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タイトル戦情報

第5期 女流桜花決定戦

(執筆:猿川 真寿)

女流桜花決定戦 観戦記 〜初日〜



2011年1月、ある日の月曜日、彼女の時計は11:30を指していた。

前日が大雪だった影響で、車道のところどころに雪が残っている。
スタッドレスタイヤにはき換えた方がいいなと彼女は思い交換所へと車を走らせた。

日陰の下り坂に差しかかった時、事件は起きた。
雪が大分残っていて、車の重さでいわゆるアイスバーン状態になっていた。

一瞬のうちにハンドルをとられ、車はスピンしたまま、坂道を加速していく。
彼女は冷静にギアをLOWに入れ減速を試みる。

人間はこういう状況になるとパニック状態になりブレーキを踏む、それによって更にスピンをして、被害が大きくなる。
彼女の冷静な判断はさすがである。

しかし、車は止まらず街路樹を倒しガードレールに突っ込んで、ようやく停止することができた。
いつ割れたかは分からないが、助手席側のフロントガラスは全て砕け、彼女のパンツの上に飛び散っていた。
もし、知人を乗せていた事を考えると彼女はぞっとした。

タイミングよくパトカーが通りかかった。
破損状況から彼女の「大丈夫」という言葉は聞こえてないように、救急車を呼ばれ入院することになった。

幸い、けがはなかったので1日で退院できた。車はというと修復不可能の廃車処分。
体が丈夫なのか、運が強いのか分からないが、けががなかったのは奇跡的といえるだろう。

前にある人が言っていた。
麻雀だけには限らないが「失うものが多ければ多いほど強くなる。」
自分は女流桜花決勝が終わった直後、そんな事を思っていた。




1月22日11時28分、新橋の決勝戦会場に到着。選手の姿はまだ見えなかった。
11時36分、一緒に来たのかエレベーターであったのか分からないが、朝霧と仲田が会場入りした。

朝霧 千裕


21期生 三重県出身 長女 弟はお医者さん
麻雀教室と雀荘ゲストの仕事が多く、本人いわく麻雀界で一番身長が低いらしい。
タイトル戦の決勝は初めて。
開始前のコメントは「気分はいい、格上相手なのでプレッシャーはない。決勝は怖くない。行ける所まで行きたい。」とのこと。
決勝は独特の雰囲気があり、経験が成績に大きく左右することが少なくない。
場にのまれないように頑張ってほしい。


同時刻

仲田 加南


21期生 神奈川県川崎市生まれ 2人姉妹の二女
第4期女流桜花優勝
21期新人王
第5期プロクイーン 5位
第7期プロクイーン 準優勝
35期王位戦 3位
スタイルは「自称自在対応型」らしい
桜花は、鳳凰位、十段位と同じディフェンディング制になっている。
前回の王者、いや女王・仲田は決勝からの出場で連覇を狙う。

「結果は分からない。落ち着いている。」と、らしくない謙虚なコメント。
今回の対策は何かある?とこっそり聞いてみると、
「相手がリーグ戦に比べて門前派が多いので、仕掛けて手数を増やしたい。」
正直この発言を聞いた時に、仲田は苦戦するだろうなと思った。
短期決戦ならまだしも、桜花は2日間で12半荘もある。
オカルトだが、手数を増やして後半足が止まることがよくある。負けパターンである。
決勝に限っていうと、じっくり構えて足をため続ける方がいい結果になりやすいと、色々な決勝を観戦してきて自分は感じていたからだ。


41分瑠美到着

二階堂 瑠美


16期生 神奈川県湘南生まれ 2人姉妹 
17期プロ最強位
第4期女流桜花準優勝
第4回天空麻雀女性大会優勝
キャッチフレーズは「天衣無縫」
スタイルは「手役派」というより「手役好き」みたいだ。
瑠美はとにかく三色のイメージが強い。今回の決勝でも、彼女らしい手筋で見せてくれた。
麻雀関係者以外でも知っている、二階堂姉妹のお姉ちゃんである。
今回は「楽しみたい、オンリー」


48分清水到着

清水 香織


13期生 栃木県出身 1人っ子
27期王位戦優勝
第2期プロクイーン優勝
キャッチフレーズは「セメントクイーン」
スタイルは「自在攻撃型」
清水とは、何回かタイトル戦で対戦したことがあるが、あっさりした性格なのに、麻雀はきめ細かい印象がある。
押し引きのバランスは、女流では1だと自分は思っている。


開始5分前 瑠美が決勝卓に座り、牌の感触を手につけている。日によって感触は違う。
自分の経験では牌が手にしっくりくる日の方が成績がいい気がする。
そして闘牌が始まった。





1回戦(起家から、瑠美・朝霧・清水・仲田)

東1局、瑠美以外の表情が多少かたく感じた。
朝霧は、コメントとはうらはらに落ち着かない様子。

全員の配牌は、

瑠美  ドラ

朝霧 

清水 

仲田 

朝霧と仲田は三色が見え、瑠美の手も悪くない。清水だけ少し苦しそうだ。

結果は、16巡目に瑠美がテンパイ、17巡目に朝霧がテンパイ。
同巡、仲田がチーテンを入れて3人テンパイで流局した。

この局はオカルト派の自分にとって、非常に印象に残る1局だった。

仲田は清水のをチーしなくても、ツモでテンパイをしていた。
仲田の鳴きは必然の一手なので、が出たら当然こうなる。
自分は仲田と瑠美の間で観戦していたのだが、仲田の前巡の手出しにたいして、清水のはノーテンなのに甘いなと思った。
実際今牌譜を見ると、清水の手は若干手詰まり状態で、他に切る牌がみあたらなかったので、手格好からもしょうがない一打だった。

それはともかく、仲田は鳴かなくてもテンパイしていたのは事実である。
ここに、清水と仲田の因果関係を感じた。

1本場は、清水がイーペーコーのみの1,300は1,600をアガる。
東2局11巡目に、瑠美にテンパイが入る。

 ドラ
 
決勝ということもあってリーチかな?と思ったが、ダマを選択。
いかにも瑠美らしい。14巡目にドラのが入れ替わり、次巡、ツモアガリで2,000・3,900と、まず頭一つ抜けだす。

東3局、親の清水は1,000オールをアガリ、次局、朝霧から11,600は11,900を出アガリ瑠美をかわす。

その後は小場でまわり、南3局に親の清水が2,600オール、テンパイ料と加点しリードを広げる。

南4局、いままでおとなしかったが、点棒を減らしてない親の仲田が朝霧から5,800出アガリ。
次局も1,000は1,100オール。ここで朝霧は箱を割った。

3本場、清水のドラ切りリーチ。

 リーチ ドラ

トップ目ということもあり、ダマに受ける人も多いと思うが、12回戦の決勝というのをよく分かっているリーチだと思った。
結果はツモだったが、50,000点をオーバーしてのトップで終了した。

1回戦成績

清水+28.6P  仲田+12.8P  瑠美+1.7P  朝霧▲43.1P



2回戦(起家から、朝霧・仲田・瑠美・清水)

全体の表情に変化は見られなかったが、朝霧の内心は穏やかではないだろう。
東1局、仲田がおかしい。12巡目にドラのを切ってテンパイ。

 ドラ

ピンフのみだが3面待ち。
しかし、清水のリーチを受けると、それほど切りにくくない牌でテンパイ外し、清水もドラを切っており手役が絡んでなければそれほど怖くない。
まっすぐ行っていれば、ハイテイで仲田のツモアガリだった。

結果は、朝霧の1人ノーテン。今回も厳しそうだ。

東2局、朝霧が清水から1,300は1,600のアガリ。
決勝初アガリとなった。

東3局、仲田7巡目に先制リーチ。

 リーチ ドラ

次巡、清水追っかけリーチ。

 リーチ

清水が仲田から8,000の出アガリ。
東1局のダマを考えると、仲田はドラが1枚あるとはいえ、ダマを選択すると思った。
バランスが崩れているように感じる。

東4局、清水が1人テンパイの後、2,000オールをアガる。
今日の清水は親で強い。Aルールは1発と裏ドラがないので、子より1.5倍のアガリ点は大きく影響してくる。

南2局1本場、11巡目に清水がテンパイ。

 ドラ

ドラのは、仲田と瑠美が9巡目に切っている。
13巡目に仲田がリーチ。

 リーチ

宣言牌のを瑠美がチーして現物待ちで追いつく。

 チー ポン

終局間際に、仲田の当たり牌をつかんだ朝霧が、清水に痛恨のオリ打ち。
完全安牌はなかったが、切る牌は他にもあった。
普段なら切らないと思う。やはり1回戦のショックが効いているのだろう。

結局、2回戦も清水がオーラスで仲田から7,700を2連発でアガリ、55,000点オーバーのトップ。
瑠美も浮きで終わる。

2回戦成績  

清水+34.7P  瑠美+4.4P  朝霧▲9.8P  仲田▲29.3P

2回戦終了時 

清水+63.3P  瑠美+6.1P  仲田▲16.5P  朝霧▲52.9P



3回戦(起家から、清水・朝霧・仲田・瑠美)

東1局、これ以上マイナスできない朝霧が、仲田から12,000のアガリ。

 ロン ドラ

これで気をよくした朝霧が、親番で2,000オール2,100オールとアガリ、持ち点を55,000点近くにする。

続く2本場、朝霧は好調を思わせる配牌。

 ドラ

4巡目に1シャンテンになるが、なかなかテンパイをしない。
先手を取ったのは仲田。10巡目にリーチ。

 リーチ

その時、朝霧の手牌は、

こうで、ここにツモでを抜いてオリてしまう。

仲田の捨て牌は、



こうでが通る保障はないが、体勢的にも2回戦までのポイント的にも、ここは行ってほしかった。
まっすぐ行くと、次巡ツモでテンパイ。追っかけリーチでドラをツモって2,600オールのアガリになっていた。
朝霧としては点棒を守りにいったのだろうが、守って勝てるほど甘くはないと思う。

理論的に考えてもで打って仲田が高い場合は、レアケースを抜くと(2枚目のドラは後引き)のピンフとピンズの山を引き当てたホンイツぐらいだが、
ホンイツはリーチするかが微妙なのでレアケースに入るか?

捨て牌は多少変則ではあるが、三色の可能性は低く、ドラがかたまっていれば切りにはなりにくい。
トイツ手だったとしてもがあたるとしたら、2巡目の切りの時点でターツが決まっていたことになるので、切りに違和感がある。

今、朝霧を責めた形になってしまったが、いつもならぐらいは切るかも知れない。
1、2回戦の結果、牌譜、初決勝、観戦者というプレッシャーがこうさせてしまったとしてもしょうがないと思う部分もある。

東4局、流れ5本場で迎えた親の瑠美が、リーチや仕掛けをきれいにかわし8本場まで積み、朝霧に4,000点差まで詰める。
南3局、朝霧が大物手を仲田からアガリトップを決める。

 ロン ドラ

3回戦成績  

朝霧+39.1P  瑠美+15.4P  清水▲19.7P  仲田▲34.8P

3回戦終了時 

清水+43.6P  瑠美+21.5P  朝霧▲13.8P  仲田▲51.3P



4回戦(起家から、清水・朝霧・瑠美・仲田)

東1局、親の清水がドラ3の好配牌を仕上げ、10巡目にリーチ。

 リーチ ドラ

しかし、ここは1つ仕掛けていた瑠美が、清水のアガリ牌のを引き勝つ。

東3局、瑠美らしい手順でアガリをものにする。配牌は、

こうで4巡目が分岐点。

 ツモ

ここから迷わず切りでソーズを払い、7巡目にテンパイ。

すぐに仲田からが出て12,000のアガリ。



テンパイからすぐアガれることで瑠美と仲田の状態の差がはっきりでた1局だと思った。
瑠美はそのリードを守り切り、1人浮きのトップで清水をトータルでかわした。
2着にはオーラスに100点差で清水をまくった朝霧。
仲田はこの時点でかなり苦しくなった。

4回戦成績  

瑠美+31.1P  朝霧▲2.8P  清水▲4.7P  仲田▲23.8P

4回戦終了時 

瑠美+52.6P  清水+38.9P  朝霧▲16.4P  仲田▲75.1P



5回戦(起家から、仲田・朝霧・瑠美・清水)

東1局、2局と流局で始まった。今までと違い極端な小場になった。
オーラスまでの点数移動は次の通り。

東1 2人テンパイ(朝霧、瑠美)
東2 全員ノーテン
東3 瑠美→朝霧 1,000
東4 瑠美→朝霧 2,600
南1 朝霧→瑠美 1,300
南2 朝霧→清水 2,000
南3 仲田→清水 1,300

オーラスの持ち点は、仲田27,200、朝霧33.400、瑠美27.600、清水31.800。
オーラス、清水は瑠美を沈めたまま終わりたいところ。
トップ目の朝霧は、1人浮きのトップでトータルポイントをプラスにしたいだろう。

先手を取ったのは仲田。11巡目にタンヤオのみのテンパイ、ダマを選択。

 ドラ

同巡、瑠美にもテンパイが入る。

仲田は次巡を引き入れフリテンリーチ。
安めでもツモれば、トータル浮いている2人を沈めて、トップになる。

この時の朝霧、清水の手牌は、

朝霧 

清水 

朝霧はドラ切り、瑠美は無筋を飛ばし引く様子はない。その瑠美が切ったを清水がチーしてテンパイするが、競り勝ったのは瑠美。
朝霧から3,900をアガった。この半荘の最高打点だった。

5回戦成績  

瑠美+10.5P  清水+5.8P  朝霧▲4.5P  仲田▲11.8P

5回戦終了時 

瑠美+63.1P  清水+44.7P  朝霧▲20.9P  仲田▲86.9P



6回戦(起家から、仲田・朝霧・瑠美・清水)

瑠美と仲田の差は150ポイント。仲田は明日に向けて差をつめておきたいところだろう。
彼女の破壊力を持ってすれば、3連勝で100ポイントぐらいは浮きそうなので、勝負はまだまだ分からない。

東1局、仲田が1,000オール。1本場では清水から2.900をアガリ。
2本場では、瑠美に軽く蹴られたが、多少ではあるが今日のいままでと比べるといいスタートと言える。

東2局、仲田が清水から3,900をアガリ加点する。
東3局には瑠美が、東4局には清水が親でアガリ、仲田の点棒が削られていく。

朝霧は、被害をほとんど受けてないが、いい手が入りながらも1シャンテン止まりの局が多かった。

南入時の点棒は、仲田36,400、朝霧26,900、瑠美32,100、清水24,600。
自分の予想では、今日の調子や展開を考えると結局、瑠美と清水が浮きそうだなと思っていた。

結果は、南3局に仲田がリーチピンフの2,000点を瑠美からアガリ、打点は安いがこれで1人浮きになった。

南4局、親の清水は10巡目にこの牌姿。

 ドラ

しかし、ここから手が進まず全員ノーテンで流局した。
仲田は1人浮きのトップをとって、明日にのぞみを残した。

6回戦成績  

仲田+20.4P  清水▲1.5P  瑠美▲4.2P  朝霧▲14.7P

6回戦終了時 

瑠美+58.9P  清水+43.2P  朝霧▲35.6P  仲田▲66.5P







(執筆:猿川 真寿 文中敬称略)

                              

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