日本プロ麻雀連盟
プロ連2
日本プロ麻雀連盟HOME 日本プロ麻雀連盟のご案内 牌譜データサービス ロン2のご案内 タイトル戦のご案内 インフォメーション プロ雀士情報 雀力アップ
ホームタイトル戦情報女流プロリーグ(女流桜花) > 第3期 女流桜花決定戦

タイトル戦情報

第3期 女流桜花決定戦

(文責:吾妻 さおり)

女流桜花決定戦 観戦記 〜最終日〜

 

1月18日(日)「運命」の日。
女流桜花に懸けて来た時間を、想いを、彼女たちは持てるすべてを牌に込めるだろう。
勝負は時の運。
でも、この闘牌は今までの自分を、そしてその結果は自身の未来、人生をも左右することになる。
「運」は自分の気持ちとは離れた所にある。配牌やツモは選べない。
しかし打牌選択は、今日の結果は、自らの「命」である。
誰もが「運が悪かった」では言い訳にならないのはわかっている。
それなら、運命の神様に惚れられるような丁寧な一打を・・・!
道は自分で切り拓くしかないのだから。


初日終了後に選手の方に5分間個人インタビューをお願いした。

桑原恵子プロは初日緊張はしていたが、コンディションはいつになく良いと言う。

桑原 恵子

「今日の自分は早い人より2手くらいテンパイスピードが遅かったと思います。
それなのに手拍子で放銃してしまった場面が何度かありました。勝負処で引き負けたのは辛かったですね。」
初日、最もチャンス手が少なかった桑原。
蜘蛛の糸のようなアガリをものにし、耐えに耐えた結果。可能性は有る位置に留まることが出来た。
アガリたい欲にまかせていらない牌を切っていたら初日で目なしになっていたかもしれない。
「この状態を何とかしないとみんなに追いつかない。明日はもっと前に出て、攻めて行こうと思います。」


一方、黒沢咲プロは会場入りした時から目が赤く、私は内心心配だった。

黒沢 咲

「昨日まで万全に調整できていたのだけど、実は犬の具合が悪くなっちゃって。
1回戦は集中出来ていなくて、手が入ってくれたのにひどかったです。
メンホン一通を上家取りでアガれなかった時もそんなに難しい牌姿ではないのに
手が止まってしまったり、テンポが良くなかったです。」
テンポは非常に重要だと思う。
本当に良い時は、押し引きも長考せずに正解を手が選ぶものだ。
「しっかり寝て、体力をつけて。明日も頑張ります。」
現状首位でも驕ることなく、自らを省みる黒沢。
きっと彼女は今日も素晴らしいアガリを引き寄せるだろう。


「みんな攻めっ気が強くて。気持ちで押されてる。」とは北條恵美プロ。

北條 恵美

「亜樹プロは麻雀上手。彼女がいるから麻雀が成立する・・・。」
強いと感じる打ち手と対峙すると、卓内全体の打牌が引き締まるあの感覚。
亜樹が対局者にとっていかに存在感があるかが伝わってくる。
その中でも対局者の攻めを強く感じるということは、決勝進出者の執念である。
北條はそういった今日の対局の空気を誰よりも客観的に捉えている。
「明日はどう戦おうと思いますか?」
「座ってみて、始まってみないとわからないですね。」
確かに、明日の空気を今日は読めない。北條らしい回答だと思った。


「連覇というよりは、挑戦者のつもりで臨みます。」と二階堂亜樹プロ。

二階堂 亜樹

「今日は気負いすぎでした。1回戦からよくアタリ牌が集まってきていましたね(笑)。
初日終了時に50ポイント離されるとキツいなぁと思っていたけど、今日最後の半荘で縮められたので・・・。」
この距離なら、黒沢も充分射程圏内ということか。
「追う立場の方が気持ちが楽ですね。捲るつもりで行きます。」
落ち着いて話す姿が印象的に映る。
それは亜樹がこの後に展開する「粘りの麻雀」の予言だった。




7回戦(起家から北條・黒沢・二階堂・桑原)

桑原が有言実行とばかりに積極的に攻める。
東1局の親番は手牌に恵まれないながらも捨て牌で他家に警戒させ、三元牌の切れない河を作り流局に持ち込む。
続く東2局1本場は6巡目リーチを打ち、安目ながらも1.000・2.000ツモ。

 リーチツモ ドラ

東2局は1.300・2.600。 

 ポン ツモ ドラ

何とか38000、満貫1つ分のリードを取った桑原。
この7回戦は是が非でも自分の半荘にしたい。

小場で進んで南3局まできた。削られながらもトップ目ではある。
でも、桑原が欲しいのは優勝のみ。なら、まだ叩きたい。
ここで、親の黒沢からリーチが入る。

配牌ドラ2の桑原はにチーをかけ、以下のテンパイ。

 チー 暗カン ドラ

ドラがのため、3巡目早々に嫌ったカンを嫌々ツモ切ると・・・。





黒沢、念願の12.000。
が振り替わってのリーチだが、1巡前の選択が難しかった。

 ツモ

がアンカンされているので-のリャンメン振り替わりはない。
でも自分でを切っているため-の振り替わりもない。
一見ドラ表示牌のカンを嫌いそうな場面だが、黒沢は打を選択。
結果はは山に2枚生き、はラス牌。
しかし、トップ目・桑原からの直撃により1人浮きで7回戦を飾った。
今日の黒沢は迷いがない。これで2位・亜樹との差は60.4Pまで開いた。
強気のヴィーナスは、まだまだポイントを叩きそうである。

7回戦成績
黒沢 +30.5P 亜樹 ▲2.1P 桑原 ▲10.8P 北條 ▲17.6P

7回戦終了時
黒沢 +72.9P 亜樹 +12.5P 桑原 ▲22.5P 北條 ▲62.9P





8回戦(起家から北條・黒沢・亜樹・桑原)

南入するまで小場が続き、緊張感が高まってくる。
わずかな点差ながらも黒沢が1人浮きのトップ目。
勝負をかけてきたのは北條だった。

 ドラ

13巡目にテンパイ。は生牌。は地獄待ち。
北條はノータイムで地獄の待ちリーチを敢行。
「あの局はで待つと決めていたから後悔はない。」
リーチ宣言牌と一発ツモ牌にを並べた北條は、対局終了後にさらりと言った。
「2日間通して、みんなよく絞っていて字牌の切りが遅かったから。」
北條はあれだけの大舞台で終始誰よりも人間観察に長けていた。
だからこそ、ここまで生牌だったが山に3枚生きとは読めなかったのだ。
「地獄待ちを選んだのは、これまでの点差を踏まえての直撃狙いですか?」
は山に居ると思った。残り1枚だけど、山に居ればツモる可能性もあるし。」
特に出アガリを期待して選んだわけではないようだ。
「王牌に眠ってる可能性は考えませんでした?」と訊くと、
「考えもしなかった。でも深かったよね。」
北條のテンパイを単騎待ちと読んでいた亜樹はを並べた瞬間の顔色を観察したが、
「絶対裏目っているのに彼女はツンと澄ましていた。」という。
この局は567の三色を交わし手に切り替えた亜樹が1.000点のアガリ。
その後、親でアガった亜樹がトップ終了。

8回戦成績
亜樹 +16.2P 北條 +4.8P 桑原 ▲4.8P 黒沢 ▲16.2P

8回戦終了時
黒沢 +56.7P 亜樹 +28.7P 桑原 ▲27.3P 北條 ▲58.1P




9回戦(起家から桑原・亜樹・北條・黒沢)

前回ラスを引かされた黒沢が、その存在感を存分にアピール。
東2局2本場にまずは得意の三色をダマで決める。
これを皮切りにリーチ一通をアガる。

次の親番では残り1巡でドラ切りリーチを!
そして黒沢、親の1本場で会心の6.000オール。

 ポン ツモ ドラ

配牌でドラのがトイツ。親番なので刻んでもOKの局面。
2巡目の時点でソウズのカンチャンを払い、大物手に仕上げた。
勝負をかけた甲斐あって、これで持ち点は66000点。
トータル2着目の亜樹を18600点まで落とした。勝利は目前か。

しかし、ここで亜樹の粘り強さが光る。
この半荘の着順が勝負処と察して、積極的にリーチや仕掛けを打つ。

 ツモ ドラ

 ハイテイロン

アガリを積み上げ、オーラスは、

 ポン ロン

黒沢から直撃で支払った点棒をきっちり回収。浮きの2着を手に入れた。
首位の黒沢は一瞬たりとも攻めの手を緩めない。
でもポイントを伸ばしてもなかなか亜樹との差が開かない。
もっと前へ、さらに加速する。
逃げ切り意識の弱腰な麻雀ではタイトルは獲れないと自分を奮い立たせていたのか。
それとも、視界から消えない亜樹の影に、前に出ないといられなかったのか。
はたまた、どんな状況でもまっすぐ打ち、答えは牌に聞く。
これが黒沢のあるべき姿なのか。
残り3回戦。その差は48P。

9回戦成績
黒沢 +33.4P 亜樹 +13.4P 桑原 ▲7.9P 北條 ▲38.9P

9回戦終了時
黒沢 +90.1P 亜樹 +42.1P 桑原 ▲35.2P 北條 ▲97.0P





10回戦(起家から黒沢・桑原・亜樹・北條)

東1局に西家・亜樹が出来合い三暗刻をツモアガり、黒沢は親被り。

 ツモ

皆が慎重に慎重を重ねて迎えたオーラス。
親は北條。2人テンパイ、1.000は1.100オールツモと連荘し、トップ目に。

北條 41100
黒沢 25400
桑原 20400
亜樹 33100

2本場でも、親の先制を武器に北條がリーチ。

 ドラ

愚形ながらもマンズの上は待ちごろと踏んだのだろう。
北條は山に残った牌を読み、勝負の指針にする打ち手である。
これに挑んだのは、ここでラスだと残り2半荘アガリに向かえなくなる桑原。
意を決してドラ単騎で追っかけリーチ。

 ドラ

3着目・黒沢は静観と思いきや、ダマの満貫テンパイ。
アガれば2着の浮きにまわり、亜樹を捲れる。





軍配は桑原に上がり、北條がドラを掴む。これでトップは亜樹。
桑原が点棒をしまう。リーチ棒、本場の600点も合わせると…。30000点きっかり。
なんと黒沢、痛恨の1人沈み。
亜樹との差が20.3Pにまで縮まってしまった。
この結果は明らかに感触が良くない。
あと2半荘。亜樹が黒沢を射程圏内に捕らえた。

10回戦成績
亜樹 +11.1P 北條 +4.5P 桑原 +1.0P 黒沢 ▲16.6P

10回戦終了時
黒沢 +73.5P 亜樹 +53.2P 桑原 ▲34.2P 北條 ▲92.5P





11回戦(起家から桑原・黒沢・亜樹・北條)

東2局、亜樹がチャンタ三色のペンを先制リーチ。

リーチの時点では山に残り1枚。
亜樹のツモ切ったドラのに北條がポンの声。

少考後、北條が手をかけたのは
北條は手が遅いようにも見える。
しかし、を切った巡目にを暗刻にし、8.000のテンパイ。
同じくチャンタ系でソウズの下を嫌った黒沢が持ってきたのは
リーチの無スジだが、ツモ切り。これを北條が捕らえた。

 ポン ロン

東3局。北家・黒沢の配牌。

 ドラ

黒沢は、決して良くない配牌を大切に育てた。
ツモはピンズに寄っている。メンホンになってくれるかも知れない。
親は亜樹。安手で蹴っても、きっと彼女を振り切れない。
勝負処で逃げずに本手を作る。この2日間ずっとそうやって戦って来た。
叩ける牌を叩かず、自分のツモ山を信じ、ドラのを引き入れる。
おかげて2枚にしたドラ。亜樹が1シャンテンで切る。鳴かない。
ツモで待望のテンパイ。メンホン七対子ドラ2。
ツモれば亜樹に倍満を被せられる。

そして黒沢がツモって来たのは
マンズに染めている亜樹がこの2巡でと切っている。
は危ない。かといっても危険牌である。
たとえが亜樹に安全牌だったとしても、がフリテンでなくても。
黒沢はここでオリる打ち手ではなかった。だからこそ今まで首位にいたのだ。
歯をくいしばってを河に置く。





「ロン。7.700。」
亜樹の穏やかな声が会場を支配する。
長かった2日間、とうとう亜樹が黒沢を抜いて首位に立った。
「はい。」
凛とした声で点棒を支払い、手牌を伏せる黒沢。
開かれることのなかったその牌姿は黒沢そのもの。実に美しかった。

亜樹は、その後も浮き足立つことはなかった。
2日間ずっとそうして来た。今までと変わらず丁寧に手を作った。
東4局。七対子の1シャンテン。は場に少し打ちにくい。
トイツの牌も枯れていないし、暗刻で抱えた。
待ちごろのを手に留める。
ドラはないが、テンパイしたらリーチか。
黒沢からリーチが入る。ワンチャンスのから勝負した。
が暗刻になる。そしても。
亜樹、ツモり四暗刻のテンパイ。そして・・・、





「ツモ。8000・16000。」
これは決定打だ。
亜樹が最終半荘で崩れ落ちる姿など、もはや想像ができない。

11回戦成績
亜樹 +43.7P 北條 +7.3P 黒沢 ▲25.5P 桑原 ▲25.5P

11回戦終了時
亜樹 +96.9P 黒沢 +48.0P 桑原 ▲59.7P 北條 ▲85.2P





最終12回戦(起家から黒沢・桑原。北條・亜樹)

最終半荘はトータル首位がラス親と決まっている。
黒沢は起家。上家は亜樹。
追う立場の黒沢は、最も厳しい席を引かされた。

亜樹は、思ったよりまっすぐ打っている。
順当にアガリを積み上げ、持ち点は41.100。

南1局。黒沢、2日間最後の親番。
亜樹はをポンして親を蹴りに来ている。
黒沢は最後の力を振り絞ってリーチを打った。

 ドラ

親リーチに対して、亜樹は3フーロの1.000点で真っ向勝負。
確かに黒沢の親を蹴ればかなり楽になる。
それでも、私はそこまで危険を冒さなくてもいいのではと感じていた。

亜樹が危険牌を押したのは何故だろう?

それは、黒沢が2日間見せ続けた好打点のアガリが要因か?
それとも、常に丁寧に打ち続けた自分への自信があってか?
もしかしたら、前に出て戦い続けた黒沢への敬意を払ってか?

 チー ポン ポン ツモ

対局終了後、亜樹に質問してみた。
「ドラも見えていて本手のリーチではないと思ったので。
それでも、ソウズの真ん中を引いたら現物のを対子落とししようと思っていました。」
彼女はどこまでいってもクレバーな打ち手だった。

12回戦成績
亜樹 +17.3P 黒沢 +11.3P 桑原 ▲8.4P 北條 ▲20.2P

最終成績
亜樹 +114.2P 黒沢 +59.3P 桑原 ▲68.1P 北條 ▲105.4P





最終戦が終わった瞬間、自然と会場から拍手が起こった。

優勝決定の瞬間


対局をずっと険しい顔で見守っていた、姉の二階堂瑠美プロが駆け寄る。
彼女も一緒に戦っていたのである。
長い2日間が終わって素の笑顔をみせる2人。
そこには、お姉さんの前で無邪気に喜ぶ、可愛い妹の姿があった。





後列 左から 準優勝:黒沢咲 3位:桑原恵子 4位:北條恵美
前列 優勝:二階堂亜樹



 






(文責:吾妻さおり 文中敬称略)

                              

ページトップ
麻雀格闘倶楽部 好評稼働中!
GyaOバナー白
近代麻雀2
モンド21麻雀プロリーグ
ALRAN
麻雀格闘部呂倶
日本プロ麻雀連盟メールマガジン
トップページ牌画の利用について引用・リンクについて広告についてよくあるご質問お問い合わせサイトマップ
日本プロ麻雀連盟
Copyright 1997-2010 Japan Professional Mahjong League. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
ma-jan.or.jpの記事・写真等の無断転載はお断りします。