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タイトル戦情報

グランプリ2007 

ベスト8 レポート

(文責:松崎 良文)
昨日の華やかさから一転、決勝卓まであと一勝と迫った選手達は、もはやお祭り気分など持ち合わせていない。

小川や大場といった、いわゆる未冠の新参者が、このベスト8の戦いにおいて負けることは、すなわち大切なものを傷め、そして失うことを意味する。
それは心中僅かに芽生え始めた麻雀プロとしてのプライドであり、決勝卓という特別な領域で得るはずだった経験という名の財産である。

そんな両選手の健闘を祈りつつ、両卓が見渡せるベストポジションを確保。

間もなく立会人・瀬戸熊が定刻を告げ、戦いは静かに始まった。





A卓 荒 正義 vs 滝沢 和典 vs 小川 尚哉 vs 室伏 理麻


左から  室伏 理麻 荒 正義 滝沢 和典 小川 尚哉

昨日同様、滝沢の出だしは良くなかったが、契機は一回戦南場の親番に訪れた。

小刻みに点棒を重ねて迎えた南三局四本場に先制リーチを放つ。

は二枚枯れ、ツモり三暗刻という手型を貫きつつの足止めリーチだ。
滝沢の麻雀を大まかに表現するならば、『繊細』であろう。
しかし、時にこういった強引さをも内包させる現王位、いやはや引き出しの多さには感服いたす。

このリーチは流局するも、続く五本場で再び先制リーチ。

 ドラ

この手牌、またもやが二枚枯れ。先程にも増して、やや強引な印象を受ける。
ノートに牌姿を書き込んだところで卓に目を遣る。
そして、今度はちょっとやりすぎか、とメモしようと視線を下げた瞬間に聞こえた二つの声。
室伏「リーチ!」 滝沢「ロン。」

室伏はこの放銃で1万点割れ、オーラスでも荒に3.900を放銃し、サンドバック状態。
劣勢に立たされた打ち手は、勝負の分岐点で選択を迫られる。
突撃か、我慢か。
言わずもがな、室伏は前者の道を邁進するのであった。

二回戦東一局、西家・室伏がタンヤオ2シャンテンからドラのをリリースすると、南家・滝沢がポン。
間もなく4枚生きのペンをサクッとツモ、好調持続。
滝沢は東四局にも七対子タンキをリーチでツモり上げ、ソツなくリードを広げる。

この後、小川・荒に続けてツモ和了りが生まれ、完全に取り残される室伏。
しかし、ここで根拠の無い胸騒ぎ。
南三局、室伏親番。この親番、どうにも手が入りそうな気がして、室伏の後ろへ回り込む。

 リーチツモ ドラ

やはり、の3.900オール。
利いた風な口を叩いているが、根拠は無い。何となくそう感じた。
つまりは、そう感じさせる室伏に得体の知れぬ強さがあるということなのだろう。

この和了りで戦線に復帰した室伏はオーラスで、

 チー ツモ ドラ

この満貫で後方一気の一捲り、初戦の負債を半分返済。


三回戦南一局、ここまで苦戦を強いられている荒が観戦者を唸らせた。

 ツモ ドラ

が二枚切れで、は生牌の6巡目。切りリーチで問題なかろう。
しかし、荒は打のヤミテンに構える。そしてツモ切りリーチ。
なかなか引けぬも、鳴きで回ったハイテイにはが眠っていた。

この和了りで息を吹き返した荒、いよいよエンジン全開。
その荒との対戦を楽しみにしていた小川、ベスト16終了後に今回の卓組みを知り、「あ、荒さんとだ。」と無邪気な笑顔を浮かべた。
そしていざ本番、荒が卓上で放つ強烈なオーラを感じ、折り返し地点を過ぎた三回戦終了後の休憩中に、観戦者であり同期の内川幸太郎にポツリ。
「荒さんが怖すぎる・・・」
うむ、それ以上の的確な表現は有るまい。


四回戦南一局、西家・室伏が手バラからドラのをリリースすると、これを親の滝沢がポン。
室伏のラフな打牌は、もはや持ち味と言ってもいいだろう。そういった打牌の積み重ねが、後の好手牌を呼び込むことは麻雀において多々ある。
しかし、自分に悪目と出た場合の被害はなかなかに大きく、何より見栄えがよろしくない。
を鳴かせておきながらソウズのホンイツに走った室伏、一貫性を欠いた挙げ句に滝沢の仕上げまで面倒を見てしまい、女流最後の砦、ここで桜散る。


四回戦オーラス、トップ目の小川にラス親・荒が肉薄、三本場まで積んで逆転。
そして迎えたオーラス四本場、ドラの単騎で七対子テンパイの荒、終盤にを掴んでテンパイを崩す。
何故なら西家・小川がを鳴いてソウズのホンイツテンパイ気配。
慎重策を選ぶ荒、おそらく本手なきこの連荘に手応えを感じていなかったのであろう。
次巡、小川がツモ切ったを見つめる荒の背中から、ふと力が抜けた気がした。
そして、

 ポン  ツモ ドラ

高目をツモった小川は値千金のトップ奪取、トータル二番手をキープした。


最終五回戦、東場を終えて小川一人浮き。現状は滝沢・小川勝ち上がり。
しかし、南場に入ると、滝沢の点棒がジワジワと削られてゆく。
安定感抜群の滝沢であったが、ここで昨日の不安が現実のものとなる。

南三局二本場、南家・荒のリーチ、

 ドラ

このリーチだけには飛び込んではならない、そんなことは重々承知の滝沢であったが、安牌のある形から吸い込まれるように荒の当たり牌を放ってしまい、トータル二番手が入れ替わった。

迎えたオーラス、条件付きの仕掛けを入れる滝沢、

 チー ドラ

しかし、これはもはや形作り。
連日、終盤の勝負所で人が変わったように落ち着きを欠いた滝沢、昨日は無事逃げ切りも本日は御用、後悔の残る敗退となった。


A卓
小川 尚哉
滝沢 和典
荒 正義
室伏 理麻
供託
1回戦
▲10.8
38.7
5.7
▲ 33.6
0.0
2回戦
6.5
▲ 4.9
▲ 16.8
15.2
0.0
3回戦
▲ 6.1
17.9
5.6
▲ 17.4
0.0
4回戦
20.7
▲ 6.8
12.5
▲ 26.4
0.0
5回戦
22.1
▲ 27.9
15.2
▲ 9.4
0.0
32.4
17.0
22.2
71.6
0.0


滝沢「のんびり構えすぎ、もっとゲーム回しを意識すれば良かった。この負け方は当分冷え込みそう。」

室伏「押し引きがチグハグで、たくさん失敗しました。でも、とてもいい勉強になりました。」

決勝進出者 小川 尚哉 荒 正義







B卓 前原 雄大 vs 沢崎 誠 vs 藤原 隆弘 vs 大場 篤


左から 沢崎 誠 前原 雄大 藤原 隆弘 大場 篤

試合開始前、コンビニで沢崎とバッタリ遭遇。指には湿布が巻いてある。
指の具合について聞くと、「大丈夫だよ。」とニッコリ。
昨日の様子を見ているかぎりでは相当悪そうだが、総じて勝負師は戦いの前に弱みを見せないものだ。


断然不利との戦前予想を覆すべく、大場が開局を制す。

 ドラ

ここにツモ、ノータイムで切りリーチ。そしてツモで1.000、2.000。
結果もさることながら、逡巡なき大場の堂々たる佇まいは、その場に居合わせた者全員に本日の好戦を期待させた。


大場の好発進に感化されたか、ここから前原が戦モード突入。
東四局の親番で藤原とのリーチ合戦を制すと、続く一本場で怪物手を入れる。

 ポン

ここで大場の切ったをポン、さて何を切る。
前原は打を選択。安目での和了りを拒否するような、前原らしい一打とも言えよう。
しかし、次巡ツモ。6.100オール逃しに思わず悶絶の前原、クラクラしながら打

終盤、南家・沢崎がチーを入れて形式テンパイ。そして次々巡、前原がツモるはずだったを食い取る。
沢崎は今日もスローモーション、怪我の回復は見て取れない。
沢崎ほどの打ち手が前原の切りの際のキズを見落としているはずもなく、この超危険牌のは手牌に仕舞われるかに思えた。
しかし、沢崎はをツモ切った。
筆者以上に驚愕の表情で手牌を倒す前原とは対照的に、打った本人は澄ました顔で24.000点を払う。なんとも不思議な光景であった。


続く二本場、六万点を超えた親・前原に向かい、大場が以下のリーチ。

 ドラ

はっきり言って、これは無謀である。
親の前原が全てカブせてくるこの場面では、あまりにリスクが高すぎ、しかも打点がそのリスクに見合ってない。
枚数を確認してみると、山に三枚残る。はたして、これは洗練された大場の和了りへの嗅覚が打たせたリーチだったのだろうか。

釈然としないまま席に戻り、それでも自殺行為、とメモをしようとした時、ピタリと筆が止まった。
そうか、大場は前原に対する雪辱戦のつもりでこの戦いに臨んでいるのか。
つまりは前原が突き抜けそうなこの場面で形に関係なくリーチをぶつけること自体が大場にとって大意があり、それならば度々前原を射抜く爛々とした大場の視線も合点が行く。

結果は、前原テンパイを入れるも流局。しかし大場の執念は生半可でなく、次局見事に前原の親落としに成功するのであった。


一回戦オーラス、谷底寸前の沢崎が大場から5.200を和了り、傷を浅くする。藤原は30.200点で浮きを確保。


一回戦終了後、卓に二人きりになったのを見計らって、前原が大場に提言。
「ペンリーチの局だけど、俺はあの局面は絶対にオリないよ。」
大場は静かに頷いた。
前原殿、お言葉ですが、この男は重々承知の上で御座います。


二回戦東三局、大場が前原のリーチ三色5.200に飛び込む。
親番の藤原は静観、前原・藤原の並びが出来つつある。
そんな筆者の予感を、沢崎が打ち砕いた。東四局、

3巡目にしてこの形。すぐにツモ、打、門前大三元テンパイ。
5巡目、親・大場からが放たれ、南家・沢崎の手が止まった。
12.000点を受け取りつつも、どこか名残り惜しそうな沢崎。この放銃で大場は苦しくなった。

チャンス手をものにした沢崎は南一局の親番でも勝負手が入る。

 チー ドラ

中盤、前原が何気なくを切ると、沢崎の低い「ロン」の声。
その声を聞いて顔を歪める前原。おそらく、即座に値段の察しがついたのだろう。

沢崎大トップで負債を返済。藤原はここでも30.200点で浮き確保、さすが燻し銀。


三回戦オーラス、現状は前原一人沈み。
32.900点持ちの藤原、中盤で沢崎から「ロン。」の発声を浴びて肝を冷やすも、開かれた手牌はピンフドラ1の2.000点。
これで藤原は三度の浮き確保。ここまでくると、もはや芸術。


四回戦、一時はトータル三番手に後退した前原であったが、ここで猛ラッシュ。
一人浮きトップを奪い、当確ランプ点灯。
藤原は初沈みもトータルでは浮きの二番手と好位置をキープ。しかし、背後には沢崎がピタリとマーク。大場はかなり厳しい。


最終五回戦南一局二本場、北家・沢崎が、

 リーチツモ

この満貫で一歩リード。沢崎は南二局一本場でも1.300、2.600は1.400、2.700を、オーラスで2.600オールをツモり、後続を引き離す。


そして迎えたオーラス一本場、トータル三番手の藤原が、

 ツモ ドラ

ここからなんとをアンカン。状況を確認すると、トータル二番手の前原を逆転するには、満貫ツモが必要。切りの-待ちリーチでは、100点足りないのだ。

結果、藤原の手牌が勝負形に変化することはなく万事休す。
大場は善戦虚しく、ここで敗退となった。


B卓
前原 雄大
大場 篤
沢崎 誠
藤原 隆弘
供託
1回戦
33.6
▲ 9.8
▲ 28.0
4.2
0.0
2回戦
▲ 8.2
▲ 23.0
27.0
4.2
0.0
3回戦
▲ 19.2
5.6
11.7
1.9
0.0
4回戦
29.5
▲ 1.4
▲ 22.1
▲ 6.0
0.0
5回戦
▲ 25.5
10.3
26.0
▲ 10.8
0.0
10.2
18.3
14.6
6.5
0.0

 

藤原「予想通り、混戦で苦労しました。今日勝てば決勝で好勝負できそうな気がしていたので残念です。そして、黒棒1本の重みを改めて実感しました。」

大場「甘い打牌が多かった上に、周りが強かったです。良い経験になりました。」


決勝進出者 沢崎 誠 前原 雄大







こうして、決勝進出メンバー四名が名乗りを上げた。

決勝へ向けてのコメント

荒正義「連覇を狙う、と。」

前原雄大「一生懸命麻雀を打つ、それしかないです。」

沢崎誠「コンディションを整えて臨みたいです。」

小川尚哉「おもいっきりぶつかっていきたいと思います。」





はたして、強豪三名に囲まれた小川の運命や如何に。

そして、今年度最後のタイトル戦決勝、どんな戦いが繰り広げられるのであろうか。

 







 

(文責・松崎 良文 文中敬称略)

 

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