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第24期 鳳凰位決定戦

鳳凰位決定戦観戦記 〜二日目〜

(文責・紺野 真太郎)

二日目の朝、会場に着くと、来ていたのは昨日と同じ望月と仁平の二人。
「今日もベテラン二人は武蔵かな・・」
そんな事を考えていると望月が近づいてきた。
「おはようございます」
挨拶を交わし望月の顔をみると目が赤い。
「寝れなかったの?」と尋ねると、
「そんなことはないんですけど、夜中に起こされちゃって・・」
聞けば、自分の部屋と間違えたホテルの客にドアを叩かれ起こされたようだ。
普段なら笑ってすますようなことだろうが、気の毒である。
そうこうしていると朝武が現れた。昨日もそうであったが、朝武が姿を見せると空気が明るくなる。そういう人柄である。


開始までまだ間があるので、立会人の瀬戸熊に話を聞く。
「瀬戸熊さん的には昨日はどう見えました?」
「ほら、昨日はトイツ手が決まらなかったじゃん。七対子とかトイトイとか。だからあまり荒れなかったんだと思うよ。今日誰かがトイツ手を一発決めたら、そこから動いていくと思うけどね」
私とは違う見方が面白い。
「へー、トイツ手ですか。出ますかね?」
「出ると思うよ」
妙に自身ありげであったが、まさか10分もしないうちに現実になるとは、そのとき知る由も無かった。
そうこうしているうちに古川も現れ、定刻通り開始となった。







7回戦(起家から望月、古川、仁平、朝武)

東1局、古川の配牌がキナ臭い。

 ドラ

どこから見ても「トイツ手」の配牌である。それがわずか4巡でイーシャンテンに。

不思議なもので、ここまですんなりくると「ツモるんだろうな」と思ってしまう。
古川にしても動く気はなかったであろう。
「あ・・」11巡目にを引くと、会場の時間が止まったような錯覚を受けた。高い手をやられた時に襲うあの感覚である。
「ツモ」古川は300、500をツモった時とさほど変わらぬ動作で静かにを手元に置いた。

 ツモ

18回ということを考えれば、点数的にはたかだか満貫4回分でしかない。
しかし、精神的ダメージを考えれば(特に望月には)効果は絶大なアガリであったであろう。

古川の一撃で首位をひっくり返されてしまった朝武であったが、これぐらいではひるんでなんかいられない。
東4局1本場の親、まずは一発ツモで反撃の狼煙を上げる。

 リーチツモ ドラ

続く2本場の配牌、

 ドラ

どうってことのない配牌だが、これにを引いただけで何かが起こるんじゃないかと思わせるのだから不思議である。

 ツモ 打

ここからさらにを引き、イーシャンテンの古川から出たを必然のポン。

 ポン

そしてをツモ。役満に対して役満で返すことは出来なかったが、十分すぎる6.000オールであった。
またしても望月、仁平にとって苦しい展開にされてしまうのであった。

7回戦成績
古川 +35.5P 朝武 +11.5P 仁平 ▲13.8P 望月 ▲33.2P

7回戦終了時
朝武 +59.2P 古川 +42.1P 仁平 ▲17.6P 望月 ▲83.7P







8回戦(起家から望月、朝武、古川、仁平)

東2局8巡目、親の朝武がテンパイ1番乗り。

 ドラ

しかし、手変わりがあるのでダマ。そんな朝武がツモ切りを繰り返していると、14巡目に仁平が手を止め少考。
手牌は、

 ツモ

場に関連牌はが各一枚づつ。さてどうする。
仁平はこの時、この手のアガリ牌がどこにあるのかを考えていたように思う。
そして、出した答えが切りリーチであった。
たぶんソーズの下はで使われていて、は出てこないと判断したのではないだろうか。リーチは少し勢い余っての感があるが、気持ちはわからないでもない。
しかし、次巡朝武はをツモ切る。これを見た仁平は何を思うのか。
結局、流局したのだが、開かれた仁平の手を見て、朝武はまた何を思うのだろうか。
朝武が何を思ったかは分からない。しかし、ハネ満放銃を免れたのは事実である。

東4局1本場、親の仁平に対しては強く押せると考えたか、朝武がこんなリーチを打った。

 ドラ

は一枚切れでソーズの下は比較的安いとはいえ、普通ならば打ちやすいリーチではない。
ということは、仁平をかぶせに行くリーチなのであろう。
この後、望月にドラ単騎で追っかけられるが、ラス牌のをしっかりツモアガってしまった。
こういう部分は私にとって解かりはするが、なかなか出来ない部分でもある。頭より先に体が打たせたリーチなのだろう。

オーラス、ここまで底で苦しむ望月に1本の細い糸が垂らされた。

 ドラ

の配牌を11巡目、ここまで育てた。

希望は門前である。しかし、朝武がドラのをツモ切ってきた。時間的余裕はもう無い。
望月は仕掛けた。祈るような気持ちであったろう。ここで沈みならマイナスは3桁にまで膨れてしまう。
だが、望月は糸を手繰り寄せた。朝武のポンテン、仁平のリーチを受けた後に眠っていた牌はであった。

望月 雅継

8回戦成績
朝武 +16.0P 望月 +6.3P 古川 +1.1P 仁平 ▲23.4P

8回戦終了時
朝武 +75.2P 古川 +43.2P 仁平 ▲41.0P 望月 ▲77.4P







9回戦(起家から仁平、古川、朝武、望月)

細い糸を手繰り寄せた望月。だが、所詮は糸なのである。ここからいかに紡いで糸を紐にし、紐を綱にしていくかである。その為に望月は動きだした。
東1局、ソーズ一直線に走り、8巡目にはテンパイ。

 ポン ポン ツモ 打 ドラ

そこに、親の仁平が切り込んでくる。

 ツモ 打

ちなみに仁平は前巡をツモ切っていたので、このツモ切りは当然といえば当然なのかもしれないが・・・
カンテンパイの望月、ここまできたら、毒を食らわば皿までの心境か、も仕掛けて打単騎に受け変えた。

 ポン ポン ポン

直後に仁平がを掴み、ツモ切った。跳満の放銃。
だが私は、この放銃自体を責める気はない。実は仁平は4巡目にを手出ししていた。問題があったとしたらそこであろう。
4巡目とはいえ、すでに望月が2フーロした後での話である。その時の手牌は、

 ツモ 打

まだ4巡、ドラが2枚、ソーズの下には伸びにくい。を切る要因はいくらでもあるであろう。
しかし、これを切ってしまったら仁平が仁平でなくなってしまうのではないか。
私は本来の仁平がこれを切らないのを知っている。だからこそ、この舞台に立っていると思ったが、前回オーラスの競り負けが相当堪えているようである。
一方の望月だが、仕掛ける時もやはりこれぐらいの破壊力が伴うのが本来の望月であろう。あとは門前手が決まり出せば、本格的な底からの脱出となるのだが・・・
しかし、次回10回戦オーラスに、この局を伏線にした大物手が生まれるのであった。

少し飛んで南3局2本場。
ここまでの持ち点は古川40.200、朝武と望月が35.500で同点、仁平8.800といつのまにやら古川がトップ目に。
ここまでの古川、特に目立ったアガリはないのだが、相変わらずよく仕掛け、よくオリ、ジャブのようなパンチを連発している。
朝一に四暗刻をアガった以外はずっとこんな感じで軽快に波を乗りこなしている。
しかし、古川が噴くパターンは動いて先手をとって軽くさばきつつ、チャンスを伺い門前の大物手を決めるというものだった気がするのだが、最後の門前大物手が来ないのである。
まあ、相変わらず安定感は抜群なのだが・・・

古川 孝次

話を南3局2本場に戻そう。親の朝武が少し遅めの14巡目に七対子をテンパイ。

 ドラ

は2枚切れの地獄待ち。すると南家の望月が次巡のをチー。

 チー

まあこれはアガろうという仕掛けではなく、形テンみたいなもの。
すると仁平の手にが流れ着いた。こういう時の当たり牌というものは決まって弱っている者のところいくようにできている。麻雀とは怖いゲームだ。仁平は特に疑う様子もなくツモ切った・・

次局の3本場、こういう手がアガれた後の親は怖い。特に朝武のように攻め方を解かっている者ならば尚更である。そんなところに望月がリーチを打ってきた。

 ドラ

もう何度目の三色リーチであろうか。どこかで1つでも引けていれば、決してここまで苦戦することはなかっただろう。
望月のリーチが8巡目。そこから朝武はと通して追いつく。

 ツモ

ちなみにを切っており、--はフリテンである。ここは現物のを切って・・・なんてことは朝武はしない。堂々とを切り追いかけた。

朝武 雅晴

「朝武のアガリだろう」
このリーチを見た瞬間に私が取材メモに書き込んだ言葉である。
こんな時の予想は外さない。朝武はあっさりをツモアガった。

9回戦成績
朝武 +32.4P 古川 +13.3P 望月 +1.6P 仁平 ▲47.3P

9回戦終了時
朝武 +107.6P 古川 +56.5P 望月 ▲75.8P 仁平 ▲88.3P







10回戦(起家から朝武、古川、仁平、望月)

東1局を珍しい4人リーチで流局させて迎えた1本場、皆が欲しがる4本のリーチ棒をせしめたのは望月であった。

 ロン ドラ

これに気をよくしたか、望月はこの回を積極的に攻めてオーラスを迎えた時は1人浮き。ようやくの初トップが目の前まできた。

そのオーラスも望月は積極的に動いた。3、4、5巡目に立て続けに仕掛けてテンパイ。

 ポン チー チー ドラ

さらにを加カン。もう引く気はないのであろう。
朝武と古川はこれに付き合う気はなく早々と撤退。だが仁平だけは己の読みを頼りに前へ進んでいた。
ひたすらツモ切りが続く望月に対して、仁平は14巡目に追いつく。しかし、テンパイの為に打たなければならない牌はであった・・・
仁平は望月が3フーロした瞬間、残りの手牌はであろうと予想していた。
から仕掛けたという事、3フーロ目がだったこと、そして前回の跳満・・・相手が望月という事を考えれば考えるほど、は打てない牌である。
仁平の長考・・実際は1〜2分の事だったのだろうが、その時間は5分にも10分にも感じられた。仁平の表情は思いつめたような鬼気迫る感じであった。

仁平 宣明

 

・・そして出した結論は「リーチ」であった。

 ツモ 打(リーチ)

当たれば暴牌、通れば勝負牌などとよく言われるが、この切りはそんな言葉では片付けられない。
このには仁平の鳳凰位戦が、もっと言えばこの1年が賭かっていたのだ。
そんな仁平の手に対し、望月の手では対抗しようがなかった。流局間近の17巡目、仁平が引き寄せたのは高目のであった。
望月の1人浮きは仁平の1人浮きへと変わり終了した。

10回戦成績
仁平 +25.2P 望月 ▲1.1P 朝武 ▲7.8P 古川 ▲16.3P

10回戦終了時
朝武 +99.8P 古川 +40.2P 仁平 ▲63.1P 望月 ▲76.9P







11回戦(起家から古川、望月、仁平、朝武)

仁平の覚悟の前にトップから引きずり降ろされた前回の望月だったが、落ち込んではいられない。
東1局2本場、前局2.000オールをツモり波に乗りかけた古川との染め手対決を制す。
南家・望月

 チー ロン ドラ

東家・古川

 ポン ポン ポン ツモ 打

ポイントだったのは望月の11巡目ツモ切りか。この時、望月はまだイーシャンテンで、

 チー ツモ 打

一方、古川はすでに3フーロで生牌のを手出ししていた。
このをひるんで手に置いてしまったら、多分オリることになっていただろう。望月も流れの悪さを自覚しながらも必死に戦っているのである。

南場に入ると仁平の手が良くなってきた。もうこれは仁平の得意パターンなのだろう。
手が実るかそうでないかは別として、毎回のように南場勝負となる。この根本に我慢があるのは言うまでも無い。
南2局2本場、南家の仁平、

 ドラ

この配牌を積極的に仕掛けて1人テンパイ。

 ポン ポン

続く南3局3本場、またもホンイツで仕掛け今度はアガリ切り、2.600は2.900オール。

 ポン ツモ

そして決め手は、

 リーチツモ ドラ

なんと、このドラ3の手が2巡目リーチであった。
しかし、こうやって文字にしてしまうと仁平の強さをうまく伝えるのは難しい。
仁平の強さの源である我慢や感覚による押し引きは言葉で表すのではなく肌で感じるものだと思うからである。

11回戦成績
仁平 +25.8P 望月 +13.8P 古川 ▲9.9P 朝武 ▲29.7P

11回戦終了時
朝武 +70.1P 古川 +30.3P 仁平 ▲37.3P 望月 ▲63.1P







12回戦(起家から仁平、古川、朝武、望月)

二日目の最終戦は各自が前に出てくる打撃戦となった。
東1局から南3局まで全て出アガリ決着。ひとまず、その動きだけを羅列していく。

東1局 朝武→仁平 7.700
1本場 古川→朝武 8.000+300+1.000(仁平リーチ)
東2局 仁平→朝武 1.000
東3局 朝武→古川 5.200
東4局 朝武→古川 1.000
南1局 仁平→望月 1.000+1.000(仁平リーチ)
南2局 望月→仁平 2.600
南3局 古川→朝武 2.000

ここまでの11回は比較的放銃が少なく、流局が特に多かったと思う。それだけ皆が集中して戦ってきた為だと思う。
それが、ここにきてのこの動きはどう解釈すればいいのだろうか。
単なる偶然か、それとも最終日へ向け各自の思惑がそうさせているのであろうか。
それにしても8局中6局に名が出てくる朝武は、さすがに朝武らしいというべきだろう。
そしてまた、この叩き合いを制したのも朝武であった。

南3局1本場、親の朝武は14巡目に、

 ツモ ドラ

ちなみにを切っている。三色に受けるとフリテンである。
しかし、そこは朝武である。気にする風もなく切りリーチ。
そしてをツモり会場をどよめかすのだが、今までの決勝戦の朝武はこういう時を打ってダマにしてきた気がする。予選では切りリーチなのに。
どういうことかと言うと、決勝はうまく打とうとする意識が強すぎたのではないだろうか。
麻雀はうまく打とうとするとどうしても小さくなってしまうものだ。
朝武の6.000オールによりこの半荘の大勢は決したかに思えたが、オーラスにもう一波乱が待っていた。

南4局3本場、仁平の配牌がいい。

 ドラ

これだけ毎回のように勝負処で手を入れるのだから、我慢はすでに一つの技である。5巡目には理想形に仕上がりリーチ。

捕まったのは望月。ラス親でドラを2枚持っての目いっぱいの構えだったが、9巡目に高目のを掴んだ。

 ツモ 打

オリたくとも安牌はただ1枚、真っ直ぐの勝負も女神は微笑まなかった。

12回戦成績
朝武 +24.7P 仁平 +17.1P 古川 ▲14.2P 望月 ▲27.6P

12回戦終了時
朝武 +94.8P 古川 +16.1P 仁平 ▲20.2P 望月 ▲90.7P







古川の四暗刻で幕を開けた二日目だったが、結局古川はその後波には乗り切らなかった感じで得点を伸ばしきれなかった。
仁平は得点こそは前日よりも落としたが、後半戦の巻き返しを見ていると、まだまだチャンスはありそうだ。
反対に後が無くなったのは望月で、180Pの差は絶望とまではいかなくとも、それに近いのは間違いない。
そして、今日もただ一人順調にポイントを伸ばしたのが朝武である。ここまでの朝武は今までの決勝とはまるで別人のように自分らしく打てている。
このままいけば優勝は確実なのだが、そこは魔物が棲む決勝である。簡単にはいかないであろう。


・・・そして、現実に朝武は魔物に憑かれてしまうのであった・・・



 

 


(文責 紺野 真太郎 文中敬称略)

                              

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