日本プロ麻雀連盟
プロ連2
日本プロ麻雀連盟HOME 日本プロ麻雀連盟のご案内 牌譜データサービス ロン2のご案内 タイトル戦のご案内 インフォメーション プロ雀士情報 雀力アップ
ホームタイトル戦情報 > グランプリ2008  ベスト16 レポート

タイトル戦情報

グランプリ2008 

ベスト16 レポート

文責:平尾 昌邦

日本中が野球の祭典に熱狂している中、
プロ麻雀連盟もまた今年度最後の祭典、グランプリ2008が行われた。

グランプリは今年度リーグ戦・タイトル戦の活躍により与えられるポイントランキングの上位16名のみに参加を許された、まさにオールスター戦。
参加選手全てが連盟を代表するトッププロばかりという、
どの卓も何かの決勝卓かと錯覚してしまうかのような豪華さである。

それではこれより、絢爛豪華な春の祭典をお楽しみいただきたい。

レポートは私、
"今年度出場を狙っていたもののグランプリ出場者全員がインフルエンザにでもかからなければ出場出来ないという、
箸にも棒にもかからない残念な順位だった新人王"平尾がお送りいたします。


A卓:前原 雄大 vs 黒沢 咲 vs 柴田 弘幸 vs 望月 雅継


左から  望月 雅継 黒沢 咲 前原 雄大 柴田 弘幸




前原雄大

今年度、鳳凰位と十段位という二つの大きな頂を制した、名実共に間違いなく今最強の打ち手の一人。
にもかかわらず、現状に満足せず、未だ止むことなく進化を続けるまさしく怪物。


黒沢咲


頑なに和了に向かう姿勢は女王に相応しい気高さ。
誇り高き女神の凱旋を止める事は何人にもできはしない。
第5期プロクイーンを『強気のヴィーナス』の名の通り圧倒的攻撃で制した。


柴田弘幸


今年A1リーグ昇級し、その攻撃力で並み居るトッププロをいきなり薙ぎ倒しリーグ戦を首位で駆け抜け、
鳳凰位決定戦も大きな嵐を巻き起こしその名を連盟内に轟かせた若きニューヒーロー。


望月雅継


どんな時も対局者、そして麻雀に敬意を払う姿勢は競技者の鏡。
配牌を取った瞬間から彼のベースであるという跳満までの最短ルートを突き進む強い意志と確かな手順で23期鳳凰位に史上最年少で輝いた。


1回戦

まず、均衡を破ったのは二冠・前原。南1局、

 リーチツモ

この2.600オールを皮切りに、あっという間に4連荘の45.000点オーバー。
このまま前原が押し切ってしまうかと思われたが、次局親番を迎えた女王・黒沢が黙ってはいなかった。
南2局、三者が激しく仕掛ける中でじっと黙テンで様子を窺っていた親の黒沢が意を決してツモ切りリーチ。

 ツモ ドラ

これを一発でツモり、6.000オール。
女王の一撃が華麗に炸裂、前原を抜き去ってトップ目に立つ。


しかし、このまま優雅に突き進むかのように見えた女王をオーラスに悪夢が襲う。

 ロン ドラ

対局終了後、黒沢は安易なテンパイ取りから招いたという親・柴田へのこの放銃がグランプリ最大の失着だったと語る。
そして、黒沢を襲う悪夢はこれだけでは終わらなかったのだ。続く一本場、

 ロン ドラ 

またしても、親の柴田へ連続放銃。強烈な18.000である。
2局で30.000点余りを柴田に献上した女王のこの深すぎる傷は、最後まで癒える事はなかった。


2回戦トップを飾ったのは、1回戦で一人何も出来なかった望月。
その後の三回戦も2着でまとめ、トータル2位につける。
強いのは柴田。3回戦を終えトータルポイントで三人を沈めるダントツである。

一方、ここまでいまいち元気がない前原。
1回戦こそ40.000点持ちの2着だったものの、2回戦3回戦と連続ラス。トータルも最下位となってしまう。
対局終了後、前原は3回戦終了時に立会人の藤原から、
「鳳凰位がこんな序盤で負けてもらっては困る。」との言葉で奮起したと語る。
奮起してすぐに結果を出すあたりは、さすがである。

続く4回戦の南場の親番で5本積む大連荘。
三者が必死で止めようとするが、もはやこうなった前原は止まらない。
稼いだ点棒も大きいが、2着目・望月を大きく沈めた事が何よりも大きい。

事実上4回戦の南場の親1回で準決勝進出を決めてしまった。
前原雄大。鳳凰の名に恥じない圧倒的な力を存分に見せつけたのだった。


望月「弱いから負けました。また勉強し直しです。」

黒沢「(1回戦オーラスの)あれが痛かった。一つのミスが最後まで許されなかった感じです。」

ベスト8進出者 柴田弘幸  前原雄大


  前原 黒沢 柴田 望月 供託
1回戦 10.6 ▲ 19.1 28.5 ▲ 20.0 0.0
4.0 ▲ 4.0 8.0 ▲ 8.0 ---
14.6 ▲ 23.1 36.5 ▲ 28.0  
2回戦 ▲ 21.8 13.8 ▲ 6.3 14.3 0.0
▲ 8.0 4.0 ▲ 4.0 8.0 ---
▲ 29.8 17.8 ▲ 10.3 22.3  
3回戦 ▲ 2.3 ▲ 2.1 3.9 0.5 0.0
▲ 8.0 ▲ 4.0 8.0 4.0 ---
▲ 10.3 ▲ 6.1 11.9 4.5  
4回戦 19.6 ▲ 5.9 13.4 ▲ 27.1 0.0
8.0 ▲ 4.0 4.0 ▲ 8.0 ---
27.6 ▲ 9.9 17.4 ▲ 35.1  
5回戦 8.3 ▲ 6.6 ▲ 12.5 10.8 0.0
4.0 ▲ 4.0 ▲ 8.0 8.0 ---
12.3 ▲ 10.6 ▲ 20.5 18.8  
  0.0 0.0 0.0 0.0 ---
14.4 ▲ 31.9 35.0 ▲ 17.5 0.0



B卓:猿川 真寿 vs 朝武 雅晴 vs 藤崎 智 vs 右田 勇一郎

左から  猿川 真寿 藤崎 智 朝武 雅晴 右田 勇一郎



朝武雅晴

徹底して与えられた手牌からの最高形を作り出す超高打点打法が魅せる美しき最終形は、もはや芸術の域。
前鳳凰位として失った冠などすぐに取り返す。


藤崎智


顔は優しいが、麻雀はあくまで厳しい。
ダマにこだわり、忍者のように気配を殺し相手の余り牌を的確に狙い撃つ。
『笑顔の仕事人』の前に、甘い打牌は許されない。


猿川真寿


常人では和了りの見えない所から数少ない和了筋を見つけ出し、
きっちり和了りを取るその独自の嗅覚と自分の感覚を信じきる揺れる事なき強い心で今年マスターズを制した。


右田勇一郎


受けて受けて受け殺す。
麻雀の全ての出来事を受け入れ、その全てを耐え抜き、
機を見極めた正解な読みで後の先を確実に取りに行く麻雀でA1を闘い抜いた。


1回戦

超攻撃型である朝武・猿川の二人を、対応を得意とする藤崎・右田がどこまで押さえ込める事が出来るかという戦いが容易に想像できる。
まず先制したのは藤崎。東2局の親番で、

 ポン ロン ドラ

電光石火の11.600である。
不用意だったのか、右田の苦しそうな顔が印象深い。
対局前、「キューバ戦の岩隅投手のように丁寧に丁寧に守りたい」と草野球チームのピッチャーをしている右田らしいコメントだったが、
この出会い頭の一撃はさしずめアメリカ戦で先頭打者ホームランを許した松坂投手の心境か。

オーラス、ここまで未だ長打が出ない朝武が、これぞ朝武麻雀と思わせるツモり暗刻リーチを打ち、よもやと思わせたが、王牌に阻まれ朝武の快音は響かなかった。


2回戦

全く得意の長打が決まらない朝武。
大物手が見えると、どうしても先に当たり牌が集まってくる。
特に2回戦オーラス、猿川に、

 ポン ポン ロン

安目とはいえ16.000点の放銃である。
いつものように「はい。」と点棒を静かに置く朝武だが、自分の不調を感じていないはずもなく、その心中やいかなるものだっただろうか。
先の鳳凰位決定戦で受けた傷がまだ癒えていないのか、相当苦しい展開である。

好調なのが、朝武とは対照的に大物手がことごとく決まる猿川と、安定感抜群の藤崎。
上位二人と下位二人の差は、点数以上に大きいように感じられた。


3回戦

ここまで我慢を重ねていた右田がついに爆発。ここが攻めどころと得点をかき集める。
東4局、ドラトイツの手をテンパイ。

 ドラ

一見待ち取りに迷いそうだが、右田はノータイムで切りリーチ。
三者の手牌を見てみると、は他家に散っていてなんと純カラ。見事である。
こうなるとをツモりあげるのが自然の摂理であるかのようすら見える。
そのまま最終的には大きな一人浮きトップを決めた。

ここでのラスは、またしても朝武。
右田が大きなトップを決めたことにより、屈辱のトータルポイント一人沈みである。
観戦者の誰もが、ここから猿川・藤崎・右田の三つ巴の争いになると予測した事だろう。


4回戦

決勝進出回数16回と言う驚異の記録を持つ朝武の負ける時、負けパターンというものがあるとしたら、
それは今日のように何もさせてもらえない時であろう。
最後まで抑え込まれてしまい、それゆえ決勝卓で大敗を喫してしまう事もままあることである。
決勝などで朝武の麻雀をよく見てきた私には、失礼ながら今日の朝武はその負けパターンにはまってしまっているとしか思えなかった。

東4局、

 ロン ドラ

それは猿川も感じていたのかも知れない。
それゆえ1シャンテンから手拍子に切ったがまさか朝武に咎められることになるとは思ってもみなかったことだろう。
そしてこの和了りが、朝武復活の狼煙となる。

ここから明らかに今までと違う朝武が連続で和了りまくり、
あっという間に60000点近く叩き、1半荘で半荘3回分の借金のほとんどを返してしまった。恐ろしい破壊力である。


5回戦

トータルトップを走るのは藤崎だが、四人が僅差でほぼ横一線。
ここまで完璧な出来で、しかも安定感抜群の藤崎がここから崩れる姿は想像できなかったのだが、その藤崎に悲劇が襲う。
東2局中盤過ぎ、ツモって来た牌は、既に藤崎の切っているドラの
さすがの藤崎も場に2枚切れで全員に地獄待ち単騎しか受けのないを止めようがなかった。

 ロン ドラ 

親・朝武のこの一撃で、順位点を合わせるとトータル4位の朝武とトータル1位の藤崎が入れ替わる。
その後、必死で朝武を抜き返そうとする右田・藤崎だったが、
完全復活した朝武と死角のない猿川の前に崩れ去った。


右田「どうにもならなかった。肝心な時に全然アガれなかった。」

藤崎「弱かったです。負けは負けです。」

ベスト8進出者   猿川真寿  朝武雅晴

  猿川 朝武 藤崎 右田 供託
1回戦 6.9 ▲ 9.6 15.9 ▲ 14.2 1.0
4.0 ▲ 4.0 8.0 ▲ 8.0 ---
10.9 ▲ 13.6 23.9 ▲ 22.2  
2回戦 15.5 ▲ 14.0 2.6 ▲ 4.1 0.0
8.0 ▲ 8.0 4.0 ▲ 4.0 ---
23.5 ▲ 22.0 6.6 ▲ 8.1  
3回戦 ▲ 3.8 ▲ 15.8 ▲ 4.1 23.7 0.0
▲ 1.0 ▲ 8.0 ▲ 3.0 12.0 ---
▲ 4.8 ▲ 23.8 ▲ 7.1 35.7  
4回戦 ▲ 10.9 28.9 ▲ 7.2 ▲ 10.8 0.0
▲ 8.0 12.0 ▲ 1.0 ▲ 3.0  
▲ 18.9 40.9 ▲ 8.2 ▲ 13.8  
5回戦 18.2 12.3 ▲ 21.7 ▲ 8.8 0.0
8.0 4.0 ▲ 8.0 ▲ 4.0 ---
26.2 16.3 ▲ 29.7 ▲ 12.8  
  0.0 0.0 0.0 0.0 ---
36.9 ▲ 2.2 ▲ 14.5 ▲ 21.2 1.0




C卓:大橋 良弘 vs 沢崎 誠 vs 荒 正義 vs 板川 和俊

左から  板川 和俊 荒 正義 沢崎 誠 大橋 良弘



荒正義

『最後の真剣師』として表も裏も知り尽くしたからこそ持ちうる事の出来た無限の引
き出しを自在に操る様は、いわゆる麻雀打ちの一つの完成形。



沢崎誠


対応出来ない相手など存在しない。
誰のいかなる攻撃も淡々と捌き、いつの間にか彼のペースになり、最後には独壇場にしてしまう。
今年度、後期チャンピオンズリーグを制し、今円熟の極み。もちろん目指すのはグランプリ2007に続いての連覇だけ。



板川和俊


初代太閤位を獲得した、関西麻雀界を代表する打ち手。
早仕掛けで和了りを取るかと思えば、腰の座った手役重視の重い麻雀も使いこなす二本の刃を持つ。



大橋良弘


今年王位を取った彼の麻雀は『ダンプ大橋』の名に反して繊細で緻密、そして相当計算高い。



重鎮三人に囲まれ、やや緊張気味の若き王位・大橋。
選手が行う対局前の牌確認(牌の枚数や傷などをチェックする作業)時に二度も牌を卓からこぼしていた。
トッププロ同士の対局での、あまりに珍しい出来事に、会場から笑みが漏れる。
本当に、見かけによらず繊細である。

だが、対局が始まり、顔つきが変わる大橋。
開局早々の1.300・2.600を皮切りに和了りを重ね、最初の緊張を物ともしない堂々とした闘牌でトップを飾る。


2回戦

この半荘、ほとんど一人で和了続けたのは沢崎。もちろん文句なしの一人浮きトップ。
「最初の半荘でひどいミスをしちゃったから、この半荘は全部行こうと決めていた。もしそれでラスを引くようなら今日はもう終わりだったね。」
対局終了後、沢崎はこう語る。

3回戦、4回戦は板川の独壇場。
豪快さと繊細さを兼ね備えているかのような緩急の差が激しい様々な攻めで他家を突き放し、
5回戦を待たずして早々と準決勝進出を決める。

一方、絶不調の荒に全く和了が見えない。3回戦東2局の親番で、

 ポン ドラ

早々と入れたこの18.000が和了れない。
「オタ風ポンから入っためずらしいテンパイだけど、全然引ける気がしなかったよ。」
対局終了後の私の取材に対し、静かにこう漏らした。

5回戦

ほぼ、沢崎と大橋のマッチレース。その差はわずかに12P。
まず、先制したのは沢崎。2.000・4.000を大橋の親で和了り、その差を大きく広げる。

だが、この勝負所では大橋も引かない。
東2局すぐさま七対子リーチをツモり上げ、1.600・3.200。
続く南1局の親番で、

 ツモ ドラ

この和了りで、沢崎に肉薄。
しかし、そんな大橋の思惑とは裏腹に冷静に一つ一つ局を潰していく沢崎。
大橋のチャンスがどんどん減っていく。このあたりがベテランのゲーム回しの巧みさである。

そして、いよいよオーラス。沢崎34.300、大橋32.500。
現実的な大橋の勝ち残り条件は2つ。
沢崎からの5.200直撃か2.000・4.000ツモアガリである。

最終局。麻雀の神様は大橋にプレゼントと意地悪な謎かけをする。2巡目に、

 ドラ

このテンパイが入る。
ここにきてあっさり条件を満たすテンパイを入れることが出来る底力は流石としか言いようがない。
ツモればもちろん文句なしで準決勝進出であるし、この巡目なら百戦練磨の沢崎からの直撃すら狙える為、静かにダマに構える。
次巡、板川からが打たれる。当然見逃し。
そして運命の6巡目。大橋に選択が迫られる。

 ツモ

このまま一枚切れのとドラのシャンポン待ちと心中するのか、新たにテンパイを組み直すのか。
どちらが正しいかはわからない。そこに座った打ち手の意思が決めるだけである。
少考の後、を外す大橋。
ここでのテンパイ外しは、万が一の事をを考えると誰にでも出来ることではない。
勇気ある決断だなと感じた。そして8巡目、

 ツモ

再び待望のテンパイが入る。直撃ツモ条件のため当然ダマに構える。次巡、

 ツモ

狙い通りのリャンメン手変わりである。
ノータイムでを切りリーチを打つ大橋。沢崎からの直撃は度外視し、自らのツモを信じた。
この時点では河に1枚、板川に暗刻で持たれており、すでに純カラ。
仮にカン待ちダマのままなら、もう大橋の和了りは無かった。
それでも残るは山に2枚。決して多い枚数ではない。それでも自分の選択を信じツモを繰り返す大橋。
そして海底間際となる15巡目。この5回戦の戦いで常に変わることなく淡々と摸打を繰り返していた大橋の口がわずかに歪む。
大橋が静かに河に放った牌は、最初のテンパイ形での和了牌だった。


大橋「やることやったし。下手だった。」

荒 「手がずっと渋っていたね。見せ場なし。」

ベスト8進出者 板川和俊  沢崎誠

  大橋 沢崎 板川 供託
1回戦 9.7 ▲ 13.5 ▲ 5.2 9.0 0.0
8.0 ▲ 8.0 ▲ 4.0 4.0 ---
17.7 ▲ 21.5 ▲ 9.2 13.0  
2回戦 ▲ 15.5 27.5 ▲ 6.8 ▲ 5.2 0.0
▲ 8.0 12.0 ▲ 3.0 ▲ 1.0 ---
▲ 23.5 39.5 ▲ 9.8 ▲ 6.2  
3回戦 2.5 4.0 ▲ 12.8 6.3 0.0
1.0 3.0 ▲ 12.0 8.0 ---
3.5 7.0 ▲ 24.8 14.3  
4回戦 ▲ 0.6 ▲ 8.9 ▲ 6.0 15.5 0.0
▲ 1.0 ▲ 8.0 ▲ 3.0 12.0 ---
▲ 1.6 ▲ 16.9 ▲ 9.0 27.5  
5回戦 5.5 3.3 ▲ 1.3 ▲ 8.5 1.0
8.0 4.0 ▲ 4.0 ▲ 8.0 ---
13.5 7.3 ▲ 5.3 ▲ 16.5  
  0.0 0.0 0.0 0.0 ---
9.6 15.4 ▲ 58.1 32.1 1.0




D卓:二階堂 亜樹 vs 古川 孝次 vs 瀬戸熊 直樹 vs 山井 弘

左から  古川 孝次 瀬戸熊 直樹 山井 弘 二階堂 亜樹



古川孝次

どんな形、どんな局面からでも仕掛け、和了り切る変幻自在のトリックスター。
副露率は間違いなく麻雀界最高、彼の操る一見不安定な『サーフィン打法』は鳳凰
位三連覇、決勝進出率の高さなど実績では抜群の安定感。



瀬戸熊直樹

暴虐なまでのその攻撃力はまさに『暴君』。
攻めに特化した鋭い読みがピタリとはまった時に始まる暴君の時間、熊熊タイムに入った時、誰も彼を止める事は出来ない。



山井弘


今年、降級しない為の超守備型麻雀から勝つ為の超攻撃型麻雀に急激変化を果たし、王位戦でついに開花。
その麻雀に更なる厚みと進化を遂げた。自らの進化が正しかった事を再び卓上で証明する。



二階堂亜樹


今年女流桜花の防衛に成功、リーグ戦も2位以下を圧倒的に引き離したトップでA2リーグに昇級を決めた、
言わずと知れた人気実力共に女流プロの頂点に君臨し続ける『卓上の舞姫』。


1回戦

東2局、『暴君』瀬戸熊が挨拶代わりのツモり四暗刻リーチ。
古川からの出和了により8.000の収入に留まったが、感触は悪かろうはずがない。
その後、更に古川から瀬戸熊に7.700、山井から古川に11.600など、Aルールでは珍しい大物手が連発する中、
トップを取ったのは目立った大物手の無い二階堂。
振り込みをせず、要所要所で的確に和了る姿はあまりに華麗で、男たちが殴り合っている中を一人優雅に舞っているかのようだった。


2回戦

対局開始前、山井は「今日は直球勝負で行きたい。」と語っていた。
その言葉通り、山井は1回戦まっすぐ行き、まっすぐなラスを引いた。
昔の山井を知る人は、想像も出来ない展開だと言う。

そうして迎えた2回戦。まるで今の自分の打ち方が正しいと証明するかのように山井のリーチが止まらない。

 ロン ドラ 

この7.700を古川から出和了ったのを皮切りに、次局、

 ツモ ドラ 

親・瀬戸熊の追っかけリーチをかわしての2.000・3.900。
さらに次局、3局連続となるダメ押しのリーチ。

 ロン ドラ 

これを親の二階堂から出和了り。
南場を一人で和了りきる、気持ちのいいぐらい強烈な波状攻撃であった。

このまま山井の一人浮きで迎えたオーラス。ここまでの経過から、何かが起こりそうな恐ろしい山井の親番。
しかし、瀬戸熊気合いの300・500ツモで山井の親を落とし、自身も辛うじて首を確保した。


3回戦

古川孝次といえばその変幻自在の鳴きである。
Dリーグの新人がやると先輩プロから頭を叩かれそうな遠い仕掛けも、古川がやれば許させる。
なぜならばそれが古川孝次の生き様であり、強さなのである。
鳳凰位3連覇など、築き上げてきた実績が古川孝次のその打ち方をはっきりと肯定しているのだから。

だが、古川をよく知るAリーガー達は、古川は門前こそ恐ろしいと語る。
つまり、古川が鳴いているうちはまだ自分の状態を測りかねている時であり、その鳴きが他家に優位に働く事も少なくない。
だが、古川が鳴くのを止めた時、すなわち鳴く必要がなくなった時、それは自身の状態が出来上がった時なのである。

前置きが長くなってしまったが、東2局に瀬戸熊がドラの暗刻から仕掛けを入れ、親の古川に、

 ツモ ドラ

この絶好のテンパイを入れさせてしまい、迷うことなくリーチを打たれ、当たり前のように1発で高目のをツモらせてしまった時、
瀬戸熊は点数以上に「やってしまった。」と感じたという。

この一和了りから古川は破竹の3連勝を決め、断トツでベスト8進出を決める。


5回戦

古川は当確。残る一つの椅子を三者で争う事になる。
2着・山井と3着・二階堂がほぼ着順勝負。少し離された瀬戸熊は、二人を沈めたトップが必要である。
その決着は、オーラスまで縺れる。
古川43.300
山井31.400
二階堂24.000
瀬戸熊21.300

まずは7.700が条件の二階堂が注文通りのテンパイを入れる。

 ドラ

そして苦しい立場の瀬戸熊も、

この1シャンテン。成就すればもちろんベスト8進出、一縷の望みに託す。
だが、和了り条件の山井のチーにより最後のを食い流された挙句、二階堂の当たり牌をつかまされてしまい、オリを余儀なくされる。
そのチーによりテンパイを入れた山井の-待ちと二階堂の-待ち。
ここまでくればもはや条件はほぼ五分だったが、
二階堂が力なくを河に置いた時、オーラスまでもつれた大接戦が終わった。


二階堂「ずっと我慢の展開で苦しかったです。最後の半荘、古川さんに対して雑な振り込みが多くて、ちょっと丁寧さに欠けていたと思う。」

瀬戸熊「あの6.000オールで古川さんを生き返らせちゃったのが敗因かな。ドラ暗刻から仕掛けたんだけどね・・・。」

ベスト8進出者 古川孝次   山井弘

  二階堂(亜)  古川  瀬戸熊 山井 供託
1回戦 11.4 ▲ 3.9 8.3 ▲ 15.8 0.0
8.0 ▲ 4.0 4.0 ▲ 8.0 ---
19.4 ▲ 7.9 12.3 ▲ 23.8  
2回戦 ▲ 9.5 ▲ 4.3 0.3 13.5 0.0
▲ 8.0 ▲ 4.0 4.0 8.0 ---
▲ 17.5 ▲ 8.3 4.3 21.5  
3回戦 ▲ 4.3 23.8 ▲ 15.2 ▲ 4.3 0.0
▲ 2.0 12.0 ▲ 8.0 ▲ 2.0 ---
▲ 6.3 35.8 ▲ 23.2 ▲ 6.3  
4回戦 0.1 5.7 ▲ 7.9 2.1 0.0
1.0 8.0 ▲ 12.0 3.0  
1.1 13.7 ▲ 19.9 5.1  
5回戦 ▲ 7.0 13.5 ▲ 8.7 2.2 0.0
▲ 4.0 8.0 ▲ 8.0 4.0 ---
▲ 11.0 21.5 ▲ 16.7 6.2  
  0.0 0.0 0.0 0.0 ---
▲ 14.3 54.8 ▲ 43.2 2.7 0.0



こうしてベスト8に駒を進める8人が決まった。
だが、惜しくも敗退してしまった8人も、それぞれがトッププロの呼び名に相応しい麻雀を我々観戦者達に見せつけてくれた。

優勝者はもちろん、明日の展開も僕には全く想像できないが、
明日はさらに見ごたえのある激戦になることだけは間違いないだろう。


グランプリ2008 ベスト8レポート





 

(文責:平尾 昌邦 文中敬称略)

 

ページトップ
麻雀格闘倶楽部 好評稼働中!
GyaOバナー白
近代麻雀2
モンド21麻雀プロリーグ
モンド21麻雀プロリーグ
麻雀格闘部呂倶
日本プロ麻雀連盟メールマガジン
トップページ牌画の利用について引用・リンクについて広告についてよくあるご質問お問い合わせサイトマップ
日本プロ麻雀連盟
Copyright 1997-2010 Japan Professional Mahjong League. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
ma-jan.or.jpの記事・写真等の無断転載はお断りします。