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タイトル戦情報

グランプリ2007 

ベスト16 レポート

(文責:松崎 良文)
3月7日(土)

新橋の駅を降り、SL広場を抜け、会場へと続く一本道を歩く。
これまで観戦記者として二度、選手として幾度と無くこの道を歩いたが、
今日はまだ、そのどちらでもない。
正確に言うと、99.9%観戦記者である。一応、複雑な心境だ。

「おはようございます。」
会場のドアを開けると、加藤博己が挨拶をしてきた。
99%観戦者の加藤は、どこか落ち着きを欠いている。
それもそのはず、彼は補欠の一番手。もう打ちたくて打ちたくてたまらない、といった御様子。
しかし、補欠一番手とはいえ、繰り上げ出場の可能性は、限りなくゼロに等しい。
「誰か、間違って欠場しないですかね?」
気持ちは、よく解かる。
「う〜ん、それは考えにくいなぁ〜。でも、どうせなら二人欠場すればなぁ・・・」
「いや、来ないのは一人だけでいいですけどね。」
おやおや、それは補欠二番手の私に向かって、あんまりな物言いである。

そんな不埒な二人の脇を通り過ぎ、出場選手達が次々と会場入り。
そして当然の如く、二人の淡い期待は晩冬の新橋の宙にふわりと消えた。

こうして、グランプリ2007に出場する16名のメンバーが集った。

こうなったら仕方ない。
ここは気持ちを切り換えて、この絢爛豪華な戦いの模様をお伝えしよう。






A卓 前原 雄大 vs 望月 雅継 vs 二階堂 亜樹 vs 小川 尚哉


左から  望月 雅継 小川 尚哉 前原 雄大 二階堂 亜樹

現鳳凰位・朝武が日程の都合により欠場、その恩恵を授かった若駒・小川が好発進。
格上三名を向に回し、着実に点棒を積み重ねてゆく。

小川ダントツで迎えた一回戦南一局、親の二階堂が、

 ポン ポン ドラ

打点は十分だが、は二枚枯れ。
加えて、北家・望月がを仕掛けてソウズのホンイツ気配。和了りは厳しいかに思えた。しかし、

 ポン ポン ツモ

字一色まで睨んだ仕掛けも、が暗刻になったとあっては見切らざるを得まい。
望月にとって、こういった大量失点は、次のステップへの通行料と思わせる節があるが、それはあくまで好調時の話。
先の鳳凰位決定戦において序盤の失点を挽回出来ぬまま退位を余儀なくされた記憶がリフレイン、本日の苦戦は避けられないだろう。

そしてこの時、意志を込めつつも何処か魅入られたように放たれた望月のを見つめる前原の眼差しが印象的だった。
グッと顎を引き、静かに呼吸する前原は何思う。
ここは負けられぬ、の心境か。

一回戦を大きいプラスで終えた二階堂・小川であったが、二回戦は揃って沈み、全体の隊列はグッと縮まる。

三回戦東一局一本場、必然のチーテンで親リーチの二階堂の和了り牌を下げた望月、ここはカブせられると見たか、次局に、

 ドラ

ここから2巡目にをポン、続けてもポンするが、この動きで親・二階堂に本手が入る。

 ツモ

でリーチ。これに、望月から二つ鳴いてテンパイが入った小川が高目を掴んで放銃。
二階堂の本手も小川の放銃も望月プロデュースの今局。はたして、望み通りの成果が得られたと言えるだろうか。いや、言えまい。
劣勢打破を目論み、戦略に走る打ち手は多い。
しかし、願わくば望月には、あくまでピュアな打ち手であってほしい、とは筆者の切なる思いである。
昨年の鳳凰位獲得から一年、タイトル戦において満足な結果が獲られなかった望月。
麻雀プロとしてどう在るべきか、前鳳凰位の苦悩は来年度以降も続きそうだ。


四回戦を終え、小川当確。残る一つの椅子を争う現十段位と現女流桜花、その差は僅かに2.6P。
最終五回戦東二局、ドラ対子の北家・前原が我武者羅に和了りへと向かう。

 チー ポン ポン ドラ

テンパイを果たした時点で、和了牌は山に三枚。
やがて二階堂の親リーチを受けるも、こういった場面での前原はまず勝負を外さない。きっちりとドラを引き当て、一歩リード。

負けじと二階堂も、南一局の前原の親番で、

 ツモ ドラ

これをリーチでツモり上げ、一進一退の攻防はオーラスへと縺れ込む。
二階堂の条件は脇から1.300以上、ツモればOK。しかし、形が苦しい。
最後は前原が七対子を和了り、自らの手で通過を決めた。



A卓
前原 雄大
望月 雅継
二階堂 亜樹
小川 尚哉
供託
1回戦
▲ 10.1
▲ 44.2
33.2
21.1
0.0
2回戦
25.6
16.4
▲ 35.8
▲ 6.2
0.0
3回戦
▲ 17.5
▲ 8.2
19.6
6.1
0.0
4回戦
▲ 3.7
▲ 13.1
▲ 25.3
41.1
1.0
5回戦
11.9
6.2
2.8
▲ 20.9
0.0
6.2
42.9
5.5
41.2
1.0




二階堂 「四回戦目までは意識的に攻めるようにしていたが、最後は少し守りすぎたかも。
  全体的に手順が悪く、集中力も今ひとつでした。反省します。」


望月「勝負局でことごとく小川君に競り負けた。鳳凰戦で負けたダメージが、まだ残っていました。」

ベスト8進出者 小川尚哉 前原雄大







B卓 滝沢 和典 vs 大場 篤 vs 瀬戸熊 直樹 vs 右田 勇一郎


左から 大場 篤 瀬戸熊 直樹 右田 勇一郎 滝沢 和典

対局開始前、会場の隅で撮影をこなす現王位・滝沢。
ストロボが焚かれるその様子に、前原雄大が滝沢を表した或る言葉を思い出した。
『光彩のひと』
なるほど至言、滝沢は今日も眩い光を放っている。

その滝沢、出だしは我慢を強いられるも、南二局の親番でやはりというべきか、手が入る。

 ドラ

中盤このテンパイをヤミテンに構えているとツモ、ツモ切り。次巡ツモ、ツモ切り。
このを下家・右田にチーされると、場況的にが狙い目と見たか、リーチに踏み切る。しかし、すぐさま掴んだを河に捨てると、

 チー ロン

右田に放銃。牌の巡りが悪い。
これは厳しい戦いになりそうだ、との見解はオーラスに吹き飛ばされる。
西家・滝沢は4巡目に、

 ポン ポン

そして、あっさりをツモってポツリと「8.000、16.000。」
さすがです。


今回出場16名の中で最も気分良くグランプリ当日を迎えたのは、おそらく瀬戸熊直樹だろう。
今年度初頭、自身のブログで、
「1年間死ぬ気でやってみようと。結果がすべてではないけれど・・・」
と意気込みを綴ってはみたものの、納得のゆく善果が得られぬまま、春近くして尚も、永き冬を迎えようとしていた。
そして新春、第一志望であった鳳凰位には不合格も、チャンピオンズリーグで見事にサクラサク、面目躍如と相成った。
ホッと一息ついている間に訪れた新たな戦い。臨戦態勢を整えるには、やや期間が短かったか。
それを証明するかのように、絶頂時の瀬戸熊と比べ、やや迫力不足が否めない。

三回戦南二局、

 ドラ

いい音を立ててリーチをする瀬戸熊、しかしすでに和了牌は安目の一枚のみ。
この手に代表されるように、この日はとにかく和了りまでの距離が遠かった。
また、これは筆者の推測だが、卓内年長者であった組み合わせのアヤも瀬戸熊にはマイナスに作用したように思われる。
眼前の強敵にハングリー精神丸出しで立ち向かう、それこそがファイター瀬戸熊本来の姿であるはずだから。


四回戦を終え、勝負手を確実に和了り切った大場が一歩リードも、三つ巴の様相であった。
しかし最終五回戦、勝負を急いだ右田がまさかの四連続放銃で大勢決す。
来期からA1リーガーの右田、王位戦でも準決勝まで勝ち進むも、あと一歩。活躍は来年度にお預けとなった。

オーラス一本場、勝ち上がり目前の滝沢に異常発生。

 ドラ

ここからをチーして打、ラス親・瀬戸熊の現物であるタンキに受ける。そして、を引いて打と待ち替え。
一見柔軟な手筋に思えるが、このとき一発逆転を期す対面・右田がドラ色のマンズ気配。倍満直撃で奈落の底、斯様なリスクを冒す必要性は低いと言える。
更に、この滝沢の鳴きで下家の瀬戸熊に下がった牌は
自力でのツモ和了りを逃しただけでなく、苦しい形の瀬戸熊にテンパイまで入れさせてしまった。

結果、事件は起きずに大場・滝沢の勝ち上がりとなったが、滝沢は翌日のベスト8へ向け、最後のツメに不安を残した。
そして、その不安は現実のものとなるのであった。



B卓
滝沢 和典
大場 篤
瀬戸熊 直樹
右田 勇一郎
供託
1回戦
33.4
10.9
▲ 33.2
▲ 11.1
0.0
2回戦
▲ 18.1
25.1
▲ 2.1
▲ 4.9
0.0
3回戦
6.0
▲ 16.7
▲ 7.5
18.2
0.0
4回戦
▲ 13.2
15.2
▲ 21.4
19.4
0.0
5回戦
18.9
4.2
11.4
▲ 34.5
0.0
27.0
38.7
52.8
▲ 12.9
0.0



右田「最終戦、勝負を焦ってしまいました。稽古不足が祟りました。」

瀬戸熊「周り三人の気合いに押されたカンジ。不調を意識しつつも、最後まで調子を取り戻せなかった。」

ベスト8進出者 大場篤 滝沢和典







C卓 沢崎 誠 vs 猿川 真寿 vs 荒 正義 vs 老月 貴紀


左から 猿川 真寿 荒 正義 沢崎 誠 老月 貴紀

古豪2名対若手2名の構図となったこの卓。
荒が連勝を決め早くも当確ランプを点灯させるが、沢崎は揮わず連続沈みと明暗を分けた。

沢崎は直前に右手親指を負傷、万全の状態とは言えぬままの参戦となった。
常日頃ゆったりとしたモーションの沢崎、今日は輪をかけてタメを利かせ、指をかばう。
沢崎タイプの打ち手にとって、指の負傷は致命傷と成り得る出来事である。
それは所作に支障を来たすという意味ではなく、感覚に重きを置く雀風ゆえ、本来感じ取れるツモの機微を逃がしかねない、ということを意味する。
つまり、沢崎にとって右手親指は自身の命綱であり、その負傷は死活問題であるのだ。

そんな沢崎の異変を知ってか知らずか、他三名は小気味良く淡々と模打を繰り返してゆく。


三回戦オーラス、親番の老月が、

 ドラ

ここにツモで打。そしてツモ、この4.000オールでトータル二番手に浮上した。
老月は『重厚』という言葉がピタリと当てはまる雀風で、門前本手の破壊力には定評がある。
勝ちにこだわるよりも、どこか自分の麻雀を打ち切ることを重要視しているように見受けられるのは、筆者が昔からよく知る老月の心優しき部分に起因しているように思われる。


王位戦準優勝の猿川、その攻撃主体の打ち筋は今の勢いと打ち盛りの艶を感じさせる。
しかし、百戦錬磨の猛者達に囲まれた際、どうも持ち味を消されてしまう傾向にある。

四回戦東三局、ドラ暗刻リーチを入れるも、前局7.700放銃で失速気味の荒にサクッと捌かれ、なかなか勝負手を和了り切れないまま戦線離脱となった。
この壁を乗り越えさえすれば、タイトル獲得の日はそう遠くないように感じた。


荒当確、老月有利で迎えた最終戦。東一局一本場、北家・沢崎が、

 リーチツモ ドラ

この3.000、6.000で老月を逆転。さすがに勝負強い。

そしてオーラス、北家・老月が条件付きリーチ。

 ドラ

ツモれば文句なし、猿川以外からの出和了りでOK。
山に四枚残りの-、確率論で言えば勝ち目アリも、ここはヤミテンに構えることを許さなかった入り目という体勢論が結果として顕著に表れる形の流局決着。

終ってみれば、格上二名が貫禄の勝ち上がりとなった。



C卓
沢崎 誠
猿川 真寿
荒 正義
老月 貴紀
供託
1回戦
▲ 5.4
6.7
13.0
▲ 14.3
0.0
2回戦
▲ 14.6
▲ 9.4
26.2
▲ 2.2
0.0
3回戦
▲ 3.4
▲ 9.1
▲ 17.6
30.1
0.0
4回戦
12.4
▲ 33.5
18.7
1.4
1.0
5回戦
14.9
7.8
▲ 9.1
▲ 14.6
1.0
3.9
37.5
31.2
0.4
2.0




老月「よく手は入ったが、なかなか和了れなかった。」

猿川「力負けです。もっと勉強して、またいつか出場できたらと思います。」

ベスト8進出者 荒正義 沢崎誠







D卓 古川 孝次 vs 仁平 宣明 vs 藤原 隆弘 vs 室伏 理麻


左から 仁平 宣明 藤原 隆弘 古川 孝次 室伏 理麻

A1リーガー三名に相対するは、前期チャンピオンズリーグ覇者・室伏。
前期優勝時の圧勝と背中合わせに存在する今期の豪快な敗退、この卓に波乱をもたらすのは間違いなく室伏だろう。
その波をサーファー古川はじめA1三名が如何に乗りこなすか、期待と不安の入り混じる筆者一番の注目卓。


先制は藤原、40.000点持ちの南一局一本場の親番で、

 ツモ ドラ

この6.100オールで大量リードをもぎ取ると、そのまま勢いに乗り、なんと四連勝を飾った。

この藤原BIG WAVEに完全に飲み込まれたのが古川。
一回戦南二局二本場の親番で、

 ポン ポン ポン

元は1.000点の仕掛けを得意のサーフィン打法で高打点に仕上げていくも、フィニッシュまでには至らず、あえなく沈没。

さて、注目の室伏だが、再三果敢なリーチを決行するも、絶好調な仕事師の本手には抗えず、みるみる傷口を広げてゆく。
やっと勝負手が実ったのが、二回戦南三局。ドラ筋ノベタンを高目ツモ、どうにか戦線に踏み止まる。


四回戦を終え、藤原確定。あとは2.6P差の仁平・室伏の争い。
古川は、一人寂しく海辺に佇んでいる。

東四局、南家・仁平がリーチ。

 ドラ

高目のを力強くツモり、決定打となるはずだった。
しかし、次局に室伏が、

 ドラ

ちなみには全枯れ、も2枚顔を見せている。
迷わずリーチの室伏、渾身のツモで仁平越えを果たし、A1牙城を崩す大金星となった。


終了後に、
「あ〜、五連勝できなかったよ〜。」
と、ワラ節が炸裂。そして藤原は続けて、
「今日こんなに楽勝だと、だいたい明日はヤバいパターンなんだよなぁ〜。」

さすが燻し銀、彗眼である。



D卓
古川 孝次
仁平 宣明
藤原 隆弘
室伏 理麻
供託
1回戦
▲ 11.0
▲ 8.5
39.0
▲ 19.5
0.0
2回戦
▲ 17.1
7.5
13.9
▲ 4.3
0.0
3回戦
▲ 45.1
1.9
33.8
9.4
0.0
4回戦
▲ 4.4
▲ 19.5
30.7
▲ 6.8
0.0
5回戦
▲ 15.0
▲ 5.1
▲ 1.9
22.0
0.0
89.6
23.7
115.5
0.8
0.0




仁平「調子が良かった藤原さんに頼りすぎた部分が多く、その気持ちの分で負けたような気がします。」

古川「調整不足で、駆け引きなどがややズレていた。」

ベスト8進出者 藤原隆弘 室伏理麻




未だ道半ば、戦いは翌日ベスト8へ続くのであった。







 

(文責・松崎 良文 文中敬称略)

 

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