日本プロ麻雀連盟
第2回ロン2カップ
日本プロ麻雀連盟HOME 日本プロ麻雀連盟のご案内 牌譜データサービス ロン2のご案内 タイトル戦のご案内 インフォメーション プロ雀士情報 雀力アップ
ホームタイトル戦情報 > 第18期中部プロリーグ

タイトル戦情報

第18期中部プロリーグ

Aリーグ

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 伊藤 鉄也 ▲ 17.0 55.6 74.6 1.1 23.9 138.2
2 石津 寿人 61.5 68.2 34.4 7.4 ▲ 43.6 127.9
3 杉浦 貴紀 49.0 ▲ 34.9 1.3 47.1 19.7 82.2
4 鈴木 基芳 ▲ 10.2 ▲ 21.9 76.0 2.3 34.8 81.0
5 鈴木 雄介 16.4 41.5 ▲ 26.9 67.8 ▲ 24.1 74.7
6 古川 孝次 9.3 ▲ 13.5 ▲ 43.2 32.5 56.0 41.1
7 村瀬 寛光 46.2 ▲ 133.0 7.5 67.4 40.0 28.1
8 寺戸 孝志 5.0 35.9 ▲ 48.8 ▲ 27.4 44.6 9.3
9 日下 健司 ▲ 34.3 27.8 85.4 ▲ 76.9 ▲ 1.0 1.0
10 杉村 泰治 ▲ 7.7 3.3 ▲ 74.5 ▲ 14.5 48.6 ▲ 44.8
11 朝岡 祐 ▲ 4.5 ▲ 10.8 4.2 ▲ 22.0 ▲ 30.9 ▲ 64.0
12 渡辺 典夫 ▲ 2.2 ▲ 38.9 25.4 ▲ 21.9 ▲ 37.6 ▲ 75.2
13 毛受 俊 ▲ 34.0 36.5 ▲ 38.5 ▲ 31.4 ▲ 8.0 ▲ 75.4
14 三戸 亮祐 ▲ 12.0 ▲ 18.5 1.9 ▲ 19.1 ▲ 61.5 ▲ 109.2
15 掛水 洋徳 ▲ 12.1 3.8 ▲ 33.2 ▲ 63.8 ▲ 14.3 ▲ 119.6
16 葛山 英樹 ▲ 53.4 ▲ 1.1 ▲ 46.6 31.4 ▲ 50.6 ▲ 120.3

第1節レポート 第2節レポート 第3節レポート 第4節レポート 第5節レポート

<第18期中部リーグ決勝レポート:斎藤 寛生



年が明け、睦月の末に差し掛かろうとしていた。
1月29日、第18期中部プロリーグ決勝戦当日の朝、昨晩セットしておいたアラームが鳴り、
眠い目を擦りながら布団から起き上がると肌寒い冷気に襲われ、温もりが残る布団へと潜る。

のんびりしていられないと、半ば強制的に起き上がり、寝ぼけ眼で見た天気予報は晴れであったが、
家を出る時には今朝の寒さが身に沁みたのか、自然に手袋・マフラーを着けコートを身に纏った。

最寄り駅から会場まで歩く中、空っ風に吹き付けられ身体が凍える。
予報は晴れで太陽は出ていたが、それでも、乾燥した外気の寒さが太陽の日差しを凌駕する。
通りすがりの肌を露出したランナーを見てふと、あるイソップ寓話を思い出す、『北風と太陽』。あらすじはこうである。

あるとき、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。
まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、
北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
これで、勝負は太陽の勝ちとなった。
(wikipediaより抜粋)

真冬の今、太陽の日照りが恋しい。燦燦と照りつける太陽の日差しで、この厚着の上に羽織ったコートを脱がして欲しい。
そう考えているうちに会場に到着した。

28期生プロテストの受験生達が既に会場入りしており、最終試験を控え緊張した面持ちであった。
2年前に自分も同じような緊張感で最終試験に挑んでいた事を思い出す。
彼らには、プロを目指しているからには最高峰の戦いを目の当たりにして、自身の成長に繋げて欲しいと願うと同時に、
その戦いに感化され自身もその舞台に立つ事を願って欲しいと思う。

自分自身が2年前に、彼らと同じ立場で観戦者として立っていたこの場所で、第14期中部プロリーグ決勝戦行われていた。
開局早々に三戸プロが四暗刻をツモアガリ、勢いそのまま優勝する姿を拝見し、このようなプロになって観戦者を魅了したいと思ったからである。
決勝戦では普段のリーグ戦では見られない戦い、感じられない雰囲気が味わえる。そして、新たなチャンピオンが誕生するその場にいられる事が感無量である。
今日もまた新チャンピオンをこの目で見られる、楽しみで仕方がない。
そんな楽しみな決勝戦で素晴らしい戦いを魅せてくれるであろう、決勝戦に参加する4名を紹介したい。

決勝戦が始まる1時間前、会場にいた観戦者に本日の決勝戦の優勝者予想を質問した。結果は以下の通り。

石津寿人8票
杉浦貴紀7票
伊藤鉄也2票
鈴木基芳1票

人気と結果の繋がりについては、過去2回の決勝レポートに記載されているように、2番人気、4番人気がそれぞれ1回ずつ優勝しており、
1番人気は過去1度も優勝はしていないし、連対すらしていない。
獲得票数順に紹介させていただく。

ジンクスを破る事ができるのか、過去2回の人気投票では不運となった1番人気に選ばれたのは、静岡の雄、石津寿人(三段、20期生)。
予選2位通過(+127.9P)、プロリーグC汽蝓璽綾蠡亜中部プロリーグAリーグ在籍は連続9期、決勝戦は3回目(過去2回は準優勝1回、4位1回)。


1番人気と1票差の2番人気は、中部プロリーグ2度の優勝経験がある次世代エース候補、杉浦貴紀(三段、21期生)。
予選3位通過(+82.2P)、プロリーグ未所属、中部プロリーグAリーグ在籍は連続11期、決勝戦は4回目(過去3回は優勝2回、4位1回)。

予選通過順位は1位であったが、予想では2番人気から離れた3番人気となった、在籍6度目のAリーグで決勝戦初進出の苦労人、伊藤鉄也(二段、22期生)。
予選1位通過(+138.2P)、プロリーグC轡蝓璽綾蠡亜中部プロリーグAリーグ在籍は通算6期。

実績・実力は他者に引けを取らないが、結果最低票数となってしまった、中部の古参、鈴木基芳(四段、13期生)。
予選4位通過(+81.0P)、プロリーグA競蝓璽綾蠡亜中部プロリーグAリーグ在籍は連続14期の通算16期、決勝戦は4回目(過去3回は全て3位)。

決勝戦当日に、各者から決勝戦に対する意気込みと、気になる対戦相手について質問し、以下のコメントをいただいたのでここで紹介する。

【石津】
●意気込み
『先週の静岡リーグ決勝戦を観てギャラリーを楽しませるような決勝戦にしたいと思った。自分自身も楽しみたい。』
●気になる対戦相手
『1回戦をやってみてマークを決める。ただ、一番気合いが入っているのは伊藤だから、
その気合いが良い方向に行くか、空回りするかで対応を変えるつもりでいる。今日は怒濤の石津が来るのか?来ないのか!?』

【杉浦】
●意気込み
『わざわざ応援に来て頂いている方も見えますので、あまり無様な事にならないように気をつけたいと思います。』
●気になる対戦相手
『決勝に残られるような方々なので3人とも気になる相手ですが、最終的には自分自身との戦いなので、本当の敵は自分自身だと思っています。』

【伊藤】
●意気込み
『優勝する為の麻雀ではなく、いつもの自分の麻雀を貫いた上で勝ちにいきます。』
●気になる対戦相手
『杉浦。最終節の対局後、杉浦は自信を持って私にこう言った、「決勝戦に残ったメンツは私にとって非常に理想的です」と。
因果関係で、もし自分が敗れるのなら杉浦だと思う。そうならないように全力を尽くしたい。』

【鈴木】
●意気込み
『正直ありません。勝つのは当たり前、負けたら情けない。』
●気になる対戦相手
『他の対戦者がミス無く打って欲しいと願います。ミス打牌に読みが外されるからね。』

四者四様のコメントをいただき、光栄である。
いただいたコメントの深みが決勝戦の重みを物語っている。
その重圧に耐え、自身のスタイルを貫けるのか、それとも決勝戦故の重圧に押し潰されるのか、
各者の思惑・思考が交錯した第18期中部プロリーグ決勝戦が今始まろうとしている。


◆1回戦、起家から伊藤・杉浦・石津・鈴木。
東1局、開局の機先を制するのは南家・杉浦。12巡目にをチーで、

 チー ドラ

巡目が深くなり、親の伊藤がこの形で待望のをツモり、

 ツモ

配牌から抱えていた生牌であるを切って杉浦に放銃となる。ロン、5,200。
東2局、先ほど手痛い放銃をしてしまった伊藤が2局続けて放銃をしてしまい、苦しい立ち上がりとなる。
北家・伊藤、11巡目にツモれば跳満のこれでリーチ。

 ツモ 打リーチ ドラ

12巡目にドラであるをツモ切り、即座に鈴木が反応する。

 ポン ポン チー 打

15巡目、先ほどのポンにリンクしてか、伊藤が鈴木のアガリ牌を掴む。ロン、8,000。

東3局0本場・1本場と親の石津が巡目の早いリーチで、2,600オール、5,800は6,100をアガる。
続く2本場、8巡目に3局連続で先手となる親の石津から、この形でリーチ。

 ツモ 打リーチ ドラ

他者は太刀打ちできないのか、と思っていた矢先に、西家・伊藤がのトイツ落としから追っかけリーチ。

 ツモ 打リーチ

切ったを南家の鈴木がポンして前に出る。

 ポン 打

石津の連荘を阻止するべく前へ出てくる伊藤と鈴木。ここをアガって更なる弾みをつけたい石津。
ツモ。ここは伊藤に軍配が上がった、2,000・4,000は2,200・4,200。

南場を迎えた点棒状況は以下の通り。
伊藤 27,300
杉浦 28,100
石津 36,400
鈴木 28,200
移動した点棒の割に点差は無いが、親で連荘をした石津を他3名が追いかける。

南1局、4者の配牌。ドラ
伊藤 
杉浦 
石津 
鈴木 

4者ともそれなりの配牌で、スピードがありそうなのはを3枚重ねている親の伊藤と、中張牌の両面ターツが多い杉浦だろうか。
その中で意外にも先手を打ったのは、をツモって4巡目にリーチの鈴木であった。
この時の三者の手牌。

伊藤 
杉浦 
石津 

このような場面での押し引き、非常に迷いが生じる局面である。
筆者であれば、字牌を3枚落として無理をしない事を考えてしまいそうだが、ここで石津が怒涛の追い込みを魅せる。
ツモ 打
ツモ 打
6巡目に待ちテンパイとなるが、その後息を潜め11巡目にツモ 打でリーチ。

 ツモ 打リーチ

こうなると自然に牌が引き寄せられ、石津の手元で高目のが倒される。
ツモ、3,000・6,000。このアガりを物にして一気に5万点近くまで前進する。
オーラス、南4局1本場、結果から言うと杉浦が親の鈴木から1,000は1,300をアガと、石津の一人浮きを確定させたが、この杉浦のアガりは自身で納得していた結果だったのであろうか。
誰の動きも見られない中で、1,000のアガりを確定させる鳴きは決勝戦1回戦の戦い方としては少々消極的ではないかと感じた。

1回戦成績
石津+28.9P 鈴木▲2.6P 杉浦▲7.3P 伊藤▲19.0P

◆2回戦 起家から杉浦、鈴木、石津、伊藤
決勝戦終了後に触れられるキーとなる1局がこの2回戦東1局。
10順目の東家・杉浦、

 ツモ 打 ドラ

次巡にドラのをツモり、打としてダマを選択。
同巡に北家の伊藤から

 ツモ 打リーチ

杉浦と同じ形のドラ待ち七対子テンパイ、ここで伊藤の口からはリーチの発声。
思惑は夫々であるが同じ待ちの2人。
直後の12巡目、リーチをかけていない杉浦がツモ、4,000オール。
開局のこのアガりは点差だけ考えれば十分であるが、リーチをかけていれば6,000オールのアガりであった。
ドラをツモり四暗刻への変化を拒否する打としているので、ここからの手変わりは無いに等しいと思うが、リーチをかけない選択をした杉浦はこの結果に満足していたのだろうか。

その後は小場が続き、迎えたオーラス南4局、それまで苦しかった親の伊藤から10巡目にこのリーチ。

 ツモ 打リーチ ドラ

同巡に、同じくそれまでいい所が無かった鈴木が急所を引き入れてこのリーチ。

 ツモ 打リーチ

枚数は鈴木が有利であったが、ここは伊藤が値千金のツモで、3,900オール。

伊藤のアガりで平たい点棒状況となったが、続く南4局1本場は親を継続したい伊藤がテンパイすらできず、流局となる。

2回戦成績
杉浦+13.1P 石津+8.5P 伊藤▲7.7P 鈴木▲14.9P

2回戦終了後
石津+37.4P 杉浦+5.8P 鈴木▲17.5P 伊藤▲26.7P

◆3回戦 起家から杉浦、伊藤、鈴木、石津
ここまでの結果をどう捉えて、ここからの戦いにどう備えて行くのだろうか。
安心できるポイント差ではないため、先を走る石津はここでトップを取れれば4回戦以降が楽になるだろう。
石津を追いかける三者は、一人に走らせてはいけないことを念頭に置き、少しでもポイント差を縮めたいところ。

東1局、現時点で最下位の南家・伊藤の配牌。

 ドラ

三元牌の偏りがあるものの、それ以外はパッとしなかったが、13巡目にはこの形の跳満テンパイとなった。

 ポン ポン

この時点で伊藤のアガり牌は山に残り1枚。
だがしかし、最後の1枚はむなしくも鈴木の手の元へ、そして流局。
この手を成就させることができなかった伊藤、この時の胸中はどうだったであろうか。

東3局、ここでまた石津が素晴らしいアガりを魅せてくれた。
南家・石津。
配牌   ドラ
ツモ   
捨牌  
最終形  ツモ 3,000・6,000。
7巡目、ツモからの三色を拒否する打の判断にこの後、ツモが呼応する。
自らの手で大物を引き寄せて、親番を迎える石津が怒涛の3局連続アガりを魅せる。

東4局、

 リーチ ツモ ドラ 3,200オール

東4局1本場、

 ロン ドラ 7,700は8,000

これで早くも石津は57,000に。
この3局連続アガりは完全に石津のペースであり、後を追う三者にとって、厳しい点差となってしまった。

南2局1本場は杉浦がこの手を鈴木からアガり、何とか浮きにまわる。

 ポン ロン

5,200は5,500。
南3局、鈴木は親番を継続したいところ。配牌対子のを仕掛け、間をチーし連荘を目指すも、ツモ切ったが杉浦への放銃となる。

 加カン ロン

3,200、親番の無い杉浦は少しでも加点しトップの石津へ近付きたいところでこのアガりを手中にする。

石津 52,700
杉浦 36,700
伊藤 28,700
鈴木  1,900

オーラスの親番は石津。跳満ツモで杉浦の逆転となるが、どうなるか。
伊藤は浮きを目指し、鈴木は何とか負債を減らしたいところ。

南4局、11巡目に石津から以下の形リーチが入る。

 ツモ 打 ドラ

捨牌  

同巡南家・杉浦にも役なしテンパイが入り、長考の末、打

 ツモ 打

直後の12順目に杉浦がをツモる。石津の捨牌にはソウズが1枚も無いが、自身からは3枚見えるを材料に打1に踏み切る、引かない姿勢が伺える。
13巡目に杉浦はを掴む、切り辛い牌であるが、ノータイムでツモ切り。
親のリーチに立ち向かうも、同巡に北家・鈴木からリーチが入り、杉浦の抵抗はここで終わる。

3回戦成績
石津+29.9P 杉浦+12.5P 伊藤▲6.8P 鈴木▲35.6P

3回戦終了後
石津+67.3P 杉浦+18.3P 伊藤▲33.5P 鈴木▲53.1P

◆4回戦 起家から鈴木、伊藤、杉浦、石津
東1局
伊藤がこの配牌からここまで仕上げて、14巡目にリーチ。

配牌  

最終形  ドラ

このリーチに対して、12巡目にチーでツモり三暗刻をテンパイしていた杉浦は、伊藤のリーチ宣言同巡にをツモり危険度が一番低い1に手をかける。

 チー ツモ 打

その2巡後、無常にもアガり牌であったをツモるが時既に遅し、杉浦の河にはが3枚並べられていた。
素直にアガりに向かっていればアガりを手に入れていた杉浦、その直後にツモ切ったが鈴木への放銃となる。

 ロン、4,800

東2局、東場の親が落ちた北家・鈴木が、

 ツモ 打リーチ ドラ

11巡目にこれでリーチ。
遅れて14巡目に親の伊藤が追っかけリーチ。

 ツモ 打リーチ

追いかける伊藤が優勢と思われたが、16巡目、最後のドラを掴んでしまった伊藤が鈴木への放銃となる。
ロン、8,000。
これで鈴木は一気に50,000点オーバー。
鈴木が反逆の狼煙を上げる。

東4局、ここまでアガっているのは石津と鈴木の二人だけ。
その二人の優劣が、この局で決まる。
8巡目、親の石津が早くもテンパイ、ドラ受けを考慮しダマに構える。

 ツモ 打 ドラ

12巡目、石津はツモ、打で受ける。
13巡目、石津はツモ、打で牌を横に向け、リーチ。
同巡、鈴木がこの形から

 ツモ 打リーチ

リーチを宣言するも、これが石津への放銃となる、ロン18,000。

鈴木がを切った6巡目の牌姿がこの形。

 ツモ 打

その後、ドラを引き入れた12巡目の牌姿がこの形である。

 ツモ 打

ドラを使い切る手組みを考えていれば6巡目の切りは無かっただろう。
また、ドラ受けを拒否する形を選択したにもかかわらず、12巡目にを手の内に残しその後の放銃。
どうも、鈴木の麻雀が噛み合っていない様に思えた。

南場を迎えた点棒状況は以下の通り。
鈴木 38,300
伊藤 14,900
杉浦 20,100
石津 46,700

南1局、ここまで出番の無かった杉浦にこの配牌。

 ドラ

3巡目には既にこの形でテンパイするも、

 ツモ 打

4巡目にツモで、打としてテンパイを崩す。
5巡目、ツモ、打
6巡目、ツモ、暗カン、王牌からのをツモ切りリーチ

 暗カン 打リーチ

見事な手順でツモれば倍満、高目出アガりで跳満の手を作り上げる。筆者では3巡目のテンパイからここまでの形に仕上げることはできていなかっただろう。
9巡目に親の鈴木から追っかけリーチが入るも、17巡目に鈴木がを掴み、杉浦への放銃となる。
ロン、8,000。
最も安いアガりとなった杉浦、この結果をどう捉えているだろうか。

南2局、親の伊藤が、3,000(一人テンパイ)、7,700は8,000、3,000(一人テンパイ)、500オールは800オールと4本場まで積み点棒を増やすが、4本場はテンパイが取れず流局。
その4本場で伊藤らしからぬ判断が見受けられた。
6巡目にこの形から、234・345の三色が見える局面から打として、345を拒み234の三色を目指す。

 ツモ 打 ドラ

11巡目まで有効牌を引き入れられず、12巡目にツモで打とするがこの判断、6巡目に切りをしているが故、ここは最後までブレずに234を見据えツモ切りをして欲しかった。

4回戦成績
石津+27.9P 伊藤+5.8P 杉浦▲10.2P 鈴木▲24.5P

4回戦終了後
石津+95.2P 杉浦+8.1P 伊藤▲27.7P 鈴木▲77.6P

◆最終戦 起家から鈴木、伊藤、石津、杉浦
開局前に、壁面に掲げられたトータルスコアを眺めて各々優勝条件を確認する。
このポイントの差、決まってしまった感が漂うのは否めないが、最後の親番まで諦めず戦って欲しい。

東1局
開局早々、ここでまたトータルトップの西家・石津が魅せる。

配牌  
          
ツモ  チーチー
捨牌      
最終形  チー チー ツモ
9巡目のチーの時点で河にはが3枚見えているが、打で残り1枚のを待つ。
ここでも石津の判断に牌が引き寄せられる、ツモ、2,000・3,900。

その後、石津の丁寧な打ち回しで場が荒れずに東場が終了する。

南1局1本場は、鈴木が連荘を目指し500オールは600オールをアガる。
南1局2本場、鈴木が6巡目にリーチをかけるが、7巡目、同巡に平和テンパイをしていた石津に放銃、2,000は2,600。
最後の親番を落とした鈴木は、これで優勝争いから完全に脱落した。

南2局、親番の伊藤が粘りを見せる。
配牌対子のを鳴き、7巡目に石津からロン、1,500。
南2局1本場、10巡目リーチで杉浦からロン、3,900は4,200。
巻き返したいところであったが、それもここまでであった。
南2局2本場は、終盤にテンパイを引き入れた杉浦が鈴木からロン、1,000は1,600。
これで優勝争いは二名に絞られた。

南3局、石津の親番で杉浦は大きなアガりを手中としたいところだが、結果は杉浦の一人テンパイで流局。

南4局1本場
トータルスコアを含めて90ポイント差ある。親番で挽回を図りたい杉浦。
14巡目にやっとテンパイを引き入れる。

 ツモ 打 ドラ

だが、結果は二人テンパイで流局。

続く南4局2本場
10巡目にを重ねて七対子と決める杉浦。

 ツモ 打 ドラ

結局、そのまま有効牌を入れることができず、杉浦の一人ノーテンで、第18期中部プロリーグの終幕を迎えた。

最終戦成績
石津+13.4P 伊藤+6.5P 杉浦▲6.3P 鈴木▲13.6P

最終戦終了後
石津+108.6P 杉浦+1.8P 伊藤▲21.2P 鈴木▲91.2P

こうして新たなチャンピオンが誕生した。

戦い終えて、宴の席で決勝進出者からコメントをいただくことができたので紹介させていただく。

4位 鈴木基芳
『情けなかった。石津自身が特別だった訳では無いが、石津を普通に打たせてしまい、それを崩せなかった事が敗因。』
鈴木の麻雀を背後からじっくりと見るのは、今回が初めてであった。
瞬時に思いがけない判断をする決断力と、重厚且つ慎重な間の取り方には目を見張った。

3位 伊藤鉄也
『苦しかった。3回戦、石津にリードされて石津を浮かせたくない思いと、点棒状況を含めてマークをしたけど、石津が自力で這い上がって行ってそれに噛み付けなかった。4回戦にトップを穫られたが、それが他家の失敗。優勝争いをする中で、一人を走らせてはいけないが、それを止められなかった。思い返す場面はあるけれど、それは考えた上の結果、後悔はしていない。石津プロ、おめでとうございます。』
伊藤とは数回、セットで同卓させていただいている。その時とは打って変わる、美しいフォームから打ち下ろされる模打は綺麗であり、内に秘めた闘志が静かに燃えている摸打は格好良かった。

2位 杉浦貴紀
『割と上手く打った方だと思う。ドラ待ちチートイはリーチで良かったかも。我慢は結構していた。石津プロが強かった。』
競技セットで卓を囲む時には、杉浦が勤める麻雀荘でいつもお世話になっている。
笑顔の絶えない優しい先輩だ。
今日の決勝戦で随所に見られた冷静沈着な判断が素晴らしかったが、全員のリーチ総数42回に対して杉浦のリーチ回数が3回と、少々慎重になりすぎたのではないかと感じた。

優勝 石津寿人
『攻める場面での一牌勝負に負ける事がなかった。結果、牌回りがとても良かった。それに尽きる。細かく言うと、2回戦目開局、杉浦の七対子ドラツモはリーチをかけられていなくて助かった。それと、4、5回戦目は丁寧に打ち回し、親と2着目の杉浦をマークして、現物を残すようにしていた。』

冒頭で触れたイソップ寓話『北風と太陽』、今回優勝した石津を表現するならそれは、寓話に登場する太陽である。
勝負に負けた北風のように、力任せに手っ取り早く、乱暴に物事を片付けようとするのではなく、太陽のように、決して急ごうとはせずどっしりと構え、場の状況を理解した上で適切な手段を考え行動に移し、ゆっくりと着実ではあるが、最終的に大きな効果を得て、勝負に勝つ。

有終の美となった石津の麻雀が観られなくなってしまうのは非常に残念だが、今回の決勝戦で石津が残してくれていったものは観戦者の若手達が受け取ったであろう。
それをまた新しい世代へ伝えていかなければならない。
筆者もその一人であるが、今はまだ同じ舞台に立つことができない。
いつの日かくるであろう戦いの日に何かを残せる打ち手となれるよう、これまで以上の努力と研鑽を積み、日々精進していく。




前列:石津寿人
後列左より:伊藤鉄也、杉浦貴紀、鈴木基芳、木村本部長

(レポート:斎藤 寛生  文中敬称略)



 

Bリーグ

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 森下 剛任 19.6 110.1 ▲ 0.8 48.0 ▲ 9.7 167.2
2 若松 正和 108.9 ▲ 22.2 25.3 ▲ 20.6 ▲ 12.9 78.5
3 長谷川 弘 31.2 ▲ 38.9 62.0 ▲ 38.3 52.3 68.3
4 土岐 雄太 ▲ 31.8 67.5 ▲ 1.2 ▲ 7.9 32.7 59.3
5 小坂 美樹 ▲ 19.1 10.9 14.0 ▲ 9.7 36.8 32.9
6 樋口 新 20.3 60.1 ▲ 22.8 ▲ 68.6 35.0 24.0
7 河合 慎悟 ▲ 46.6 32.1 ▲ 12.0 54.5 ▲ 14.6 13.4
8 岡本 丈司 ▲ 58.0 ▲ 22.8 7.2 80.6 ▲ 9.6 ▲ 2.6
9 太田 充 33.1 ▲ 34.6 ▲ 27.5 0.0 8.5 ▲ 20.5
10 菅野 直 ▲ 38.7 ▲ 51.2 4.7 57.7 ▲ 10.8 ▲ 38.3
11 佐藤 あいり 62.0 ▲ 17.0 ▲ 65.5 1.1 ▲ 24.0 ▲ 43.4
12 山田 優駿 0.7 ▲ 70.9 ▲ 8.2 22.0 11.9 ▲ 44.5
13 大西 義矩 ▲ 56.8 8.2 25.0 ▲ 30.5 0.9 ▲ 53.2
14 浅野 文 雅 ▲ 48.5 0.6 24.2 ▲ 5.9 ▲ 23.9 ▲ 53.5
15 石本 彰 21.9 ▲ 37.5 2.6 ▲ 32.2 ▲ 48.8 ▲ 94.0
16 金平 裕樹 ▲ 1.2 4.6 ▲ 30.0 ▲ 53.2 ▲ 24.8 ▲ 104.6

第1節レポート 第2節レポート 第3節レポート 第4節レポート 第5節レポート

 

Cリーグ

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 荒谷 誠 104.1 22.8 50.0 68.4 9.5 254.8
2 牛尾 信之 ▲ 6.0 20.7 4.4 3.3 113.8 136.2
3 木村 東平 ▲ 18.9 56.3 ▲ 52.1 72.7 23.7 81.7
4 太田 峻也 22.2 27.8 34.6 7.2 ▲ 18.0 73.8
5 中西 栄二 24.8 45.0 ▲ 19.7 ▲ 26.2 43.6 67.5
6 安藤 大貴 ▲ 6.1 ▲ 53.6 52.1 46.8 27.2 66.4
7 加藤 泰史 ▲ 10.6 57.7 ▲ 24.5 3.3 6.2 32.1
8 越川 清一 91.6 9.9 ▲ 19.2 ▲ 47.3 ▲ 11.9 23.1
9 大滝 聡 ▲ 3.2 50.8 ▲ 41.9 ▲ 15.1 28.8 19.4
10 小野 雅峻 ▲ 70.5 42.1 19.7 ▲ 31.4 32.4 ▲ 7.7
11 小倉 麻希 28.1 ▲ 46.4 ▲ 30.0 2.1 27.4 ▲ 18.8
12 大高坂 松城 ▲ 17.5 14.2 ▲ 34.7 29.1 ▲ 28.1 ▲ 37.0
13 斎藤 寛生 ▲ 30.5 ▲ 22.9 ▲ 57.4 66.5 7.0 ▲ 37.3
14 櫛田 利太 ▲ 55.6 ▲ 1.9 64.3 ▲ 14.3 ▲ 30.2 ▲ 37.7
15 山田 真弘 9.6 ▲ 40.1 28.3 ▲ 21.1 ▲ 14.9 ▲ 38.2
16 家田 みゆき 26.3 ▲ 5.4 ▲ 26.7 ▲ 51.1 12.6 ▲ 44.3
17 井上 洋一 1.4 ▲ 26.8 22.1 12.8 ▲ 55.5 ▲ 46.0
18 山下 滝也 ▲ 55.1 41.5 ▲ 22.7 ▲ 1.8 ▲ 17.2 ▲ 55.3
19 吉井 友直 0.4 ▲ 21.8 44.2 19.1 ▲ 101.3 ▲ 59.4
20 鈴木 淳 ▲ 40.1 ▲ 13.8 ▲ 13.6 ▲ 28.3 ▲ 7.9 ▲ 103.7
21 三谷 卓也 ▲ 13.9 ▲ 58.7 25.1 ▲ 9.6 ▲ 68.2 ▲ 125.3
22 角谷 和幸 13.5 ▲ 98.4 ▲ 4.3 ▲ 89.1 ▲ 50.0 ▲ 228.3

第1節レポート 第2節レポート 第3節レポート 第4節レポート 第5節レポート


活動予定
2011年4月
10 (日) 第17期中部プロリーグ 第3節
5月
8 (日) 第17期中部プロリーグ 第4節
6月
12 (日) 第17期中部プロリーグ 第5節
7月
10 (日) 第17期中部プロリーグ 決勝
8月
14 (日) 第18期中部プロリーグ 第1節
9月
11 (日) 第18期中部プロリーグ 第2節
10月
9 (日) 第18期中部プロリーグ 第3節
11月
13 (日) 第18期中部プロリーグ 第4節
12月
11 (日) 第18期中部プロリーグ 第5節
2012年1月
8 (日) 第18期中部プロリーグ 決勝
2月
12 (日) 第19期中部プロリーグ 第1節
3月
11 (日) 第19期中部プロリーグ 第2節

 

 

中部プロリーグ優勝者

 期 年度 優勝 2位 3位 4位 備考
第1期 2003年 三戸 亮祐 古川 孝次 鈴木 基芳 望月 雅継  
第2期 2003年 菅谷 晃一 武藤 彰宏 渡辺 典夫 木村 東平  
第3期 2004年 三戸 亮祐 大高坂 松城 石本 彰 渡辺 典夫  
第4期 2004年 田口 哲也 葛山 英樹 大高坂 松城 三戸 亮祐  
第5期 2005年 古川 孝次 三戸 亮祐 鈴木 基芳 大高坂 松城 観戦記
第6期 2005年 石本 彰 三戸 亮祐 木村 東平 掛水 洋徳 観戦記
第7期 2006年 古川 孝次 木村 東平 掛水 洋徳 三戸 亮祐 観戦記
第8期 2006年 石本 彰 木村 東平 三戸 亮祐 長谷川 弘 観戦記
第9期 2007年 渡辺 典夫 木村 東平 鈴木 基芳 杉浦 貴紀 観戦記
第10期 2007年

三戸 亮祐

掛水 洋徳 大高坂 松城 石本 彰 観戦記
第11期 2008年 杉浦 貴紀 岡本 丈司 三戸 亮祐 古川 孝次 成績 観戦記
第12期 2008年 杉村 泰冶 荒谷 誠 古川 孝次 磯部 文秀 成績 観戦記
第13期 2009年 杉浦 貴紀 葛山 英樹 朝岡 祐 石津 寿人 成績 観戦記
第14期 2009年 三戸 亮祐 掛水 洋徳 杉村 泰冶 日下 健司 成績 観戦記
第15期 2010年 鈴木 雄介
朝岡 祐
掛水 洋徳
葛山 英樹
成績 観戦記
第16期 2010年 鈴木 雄介
杉村 泰冶
三戸 亮祐
渡辺 典夫
成績 観戦記
第17期 2011年 寺戸 孝志
石津 寿人
葛山 英樹
杉村 泰冶
成績 観戦記
第18期 2012年 石津 寿人
杉浦 貴紀
伊藤 鉄也
鈴木 基芳
成績 観戦記

 

ページトップ
麻雀格闘倶楽部 好評稼働中!
モンド21麻雀プロリーグ
GyaOバナー白
ALRAN
麻雀格闘部呂倶
日本プロ麻雀連盟メールマガジン
トップページ牌画の利用について引用・リンクについて広告についてよくあるご質問お問い合わせサイトマップ
日本プロ麻雀連盟
Copyright 1997-2010 Japan Professional Mahjong League. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
ma-jan.or.jpの記事・写真等の無断転載はお断りします。