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タイトル戦情報

チャンピオンズリーグ

決勝観戦記

(執筆:内川 幸太郎)



8月15日(土)PM10:00頃、四谷しんみち通り内。
チャンピオンズリーグのトーナメントを終え、連盟道場を出て歩きだしたところで、

「どうする?」と、ホームページ担当が問いかけてきた。

それは、今から約二週間前のこと。
「決勝に残れなかったら観戦記やってよ」と編集担当から連絡が入った。
もちろん決勝の観戦記など、なかなかできるものではないので、当然残れなかったら「やりたいです!」と答えた。

しかし、それよりも決勝の舞台で戦うことの方が、プロにとっては至高の喜び。
それだけに、気合も入り何とか準決勝までは勝ち上がったのだが・・・

敗戦直後に、呆然と肩を落とす私に掛けられたその言葉は、恐ろしく冷静に聞こえた。
しかし私は、(ここで断ったら、情けねーな、一丁やったるか!)と思い、腹の底から声を絞り出し答えた。

「やります、やらせてください」

帰宅後、お酒の力を借り床に就くもやっぱり眠れない。
困ったから、今回の決勝に残った4名の簡単な紹介をしよう。



8月16日(日)決勝戦当日AM2:00頃、自宅にて。

連盟員ならずとも、知らないものはいないであろう。
「ワラさん」の愛称で親しまれ、その打ち筋で多くのファンを魅了する緻密な仕事師。
昨年、8年ぶりにA1から降級したが、タイトル戦の決勝は数知れず。
チャンピオンズリーグは、第6期準優勝、第8期優勝と今回で3回目の決勝進出。
リーチの数は少ないが、その精度は非常に高い。
また、仕掛けを駆使しての局回しも得意技の一つである。
藤原隆弘(A2)
   




第32期王位戦5位、第13期チャンピオンズリーグ準優勝と、今回で3回目の決勝進出となる。
雀風は攻撃型。
先制リーチに向って、フルスイングをはじめたら勝機は大いにあるだろう。
 
増田隆一(B1)

タイトル戦の決勝は初出場。
対局前に「昨晩、四暗刻をあがる夢を見たんですよ。」と楽しそうに語るその姿は、
今日もなにかをやってくれそうな期待を抱かせる。
普段からの、あり余る豪運を遺憾無く発揮してもらいたい。
西島一彦(C1)
   


25期生で、まだデビューして半年。
準決勝で、沢崎、藤原に囲まれるも、堂々とした戦いぶりで初の決勝進出。
初参戦のプロリーグでも昇級を決めており、勢いだけではない何かがありそうだ。
 
藤井すみれ(D2)





8月16日(日)、決勝戦当日AM11:00頃。

いつの間にか眠りに落ち、一夜が明けた。
一晩寝れば、大概の事が飲み込めるO型に生まれたことに感謝しながら電車に乗り込む。
会場に入ると、立会人である瀬戸熊と目が合う。
お互い苦笑い。

周りを見渡すと集中力を高めているのか、それとも緊張しているのか、少し離れたところで西島と藤井が座っていた。
程なくして藤原、増田と順に会場入り。
こちらの2人は冗談を飛ばし合い、リラックスしすぎじゃないの?と思うほどテンションが高い。

場所決めをし、それぞれが席に着く。
定刻を迎え、いよいよ戦いの火蓋は落とされた。




1回戦

起家を引いた藤原が、いきなりの先制リーチ。
紹介の際に書いたが、リーチの精度が非常に高いことで定評がある。
仮に親であっても、愚形の押さえ込みリーチは少なく、アガりが見込めないリーチは打たない信条だ。
ましてや決勝の開局、1日の出来を占う意味でも自然とツモに力が入る。

一発ツモ!
Aルールに一発は無いが、やはり気持ちがいい。
打点こそ安いものの嬉しい開局でのアガりとなった。

さぁ、藤原がいきなり走るか?と思ったが、同1本場は藤井がカット。
開始前は緊張しているかに見えた西島、藤井も、1局が終わると落ち着いたのか、自然と模打もスムーズになってきた。

それ以降の点数の動きは、
東1局1本場、増田→藤井1.600+300。
東2局、藤原500・1.000。
東3局、西島1人テンパイ。
東4局1本場、藤原300・500+300。

南入するまで、終始小場で回っている。これ、藤原ペース。
自分にアガりが無いと判断すると、無駄な牌を降ろさない。
故に、他家のアガりが遠くなり、安くなる。

その雰囲気に待ったを掛けたのが、西島。

南1局、配牌はさほど良くなかったが、丁寧に打ち回し、

 リーチ ツモ ドラ 

この満貫を藤原にカブせ、勢いそのままにオーラスでも2.000・3.900を引き、この半荘トップとなった。

反対に元気が無いのが増田。
ラス前に、藤原に8.000を打ち、オーラスには満貫の親カブり。
藤井が、ラス前の親で連荘したリードを守り、浮きの3着となったため、増田は一人沈みのラスと、苦しいスタートとなった。

1回戦成績  西島 +20.6P 藤原 +9.0P 藤井 +2.1P 増田 ▲31.7P  




2回戦

東1局。

1回戦、ラスであった増田に異変が。西島のリーチに打ち込み8.000。
増田とは、同い年という事もあり、頻繁にセットを組んだりして一緒に麻雀を打つことが多いのだが、こんな形の放銃は見たことが無い。

対局終了後に聞いてみた。

「1回戦を終えて、前回のチャンピオンズの決勝を思い出しちゃったんだよね。」
(そのときもラススタート)
「それが、焦りというか勝負所を間違い、ああいう結果になってしまったよ・・・」

たった1局の過ちだったが、これを境に増田にはほとんど手が入らなくなる。

次に大きく点棒が動いたのは、西島の1人テンパイを挟んだ東3局。
西島に連勝させまいと、藤原が手を作る。

 リーチ ツモ ドラ

これをツモってトップ目に立つも、次局、西島が再び1.300オールを引き、両者一歩も譲らずこのままオーラスを迎える。

南4局1本場。
ここまで、なかなかアガりに結びつかなかった藤井に手が入る。

 ツモ ドラ

このとき藤原も、

この形となり真っ向勝負だったが、ここは藤井に軍配が上がる。
準決勝でもそうだったのだが、藤井はオーラスに良く手が入る。
それまでの経過で、内容が良いということの表れであろう。
このアガりで藤井も浮き、増田が1人置いて行かれる展開となった。

2回戦成績  西島 +16.7P 藤原 +9.1P  藤井 +1.7P 増田 ▲27.5P

2回戦終了時 西島 +37.3P 藤原 +18.1P 藤井 +3.8P 増田 ▲59.2P




3回戦

1、2回戦とも同じ並びで終わり、藤原、藤井の両者は何とか西島を引きずり下ろしたい所。
また、2ラスの増田にとっては、もうひとつも落とせない状況だ。

東1局、その増田にようやく闘える手が入る。

 ドラ

一方、起家の西島もダブをポンして臨戦態勢。
それに対して、増田がドラのを叩き切り場に緊張が走る。
しかし、アガったのは西島で、増田が手を開ける事はなかった。

 ポン ポン  ツモ  

東2局2本場、再び増田にチャンス手が。

 リーチ ロン ドラ  
 
10巡目のこのリーチに、打ち上げたのが藤井。
この時、藤井の手牌も、

こうなっており、この放銃は致し方なしか。

東4局1本場、藤原が8巡目にこの手をヤミテン。

 ロン ドラ

これに飛び込んだのは、ここまで好調であった西島。
西島の手もドラ2のチャンス手だっただけにショックも大きい。
藤原からすれば、ようやく尻尾を捕まえたと言ったところであろう。

続く南1局1本、西島の親番。
藤原が、ここぞとばかりに攻め立てる。

藤原-待ち、西島-待ちのマンズ対決。
これを制したのはまたも藤原。
ツモられた時、西島の顔が僅かに歪んだ。

南2局、西島に更なる試練が。



前局、勝負どころを制した藤原が親番でリーチ。
連続でチャンス手を潰された西島には、藤原の河しか目に入らなかったのであろう。
藤井が、リーチに対して一発目に切った危険なは西島の目には写らず、藤井に痛恨の6.400放銃となった。

南3局、並の打ち手ならもうフラフラ。
早くこの半荘終わっておくれ、と思いたくなるところだが、西島は違った。

 ドラ

ここから、と持ってき、を暗カン。
リンシャンからドラ表示牌のを引き入れる。

そして、を重ね僅か5巡でツモり四暗刻のテンパイ。



即リーチと行き、この時点で待ちは3枚生きていたのだが、全て脇に流れてしまい流局。
前日の正夢とはならなかったが、西島の執念を感じた。

オーラスにも西島は、

 ドラ

力強くリーチを放つも、増田が浮きの2着を確定させるアガリで、残り2半荘に望みをつないだ。
勝負手を空振った西島は痛恨のラスとなり、遂に藤原がトップ目に立った。

3回戦成績  藤原 +24.8P 増田 +10.4P 藤井 ▲12.8P 西島 ▲22.4P  

3回戦終了時 藤原 +42.9P 西島 +14.9P 藤井 ▲9.0P  増田 ▲48.8P 




4回戦

いよいよ残すところあと2回。
3回戦を最高の並びで終えた藤原。
他の3人は、藤原を沈めることが必須の条件となった。

東1局、起家の藤原がダブをポン。
切ったのは藤井。ややラフな感じがする。
そして、そこにドラまたぎのを西島がリリース。
{うーん・・・皆でワラさん苦しめなきゃダメでしょ・・・}

急所を2つ鳴けた藤原は、簡単に2.000オール。{そりゃそう}
私の心のつぶやきが聞こえるはずは無いと思うが、ここから二人は反撃に出る。

東1局1本場、西島がリーチ。

 リーチ ドラ

しかし、これは流局。

東2局2本場、藤井が親番でポンテンの、1.500は2.100を西島からアガると、3本場はハイテイでリーチツモ。

 リーチ ツモハイテイ ドラ

4本場は、リーチピンフの2.900は4.100を再び西島から。

 ロン ドラ

5本場は、増田が最後の力で本手の倍ツモリーチ。

 リーチ ドラ

しかし、実ることなく藤井と二人テンパイ。
6本場、先制リーチの西島に藤井が追いつき、当然リーチ。

 ロン ドラ

西島は、3回戦東4局からの14局で5回の放銃。
流石に、この5.800は7.600で厳しくなったなと私は思った。
しかし、わずか数分後、自分の浅はかな予想は覆される。

7本場、西島が自力で藤井の親を落とすと、東3局、役牌ツモ三暗刻でまずは一撃。

 ツモ

続く東4局では、藤井にタンピンで落とされるも、南1局2本場では、二役ホンイツのアガり。

 ポン ツモ ドラ

南2局、リーチ、ピンフ、ツモ、ドラ2。

 リーチ ツモ ドラ

南3局、リーチ、ピンフ、ツモ、ドラ2。

 リーチ ツモ ドラ

完全に西島ワールド!
見事な満貫4発!
東2局の終わりに11.400点しかなかった点箱は、今や42.900点と表示されている。
何処まで伸ばせるかと期待させたオーラスの親であったが、藤井が意地をみせ再逆転でトップをものにする。

4回戦成績  藤井 +27.5P 西島 +12.8P 藤原 ▲11.2P  増田 ▲29.1P 

4回戦終了時 藤原 +31.7P 西島 +27.7P 藤井 +18.5P  増田 ▲77.9P




最終5回戦

4回戦で藤原を沈める事に成功した西島、藤井。
これによって、3人が僅差での最終戦を迎えた。
一人蚊帳の外になってしまった増田だが、4回戦の親が落ちると、アガりに向わなくなった。
3人を相手に、誰にも利することなく打つことは難しい。
しかし、増田は最後まで誰に迷惑を掛ける事無く、3人の戦いを見守り打ちきった。

東1局、藤井が4回戦の勢いそのままにリーチを掛ける。

 ドラ

ドラが固まっていた西島が果敢に向っていくも、をつかみ放銃。

東2局。



勢いのある藤井の親番、ここに藤原が挑む。
西島にもマンズの一色手が入るも、藤原に二役ホンイツの8.000を献上。

続く東3局も藤原が捌き、藤井から2.000点。
東4局の親番でも、藤井から4.800は5.100をもぎ取る。

東4局3本場

 リーチ ツモ ドラ

藤井が執念で食い下がり、藤原に満貫をカブせる。
まだまだ分からない。

増田の親は3人テンパイで流れると、南2局1本場に再び西島にチャンスが。

残りのツモは2回。
ツモれば逆転、祈りながら山に手を伸ばす。
最後のツモに萬の字が!!!
しかし、運命のその牌は、真ん中に一本足りないであった。

オーラス、それぞれが条件を確認し運命のサイコロが振られた。
現実的に、逆転優勝の目があるのが藤井で、藤原から6.400直撃か2.000・3.900のツモアガり。
脇からは跳満出アガりという条件。

幾度となく、オーラスの大事な場面でアガってきた藤井に今回も逆転の手が入る。

ツモ限定ではあるが勿論リーチ。1枚山に生きている。
会場中が息を呑む中、藤井の最後のツモ。

安目の・・

力なくツモ切ると、藤原の2度目の優勝が決定した。

最終5回戦成績  藤原 +20.0P 藤井 +14.5P 西島 ▲15.2P  増田 ▲22.3P 

最終成績  藤原 +51.7P 藤井 +33.0P 西島 +12.5P  増田 ▲100.2P



優勝決定の瞬間






最後に4人のコメントで締めくくりたい。

第4位:増田隆一
「1回戦の結果で焦ってしまい、自ら自滅してしまった。負けるにしてももっと競った戦いをしたかったな、残念です」

3人がこれほど競った戦いになったのは、増田の目が無くなってからの努力が隠れていると思う。
負けを受け入れ手を抜かなかった彼は、最後まで戦っていた。


第3位:西島一彦
「初めての決勝でしたが、最後まで楽しめました。自分の良い所、悪い所が沢山でて、今日でまた成長できました」

今回の決勝を一番楽しんでいたのが、西島では無かろうか。
純粋に麻雀を楽しみ、真摯に取り組む。その姿に見習うべき所は多い。
自分もそうありたいと考えさせられた。


準優勝:藤井すみれ
「最後に形を作れてよかった。新人の勢いで腹をくくれたので、伸び伸び打てたことが良かったと思います。毎日麻雀の事ばっかり考えてます、これからもがんばって行きます」

仕事で、月に400半荘をこなす彼女。
最後まで諦めないその強さは、麻雀と真剣に向き合ってる故であろう。
今後の活躍に期待したい。



優勝:藤原隆弘
内川 「優勝おめでとうございます、どうでしたか今回は?」
藤原 「楽しめたよ。回を重ねるごとに余裕が出てきたって感じかな」
内川 「見ていて安定感が違いました。かなり試しているような場面もありましたが、G1を見据えてですか?」
藤原 「早くG1を獲りたいね。日々精進、これからも頑張るよ。」




優勝した藤原 隆弘



後列 左から 第3位:西島 一彦 第4位:増田 隆一 準優勝:藤井 すみれ

前列 優勝:藤原 隆弘



5回戦の全63局中、放銃は何と僅かに2回。
しかも、1.000とリーチ後の打ち込みの2.900の2回と抜群の安定感。
実に藤原らしい戦いであった。

準決勝で敗退し、観戦記を断っていたらこんな素晴らしい戦いを見ることはなかっただろう。
そう思うと、今回の観戦記を引き受けて、本当に良かったと思う。

見所がたくさんあったのはもちろん、決勝という憧れの舞台に立てることがどんなに幸せなことであり、
また、これほど自分自身を成長させてくれる経験は、他にはないと間近で感じ取れたからだ。

次は、プレイヤーとしてこの舞台に戻って来ようと胸に刻み、筆を置きたい。

ワラさん本当に優勝おめでとうございます。

     






(執筆:内川 幸太郎 文中敬称略)

                              

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