だった。

田中の麻雀を見て、そして藤原の話を聞いて私が感じた事、
『大会システムに惑わされず、自分の麻雀ができれば勝ち残れる』

きっと望月も、そうやって戦ってきたのだろう。
弱かったで済ませたが、望月は自分なりに敗退した答えが分かっているのではないか。
そう思った私は、「コメントありがとうございました」と、一言だけ返した。


藤原「今年は、16年ぶりに決勝に残れそうな気がしたんだけどな〜。」

井出「▲3.9のラス2回連続は、展開的に無理です。」

吉岡「会場が変わったら、雰囲気に飲まれちゃいました。」






五回戦

何度プラスに落ち着いても、マイナスポイントなら敗退という、底なし沼のような戦いが続く…。
ここで、私と同じ岐阜県出身の林俊宏の手牌に目をやる。

東4局の親番で、ポンの後に、と両面チーで

 チー ポン

ここから立て続けにを2枚ツモり、あっというまに小四喜のテンパイ。
場にが1枚切れだったが、もし和了れば、勝ち上がりは当確。
しかし、この手は成就しなかった。

前述の日吉もそうだが、地方から来ている者は、やはり意気込みが違う。
しかも林は、一昨年このA級決勝で6回戦足切り、その悔しさをバネに昨年は準決勝まで進んでいる。今年は、誰よりも決勝に残りたいという気持ちが大きいはずだ。
結局、林はトップを取り、トータル+57.3と準決勝まであと一歩と近づいた。
反して、同卓の女流・内田がここで▲35.8のラス、後がなくなってしまう。

女流桜花・優木美智も大きなラスを引いてしまい、結果待ちと苦しい展開。
有力選手の中では、第29期王位・荒正義、第27期王位・清水香織、グランドスラムを狙う現十段位・前原雄大がここで敗退となった。

前原「こんなに王位を獲ろうと思ったのは初めてかもしれない。本当に悔しいです」

清水「最終局に渾身のテンパイを入れたメンホンチートイ地獄単騎が一巡でもツモれれば…」






六回戦

ボーダーの分からない最終戦をギリギリで戦うのは、精神的にも辛い。
例年のボーダーが+60〜+70、ここで+100くらいだと当確だろう。そんな気持ちで、9つの卓を回る。

そんな中、第12期チャンピオンズリーグ三位の刀川昌浩にも小四喜のテンパイが入る。
東4局、親で3巡目に、

 ドラ

ツモ、当然のテンパイ取らずで打。そしてをチーして、場に1枚切れの単騎でテンパイを果たした。これをモノにできれば、当確ランプが点く。
チャンピオンズリーグの雪辱を晴らすかのようにツモる手に力が入る刀川であったが、この手牌が開かれることはなかった…

その直後、遠く離れた卓で猿川にも大物手が入る。
南2局、北家で、

 ポン ポン

巡目は深いが、24.000のテンパイ。しかし、これも実らない。

そんな中、連盟で唯一安全圏に到達したのが日吉。
オーラスの親で70.000点を超え、トータル+120.0と、ほぼ準決勝進出を手中にする。

ここで無情にも、女流桜花・優木美智、14期マスターズ覇者・今里邦彦が敗退。

優木「5回戦目のラスが大きすぎました。来年は頑張ります。」

今里「ミスをいっぱいしました。それ以外、特にありません。」






七回戦

いよいよ、準決勝進出者が決まる。
何ポイントで生き残れるのか、ゴールの見えないサバイバルゲームが、幕を下ろそうとしている。

当確は、橘悟史(協会)、日吉辰哉(連盟)、田中巌(最高位戦)、福島直次郎(一般)の四名。
私はその他の選手に注目してみようと、7つの卓を行ったり来たりする。





A卓 橘悟史(協会)、富澤直貴(最高位戦)、田中史孝(連盟)、刀川昌浩(連盟)

トータルトップの橘が東場で50.000点を超え、同卓者全員敗退かと思われたが、田中・刀川が高打点を連発し、橘に肉薄。
2名のうちトップの者が準決勝進出と予想される展開となったが、ここは田中に軍配が上がる。刀川は惜しくも16位と、準決勝にあと一歩届かなかった。

1位通過:橘悟史(協会)  5位通過:田中史孝(連盟)






B卓 日吉辰哉(連盟)、小川尚哉(連盟)、小島武夫(連盟)、明石光平(連盟)

ここも早々と、トータル2位の日吉がトップ目に立つ。
大トップが必要な小島・明石も反撃の狼煙を上げるが、これまでのポイント差を埋めるには遠く及ばない。
連盟2年目の小川尚哉がオーラスに自力で和了り切り、初の王位戦準決勝の切符を手にした。

2位通過:日吉辰哉(連盟)  10位通過:小川尚哉(連盟)






C卓 田中巌(最高位戦)、猿川真寿(連盟)、五十嵐毅(協会)、内田美乃里(連盟)

無理はしない田中を横目に、オーラス親番で大トップを狙う女流最後の砦・内田と、2着以上を狙う猿川の激戦となった。
内田が望み通りオーラストップ目に立つも、ポイント届かず。最後は猿川が1.600で静かに終局。

3位通過:田中巌(最高位戦)  9位通過:猿川真寿(連盟)





D卓 福島直次郎(一般)、林俊宏(連盟)、森脇幸生(連盟)、羽山真生(一般)

大荒れとなったこの卓。ほぼ準決勝当確と思われた福島が、森脇に12.000を放銃。
トップ条件の森脇、ハコラスは危険な福島、2着以上を狙う林で3つ巴の展開。オーラスは、福島が1.000点で終止符を打った。
何と、結局この卓からは3名が生き残りとなった。

7位通過:林俊宏(連盟)  8位通過:森脇幸生(連盟)  11位通過:福島直次郎(一般)







E卓 松崎良文(連盟)、鈴木竜次(一般)、中村政時(連盟)、宮岡宏樹(一般)

+94.9の松崎と+79.0の鈴木(一般)が有利な展開で進むと思われたが、鈴木が大きく沈んでしまう。
オーラス、トップが最低条件の九州本部長・中村政時がトップ目の親で6巡目にツモ切りリーチ。
このリーチに、小さいラスでも通過の松崎がタンピンドラ3のテンパイから飛び込む。
開かれた手牌は、メンタンピンドラ1の11.600。どうやら中村は、現状のポイントでは足りないと判断してのリーチだったようだ。
結果、中村は+67.5で結果待ちとなったが、見事15位に滑り込む。値千金のリーチとなった。

6位通過:松崎良文(連盟)  15位通過:中村政時(連盟)





F卓 掛水洋徳(連盟)、亀山亜土(一般)、右田勇一郎(連盟)、那須愛朗(連盟)
3回戦終了時で▲48.4だった右田が、何とトップ条件の位置まで浮上してきた!!
+92.0とほぼ確定の掛水が積極的に仕掛けて場を回しにいくが空回り。
D卓同様、ポイントリーダーがラスを引き、トップ条件の者がトップ、3名生き残りとなる。

12位通過:右田勇一郎(連盟)  13位通過:掛水洋徳(連盟)  14位通過:亀山亜土(一般)





G卓 松井直文(一般)、横井則保(一般)、石川正明(連盟)、内藤秀樹(一般)

大トップが必要な石川正明が、常にトップで主導権を握る。
+85の松井と+82.4の横井が断然有利も、横井が痛恨のラス。
石川も最後までポイントを叩きにいくが、トップながらポイント及ばず。
結局、この卓からは1名のみ生き残りとなった。

4位通過:松井直文(一般)






こうして、A級決勝、全七回戦が終了した。

連盟からは、昨年と同じ11名が準決勝に駒を進めた。
ふと気づけばA1リーガーが1人も残っていない。これは大変だ。

だが今回レポーターを務めて、実力も努力もある若手を何人も目にしてきた。きっと良い戦いを繰り広げてくれるだろう。

来年は、私もこの場に選手として居合わせられるよう、力をつけたいと思った。




全体的に若手の活躍が目立つ結果となった今回、誰が王位を獲っても不思議ではないと私は思う。

はたして、決勝に進出するのは誰か?

そして、第33期王位の座に輝くのは、いったい誰であろうか?

 

 

( 文責:西岡 慎泰 文中敬称略 )

 

 

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