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タイトル戦情報

第1期グランプリMAX 

決勝観戦記

観戦記:勝又 健志


今年度より「麻雀グランプリMAX」が開催された。
出場資格は、現タイトルホルダー、4大タイトルを持つ九段、ポイントランキング上位者のみに与えられる。
お祭り的な大会から一転、G汽織ぅ肇訐錣箸覆辰拭3月上旬には、記念すべき第1回大会のベスト16が出そろった。

しかし、ここで日本は東北関東大震災にみまわれる。一時は開催を中止すべきという声もあがったが、
賞金の一部及び、来場者様のご厚意を義援金として寄付させて頂くことを日本プロ麻雀連盟の支援活動とし、今大会も引き続き行われた。

第1期麻雀グランプリ決勝進出者は以下の4名となった。

小島 武夫


小島武夫 
言わずとも知れた「ミスター麻雀」。
苦しい時は我慢を重ね、チャンスが訪れると高打点のアガリを連発する。
絶対に手役を外さぬその技は必見である。

板川 和俊


板川和俊 
尊敬する打ち手は小島武夫というように、魅せる麻雀を信条とする。
仕掛けも多用するが板川のそれは捌くためではない。そこから手を作るために仕掛けるのである。

猿川 真寿


猿川真寿 
今年度前期にB汽蝓璽阿魄犠,靴藤船蝓璽案り。
タイトル戦でも常に好成績を残す若手の代表的な打ち手の1人。
持ち味は、揺れない心と、場面に合わせた手組みである。

樋口 新


樋口新  
今期のマスターズでは、荒、沢崎、瀬戸熊といった、トッププロとの決勝を制し見事優勝。
基本的には受けを重視するのだが、勝負所では腹を括ったすばらしい手組みから切れ味鋭い攻撃を繰り出す。



1回戦(起家から、樋口・小島・猿川・板川)

好スタートを切ったのは猿川。

 ドラ

この配牌から、序盤は一通、チャンタ、三色と手役を追っていくが、ドラが重なるとスッと手広く受け9巡目には

 リーチ

このリーチ。
序盤から中盤にかけピンズの下は場に高く、アガリは厳しいかと思われたが(実際には残り1枚)ハイテイで引き当てる。
続く東2局では、9巡目に、

 ドラ

このダマテンでも倍満のテンパイ。次巡にはを引き、打点は十分ならばアガリ重視とを切って受け変え。
から上は誰も使っておらずアガリ濃厚かと思われた。しかし11巡目に状況は一変する。
親番の小島が以下の捨て牌。


ここから、カンをチーと出る。
小島がこの巡目に1枚目の牌をチーときたら満貫以上は確定であろう。
東が暗刻の猿川からしたら、チンイツは容易に想像できる。
12巡目、猿川が引いてきたのは。まるで安全牌のようにノータイムでツモ切るも、これは小島への放銃となってしまう。

 チー

当然ながら猿川に動揺した様子はなく、次局、小島の親リーチに流局間際に1,000点のチーテンを入れ無筋を打つ。
私にはタイトル戦で優勝した経験がなく、どうしたら勝てるのかはわからないが、
自分の麻雀を貫き通せなかった時は、必ずと言っていいほど負けることは知っている。それは断言できる。
そういった意味で、今局から猿川が対局に入りこめている、自分の麻雀を打てているということが伝わってきた。

東3局、猿川の親を迎える。本手は入らないものの、門前で3回のアガリを重ね再びトップ目に立つ。
これに待ったをかけたのは板川。わずか3巡目にリーチが入る。それもド級の。

 リーチ ドラ

これをリーチで引きアガリトップ争いに加わる。
板川が気分良く親を迎えた東4局。1人置いていかれた感のあった樋口が2巡目に動く。

 ポン ドラ

4巡目にはをポンしてテンパイをいれ7巡目に引きアガリ。

 ポン ポン ツモ

結果からみると鋭いアガリとなったのだが、私にはギリギリに見えてしまう。
型に入ってはいるものの牌姿に安定感がない。他家からの出アガリの期待度は低く、かつ攻め返された時には全て押さなくてはならなくなっている。
この1300・2600が勝因になることはないが、今局が敗因になることはある。
このアガリは樋口の充実の表れなのか、それとも攻めるという気持ちが強すぎての結果なのか…

次局その答えがわかる。
まずは7巡目。小島がをポンしてドラ色のホンイツ模様の中、板川が2枚目のをポンしてトイトイ、ツモって三暗刻のテンパイを入れる。

 ポン ドラ

12巡目、親の樋口にもピンフのみながらテンパイが入る。

 ドラ

同巡、小島よりドラが打ち出される。
この時小島の手牌は以下、

 ポン ドラ

さらに同巡、猿川からリーチが入る。

 リーチ

宣言牌はドラ表示牌であるだ。一気に局面が煮詰まった。
次巡、樋口が引いたのは生牌のだった。ここでツモ切りリーチと出る。これを小島がポンしてテンパイ。
4者テンパイの結末は、小島の引きアガリで決着となった。   

この樋口のリーチはどうであっただろうか。
終盤に仕掛けを受けている中で、ドラを切った小島がかわし手のはずがない。
さらに、そこにドラ表示牌をぶつけた猿川は間違いなく打点のあるリーチだ。

ここに生牌のを切って、1,500を2,900にする追いかけリーチを打つのはリスクとリターンが見合っていない。
仕掛けてドラまで打った小島が、樋口のツモ切りリーチに簡単にオリるとは思えない。
本手2人とのめくり合いはあまりにも分が悪い。

前巡に即リーチならばわかる。小島の捨て牌もおとなしくまだ寄り切っていない可能性もある。
そして、板川もしくは猿川のうちどちらか本手の入っている方と1対1ならば、樋口の待ちが良いだけに勝負の価値があると思う。
樋口の攻めるという強い気持ちがマイナスに作用してしまった瞬間であった。

逆に、東2局の12,000以降アガリがなく原点を割り込んでいた小島は、このアガリの後ツモが利くようになる。
以前私は、小島にこう教わったことがあった。

「意思を持って手作りして得たアガリは、流れを引き寄せうる」

この後はまさにそのような展開が待っていた。
南3局には樋口より門前ホンイツの8,000を。

 ドラ ロン

オーラスには、浮きをキープしていた板川から三色ドラ1の5,200を。

 ロン ドラ 

このアガリにより1回戦は小島が1人浮きのトップを取った。

1回戦成績

小島+30.8P  猿川▲1.2P  板川▲3.8P  樋口▲25.8P



2回戦(起家から、樋口・猿川・小島・板川) 

東1局、親の樋口が13巡目にリーチを打つ。

 暗カン リーチ ドラ

このリーチ判断は難しい局面であった。
ダブ東を暗カンしてのリーチなので見えているだけで12,000点が確定しており、他家に与えるプレッシャーはかなりのものである。

しかし、待ちであるの場況はかなり悪いもので、一は序盤に小島が3枚場に放っている。
そして、13巡目にも関わらずは全て生牌であった。
樋口のスタイルからするとヤミテンを選択するかと思われたが、思い切ってリーチに踏み切った。

1回戦同様、攻めるという気持ちが前面に押し出されているリーチであった。
初戦は大きめのラスを引いてしまったが、気持ちはブレず一貫性を持ち戦っていた。
14巡目、このリーチに猿川が飛びこんでしまう。

猿川は元来、踏み込みが深い方であるが、このような放銃を私は見たことがない。
その理由は、猿川の捨て牌にある。第一打ので一通を逃しているのは仕方のないものであるが、ポイントは河に並んだである。
これは、

 ツモ

ここからのターツ選択であった。ミスがあった以上、ここは素直に撤退かと思われた。これを猿川に尋ねると、

「1回戦に一時はトップ目に立つなど悪くない感じだったが、勝負手を競り負けて原点を割ってしまったことが尾を引いていた。
普段の精神状態ならはもっと早く処理できたはず。」

展開が悪いことに焦れてしまったようだが、だからこそ踏みとどまってほしい1局であった。

東1局1本場は樋口、猿川の2人テンパイ。
東1局2本場、7巡目小島にテンパイが入る。

 ドラ

は生牌である。ここは、ドラ単騎のヤミテンに構えた。
8巡目、猿川が追いつく。

 リーチ ツモ

安目を引いてのテンパイだが強気にリーチと出る。同巡小島は、ツモ切りで追いかけリーチとでた。
結果は12巡目。見事に小島が跳満をツモリあげた。
このアガリに関して小島は、

「ツモに勢いが有ったので高目に受け、リーチに対しても攻め返した。」

と答えてくれた。今局以降も小島は、積み重ねてきた対局感から素晴らしい押し引きを何度も見せてくれるのであった。

小島はこの後、東3局にホンイツをアガリ、50,000点を超えた。
そして迎えた東4局3本場。南家の樋口よりリーチが入る。

 リーチ ドラ

捨て牌

この時小島の手牌は、

 ツモ 

こうなっていた。満貫ないし跳満まで見込める手牌である上に、リーチの待ちも絞り込めないことからまっすぐに攻めるかと思われた。
しかし、ここから小島はを切るのであった。結果は程なくして樋口がツモアガリしたのだが、今局から小島の精度の高い対局感がうかがえた。

南場に入り、猿川が2,000・3,900、樋口は12,000とアガリも安定感抜群の小島が2連勝を飾った。

2回戦成績

小島+28.9P  樋口+17.1P  板川▲13.7P  猿川▲32.3P

2回戦終了時

小島+59.7P  板川▲17.5P  樋口▲28.7P  猿川▲33.5P



3回戦(起家から、樋口・猿川・板川・小島)

まだ4半荘残っているとはいえ、小島と2番手の板川の差は80ポイント弱ある。
追いかける3者としては、トップを取り追撃の1番手となりたいところ。
東3局までは猿川がテンパイ料等で微差ながらトップ目に立つ。
東4局、親・小島。14巡目板川に本手が入る。

 ドラ

これまでの打ち筋や板川のスタイルから考えるとリーチに行くかと思われたが、ここはダマテンを選択した。
次巡、今度は猿川にテンパイが入る。

 リーチ
 
待ちのは2枚切れではあるが、点差と巡目を考えこちらはリーチと出た。
板川はリーチを受けてもダマテンを続行。現物待ちではあるが、ここは勝負どころであり追いかけリーチの選択もあったかと思う。
結果は、板川が猿川より高めので8,000のアガリとなった。

 ロン

このダマテンについて板川に尋ねると、

「これまで本手はリーチを打ってきたからこそ、ダマテンもあるということを見せたかった。」

と、ここでは小島とのポイント差を詰めにいくことより、先を見据えてのダマテン選んだということだ。
この先にチャンスは十分あると感じているのであろう。
続く南1局9巡目、板川は以下の手牌になっていた。

 ポン ドラ

ここから小四喜の芽を残しつつ、トイトイよりもドラ絡みを重視してを打つ。

  

次巡、親の樋口がここから打としてリーチに行く。 
このリーチを受け猿川がを合わせると、板川がそれをチーしてテンパイ。

 チー ポン

親のリーチと、本手の仕掛けがぶつかり小島を追撃するのは誰なのかを争う重要な1局となった。
前巡に切ったが絶妙に先切りになっていること、また残り枚数からも板川有利かと思われたが、決着は16巡目、樋口が4枚目のを力強く引きよせた。

さらに1本場では、

樋口 
 ツモ ドラ

板川 
 加カン ポン ポン

またも板川とのこのめくり合いを制し2,600は2,700オールを引きアガる。
そして大きなトップ目に立つ。

他方、追われる小島は放銃こそないものの、徐々に点棒を減らされていた。
しかし、小島に焦りはなかった。

 ロン ドラ

 ロン ドラ

しっかりとダマテンで2度のアガリをものにしてマイナスを最小限に抑えた。

3回戦成績

樋口+23,6P  板川+7,0P  小島▲6,6P  猿川▲24.0P

3回戦終了時

小島+53.1P  樋口▲5.1P  板川▲10.5P  猿川▲57.5P



4回戦(起家から、猿川・小島・樋口・板川)

3回戦が終わった後の小休止の時、荒が話してくれたことに、

「残り3回で60ポイント差は、逃げれば捉まるよ。今日の小島先生にはあまりそういう心配はないけどね。」

と。確かに、3回戦での小島は、先制されてようとも、攻めるべき手牌はきちんと攻め、守るべき状況では鉄壁のガードを見せていた。
小島の真骨頂ともいえるその手作りと押し引きを見せてくれたのが、この4回戦であった。
まずは東3局。

10巡目に板川が1,000点のテンパイから、雀頭をポンしてトイトイへ渡りをうつ。

 ポン ポン ポン ドラ

次巡、親の樋口からはリーチが入る。

 リーチ

さらに同巡、小島にもテンパイが。

 ツモ

小島からはドラのが見えていないこともあり、2人のテンパイが8,000や12,000でもなんら不思議はない。
ここで放銃してしまえば一気に射程圏までせまられる。しかし、小島の選択は攻めであった。決着は16巡目。小島が見事にを引き寄せた。
東4局1本場では、西家・小島が2つ仕掛けて5巡目にテンパイを入れる。

 ポン ポン ドラ

8巡目にドラのをツモ切ると、これを親の板川がポン。そして10巡目には板川にもテンパイが入る。

 ポン

板川はを切ってのテンパイであった。
同巡、小島がひいたのはであった。このは生牌で板川に対してかなり厳しく、私は撤退するであろうと思った。
しかし、小島の選択はここでも攻め。結果は2巡後、小島のツモアガリであった。
南3局には、7巡目に板川からリーチが入る。

 リーチ ドラ

この時小島の手牌は、

 

ここにを引くと今度は即ヤメ。
すると以降のツモは不要な無筋ばかりであった。もう見事としかいいようがない。
板川が上記の手牌を引きアガリ、トップこそ捲られてしまうものの、小島は対局感から、精度の高い攻守を見せしっかりと2着をキープした。

4回戦成績

板川+23.0P  小島+17.5P  樋口▲15.5P  猿川▲25.0P

4回戦終了時

小島+70.6P  板川+12.5P  樋口▲20.6P  猿川▲72.5P



5回戦(起家から、樋口・猿川・小島・板川)

板川はトップが、樋口と猿川には大トップが必要な5回戦になった。しかし、やはりというか先制は小島。

 ロン ドラ

放銃は樋口であった。樋口からしたら、残り4回の親番は簡単に落とすわけにはいかない。
巡目も深くなり、テンパイを取りに行っての放銃であった。
追いかける板川は、

 暗カン リーチ ツモ ドラ

 リーチ ツモ ドラ

これをアガリ。
猿川も小島の親番で、

 リーチ ツモ ドラ

これをアガリ。
しかし、安定感抜群の小島は浮きをキープした。

5回戦成績

板川+16.0P 猿川+5.6P 小島+3.5P 樋口▲26.1P 供託+1.0P

5回戦終了時

小島+74.1P 板川+28.5P 樋口▲46.7P 猿川▲66.9P



最終6回戦(起家から、板川・樋口・猿川・小島)

板川が逆転優勝するためには、自身がトップで小島をラスにした上で29,700点差が必要である。
起家を引いてしまった板川は、厳しいながらも条件を目指して必死に攻める。
しかし、アガリには結びつかない。そんな中、猿川が7,700と1,300・2,600を、樋口が4,000・8,000をアガリって迎えた南3局。

持ち点は、
猿川46,400
小島20,000
板川23,500
樋口30,100

こうなっていた。小島は最後の猿川の親を流すことができればほぼ優勝である。
まずは4巡目に小島が仕掛ける。

 ポン ドラ

1シャンテンとはいえ、今日初めて不安定な仕掛けを入れる。
この後6、7巡目にも仕掛けテンパイ。

 ポン チー ポン

この仕掛けで板川にリーチが入る。

 リーチ  

板川はこれを引きアガリできれば、オーラスには満貫ツモと現実的な条件ができる。
お互いツモる手に力が入る。結果は、小島が競り勝ちここで勝負あり。
小島がその力を存分に発揮し第1期グランプリMAXを制した。

優勝決定の瞬間


 

6回戦成績

猿川+22.1P  樋口+5.4P   板川▲11.5P  小島▲16.0P

最終成績

小島+58.1P  板川+17.0P  樋口▲42.3P  猿川▲44.8P


小島「第1期に勝てたことは嬉しく思う。内容も満足できるものであった。」

小島といえば、その手役を外さぬ華麗な手作りに目がいく。
しかし、今決勝において小島が見せた技はそれだけではなかった。

半荘6回で放銃はわずかに1回。驚異的な数字である。
私はミスター麻雀のこの筆舌し難い強さに感動を覚えた。


 


 

 

(レポート:勝又 健志 文中敬称略)

 

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