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第1期 女流桜花決定戦

女流桜花決定戦 観戦記 〜二日目〜



女流桜花観戦記  二日目

思ったよりも早く会場に着いた。
電気を付け、暖房を入れ、そして軽い昼食を取りながら、対局者の事を想った。
誰が、どんな面持ちで入ってくるだろうか。
昨日のポイント差だと、ホントに今日は全く新たにって感じだなぁ。
それにしても桜花かぁ。さくらは日本産の花、八百万の神が宿っていそうだなぁ。
そんな、とりとめのない事ばかり考えていた。

「おはようございます」
一番手は樫林だ。昨日も一番手だったなぁ、そういえば。
にっこり笑ってはいるが、熱い目をしている。
頑張れ。心の中で、そう呟いた。

続いて優木。
照れくさそうに、「昨日久しぶりに良く寝たの、12時間ぐらい寝ちゃった」という。
私は軽く言葉を返しながら、やっぱり優勝はこの人かな、と感じた。
いわゆる第六感。良く寝たという優木に、すっきりと明るい日差しを感じたのだ。

そして桑原。
昨日とは打って変わって、白のワンピースだ。
昨日よりいける!でも何故だろう、どこかに陰りが見える。
元来、服装は勝負に何の関係もないようだが、その色合いや本人の着こなし具合が、微妙に影響を与えていると私は思う。
色は、一つ一つに意味がある。
赤が勝負に向いているのは、もともと赤には情熱や人を鼓舞する意味合いがあり、無意識にそれに刺激されるからだと考えている。
私の直感は、白が桑原さんの性質とマッチしていないことを感じていた。
ならば、白のワンピースが桑原さんにとって逆の意味を取り防御服となりますように。
そう願った。

最後に現れたのは安田。
今日も最後かい!っと軽い突込みが飛ぶ。笑っている安田。
ん〜〜〜、やっぱりコメントし難い雰囲気を持ってるなぁ、まぁ好きなんだけどね。
今日は何をやらかしてくれるかしら、と期待した。
でも、そのスカートはさすがに短すぎるぞい麻里奈ちゃんっ。ドキドキしちゃうよ。

と、皆の会話で少し和みムードの中、今日もあの桜の精が姿を現した。
「今日は、君に素敵なドラマをプレゼントするよ。」






7回戦

二日目が幕を開ける。桑原と樫林が攻撃モードだ。
桑原は東2局親番でチャンス手をツモる。
東2局1本場  東家 桑原  34,200  +11,700、1300  ドラ

  ツモ

樫林は特に手が入るが、4局連続空振る。しかし今日は、そんな事で落ち込んではいられない。
東3局3本場    西家 樫林 3巡目リーチ 21,800 +12,000 2,900  ドラ

  ツモ




              樫林 愛子


見事に「早い、高い、広い」をクリアした手を和了り切り、桑原に続く。
安田は、今日も手が重い。
しかし無駄な振込みがなく、飄々と打っている。
彼女は大物手のイメージも持っているが、その実、今日の4人の中で一番ディフェンスに長けている気がする。
相手がヤミテンでも、牌姿から考えると打ってしまいそうな当たり牌を何回も止めている。
本人曰く、嫌な気がするのだそうだ。そしてよく耐えている。
この花は、近い将来きっと開花するはずだ、と感じた。


さて好調な桑原に疑問が起こる。

東4局、優木が親番である為か4巡目、この牌姿から チー!

東4局1本場  西家 桑原 41,400  ドラ

  チー


優木は今日まだ和了りはないが、着々と手を入れてきており、この親番を蹴りたいという気持ちはよく分かる。
だが、しかしである。
せっかく調子に乗ってきている自分を危うくするチーだと感じずにはいられなかった。
この局は、早い平和聴牌の安田が和了って終了、事無きを得る。
そして南場に入り、やはりと思ったが優木の手が軽快になってきた。
機を見て和了りを拾って迎えた南3局。ドラを鳴いた樫林を制してツモる。
続く南4局の親番で、桑原を討ち取った!トップ逆転!

着実に歩を進める優木、離されぬよう追いかける桑原。あと5回戦。




(7回戦終了時)
優木 +31.2  樫林 +2.9  桑原 ▲7.6  安田 ▲36.5




8回戦

いきなり安田が見事なチンイツを決めた!
安田は、行けると感じたときは、他の手組みへの保険をかけないで打つ。
それが決まると、見ている方も実に爽快だ。
しかしこの回は桑原もチンイツを和了る等、安田、桑原、優木の間で点棒が移動し、一人置いてかれた樫林は厳しくなる。




(8回戦終了時)
優木 +34.4  桑原 +7.3  樫林 ▲22.1  安田 ▲29.6





「このままじゃあ面白くないからね。」
そっと誰かの囁く声がする。




9回戦

どこからか生暖かい風が吹いてきた。
桜の精が口笛を吹きだす。この耳慣れた音楽は・・・。
「運命」。
後がない樫林は東1局の親番、早々に混一の仕掛けをしている。
それを受けた桑原のリーチ宣言牌のドラを鳴いた優木は、手順ミスから樫林に放銃!
「12,000」  
東1局0本場  東家 樫林 ドラ

  加カン  ポン   ロン (9巡目)



続く1本場、今度は安田が混一の仕掛け。そして吸い込まれるように放銃する優木。
「8,000は8,300」
東1局1本場  西家 安田  ドラ

  ポン  ロン (6巡目)



そして次の東2局、親の桑原が混一である。実にタイミング良く当たり牌をツモ切る優木。
「7,700」   
東2局0本場  東家 桑原  ドラ

  ポン 白 ロン (5巡目)

本人は後で、自分の手順の悪さから振ったものだから自分が悪いんだと思ったという。
3局連続放銃、しかも合計28,000点。
しかしどの局も順目が浅く、一概に手順ミスというには、同情を禁じえない。
優木はすぐに挽回できるだろうか?
しかし、嵐はまだ終わっていなかった!
これは!と思う配牌から次局6順目にメンホンチートイツを聴牌する優木。
今度は優木の番か、と思う傍らに、本当の嵐があった。






配牌から国士まっしぐらの安田。
秀逸なのは、何よりも を止め、離したタイミングである。



             安田 麻里菜

ここでしか離せない 、そして国士無双聴牌。 は山に2枚。
誰が掴むか。これまでの3局から考えるとまた優木なのか。「掴まないで!」と祈る自分がいた。
次の瞬間、会場にどよめきが起こった。
打ったのは樫林だった。
最初の勢いも虚しく、樫林の条件はかなりきつくなる。事実上、ここで脱落となった。

この9回戦これだけ激しく動いてもまだ東2局。先は長い。
東4局、親で踏ん張りを見せる優木。
安田が点棒の重みからか、遠い仕掛けを入れる。しかしそれで好牌を寄せた優木は勝負手のリーチである。
しかし安田も凄い。鳴いてからツモが効き、1,300の手で押し切ってしまった。


東4局1本場 ドラ

東家 優木 7,000  

北家 安田 69,600    ポン   ロン


しかし優木は、やはり回復が早い。この親番を気に、また着実に手を育てていく。

南1局2本場にはドラのラス をツモり、点棒補強。
最終的にはラスになるのだが、そんなにひどい沈みにならず終了。
ただこの9回戦でついにトータルポイントで安田と入れ替わってしまった。

「よく耐えたね。」桜の精は優木の元に戻る。

優木の頬が紅潮してくる。残り3回戦。




(9回戦終了時)
安田 +18.3  優木 +9.9  桑原 +2.9  樫林 ▲41.1




10回戦

東場から皆、攻めっ気を前面に出してきた。軽い手の応酬が続く。
そんな中、優木が微差ながらリードしている。
彼女は追いかける立場の方がいいんだっけ。そんな事を思い出していた。
優木の傍にいる桜の精が違う曲を奏で始めた。名曲「ボレロ」。
そして、その時は来た。


南3局0本場




意地でもドラにくっつける意思の手順。意外にもくっついたのはドラ!
そしてこれを迷わずシャンポンリーチ!
なんと和了り牌は山に3枚もいるのである。
桑原も面前で攻めて、一通確定の入り目を良しと感じたのか、リーチに踏み切る。
しかし、その和了り牌は一枚も山にいなかった。



              優木 美智


私のメモ帳にははっきりと、「優勝への一歩だ〜」と書かれている。
ちょうどこの時は優木の後ろで観戦しており、優木がここから負ける姿がどうやっても思い浮かばなかったからだ。

結局10回戦はこのまま優木トップで終わる。
しかしもう1局、是非紹介したい局がある。


南4局0本場



桑原はなんと待ち牌を片方はポンされ、片方は暗カンされている に取る。
確かにシャンポンにとっても実質は2枚しかなかったのと(まさか)との思いから、誰が掴んでも出そうである。
後はシャンポンに取ると出上がりでは安田直撃でないと、安田をかわせない。3,900を取りにいったのであろう。
実際はなんと鳴いた本人優木がこれを掴み、少し考えて加カンせずに放銃した。
桑原の執念を見た思いだった。




(10回戦終了時)
優木 +38.1  安田 +12.6  桑原 +0.4  樫林 ▲61.1

まだ、安心できる点差ではない。あと2回戦。




11回戦

嵩にかかって攻める優木の手は、本当に落ちない。毎局なんとかなりそうな手が入る。
東3局、ドラを重ねてすぐに鳴いた優木はこの回のトップを決める3,900オールを和了る。
鳴かせた安田も聴牌なのだが、いかんせん優木の和了り牌の方が先に山にいるのだ。
この局後も安田は必死にくらいついていくが、ロン牌をつかみ耐える展開に戻っていた。
やっと追いついても、直後に優木が和了る。
優木の傍らで桜の精はやさしく、そして力強く、「喜びの歌」を口ずさむ。
優木は気持ちよさそうだ。
軽い、高い、自在な手が入り、また和了れる。
見ていても肌で感じるのだ。あっこれもツモるなと。
そして最後になんとか原点まで戻した桑原に対し、安田はズルズルと点棒がなくなる嫌なラス。もう誰も優木に追いつけない。




(11回戦終了時)
優木 +72.7  桑原 +4.4  安田 ▲15.5  樫林 ▲71.6




12回戦

一縷の望みをかけた桑原の戦いが始まる。

まずは地道な点棒稼ぎ、そして親での連チャン。
そうなりたいであろう。
しかし優木も、もちろん手を緩めない。また捌ける手も入っている。
ドラマは起こるのか、、、東2局の親番を優木に蹴られた桑原の最後の親が回ってきた。
配牌は悪くない。7順目に234の三色が見えるイーシャンテン。
しかし来ない。
ツモ切りが続く。



              桑原 恵子

15巡目、やっと持ってきたのは三色も、なんの役もつかない
ここで聴牌取らずなど誰もできないだろう。
リーチを打って出る桑原。しかし無常にもその第一ツモは、あんなにも待ち焦がれた だった。

「ロン」

優木が手を開ける。

その瞬間、桑原は確かに笑っていた。
その顔を忘れることができない。諦めと自嘲と何かがぬけていく、そんな切ない笑い顔だった。



終了後のインタビューで、この の事を聞いてみた。

「麻雀の神様が、今日は駄目だと言っているような天命を感じた」
ホントに悔しさも通り越している桑原の、やるせない気持ちが伝わってきた。

そしてオーラス優木が静かに牌を伏せた。
会場が安堵の空気に包まれる。
じわじわと起こる拍手。

その拍手を耳にした桜の精は、小さくそっと呟いた。

「おめでとう」



(12回戦終了時)
優木 +87.9  桑原 +2.9  安田 ▲19.7  樫林 ▲81.1











季節が移り、桜もまもなく咲くだろう

「いろいろなこと おもいだす さくらかな」  芭蕉の句である。

戦い終えた戦士も、観戦していた私たちも、桜をみて思い出すだろう。
桜は人に優しさと、そして、少しの切なさをくれる。
優木に惚れた桜の精は、春が来るたびに笑うだろう。
花の好きな優木は、きっとそれを感じ取る。
今から一年、優木が皆の桜になるのだ。
それはとても愛らしく、頑張りやで、皆に愛でられる花であろう。






前列 優木 美智
後列 左から 樫林 愛子 桑原 恵子 安田 麻里菜







(文責 天音まこと 文中敬称略)

                              

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