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第1期 女流桜花決定戦

女流桜花決定戦 観戦記 〜初日〜



2月24日(土曜日)
暖冬と騒ぐ世間を余所に肌寒い風が吹く中、4人の女性が現れた。
その女性の香に惹かれ、やってきたのは桜の精。
桜の精は古来、若い美青年であるらしい。
桜花と名づけられたこのタイトル戦を、どんなものかと見物にやってきた。

白のブラウス白のタイ。
顔立ちのとても愛らしい女性が上着を少し貴公子風にしている。
桜の精は興を感じ、彼女の後ろに舞い降りた。



優木美智



ーー 名前の優は伊藤優孝の優、智は藤崎智の智。
沢崎誠は俺の字が入ってないなあと笑っていたが、まあ字数に限りがありますし・・・。
連盟に入って間もなく3年目。いろいろな先輩に可愛いがられ、指導を受けている。
一言で言えば、努力家。
そして、得意料理は「酢豚」と、とても家庭的。
「嘘をつかない人が好き」という言葉を言った後、「自分は嘘がつけないから」と。
続けて、「でも人の為につく嘘はあります。」
そうだよね、と納得しながら聞いていた。
彼女からは、いろいろな事の端々に、意思の強さを感じる。
プラス、バイタリティー。
そんな彼女は、今日も多くの人の応援メッセージを胸に、この舞台にやってきた。
優木美智
   
   
   



1回戦、東1局2本場。誰もが先制したい緒戦。

西家 優木美智 30,500   +8,000  ドラ



配牌    

ツモ  ポン    

 打      

最終形     ポン    ロン

場合によっては染めたいくらいの牌姿だが、すぐにドラを重ねマンガンのイーシャンテンにすると、この大事な緒戦の勝負手を成就させ、幸運を引き寄せる。
続く局もドラ2でリーチし、ラス牌のカン を力強くツモ。


桜の精もにっこりと笑う。
とても好調な滑り出し、今日の天運は優木にあるようだ。

一方、優木の対面に座っている女性が、訝しげに首を捻っている。



桑原恵子



山口出身の強気を前面に出すファイター。
女で麻雀ができたら格好いいと独学で覚え、反対する両親を説得して東京へ。
小島武夫、荒正義への憧れが、彼女に日本プロ麻雀連盟の門を叩かせた。
連続昇級出来なかったら田舎に帰ろう、という意気込みで臨んだリーグ戦では着実にステージを駆け上り、現在はB2リーグ所属。
連盟に入り4年が経った今、両親、姉妹とも、今は一番の理解者であり、誰よりも一番に応援してくれている味方である。
その証であるかのように、腕には、妹が今日の為にくれたというブレスレットのお守りが付けられていた。
趣味はボーリング、アベレージは150。
他に裁縫の免許も持っているらしい。多分麻雀を知らなければ、きっと山口でいいお嫁さんになっていたんだろうなぁと思える側面だ。
でも、そういった道を、彼女は故郷に置いてきた。
もう、後戻りなんて出来ない。
この4年、彼女の言葉を借りれば、気合だけで突っ走ってきた感があるそうだ。
その想いの強さが、彼女の気に表れている。
夢は「鳳凰位」とグランドスラム。
その足掛かりとしての「女流桜花」、是非欲しいタイトルである。
ーー
 
桑原恵子


表情に多少のこわばりはあるものの、起家で始まった東1局を一人聴牌。続く1本場も聴牌。
さて、そろそろエンジン掛けますか、というところで優木の仕掛けに捕まった。
本人は「なんのこれしき」くらいの心境であったろうが、少し辛い展開になるかもしれないな、と思った。

しかしその桑原を楽にしたのは・・・。
東3局、ドラ

「リーチ」の声を、樫林は飲み込んでしまった。
「もう一枚の中を掴んで、誰かがドラ単騎だったらどうしよう…まだ1回戦だし。」
と、樫林が思ったかどうかはわからないが、役なしドラドラをダマにする。
その慎重さを、桑原が仕留めた。
結果、1000点の放銃である。が、点数以上の痛みが樫林に走り、桑原は少し楽になったように感じた。



樫林愛子



 ーー  
神戸出身のプロ4年目。
大学で麻雀を覚え、初めて放銃した役が「八連荘」(ローカルルールです)
初めて和了った役が「国士無双」と、役満に少なからず縁のある女性だ。
東京に遊びに来て、先輩プロに連れられ入ったフリー雀荘でいきなり、
「リーチ一発ツモ、四暗刻、小四喜」を炸裂させたらしい。ああおそろしや。
長崎県の大学生時代、地元のコスモス杯という長崎の女性を対象にした麻雀の大会で、ゲストに来ていた清水香織プロを知る。
憧れた。
同時に、フリーで引け目を感じてしまう臆病な自分と向き合い、
もしかしたら、麻雀プロになれば、もっと強い自分に巡り逢えるかもしれない、
と、連盟九州支部を受験。1年後、東京行きを決心した。
大学院を卒業する目前、
「東京に出て、麻雀プロ活動をしたい」と言おうとすると、それよりも早く母に止められた。
母は娘の行動を見て、心の中はお見通しだったらしい。
その母の意見を取り入れ、今は神戸から、時間の許す限り東京に来ている。
「もっともっと公式戦に出たいんです。
金銭的、時間的な理由から、今は全部出られないから。」
彼女は第4期プロクィーンも決勝に出場している。
多くの犠牲を払う地方在住者の情熱、そして健闘には本当に敬服する。
樫林愛子
 



東4局、
楽になったはずの桑原が油断する。


ハイテイで掴んだ2枚切れの 。万全を期したはずだったが、今日初対戦となる安田の気配を感じ取れなかったのか、その当たり牌を抜き打ってしまう。

「7,700点」



安田麻里菜



秋田から時々東京に出稼ぎに来る不思議な女流プロ。
彼女は正真正銘若いはずなのだが、なんだか落ち着いている。
いやはっきり書いてしまおう。彼女は初日、慣れない東京の道に迷い、遅刻をしてしまった。
もちろんしてはいけないことで、それ自体は非難を受けて然るべき。
少しの時間とはいえ、▲10ポイントのペナルティーが付いた。
栄光への道にも迷ってしまったな、との周囲の不安は何処吹く風、
息を切らすでもなく卓に溶け込んでいる。口を開けていないと息が出来ないと言う事で開いている口元が、焦りを感じさせない。

「寒いところで育ってるんで、東京は暖かいからこの格好で平気なんすよ〜」
という彼女の服装は、魅せる下着にラフなジャージっぽい上着。あっ胸元が開いててセクシーだよね〜〜。
いやいやいや、そういう問題じゃないぞ!
しかしはっきり言えるのは、なんというか魅力があるのだ。その言動や振る舞いに。
そして彼女の本質は、きっと暖かい。
今回は全体的に厳しい展開だったけれど、誰よりも打っている姿が堂々としていて、
今後の活躍を期待させてくれた。

ーー
 
安田麻里菜
   
   

さて、全員の紹介も終わり、話は局面へと戻る。
桑原は、特に1回戦目と言う事もあるからか、毎局参加してくる。
それが良い方向にも悪い方向にも作用して、和了りも多いが放銃も多い。
1回戦南2局は、そんな桑原に前述の局の後悔からか、行き過ぎた樫林が7700点を献上。
結局、他家の争いを尻目に優木が一人浮きのトップ、大事な緒戦を最高の形で飾った。




1回戦終了時
優木 +34.4  安田 ▲1.2  桑原 ▲12.1  樫林 ▲21.1





2回戦はオーラスにドラマが待っていた。



あまり波に乗れていなかった桑原だったが、南2局にドラ2をツモりあげ、原点付近まで復活していた。
そしてオーラスは、皆に本手が入ったぶつかり合い。
このぶつかり合いを征した桑原に大波が来る、そう期待させた。




2回戦終了時
優木 +42.3  桑原 +3.5  安田 ▲7.6  樫林 ▲48.2




3回戦

波に乗ると思われた桑原が、いきなりの放銃。
初日の感想を後で桑原に求めたときに言っていたが、少し調子が上がったかなと思っても、
半荘が変わると別物になっていた、と。
その反面、半荘が変わっても以前好調なのは優木。

3回戦、まずは樫林がエンジンを全開にする。東場に攻め続け、大量リードを奪う。
優木もしっかり和了って、樫林に追いつく勢い。
しかしここ一番の見せ場は、やはり桑原だった。

オーラス。
トップ、二着とも30,000点も離れた三着目の位置から自分の親を迎えると、じわじわと粘り始めた。
1本場、2本場、3本場、と場が長引けば、周りの判断も少しずつ狂い出す。
3本場は当面の敵、優木から11600点の大きな和了りでついに浮きに回り、優木を射程圏内に捉える。
4本場、捌けるはずの樫林が、押せずに逆に放銃してしまう。
こうなったら、桑原の勢いは止まらない。
ようやく7本場、じっと点棒を削られ続け我慢していた安田が捌いて終了。




3回戦終了時
優木 +45.5  桑原 +26.6  樫林 ▲35.9  安田 ▲46.2




4回戦

3回戦の大きなラスが安田を奮起させた。
東2局、手を混一に決め打ち、桑原から討ち取る。


西家 安田 28700  +8000   ドラ  



   ポン    ポン    ロン

後は要所要所だけ前に出て、点棒を積み重ね、初トップ。
彼女を見ていて思うのは、無駄な放銃が少ない。そして、押し引きがしっかりしている。
3回戦こそ不本意な結果になったものの、かなり安定感のある麻雀かもしれない、と思った。




4回戦終了時
桑原 +30.3  優木 +19.3  安田 ▲25.3  樫林 ▲34.3




5回戦

4回戦のラスで、優木が初めてトータルトップの座を退いた。しかし焦りは見えない。
私は常々感じる事がある。優木は回復が早いと。
振ってもすぐに取り返すのだ。だから今回もすぐに挽回してくると感じていた。

南1局、やはり優木の手は順調だ。樫林と色場対決になるが、それを制してトップ目に。

西家 優木 33900 +8000  ドラ



   ツモ

しかしオーラス、移り気な桜の精が、突如として樫林に微笑みかけた。
「君はいつもきれいな手を創ろうとするね。今回はそんな君に御褒美だよ」
そんな台詞の聞こえそうなツモだった。
「九連までいって欲しい。」観戦者もきっとそう思ったろう。


南4局0本場  西家 樫林 30800  +16000  ドラ  



   ツモ

九連にこそならなかったが、十分な倍満。樫林が息を完全に吹き返した。



5回戦終了時
優木 +30.9  桑原 +8.1  樫林 ▲9.5  安田 ▲39.5




6回戦

先ほどの樫林の余波を受けたのか、染め手の和了りが続く。
まずは東2局、安田。
7巡目に和了ってる形を崩し、ホンイツへ。普段出来ても、決勝という舞台においては難しい手順も、安田はキッチリ結果を出す。


東2局0本場  南家 安田 30,000  +3900  ドラ    



   ポン    ロン

東4局は樫林の染め手が決まる。

東4局0本場  西家 樫林  36700  +5200  ドラ  


   ポン    ポン    ツモ



南2局は桑原だ。


南2局0本場  北家 桑原 25400  +5200  ドラ



   ポン    ツモ

南3局にはまたも安田が

南3局0本場 東家 安田 26600  +12000  ドラ  



  ポン    ポン    ポン    ツモ


この並びで終わると明日が面白いなと不謹慎な考えに支配される目の前で、オーラス
優木の親番が来た。
「ポン」「チー」「カン!」え〜〜〜っ
優木にこのままラスを引いてもらおうという気持ちは大いに解るが、この鳴きはという凄い鳴きである。





後で聞いた時に、とにかく優木さんの親は落とさないと、と言っていたが、
これが所謂「和了りに向かわない鳴き」なのだろうか?
結局は誰にも有効牌が入らず、それでも終局間際に聴牌を入れた優木の一人聴牌。
次局あっさり終わるのだが、そこに暗雲が広がり出すのを感じずにはいられなかった。
あの場で唯一聴牌できた優木。共倒れに誘い込むはずが失敗に終わった桑原。


一晩経てばまた振り出しに戻る。今日の流れも変わっていくはず。
そう信じたい4人の選手に、今日の感想と明日への意気込みを聞いた。




優木美智  +12.2 「反省する局がいっぱいです。トップで折り返したという感じはしない。」


桑原恵子  +1.8  「手応えは感じている。今日の戦いで個々の特徴は理解できました。」


樫林愛子  ▲1.9  「明日はこの5、6回戦の調子をキープして行きます。
              今日は行き過ぎた場面があったので、明日は我慢します。」


安田麻里奈 ▲22.1  「いまいち悪かったです〜〜。」



対局が終わり、個々に散っていく対戦者達。
その様子を眺めつつ、桜の精は考えた。「そうか、明日はもっと魅力的なドラマを創ってみよう。」
そして自分の宿る木へ戻りつつ、優木の事を思った。
「彼女に明日大きな嵐を与えよう。それに耐え抜いた彼女はきっと、綺麗な花を咲かせられるはずだから・・・。」

そうと知らない優木は、いつもよりも早く床に就いた。体が自然に眠りを貪る。
明日の英気をその小さな体の隅々にまで行き渡らせる様に。







(文責 天音まこと 文中敬称略)

                              

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