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タイトル戦情報

第21期チャンピオンズリーグ

決勝観戦記

(レポート:猿川 真寿)


1月29日、天気は快晴だったが、少し日陰に入ると寒さが体に染みる。
昨日のトーナメントは面白かったなと思いながら、四ツ谷駅から会場に歩を進める。

チャンピオンズリーグはビックタイトルではないが、獲得してから飛躍した者も少なくない。
その代表は、去年のランキング1位・瀬戸熊直樹だろう。
他団体のタイトルは取っていたが、13期チャンピオンズリーグが連盟初タイトルで、
その後、鳳凰位連覇、十段位獲得と今1番脂ののっているトッププロとなった。

全5回戦だから約6時間後。誰が満面の笑みを浮かべているだろうか?
第21期チャンピオンズリーグ決勝の始まりである。まずは選手紹介。

山田 浩之


「山田浩之」
17期生・兵庫県出身・B型・A2リーグ
今回の面子では格、実績からも本命であろう。
山田とは同期で、お互い10年以上プロを続けているが、話をするようになったのは3年前ぐらいから。
それ以降は、麻雀の意見交換などもよくするようになり、自分自身の雀力向上にも役立っている。
ライバルの1人で、同世代では実力1かなと最近は思うこともある。
スタイルは攻撃系自在型。
弱点は、感情が入りすぎて放銃した時の処理がタンパクすぎるところだが、それを含めての勝ちパターンの作り方はさすがである。


一井 慎也

「一井慎也」
17期生・広島県出身・B型・C1リーグ
一井も山田と同じく同期であるが、ちゃんと話しをしたのは今回が初めてだった。
麻雀は何度か見たことがあり、昨日の麻雀を見ても自分の思った通りだった。
スタイルは守備系バランス型。
仕掛けが早いのと、ヤミテンが多いのが特徴。トーナメントにはむいていると思うが、頭取りの決勝ではどうだろうか?
昨日の延長の麻雀では厳しく思えてしまう。当然、変化があれば勝負はどうなるか分からない。


北野 由実

「北野由実」
22期生・東京出身・B型・D1リーグ
連盟唯一の東大卒女流プロ。普段は、上場企業に勤めているOLで毎日が忙しいらしい。
平日開催されている勉強会にも、仕事明けに参加して頑張っている。
麻雀はよく分からない。見たことは何度もあるが、スタイルはまだ確立されていないように感じる。
よく言えば自在というところだろうか。
弱点は、放銃した後の押し引きバランスが崩れやすいという印象が強いので、その辺りだろうか。


越野 智紀

「越野智紀」
23期生・東京出身・B型・D2リーグ
越野とは以前一緒に働いていたことがあり、よく知っているが、あんな中学生みたいな顔をしているが麻雀は強い。
ちなみに自分より年上です。
自分の彼に対する評価はかなり高く、リーグ戦で成績が残らないのが不思議なぐらいだ。
スタイルは局面読み切り型。
読みの精度が高く、1局単位で自分を有利に持っていくのがうまい。
今回、山田の対抗になる。




1回戦(起家から、一井・越野・山田・北野)

山田以外の表情は硬い。特に北野はそう見える。決勝初出場だからしょうがないかな?
麻雀に影響しなければいいなと思った。
東1局 昨日の勢いが残っているかのように、4者とも配牌がいい。

一井
 ドラ
越野
山田
北野

 

親の一井、越野、北野が2シャンテンで、山田は3シャンテン。
初アガリは越野。3巡目、リーチで5巡目にドラ表をつもり1,300、2,600のスタート。

  リーチ  ツモ

一井は、3巡目には好形1シャンテンになっていただけに、気分はよくないだろう。
次局は、一井が山田から1,000をアガリ東3局。

先手を取った一井は、シャンポンのヤミテンを選択。
決勝1回戦ということと、が4枚切れでは確実に山にいるということから、リーチの方が良かった気がした。
決勝を戦う姿勢としては弱気に見えた。

次巡、山田がを引き入れテンパイ。1手変わり6,000オールまでみえるが、巡目が深いのでリーチ。
山田としては打点が一応あるし、アガれたらラッキーぐらいのリーチである。
まずは主導権を取りにいったというところか。

自分も同じ選択をする。1人テンパイなら嬉しいなというところである。
好形1シャンテンの北野は、リーチと聞こえていないかの様にまっすぐくる。
3巡後に、1番嬉しいを引きこみ三色確定リーチ。

ヤミテンにするかと思っていたが、今日は肝が座っているみたいだ。
押し具合から、安くはないだろうと思っている山田は内心ビクビクだろう。
残り枚数は、山田1枚、北野2枚。北野が山田の最後のアガリ牌を掴み7,700の放銃となった。

局は進み南1局。

この局は自分に取って興味深かったので取り上げてみた。
結果から書くと、山田がポンテンを取りその後持ってきたドラをツモ切り。それを親の一井がポン。
越野が山田に1,000の放銃という局。

越野の動きに注目してみると、6巡目に七対子1シャンテン。
かぶったを山田にポンされ、ツモでドラがだけにほぼやめ。
単純ならまだいいが、も考えられるので普通だろう。

山田のドラ切りで親の一井がポン。山田はほぼテンパイ。捨て牌からはタンヤオが濃厚。
ツモ切りとはいえ、4巡目にを切っているので危険筋の1つになる。
ドラを切っていることから、リャンメン以上になってそうだ。

一井に4,000オールをアガられるくらいならということで打
これには賛否両論あると思うが、自分は無しにしている。
越野がまっすぐいって、が危険だと思いながら切るのなら何とも思わないが。
まして、山田はトップ目である。越野が山田に負けた時の敗因になるだろうなと思った。

南3局、先手は一井、7巡目にタンヤオドラドラのテンパイ。

 ドラ

10巡目、北野リーチ。

 リーチ

この時点で一井の待ちは0枚、北野はが1枚だけしかなかった。
12巡目に越野もリーチ。

 リーチ

待ちは2枚いたが、オリている山田の手の中へ。
結局、ラス牌を北野がツモリ2着争いが熾烈に、山田はかぶったものの1人浮きになった。
オーラスは、北野の3巡目三色リーチに、一井が手詰まりで7,700放銃。
1本場は、越野が三色リーチでまっすぐいっていた北野から打ちとり、山田と越野の2人浮きになった。

1回戦成績 
山田+15.7P  越野+7.7P  北野▲6.3P  一井▲17.1P




2回戦(起家から、北野・山田・一井・越野)

開局、親の北野が果敢に攻める。4巡目以下の牌姿からポン。

 ドラ

さすがにドラのないこの手でかかりすぎかなと思って見ていたが、この後、好牌を引き入れリンシャンツモで4,000オール。

 暗カン ポン ポン ツモ

後に繋がるのか分からないが、うまくいくなあと素直に感心した。
続く1本場、越野が好配牌。

 ドラ

第1ツモがで打、第2ツモがで小考。難しい牌姿だと思った。
素直に四暗刻1シャンテンもあるが、1手遅れだが、ホンイツに向かった方が打点バランスは取れそうな気がする。
越野の選択は打。この選択が正解で、6巡目にツモでとりあえずテンパイ。
7巡目に、山田からリーチがかかるがヤミ押しで、9巡目にを引き入れツモリ四暗刻の追いかけリーチ。
これに一井が放銃で12,000のアガリをものにした。

一井は、ドラトイツの1シャンテンで牌姿だけみるとしょうがないように見えるが、2人テンパイに対し1シャンテンでアガリは薄い。
1回戦4着で、調子は微妙ということでとりあえず山田の現物の打になりそうである。
越野の捨て牌を見ると、-待ちの可能性はなくはないが変則手が濃厚で、もしあったとしても高目がのチャンタかなと思うのでなら安そうに思える。
勝負牌まで我慢して欲しかったと思う。

2回戦はこの後大きな変動はなく終了。
一井は、2ラスで前回の決勝と同じ展開になってしまうのか?
ポイントが抜けている人がいないのが救いであろう。

2回戦成績  
北野+19.7P  越野+8.2P  山田▲11.0P  一井▲17.9P

2回戦終了時 
越野+15.9P  北野+13.4P  山田+4.7P  一井▲35.0P




3回戦(起家から、一井・山田・越野・北野)

東1局、2局は越野と山田が軽くアガって、迎えた東2局1本場。
北野が10巡目テンパイ。

 ツモ ドラ

北野の選択はヤミテン。12巡目、山田からリーチが入るが、同巡ドラをツモって2,100、4,100のアガリとなった。
Aルールにおいて、七対子ドラ単騎のリーチ判断は好みだと自分は思っている。正解は分からない。

ドラというものはノイズ牌であるから、捨て牌からの山読みは出来ない。手格好に関わらず保留されるからである。
両方のメリットをいえば、リーチをすればツモった時に3,000、6,000、もしくは6,000オールになる。
リーチ派の考えでは、相手に対応させてツモ回数を増やすという思考も含まれている。
ヤミテン派の考えは、出アガリ確率を減らしたくないのである。

例えば、タンピン三色1シャンテンの人がいたら、ドラが不要なら切るかも知れない。
リーチされていたらテンパイまで出ないだろう。どちらも一長一短なのである。
この選択について悩んでいる打ち手は少なくないと思うので書いてみた。

極論でいうと、キープレイヤーとの歩幅(手の進行具合)で決めるしかない。
ただ、この考え方は全ての局面で言えることなので、七対子に限った話ではないが。

今回の北野のケースは、決勝ということと、ここまでの調子からリーチのほうが良さそうに思えた。
逆に、ヤミテンにする時は、1本積んでいる山田がドラを切っているときであろう。

その場合、山田は1シャンテンの確率が高く、性格上、テンパイしたらリーチにくるだろう。
だから、ヤミテンでおとなしく待っていて、周りから出ないようならオリになる。
わざわざリーチで、不利な戦いをする必要はないだろう。

 

続く東3局も、北野が安めで山田からアガリ加点する。

 ロン ドラ

ドラがということもあり、やはりこの局も決勝ということを考えたら・・・
点数を持ち、北野は少し弱気になったように映る。

その後は、山田がこまめにアガリ、3人浮きで迎えたオーラス。
親の北野が好配牌。

 ドラ

7巡目にポンテン。

 ポン

これに後がない一井がで7,700放銃。
次局も、北野が2,600は2,700オールをツモリ、持ち点が50,000点オーバーに。
2本場は、山田が差を縮めようと7巡目リーチ。

 リーチ ドラ

高目をツモリ、40,000点越えの2着になる。
オーラスで沈んだ越野は、2人が点数を持ったこともあり少し厳しくなった。
一井の第21期チャンピオンズリーグは、実質ここで幕を閉じた。

3回戦成績  
北野+26.1P  山田+16.8P  越野▲8.1P  一井▲34.8P

3回戦終了時 
北野+39.5P  山田+21.5P  越野+7.8P  一井▲69.8P




4回戦(起家から、北野、越野、山田、一井)

北野に、これ以上離されられない越野が東2局、一井から9,600のアガリ。

 暗カン ロン ドラ

次局1本場は山田がリーチ。

 リーチツモ ドラ

東3局、勢いにのりたい親の山田は、5巡目1シャンテンから渡り打ち、10巡目にこの牌姿。

 ドラ

この時の北野は、

こうだったが、最後にドラを引き入れ13巡目リーチ。

 リーチ

ツモ切りが続いていた山田の一発目の牌は。これをノータイムで切り、8,000の放銃。
放銃自体はしょうがないと思うが、優勝争いには効いてきそうだと思った。

東4局、北野1人ノーテン。
東4局1本場、北野→山田 1,300は1,600。
南1局、山田1,000、2,000をツモり、北野を沈めて浮きにまわる。
南2局、北野配牌。

 ドラ

これが無駄ツモなしで4巡目リーチ。

 リーチ

これに山田がつかまり、浮き沈みが入れかわる。
南3局も北野が山田から、5,200をアガリトップ目に立つ。

オーラス、越野は3回戦終了時で30ポイント離れているので、トップを取って差を縮めおきたいところ。
山田もなんとしても浮きにまわらないと、最終戦かなり厳しいだろう。
しかし、この局も北野が軽く仕掛けてアガリ優勝に近付く。

4回戦成績  
北野+20.1P  越野+13.0P  山田▲11.0P  一井▲22.1P

4回戦終了時 
北野+59.6P  越野+20.8P  山田+10.5P  一井▲91.9P




最終戦(起家から、山田・越野・一井・北野)

東1局1人テンパイだった山田が、1本場で北野のリーチに真っ向勝負するが、この局は越野が400、700のアガリ。
続く東2局山田が、

 ドラ

これをテンパイするが、アガれず1人テンパイ。
そして東3局、越野8巡目リーチ。1シャンテンの北野も次巡テンパイで越野が掴む。



ここで勝負あり。新チャンピオン北野が誕生した。

5回戦成績 
一井+15.9P  北野+7.0P  山田+2.8P  越野▲25.7P

最終成績  
北野+66.6P  山田+13.3P  越野▲4.9P  一井▲76.0P

4位:一井慎也「反省します。敗因がすべて自分なので納得しています。勝ちたい相手でした。」

3位:越野智紀「どこかで手が入るとずっと我慢して、最後に拾い損ねたのが悔しいです。応援してくれた人たちにいい結果を見せたかったです。」

2位:山田浩之「殴りあいに負けました。勝敗はともかくもっと戦いたかった。」

優勝:北野由実「すごくついていました。気負わずに楽しく打てたのがよかった。最終戦はすごく緊張していたので、早く終わりたいなと思っていました。
   初決勝だったので、見るのと打つのはすごく違うことが分かり、本当に勉強になりました。」


打ち上げの席で、途中から北野はただの酔っ払い。「酒はうめいら」としか言わなくなってしまった。
よほど嬉しかったのだと思い、微笑ましくそして羨ましくなった。

帰りの電車で山田の敗因を考えてみた。麻雀的には、ミスと思える局がほとんどなかったからだ。
やはり、姿勢なのかなと思った。
前回のチャンピオン山井は、当日決勝が終わるまでは意識的に人との接触を避け、1人の時間を作り集中力を高めていた。
決勝を勝つには、多少の緊張感と多少のかかり具合がうまくいくことが少なくない気がする。
山田はどこかその緊張感が足りなかったような気がする。それが、甘さに繋がったのかなと思った。

今回の北野は、彼女の麻雀を見た中では格別に良かった。
こんな麻雀打っているのだと思った。


北野さんおめでとう。これまで大変だったと思うけれども、これからも頑張ってほしい。
これでグランプリMAXの出場権を獲得したので、貴重な経験を次に活かしてほしいと思う。本当におめでとう。







(観戦記:猿川 真寿 文中敬称略)

                              

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