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タイトル戦情報

チャンピオンズリーグ

決勝観戦記

(執筆:大川 哲哉)



2001年に創設されたチャンピオンズリーグも今期で18回目の決勝を迎える。
この長い歴史の中で、3回以上決勝に進出した者は2人しかおらず、レベルの高い戦いを毎期見ることが出来る。
1人はAリーガーの藤原隆弘(現在A2)。

堀内 正人

 


堀内正人(24期生・C3)
そして、今回その2人目となったのは、来月十段戦の決勝も控えている現チャンピオンの堀内正人。
2008年後期、2009年後期に続き3度目の決勝進出となった。
ここ最近の実績を見ると、若手の中では頭一つ抜けている存在であり、今回も本命と言っていいだろう。


西川 淳

西川 淳(18期生・C1)
自分と同期であり、カルチャースクールの講師としても活躍している西川淳は、嬉しい初のタイトル戦決勝進出である。
観戦には、奥様と今年4歳になる娘も応援に駆けつけ気合十分。決勝に望む特別な思いが伝わってくる。


蛯原 朗


蛯原朗(25期生・D3)
プロ2年目の新人であるが今期のリーグ戦も昇級し、今回の決勝進出で特昇の権利も獲得。
前日、少し話す機会があったのだが、とても緊張している様子であった。

嶋村 泰之


嶋村泰之(26期生・D3)
今年デビューの新人である。
このチャンピオンズリーグも初出場で初決勝。

タイトル戦に参加するからには、まず決勝まで勝ち上がるという思いで対局に望んでいると思う。
当然、自分も毎回そういう思いを胸に秘め、対局している。
今期チャンピオンズリーグのベスト28トーナメントでは、上記した新人2人(蛯原、嶋村)と対戦した。
その時の印象は、共に門前で手を進めていき、状況により他家に対応するタイプであり、それが本来の自分のスタイルであるなら、
この決勝でも西川、堀内を相手に互角に戦うことが出来るのではないかと感じていた。




<1回戦>(起家から、堀内・蛯原・西川・嶋村)
 
開局は、蛯原が自然な手順で5巡目にリーチを打つ。

 ドラ

これを13巡目にツモり、1,300・2,600と好調な滑り出しを見せる。
ここで気になったのが、嶋村の開局時の手順である。

配牌 

ここから第一打をとしている。
この対局の中で、時折この様に序盤からスリムに打つ場面をよく見かけたのだが、場況がないこの場面では素直にを切っても良いのではないかと思う。

東2局、その嶋村が本手をリーチ。

 リーチ ドラ

親の蛯原が追いかけるも流局。

東2局1本場。

ここから蛯原の選択はドラ切りリーチ。
場況でマンズ待ちが良いのと、ピンズが派手に飛んでいる事から、ドラはどこかに固まっているとの判断であり、
ドラが鳴かれても勝負になると踏んだリーチなのであろう。きっとアガリに向かう選択としては正解なのだと思う。

ただ、自分ならばここはドラ単騎でリーチを打つ。
ここで1,000オールや2,000点をアガる事より、3,900オールを逃す事のほうが大きいと判断する。
自分の状態を判断する意味もあり、もしツモる事が出来ればこの半荘を決めるアガりとなり、後半戦の戦いを有利に進める事が出来るのではないかと思うのだが…。

東2局2本場、嶋村が10巡目リーチ。 

リーチ ドラ

西川は受け気味に手を進めていたが、ツモが効いて、

 ロン

この8,000を嶋村からアガる。

東3局、堀内は第一ツモでドラを暗刻にし、チャンス手を丁寧に仕上げる。
ソーズのホンイツ手で仕掛けていた蛯原から7,700直撃。

 ポン ロン ドラ

東4局、まず、堀内が高め2,600の先行リーチ。
親・嶋村が追いつき高めツモ6,000オールのドラドラリーチを打つ。

 リーチ ドラ

しかし軍配は堀内に。

 ロン

この辺りの印象としては、堀内に大分余裕があるように感じられた。
ただ、きっちり門前で本手を仕上げてくる嶋村。
自分もトーナメントでは親番での爆発力を見せ付けられている。
これからの戦い方に注目だ。

南1局1本場、嶋村の配牌が良い。3巡目リーチ。

 リーチ ドラ

西川がで放銃してしまう。
1シャンテンにとり567の三色を追った手順だったが、未だ三色も確定しておらず現物も残っていただけに、ここは少し淡白な放銃に映ったがどうか。

南2局、堀内のリーチに西川が追いつきリーチ宣言牌で放銃する。

 ロン ドラ

1回戦成績  堀内正人+20,7P  蛯原朗+4,3P  西川淳▲10,0P  嶋村泰之▲15,0P

1回戦終了時、堀内はさすがの貫禄で圧勝するような気配さえあった。




<2回戦>(起家から、西川・蛯原・堀内・嶋村)

2回戦は、開局から大きな山場を迎える事となる。

嶋村は、これが6巡目ポンテンで最終手出しがである。
西川、堀内も軽い形の牌姿であったが、ピンズ・字牌を打ち切れずにオリに回る事となる。

蛯原の13巡目。

 ツモ

嶋村はずっとツモ切りを続けている。
ここでを打ってしまうかと思われたが、打で迂回。さすがにオリたかと思っていた。
しかし、残りツモ1回の場面で、ドラのをツモると意を決したかの様に打とする。

「!!」

ここはもうアガリが無い以上、
打てばほぼ8,000点以上は予想される嶋村の手に対して、しっかりとオリるべきでは無かったか。

「ロン 12,000」

 ポン ポン

ただ、麻雀にはたとえ読みを入れアガリが無いと分かっていても行く場面もあるのだと思う。
ただ真直ぐに前を向き、果てしなく先を見て。

蛯原はドラをツモった時だけはを切る腹づもりであったのであろう。
ならば、目の前で起こった結果だけを悔やむ事は無いと思う。
プロを続けていくならば、この先も幾多と無く勝負をしていく事になるだろう。
その過程の中で、自分なりの答えを探し出せば良いと自分は思う。

東2局、蛯原の親番である。やはり前局の放銃で動揺してしまったのか精彩を欠いている。

序盤でトイツが5組となり、トイツ手を目指すが6巡目のツモでトイツのを切ってしまう。
メンツ手に移行するならば打として欲しかった。

そして牌図の場面。ここから西川の切ったをチーしてしまう。これはあまりに悲しい。
この局は、西川の2,000・4,000のツモアガりとなる。

蛯原は2年目の新人であるが、並み居る連盟の猛者たちをなぎ倒したファイナリストである。
ここはぐっと我慢して欲しかった。

東3局、全局のアガりに気を良くしたのか、西川が堀内から6,400をアガる。
堀内は、手が整って無い型からの放銃だっただけに、少し気を緩めてしまったのだろうか。

南1局、西家・堀内の配牌。

 ドラ

ここから蛯原の切ったに飛びつく。
堀内らしいと言えばらしいのだが、ここから全くツモが効かず、マンズに移行する間も無く嶋村からリーチが入る。

 リーチ 

堀内もの後付けでテンパイをいれたが、メンチンをテンパイした西川がリーチの嶋村にで放銃してしまう。

南2局1本場、まるで南1局の再現の様な動きを序盤にみせた。

堀内の配牌。

ここから蛯原の第一打のをポン。ただし、今回はドラトイツの本手である。
しかしこのをチー。これが堀内の戦略だとは思うが、今回は絶対アガリに結び付けるべきドラを2枚抱えた本手。
せめての役を確定させてからでは遅いのだろうか。
この辺りで、堀内はいつもと違う雰囲気を感じ取っていたのかもしれない。

嶋村はダマテンでメンホン1シャンテンになっていた蛯原からロン。

 ロン

嶋村は、落ち着いてよく打てていると感じた1局だった。

2回戦成績   嶋村泰之+23,3P  西川淳+9,7P  蛯原朗▲13,3P  堀内正人▲19,7P   
2回戦終了時  嶋村泰之+8,3P  堀内正人+1,0P 西川淳▲0,3P  蛯原朗▲9,0P  




<3回戦>(起家から、蛯原・西川・嶋村・堀内)

ほぼ横並びでリスタート。トータル5回戦の決勝戦ならば、ここで抜け出した者が後半戦を有利に戦えるのは言うまでも無い。
東1局は、親・蛯原がリーチで1,000オール。
ここまでをトップ→ラスで迎えた堀内は、東1局1本場、配牌1シャンテン。

 ドラ

2巡目にを引き入れこのリーチ。出来ればかドラを先に引きたいところだがこれは致し方ない。しかし流局してしまう。
親・蛯原はリーチを受けてこの型

 

安全に打のトイツ落としとするのだが、手仕舞いするには早すぎると感じる。
ここはまだ3巡目であり全く情報も無い場面。
を行って欲しかった。(場にが2枚あるので、のトイツ落としが出来るというメリットはあるが)
結果論だが、その後ドラを重ねた時点でアガりに向かえば、どの待ち取りをしても最低9,600出アガリMAX6,000オールを引いている。

前日、緊張している蛯原に自分は、

「決勝なのだから観戦者を意識して、その上で自分も楽しんで打てれば最高じゃない。内容に満足出来れば勝ち負けはその次だと思うよ」と語った。

プロは、結果が全てでは無いと自分は思っている。(実績が無い自分が言うのもどうかと思うが)
たった5回の決勝戦である。好不調、運不運があるのは致し方ない。
それより、自分の麻雀をこの決勝戦で存分に表現し、周囲に感動を与えてこそプロだと思っている。
ならば、結果を残せなくとも、人々の心に残り、評価されるよう打つべきであると自分は思う。
しかし、内容の無い結果だけの勝利ならば、やがて忘れ去られてしまうのではないか。

この1局だけを見てそう思ったのでは無いが、一観戦者としての熱い気持ちに応えて欲しいと思う局面が何度かあった。

東4局3本場、ファーストテンパイは西川、を暗刻にしカンを慎重にダマテンとする。
そこに、親の堀内が13巡目にリーチ。

 リーチ ドラ

西川は撤退するも蛯原が、

 ポン ツモ

これを一端打として廻るが、次巡ツモからをポンで跳満テンパイ。
しかし、堀内に放銃となる。ここは堀内のターンか。
4本場は、西川から1,500+1,200。
5本場は、1,300オールと打点は無いが立て続けにアガる。
6本場は我慢してドラを重ねた西川からリーチが入る。

 リーチ ドラ

しかし、と仕掛けていた蛯原がホンイツで応戦。シャンポンから3メンチャンに振り替わったところで西川が放銃となった。

 ポン ポン ロン

西川が苦しい。持ち点もここで8,000点となる。

南1局、西川は配牌から意思のある打でチャンタ三色へと向かう。
是が非でも大きなマイナスはしたくない場面であるが、ツモが効いてくれない。
親・蛯原より6巡目にリーチが入る。
全員撤退の最中、蛯原がツモって1,000オール。

1本場は、堀内が決まれば決定打となるリーチを打つが、

 ドラ

西川がリーチ宣言牌で1,000をアガる。

南2局は、嶋村がスタイリッシュな手順を見せ一発ツモの2,000・4,000。

 ツモ ドラ

嶋村はこのアガりから3回戦をトップで飾り、後半戦を迎えるのだが、前半と比較すると決め打ちというか、手牌をスリムにして打つ局面が多くなった様に思う。
後で聞いてみると、やはり優勝を意識してから受け主体に打ったとの事。
戦略として非常に優秀であり、デビューしたての新人とは思えないクレバーさが目立ったと感じる。
この決勝戦でそういった戦略をたてられるのは、普段から麻雀をかなり打ち込んでいる証拠であろう。

南3局、嶋村。 

 チー ロン ドラ

嶋村が西川よりの後付けで2,900をアガるのだが、この決勝戦では字牌の後付けの仕掛けが多く見られた。
もちろん、各々タンヤオ移行やオリも考慮しての仕掛けではあるのだが、嶋村のそれは非常に精度が高く、仕掛け所も要所を捉えていた様に思う。

これ以上、点棒を削られる事の出来ない西川は南3局1本場、

 リーチ ドラ

これでリーチとするが、嶋村がリーチ後に仕掛けて、

 チー ツモ

同2本場、嶋村の5巡目、 

 ツモ ドラ

ここから打でノベタンのリーチ。

自分ならはツモ切りし、ソーズかピンズを伸ばして役ありテンパイに組み替える手組みを選ぶ。
嶋村もそのように打ち進める時もあるのだろう。ただ今回は、先手を取って有利に進める戦い方を選んだ。
結果は、テンパイの入った西川から2,000は2,600の出アガり。
同3本場もを鳴いて攻める嶋村だが、ここは堀内が300・500でかわす。

南4局、トップが欲しいラス親・堀内が七対子の9タンキで6巡目リーチ。
流局かと思われたが、ツモ番が無い所でドラを重ねてテンパイを入れた西川が、堀内から6400をアガり、残り2回に望みをつなげた。

3回戦成績   嶋村泰之+24,6P  蛯原朗+9,4P   堀内正人+4,5P  西川淳▲38,5P 
3回戦終了時  嶋村泰之+32,9P  堀内正人+5,5P  蛯原朗+0,4P  西川淳▲38,8P 

対局の様子




<4回戦>(起家から、堀内・西川・嶋村・蛯原)

残り2回戦。この辺りで既に自分の置かれた立場や、相手との得点状況を踏まえた戦い方を心掛ける必要がある。
半荘ならラス前、5回戦の戦いなら4回戦目の戦略が重要である。

東1局、先制点が欲しい親・堀内が6巡目に1シャンテンとなりドラのを放つ。
それを、北家・蛯原がポン。次巡にテンパイ。
堀内が追いつき、リーチを放つが蛯原に7,700の放銃となる。

 ポン ロン ドラ

東2局1本場、流局を挟んで西川の親番。
ここはどうしても大きめのトップを取り、最終戦勝負に持ち込みたい。

 ドラ

気合いの入ったリーチだった。
3巡後に、無事ツモり4,000オール。
同2本場の西川。

このテンパイを入れたのが7巡目。が1枚ずつ飛んでいる為かダマテンを選択。
ドラがなので、ピンズを伸ばしてリーチが本線と見ていた。(但し第一打をとしている)
しかし、ピンズをツモる事なく、その間に堀内が3フーロ。
ソーズが場に安くなり、そのままダマテンを続行する西川。
有効なピンズが場に多く打たれてしまい、他家の仕掛けに対応しているのかもしれない。
ただ自分は、後がない親番だけにここはリーチで勝負するべきだと思って観ていた。
西川、5のツモアガりで1,000は1,200オール。

東2局3本場、西家 蛯原が6巡目リーチをかけるも、ポンテンドラ暗刻の嶋村が無筋を切って押し返す。
数巡後、ツモアガって2,000・4,000。

 ポン ツモ ドラ

東3局は、堀内と蛯原のリーチ合戦に、嶋村も2フーロのホンイツ1シャンテンで押し返す。見ごたえのある勝負局となった。
ここは堀内の高めツモで決着。

 ツモ ドラ

全員最終半荘へのシナリオを描いて前に出てきている。
ここからが本当の勝負処となるのであろう。

東4局、堀内がタンヤオのみを5巡目テンパイ。次巡イーペーコーに変化したところで即リーチ。
これをツモリ2,000・3,900。

 ツモ ドラ

ここで嶋村を沈め、トップを取れば最終戦は着順勝負に持ち込める。
2局連続の満貫級のアガリに堀内も手ごたえを感じているはずである。

南1局、堀内が終盤リーチを打つも、嶋村がトイトイでお互い一歩も引かずここは流局となる。
流局を挟んだ南2局2本場では、蛯原が意地を見せ、終盤にドラ単騎を力強く引きアガる。

 ポン ポン ツモ ドラ

ラス前を迎えて得点を見ると、西川の1人浮き状態になってはいるのだが、堀内、嶋村、蛯原、共に状態という点では優勢に見える。

南3局、全体的に見るとここが決勝戦一番の勝負局になったと思う。
各自持点は、堀内25,600、西川37,300、嶋村(親)27,600、蛯原29,500となっている。

まず最初にテンパイを入れたのは蛯原。

 ポン アンカン

ここからの単騎選択、蛯原は1枚切れのを選んだ。
これが当然の選択だと思う。ただ単騎を選択した場合はアガりが濃厚だった。
が河に顔をみせる事無く場は進む。
西川が役無しのテンパイを入れ、同巡、嶋村もピンフドラ2の5,800をテンパイ。
煮詰まった状況をみて、堀内も鳴きを入れテンパイを入れる。

嶋村はソーズの場況がとてもよく見える為、リーチするかと思いきやヤミテンを選択。
そして、数巡後のツモアガり。

自分はリーチを打つと思う。
しかし、リーチを打つのが良いか悪いかは別として、この手を飄々とダマでツモアガる嶋村を見て美しいなと思った。

同1本場は、堀内が蛯原から三色リーチを討ち取り5,200,。
オーラスは、西川が堀内から2000をアガりトップを捲り、望みをつないだ形となった。

4回戦成績   西川淳+14,7P   嶋村泰之+9,4P  堀内正人▲7,5P  蛯原朗▲16,6P   
4回戦終了時  嶋村泰之+42,3P  堀内正人▲2,0P  蛯原朗▲16,2P  西川淳▲24,1P 




<最終5回戦>

いよいよ最終戦である。
嶋村以外が優勝する為には、全員、嶋村を沈めてトップをとる事が必須となる。
東2局1本場、嶋村が勝利に向けこのリーチを打つ。

 ドラ

これをアガれば相当有利な展開となる。
しかし、ここは蛯原が仮テンながら七対子をツモアガる。

東3局、後が無い西川は、西単騎の七対子リーチを打つ。
タンピンのテンパイを拒否し、567の三色に絞っていた堀内から西がこぼれ、4,800を西川がアガる。

同1本場、蛯原が--のタンヤオリーチを西川からアガる。
東4局、嶋村がホンイツを仕掛ける。前半戦の嶋村ならば鳴く事も無かったと思うが、最終戦でトータルトップ目。本人にも焦りがあったのであろう。
しかし、これがファインプレーとなっている。
この鳴きで、が下家に流れている。もしもの世界があるならば、堀内の四暗刻が成就していたかもしれない。

同1本場、早々にドラを暗刻にした堀内が当面の敵、嶋村から7,700をアガる。,
これは慎重な嶋村らしくない放銃だった。

 ポン ドラ ロン

この局面で仕掛けを入れた堀内の手が安いはずがない。
ここは今までの嶋村ならきっちり対応し、を打っているはず。優勝を意識してバランスを崩しているのがよく分かる一局だった。

南1局、蛯原がカン五の三色リーチ。最後の親番で目一杯に仕掛けていた堀内から5,200。

南2局、今度は西川がカンで123の三色リーチ。これになんと嶋村がスジを追って放銃。
リーチに対して完全安牌は無いのだが、の暗刻落としが最善策ではなかったか。

 リーチ ドラ ロン

南3局、嶋村が11,400のラス目である。
順位点を含めると▲26,6Pとなり、トータルポイントは+15,7P。この数字で、他三者は優勝に向かう、かなり現実的な条件が出来た。
この局とオーラス、あと2局ある。そしてオーラスは嶋村が親である。(規定で最終戦のラス親はトータルトップ者がなる)

蛯原7巡目、

 ツモ ドラ

蛯原の選択は打。これは中途半端だった様に思う。
現状、嶋村との差はトータルで17,9Pである。トップになれば、更に4ポイント加算されるので実質13,9P差といえる。
さらに現実的な最終条件としては、満貫ツモまでを設定する。
従って自分ならまずこの手をアガる事を考え、打と構える。もしくは、の受け入れ拒否でツモ切りとする。 

その後と引き入れた蛯原の手牌は、 

ここから三色の変化を見ていたのだろう。ダマテンに構え、結果、親・西川のリーチに3,900の放銃となった。

同1本場は嶋村が3巡目役無しカンテンパイから、10巡目にシャンポンに待ち替え、リーチをする。
これを即ツモアガる。

 ツモ ドラ

オーラス、蛯原、堀内共に条件を満たすリーチを打つも流局。

5回戦成績   西川淳+20,4P  蛯原朗+10,0P  堀内正人▲6,6P 嶋村泰之▲25,8P (供託2,0)  
最終成績    嶋村泰之+16,5P  西川淳▲3,7P  蛯原朗▲6,2P 堀内正人▲8,6P  (供託2,0)


優勝した嶋村は落ち着いて、自分の麻雀を貫き通した事が勝因となった。

総合的に見れば、選手各々が持ち味を活かし、戦う事が出来た良い決勝戦だったと思う。
混戦の中、勝ち抜いた嶋村には今後も更なる活躍を期待し、また残念な結果に終わってしまったが、
今期のファイナリスト3名もいずれまた新たな舞台で活躍する事となるであろう。

優勝者のコメント

「初戦はラスを取りましたが、自分の中ではそれ程悪くは無い感触を持っていました。
と言うのも、今回のトーナメントベスト28・16・8と全てマイナススタートからの逆転勝ち上がりと言う展開だったからです。
内容的にも、攻めを主体としての小さめのラスでしたし、むしろ残り4戦を良いイメージで望む事が出来ました。
そこからはタイトル戦初決勝の緊張も無くなり、観戦者がいる事も心地よく感じる程で、楽しんで麻雀を打つ事が出来たと思います。
2回戦以降は、配牌やツモも軽やかになり、リーチや仕掛けに関しても、自分らしく選択することが出来ました。
優勝を意識した最終戦は酷い内容だったと思います。中途半端な選択、オリ打ち等、散々なものでした。
ただ、2〜4回戦を伸び伸び打てた分、最終戦に勝負運を残せたのではないかと思います。かろうじての逃げ切りでした。
今後の抱負として、まず後期は必ずリーグ戦を昇級します。そして更に技術や経験を積み、後期チャンピオンズリーグの連覇を目標とします。」



左から 第4位:堀内 正人 準優勝:西川 淳 第3位:蛯原 朗
優勝: 嶋村 泰之




 





(執筆:大川 哲哉 文中敬称略)

                              

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