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第26期 鳳凰位決定戦

鳳凰位決定戦観戦記 〜二日目〜

(執筆:滝沢 和典)


___前原雄大はタイトル戦決勝の数ヶ月前から“調整”に入る。
主に若手から希望者を募り、くる日もくる日も打ち続け、どっぷりと麻雀漬けになる。
実にハードな調整セットだが、なぜ前原がこの方式を取るのか。

前原は『深く考えシンプルに打つ』ということをひとつのテーマとしている。
シンプルに打つことは誰にでもできると思われるかもしれないが、下手にセオリーが身についてしまうと、なかなかこれができなくなってしまうものなのだ。

中途半端に理屈を覚えると、放銃を必要以上に悪とするようになる。
すると手が縮こまってしまい、伸び伸びとしたバネのある麻雀が打てなくなってしまう。
伸びのあるストレートが投げられなくなれば、変化球に頼る弱々しい形に到達してしまう。
前原は、調整で繰り返しストレートを投げ続ける。
前原にとっての調整とは、無用な理屈を削ぎ落とす作業なのではないかとも思う。

トータルポイント最下位の瀬戸熊だが、終わり方が良かった。
もし、6回戦で1人沈みのラスを喰らっていたら・・
今日はどうでした?と一日目が終わった時点で瀬戸熊に話しかけたところ、

『フラフラだったけどよくこのポイントで踏みとどまったなと思う』

と、さわやかに返答してくれた。

初日を終了した時点で、一番気を良くしていたのは瀬戸熊だったかもしれない。
しかし、いくら観戦記者という立場であっても、ピリピリとした空気の選手に話しかけるには勇気がいるものだ・・・

2日目、今日からは会場を新橋に移して行われる。
まだ1回戦が始まる前にもかかわらず、会場全体が緊迫した雰囲気で包み込まれている。
この独特の緊張感が実に心地よい。




7回戦
(起家から、瀬戸熊・前原・柴田・板川)

瀬戸熊(▲30,9P)→前原(▲11,2P)→柴田(+26,3P)→板川(+15,8P)

東1局9巡目、起家・瀬戸熊の先制リーチからスタート。

 ツモ ドラ

ドラを残してテンパイとらず、テンパイをとってヤミテン、を仕掛ける?
様々な選択がある中、瀬戸熊は即リーチを選択。
焦りや不安感から打っているものなのか?気合の表れなのか?それとも余裕あってのことなのか?

結果は、他家をおろして1人テンパイでの流局。
どんな精神状態でリーチをかけたかは、本人しか知らないことではあるが、ともかくは良い結果に転んだ。

東1局1本場、3巡目に前原がをポンして捌きにかける。
初日に続き、やはり前原はシンプルな手を打っていく。
瀬戸熊は12巡目にテンパイ。

 ドラ

力のこもった盲牌。瀬戸熊は初日最後のテンションそのままだ。
一夜明け、最初から最高の精神状態、集中力で対局に入ることもプロの技術なのである。
結果は、瀬戸熊、柴田の2人テンパイで流局。 

次局、板川から前原に1,300の放銃で瀬戸熊の親が落ち、前原の親番。

東2局1本場、

 ツモ ドラ

瀬戸熊が自然な7巡目リーチで一発ツモ。
プロ連盟Aルールには一発がなく、得点には関係ない一発だが、初日の出来の悪さにモヤモヤしていた瀬戸熊にとって、
気分を変え、風向きを一変させるきっかけになる1局のような気がした。
さらに言えば、本人も警戒していた前原の親番である。
ここで瀬戸熊の中で気持ちの整理がついたのではないだろうか。

病は気から、麻雀の好不調も気から。
勝負事全般でよく耳にする、「流れ」というものは人の感情が作り出しているのでは?
というのが私の見解だが、例えば麻雀においてはこんな局をきっかけに流れが変わると信じ、メンタルをコントロールすることも大切なのではないかと思う。

1局さかのぼって東2局、瀬戸熊にこんな場面があった。



ここから打
前巡の、前々巡の、ともに前原のリーチに対する安全牌なのだが、客観的に見ている自分からは打にも打にも、瀬戸熊の迷いを感じた。
押すべきか?親リーチに対して素直に退くべきか?もちろんツモが利かなければどうしようもないのだが、
意識が攻撃的であるかどうかといえば、とてもそうは見えなかった。

それは、初日が全体的に不調であったことが大きく影響しているのだろうが、流局した前原の手牌を見て瀬戸熊が何を感じたか?
自分の捨て牌と手牌を照らし合わせ、アガリ形を並べていないか必死に確認したに違いない。
実際にはアガリ形を並べてはいなかったが、前原の愚形リーチに手を曲げてしまったことは事実。
頭がぐちゃぐちゃになってしまうか、それともハッと思い直すことができるか。

ここで、瀬戸熊が自身の感情をどう処理できるかが2日目のカギとなるだろうと思った次局に、前述の一発ツモだ。
自身が手繰り寄せたものなのか?他家のミスが呼んだのか?運命的なものなのか?全て偶然の産物なのか・・・
解釈は読者の自由だ。

2日目の初戦・第7回戦、瀬戸熊は初日のマイナスを全て取り戻す大トップで終了。

7回戦成績

瀬戸熊+30,9P   前原+4,4P  柴田▲14,8P  板川▲20,5P

7回戦終了時

柴田+11,5P   瀬戸熊±0P   板川▲4,7P   前原▲6,8P



8回戦(起家から、柴田・板川・前原・瀬戸熊)

東1局、板川のトイツ落とし2枚目は高めとの入れ替え。

 ツモ

瀬戸熊は一切の躊躇なく、板川の現物待ちで追いかけリーチをかけた。
で放銃となった瀬戸熊の目が捨て牌全体に走る。リーチ後の中スジになっている4だ。

{ヤミテンならどうしたか?やっぱり打つな。なら良しだ。仕方なし!!}

そんな雰囲気でさわやかに点棒を支払う瀬戸熊。
7回戦を終え、全員のトータルポイントがほぼ横並びになったが、四者の感情にはすでにバラつきがあるのだ。

東4局1本場。

板川にはドラが3枚だが、三者からの仕掛け。
一体誰がホンモノなんだ?

板川はあっさりと抜き打ち。
もちろん誰がホンモノであろうと、には手をかけるべきではなく、当然の打牌ではあるが、終始、板川からは決勝常連の落ち着き払った様子を感じる。


板川 和俊


手牌をオープンすると・・・・

不安定な形から捌きにかけた柴田はピンズですでに受け気味、同じく捌きに出た前原は、ポンして1シャンテンからやはりピンズと字牌を打ちきれずにオリ。
結果、瀬戸熊の6,000オールが決まり手となり、瀬戸熊の連勝。

 ポン ポン ツモ

8回戦成績

瀬戸熊+21,7P  板川+6,0P  前原▲5,5P  柴田▲22,2P

8回戦終了時

瀬戸熊+21,7P  板川+1,3P  柴田▲10,7P  前原▲12,3P



9回戦(起家から、前原・板川・瀬戸熊・柴田)

運営席で沢崎誠プロが、

『前ちゃん、ここまでドラが異常に少ないなー、技術がなければ、40Pp〜50Pは沈んでるんじゃない?』

派手なアガリも必要だが、失点を抑えるための地味な作業も同じく大切であるということだ。
一つ一つの“作業”が最終的には大きなポイント差となる。
そして、たった一回のミスが大きな失点となる。しかし、ミスを怖がり過ぎては勝ちきることはできない。
一瞬たりとも気が抜けない、厳しく、苦しい戦いなのである。

東4局、ここでの打ちはどうか?

「鳴かれてから考えればいいじゃないか」というようでは甘い。

ホンイツ模様の柴田からは字牌が打ち出されており、手牌の中はソーズと字牌だけになっていることが予想される。
だから、を持っている確率が高い。
すでにフラットな状態ではない以上、ここがこの局の分岐点なのだ。

さらに板川から五六七の仕掛け。これは柴田のポンの後に仕掛けられたものである。
板川が先か後かということが大きなポイントであり、後ならそれなりに戦うつもりのある仕掛け、先ならX。
それが上級者同士の戦いの常識のようなところはある。

前原はすべて踏まえた上でに手をかけたはずだ。
結果、前原から柴田に放銃(11,600)で終局となるのだが、を打つ時点で戦う姿勢があるのかということで、質の高い低いが読み取れるのである。


前原 雄大

 

9回戦成績

柴田+13,9P  板川+8,6P  前原▲8,1P  瀬戸熊▲16,4P  供託2,0P

9回戦終了時

板川+9,9P  瀬戸熊+5,3P  柴田+3,2P  前原▲20,4P   供託2,0P



10回戦(起家から、柴田・前原・瀬戸熊・板川)

静かに局が進み、東4局。

5,200放銃は瀬戸熊。一般的にオリ打ちは恥ずかしいと言われることが多いが、これは実に微妙。
瀬戸熊のは板川のに合わせた格好だが、前原のは手出し。
しかし、前原の最終手出しのは、場面に4枚目のトイツ落としである。

少々細かい話しではあるが、キーとなるのはその前の打
リーチを受けた前原が、それまで安全牌しか打っていないのに、スジとはいえ一枚切れのを打ったあと4枚目のを手出し。
板川の単騎待ちが否定できない以上、打の時点ではまだ前原に攻める意志があったのではないか、もしくは一は暗刻打ちか、と考える。

この切り巡について瀬戸熊がどう考えたかはわからないが、いずれにせよ、安全牌が少ない瀬戸熊は、
前原に万が一のテンパイが入る前に、今通ったばかりのを処理しておきたいところではある。
一見、何気ない1局に見えても、卓の上では様々な意識の戦いが繰り広げられている。

南2局、北家・柴田の4巡目。

 ツモ ドラ

ここで柴田は、ノータイムで打
場に高くなるであろうソーズを厚く持ち、三色は落とさない。


柴田 弘幸


時間をかけずに打つことから稽古量が伺える。
想定通り、一二三の三色に仕上がったが、結果は12,000の放銃。

10回戦成績

瀬戸熊+19,7P  前原+14,0P  板川+2,3P  柴田▲36,0P

10回戦終了時

瀬戸熊+25,0P  板川+12,2P  前原▲6,4P  柴田▲32,8P  供託2,0P



11回戦(起家から、瀬戸熊・柴田・前原・板川)

東1局、起家・瀬戸熊が5巡目テンパイ。

 ドラ

今日の初戦、7回戦目の東1局のリーチを思い出す・・・

 ドラ

今回はヤミテン。ドラなしであることと、雀頭がダブ東であること。
もちろん、まったく違う手牌ではあるのだが、冷静さと大胆さを兼ね備えた、強い瀬戸熊直樹が顔を見せつつある。

テンパイ直後に、下家・柴田からをポン。
決して“思わずポン”ではなく“当たり前のポン”であった。
ドラを喰い取り待ち変え。次巡、ツモで4,000オール。

 ポン ツモ

瀬戸熊のトップ走者らしい、素直な捌きで局が進み、またまた瀬戸熊トップ。

11回戦成績

瀬戸熊+26,6P  柴田▲1,2P  板川▲3,6P  前原▲21,8P

11回戦終了時

瀬戸熊+51,6P  板川+8,6P  前原▲28,2P  柴田▲34,0P



12回戦(起家から、瀬戸熊・前原・板川・柴田)

2日目の最終戦である12回戦。

トータルトップに立った瀬戸熊、開局でドラポンに放銃。

東2局、7,700放銃した次局の瀬戸熊。5巡目にこの手牌、

テンパイ取らずとする人も多いと思うが、瀬戸熊はスッとを打ち、すぐに下家・前原から1,000点のアガリ。

続いて東2局も、

 ロン ドラ

ヤミテンで2,600の出アガリ。

一発裏ドラのないプロ連盟Aルールでのこの2局面。フラットな状況なら高く仕上げたい手牌だが、瀬戸熊は2局とも局回しに徹した打ち筋を見せた。
瀬戸熊がトップ走者であるからこの2局が生まれたのであって、瀬戸熊がトータルでマイナスしていれば、
またポイントを持っているのが違う人間なら、まったく違う2局になっているであろう。
運営として、数々の対局を客観的に観戦してきた瀬戸熊が考える決勝戦の戦い方が、こういったところに現れるのかもしれない。


瀬戸熊 直樹

 

東1局の7,700放銃などものともせず、瀬戸熊がトップで2日目が終了。

12回戦成績

瀬戸熊+24,9P  柴田+18,9P  前原+4,4P  板川▲48,2P

12回戦終了時

瀬戸熊+76,5P  柴田▲15,1P  前原▲23,8P  板川▲39,6P

 




(執筆:滝沢 和典 文中敬称略)

                              

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