日本プロ麻雀連盟
第二回天空麻雀
日本プロ麻雀連盟HOME 日本プロ麻雀連盟のご案内 牌譜データサービス ロン2のご案内 タイトル戦のご案内 インフォメーション プロ雀士情報 雀力アップ
ホームタイトル戦情報チャンピオンズリーグ > 第15期 チャンピオンズリーグ

タイトル戦情報

チャンピオンズリーグ

決勝観戦記

(文責:松本 京也)


“年年歳歳花相似、歳歳年年人不同”
(ねんねんさいさいはなあいにたり、さいさいねんねんひとおなじからず)

これは、「美しい花は毎年同じように咲くが、その花を愛する人は同じではない」という命の儚さを読んだ、
中国唐代の詩人・劉希夷(りゅうきい)の句である。

もともとは若者に向けた叱咤激励の教訓だったが、
“謙譲の精神”を美徳とする日本では、「時の過ぎゆくままに」と訳された。

果たして、麻雀プロが華麗に咲き誇れる時間は長いか短いか。

一流の技量を有したまま、何十年もの間、厳風吹きすさぶ険しい山の頂上付近で立ち続けられるのは、
ごくわずかだろう。

その一人が、沢崎誠である。

沢崎 誠

第2期新人王に始まり、第7期雀魔王、第13期十段位、第16期麻雀マスターズ優勝の他、
プロ連盟の最高峰A1リーグ決勝・鳳凰位決定戦にも3度出場。
昨年もグランプリで優勝するなど、近年その輝きにますます磨きがかかっている。

“歳歳年年人不同”どころか、“歳歳年年人向上”とでも言うべきか。

今期で15回目を迎えたチャンピオンズリーグの決勝は、冒頭の句が表す通り、
毎年のように顔ぶれが変わっている。

まだ参加者の少なかった創設当初は別として、ここ数年は常に80人前後が出場。
競技麻雀の調整、ビッグタイトルへのステップアップ、グランプリ出場のためのポイント獲得・・・それぞれ目的は違う。
ただでさえ、この大人数を勝ち抜いて決勝に進むのは至難の業だが、
その上に麻雀レベル格差の壁が立ちはだかる。

もちろん経験豊富な上位リーガーやタイトルホルダーが優勢であることに間違いはないが、
下位リーガー3人に囲まれて金星を献上する、といったシーンも珍 しくない。

それこそがチャンピオンズリーグの醍醐味でもあるのだが。

そんな下克上を狙う若武者たちが荒息を吐く中、
沢崎は前期ベスト16、そして今期は決勝へと駒を進めてきた。

「前期(第14期)は一週間後に十段戦が控えていたからね。どうしてもそっちに照準を合わせざるを得なかった。
今回はグランプリまでたっぷり一ヶ月ある。理想的なスケジュールだよ。」




これまで決勝の舞台を数多く踏んできた沢崎に挑むのは、次の3人。

加藤 博己

第24期十段戦ファイナリスト・加藤博己(D1→C3昇級)。
「“勝ちたい”という欲を持たないで臨みたい。一度決勝を経験したことでプレッシャーは全く感じないので、今の自分を卓上で表現できれば良いと思う」

堀内 正人

第14期東北プロリーグ(後期)優勝を経て上京2年目の堀内正人(D1)。
「ここまで先のことを考えずに1つ1つ闘ってきました。決勝戦は初めてですが、いつもと同じようにがんばります」

田代 航太郎

プロ1年目のルーキー、田代航太郎(D2)。
「リーグ戦は好調でしたが、準決勝の内容がひどくて・・・散々でした(苦笑)。
でも、決勝はなかなか出られるものではないので、楽しみたいです!」


・・・なんと、3人ともDリーグ在籍の若手プロである。

一体、どんな闘いになるのか?
前日、自分なりにシミュレートしてみたが、ワンサイドでも混戦でも、本命・沢崎の優勢は疑いナシ。
どんな相手でも崩れないバランス感覚は、業界トップレベルだろう。

対抗は全5節をオールプラスでまとめた安定感抜群の加藤だが、
現時点での実力がどこまで沢崎に通用するか?

波乱があるとすれば、堀内・田代。
特に田代は予選で何度か対戦したが、新人らしからぬ切れ味を見せていた。
堀内はディフェンス面に弱点アリと見ているが、スプリントの5回戦を攻め切ることができれば勝機が見えてくる。


かくして2月22日(日)、プロ連盟本部道場で開局の賽が振られた。




一回戦(起家から田代・沢崎・加藤・堀内)

沢崎・加藤の落ち着いた表情に比べ、やや固い面持ちの田代・堀内。
この図式が崩れない限り、後者の2人に勝ち目はない。

開局7巡目、加藤の手が一瞬止まる。
直前に田代が切った2枚切れのカンに受けるか、混一色に向かうか。
加藤は後者を選択。

しかし次巡、沢崎の手からがこぼれる。複雑な表情の加藤。
まだほんの数十局分の1に過ぎないが、短期決戦のファーストアタックは肝心だ。

9巡目、その沢崎から先制リーチがかかる。
そして同巡、「門前混一色・白」をテンパイした加藤が切ったに沢崎がロン。

 ロン ドラ

「リーチ・發」、2.600。
加藤にとっては、満貫にも等しい放銃か。


田代の「九種九牌」のあとの東二局1本場。6巡目、加藤がテンポ良くリーチを打つ。

 ドラ

9巡目、東家・沢崎の手牌。

 ツモ

テンパイには取らず、当然のようにを落として回る。
そして14巡目、回りに回ってようやくテンパイ到着。

ここに加藤の現物であるを切った堀内が飛び込み、「發・ドラ1」3.900は4.200の放銃。
打った堀内はともかく、この2局で加藤の勢いは完全に失速する。
これも沢崎のゲーム運びの巧さか。


続く2本場でも、沢崎の勝負勘が冴え渡る。8巡目、堀内が下記の牌姿でリーチ。

 ドラ

次巡、沢崎は下記の牌姿からを落とさず、と立て続けに無スジの牌を押す。
ここまで2局とも良い和了りを見せたのだから、
先行リーチに対しては誰もが「少しアクセルを緩めても良いかな・・・」と思う場面だ。

しかし、沢崎は最後までを切らなかった。
結局、両者とも和了りには到らなかったが、
この瞬間から私は沢崎の一打一打に引き込まれてゆく。


南一局、9巡目に沢崎が下記の牌姿でリーチ。

 ドラ

13巡目、同じくドラ2枚の東家・田代もテンパイ。

軍配が上がったのは沢崎。
田代から「リーチ・平和・ドラ2」7.700を和了って47.800点まで持ち点を伸ばす。


南二局、衝撃が走る。8巡目、田代の手牌。

 ドラ

ドラを残しているのは、もちろん重なるのを期待しているわけではない。
一色手をギリギリまで隠し、目立つことを嫌っての戦略だろう。

田代はこの日ずっと、字牌やドラをできる限り丁寧に扱った。
ここまで徹底できる新人はなかなかいないのではないかと思うぐらいだ。

そして、さらにその上を行く沢崎。
比較的軽い手牌だったが、12巡目にを掴んで半オリ。
田代の河には一瞥もくれなかった。

一体、この人の視野はどうなっているのか?
私の頭の中のキーボードが毎局のように感嘆符を連打する。

そして18巡目、私が目を離した隙にテンパイを果たした田代が、堀内の切ったに「ロン」の声をかけ、
「門前清一色・三暗刻」16.000を和了った。

この勢いのまま、南3・4局を和了り切った田代が、400点差で沢崎をかわして一回戦のトップを獲る。

一回戦成績
田代 +24.9P 沢崎 +20.5P 加藤 ▲11.1P 堀内 ▲34.3P  




二回戦(起家から堀内・田代・沢崎・加藤)

一回戦を大逆転トップでものにした田代だったが、早くも弱点を露呈してしまう。
東一局11巡目、東家・堀内のリーチに対し、下記の牌姿から宣言牌のをポン。


さすがにこの形では受けが苦しい上に、「対々和」に変化してものどちらかを切らなければいけなくなる。
これでは自ら命を縮めているようなもの。
田代はこの決勝で、同じ行為を何度か繰り返してしまう。

普段、一発・赤・裏アリ麻雀を主戦場としている人によく見られる悪癖だ。
この局ですべてが決まるなら話は別だが、Aルールでは多用すべきではないだろう。

数巡後にを引いた田代は、予想通りの勝負を余儀なくされ、堀内に「リーチ・一盃口」3.900を献上する。

 ロン

一回戦の大きなラスであとがない堀内は、続く1本場も形振り構わずリーチをかける。
そして、ドラをツモって「リーチ・ツモ・ドラ1」2.000は2.100オール。

 ツモ ドラ


流局を挟んで東二局3本場、勢いに乗っている堀内が12巡目にリーチ、次巡ツモ。
「リーチ・ツモ・平和・ドラ1」2.600は2.900オールを和了って独走状態に入る。

 ツモ ドラ


東四局2本場、もはや聞き慣れた堀内のリーチ発声。

・・・!?
しばし我が目を疑う。

 ドラ

このリーチにどんな意味があるというのか?

百歩譲ってダブリーや終局間際の他家おろしのブラフぐらいにはなるかもしれないが、まだ7巡目。
全員の手が煮詰まり始める頃合いで、危険度マキシマムである。
手変わりの可能性は充分あるし、少なくとも決勝で打つリーチには思えなかった。

かわし手では不器用さを見せたが、本手での仕掛けは堂々としている田代。
10巡目に堀内の河に捨てられたドラをチー、13巡目にツモったで「中・チャンタ・三色同順・ドラ1」2.000・4.000は2.200・4.200を和了る。

堀内は7.700を放銃せずに済んで、ホッと胸を撫で下ろしたことだろう。


堀内は、南三局にも同じようなリーチを見せた。今度は11巡目。

 ドラ

田代の追っかけリーチ宣言牌のを捕らえたから良かったものの、
ドラ(親の沢崎が2枚持ち)をリーチ後に引っ張ってきて鳴かれた場合、
1日の敗因になってしまうほどの傷になりはしないだろうか? 

最初は焦りや気負いからのミスかと思っていたが、
あまりに徹底しているので対局終了後に尋ねてみた。

――ああいったリーチを打つのがいつものスタイルですか?それとも今回の決勝のための秘策ですか?

「自分が手変わりしている間に他家の手を進めさせるのが怖いんです。」

・・・つまり、彼なりの戦術というわけだ。
それならば、これ以上の議論は必要ない。

私は、どんな打ち方も、
説明さえできれば、または本人が理解して徹底できていれば、問題ないと思っている。
麻雀プロが100人いたとして100人が同じような打ち方になってしまっては面白くないし、
そうなってしまうと、ただのツキ勝負・減点レースになりかねない。
そんな中で個性が発揮できてファンに支持を得られるなら、素晴らしいことだ。

さて、話を対局に戻して、二回戦は堀内の一人浮き圧勝となった。

二回戦成績 
堀内 +33.4P 加藤 ▲5.1P 田代 ▲10.2P 沢崎 ▲18.1P

二回戦終了時
田代 +14.7P 沢崎 +2.4P 堀内 ▲0.9P 加藤 ▲16.2P




三回戦(起家から田代・加藤・堀内・沢崎)

まだ大した差はついていないものの、ここでラスを引こうものなら雲行きが怪しくなる沢崎。
東二局から再び攻勢に転じる。
下記の牌姿で5巡目にリーチ、9巡目にツモ。
「リーチ・ツモ・チャンタ」2.000・3.900。

 ツモ ドラ

続く東三局も沢崎が冷静に和了りをものにしたが、
せっかくの勢いを殺されたくない堀内が東四局から再び反撃に出る。
4巡目、下記の牌姿からをチー。

 ドラ

跳満まで見えるので勿体ない気もするが、ここを勝負どころと見たのか。
10巡目に「タンヤオ・ドラ2」1.000・2.000をツモ。

 チー ツモ


南一局も堀内ペースが続く。
7巡目、加藤から「西・中」2.600。

 ポン ロン


迎えた南三局。
中盤のポイントを挙げるとすれば、間違いなくこの局だ。
10巡目、田代が下記の牌姿でリーチ。

 ドラ

次巡、田代の現物であるドラのを堀内が手の中から抜き出し、沢崎がチー。

 チー

すると、12巡目に、17巡目に高目が田代の下家・加藤に流れる。
これを田代がツモっていれば、その後の展開も大きく変わっていたに違いない。


南四局1本場は堀内が「北」300・500は400・600をツモって連勝を遂げた。

三回戦成績 
堀内 +13.0P 沢崎 +5.6P 田代 ▲4.2P 加藤 ▲14.4P

三回戦終了時
堀内 +12.1P 田代 +10.5P 沢崎 +8.0P 加藤 ▲30.6P




四回戦(起家から加藤・田代・堀内・沢崎)

「おもしろくなってきたな。」

卓に着く直前、沢崎が私に向かって言った。
この余裕が、対戦者にはたまらない。

途中からプッツリと名前の出てこなくなった加藤だが、
現状の数字ほど悪い麻雀をしているようには思えなかった。
ただ、和了れる手は2.000点以下、勝負手のテンパイは終盤以降と、ツキがない。

東一局に「發」1.500を和了って1本場、ようやくチャンスが舞い込んでくる。
配牌の最初の8枚の中にドラが3枚入り!
しかし、14枚すべてを並べると・・・、

 ドラ

あいにくの八種八牌。
他家を見ると、全員が2シャンテンから4シャンテンの好配牌だ。
しかし、加藤はこのとき「イケると思った」という。

7巡目、ようやくを重ねる。
加藤が外したを田代が鳴いて「中・混一色」をテンパイ。

 ポン

14巡目、ようやく1シャンテンにまで漕ぎ着けた加藤。

17巡目、上家の沢崎が切ったを加藤がチーして遂にテンパイを迎える。
しかし、何を切る・・・?
加藤、この日一番の長考に入る。

ここで加藤が選んだのは、ドラの
田代に対してピンズが切れないというのもあるが、最も和了りに向かう意思のある一打である。
テンパイだけで満足なら、ハナからなど鳴かないだろう。
次巡、見事にをツモって「發・ドラ2」2.000は2.100オール。

 チー ツモ


続く2本場も打点を意識した打ち回しを見せていた加藤だが、田代の「タンヤオ」300・500は500・700で親を流されてしまう。
勢いに乗りかけたときに自由にさせてもらえるほど、決勝戦のメンツはヌルくない。


東二局、3巡目に沢崎が下記の牌姿からをツモ切り、親の田代がポン。
ちなみに沢崎は、過去のインタビューでダブについて、
「切るなら最短で、切らないなら最後まで切らない」と答えている。

 ドラ

9巡目、沢崎が下記のテンパイ。

 ドラ

を引けば良いなと思っていたんだけど・・・。」

11巡目、田代がテンパイを果たすと同時に堀内が一色手を仕掛けると、沢崎があっさりとをツモり上げてしまう。
本人も「意外だった」という「中・ツモ・ドラ3」2.000・4.000。
他家にとっては充分過ぎるダメージである。

その勢いのまま、四回戦を制した沢崎。
さらに2着が加藤、沈みの3・4着が堀内・田代という、沢崎にとって理想的な並びとなった。

四回戦成績 
沢崎 +19.5P 加藤 +8.1P 堀内 ▲8.2P 田代 ▲19.4P

四回戦終了時
沢崎 +27.5P 堀内 +3.9P 田代 ▲8.9P 加藤 ▲22.5P




最終五回戦(起家から田代・堀内・加藤・沢崎)

首位・沢崎と3人の差は23.6〜50.0P。
沢崎の優勢に変わりはないが、「圧倒的」というほどのビハインドではない。
例えば、親ッパネを直撃して自分がトップ、ターゲットがラスなら最大56.0Pを逆転することも数字の上では可能だ。

ただし、そのターゲットが歴戦の猛者ならどうだろう。
その差には数字以上のものを感じるのではないだろうか。

しかし、彼らはベストを尽くして挑むしかないのだ。


東一局、2巡目に堀内が切ったを親の田代がポン。
さらに手牌を短くして8巡目にテンパイ。

 ポン ポン ドラ

次巡、堀内が下記の牌姿でリーチ。

そして、気迫のドラツモは堀内。
「リーチ・ツモ・ドラ2」2.000・3.900。


東二局11巡目、加藤が軽快にリーチを放つ。
そして、間もなくして高目のをツモ。
「リーチ・ツモ・平和・タンヤオ・ドラ1」2.000・4.000。
この日、加藤がストレスなく和了れた唯一の手と言っても過言ではない。

 ツモ ドラ


満貫手が連続したことにより、4人の表情が一層険しいものになる。

そして東三局、ようやく流れを掴んだ加藤に最大のチャンスが巡ってくる。
9巡目、下記の牌姿でテンパイ。手変わりが見えるため、ダマテンを選択。

 ドラ

11巡目、を引き、小考の末に切りリーチ!

「リーチ・門前混一色・一盃口・一気通貫」確定、
ツモなら親の倍満8.000オールで一気にトップに立つ。

これに立ちはだかったのは、やはり沢崎。
ここぞ勝負と言わんばかりに「七対子・ドラ2」6.400で親のリーチに立ち向かい、見事に“加藤の乱”を制圧する。

東四局、7巡目に西家・堀内が例のごとくドラの振り替えを待たずにテンパイ即リーチをかける。
親の沢崎にこれ以上の加点を許したくないという気持ちの表れだろう。

 ドラ

必死の形相は田代も同様。
河には・・・と並んでおり、明らかに打点を追っていることが窺えるが、手の内は下記の通り苦しい。

しかし、ここから粘りを見せて15巡目に「ツモ!」の声。
「混一色・白」1.300・2.600を和了って望みを繋いだ。

 ポン ポン ツモ


南一局、最後の親を迎えた田代はのバックで和了りに向かうが、
8巡目の加藤のリーチに追っかけた堀内が飛び込み、連荘の権利を失う。

加藤の手は、「リーチ・タンヤオ・一盃口・ドラ1」8.000。
堀内にとっても手痛い失点だ。

 ドラ


南二局、9巡目に沢崎が下記のテンパイ。

 ドラ

この局面、若手プロの多くはリーチをかけるのではないだろうか。
しかし、沢崎は迷うことなくダマテンを選択。

「リーチしてしまったら、どんな手に対しても無防備になってしまう。
そもそも、決勝の最終戦でリーチしなければいけないような手が入ること自体、良い状態ではないんだよ。」

14巡目、田代もドラ待ちでテンパイ。

 ドラ

沢崎と同じく、ダマテン。

「沢崎さんへの直撃か、ツモだけを狙っていました」

結局、ドラは序盤に加藤が重ねていたため、両者とも不発。
親の堀内が最終巡に何とかテンパイを果たし、流局。


続く1本場、8巡目に沢崎が一鳴きテンパイ。
自分の手の内にが3枚あるため、打点が必要な他家の手の進みが遅いと見たか?

 チー ドラ

親の堀内もを叩いて「東・發・混一色」のテンパイを果たすが、
待ちの3メンチャンに取ってドラを切り放ったところで、ギリギリまでを絞った田代に捕まり、事実上の終戦。

南三局、13巡目に沢崎がテンパイ。

ドラのを切れば待ちという好形だが・・・、
少し悩んだ末にを切り、和了るつもりのない単騎に受ける。
おそらく賛否両論あるだろうが、
この徹底ぶりが攻めっ気にムラのある若者3人を苦しめているのも、また事実だ。

9巡目には「純チャン・三色同順・ドラ1」まで見える手の1シャンテンにまで
たどり着いていた親の加藤だったが、
最後は力なく手牌を伏せた。


南四局1本場。
逆転の目がある程度残っているのは、23.6P差まで詰め寄った田代。
沢崎からの満貫直撃か跳満ツモが最低条件である。
沢崎から三倍満直撃orツモ条件の堀内は「四暗刻」に、
沢崎から三倍満直撃or役満ツモ条件の加藤は「国士無双」に向かう。

結論から言えば、田代は逆転優勝を逃した。

細い糸を1本1本手繰り寄せることができれば、
「(リーチ・)ツモ・ハイテイ・七対子・ドラ2」の跳満をツモ和了っていたのだ。

もちろん、勘の鋭い沢崎が一鳴きも入れなければ、という条件付きではあるのだが。



諦めなければ、最後まで何が起こるかわからない・・・。

会場にいたギャラリーには、その言葉が胸に刻まれたに違いない。

五回戦成績 
田代 +19.1P 沢崎 +6.3P 加藤 ▲1.8P 堀内 ▲27.2P

最終成績

優勝  沢崎 誠
 +33.8P
準優勝  田代 航太郎
 +10.2P
3位  加藤 博己
 ▲20.7P
4位  堀内 正人
 ▲23.3P




優勝した沢崎がツイていたのはほんの一瞬だけで、
その大半を自分の腕と技量で掴み取ったというのが、率直な感想である。

今回の対戦者3人はもちろん健闘したが、
沢崎の本気の麻雀を肌で感じられただけでも大きな収穫だったのではないだろうか。

沢崎は、「あと20年はトップレベルで打ち続ける。」と宣言しているので、
その間に追いつけるように、彼らと一緒に私も向上していきたいと思う。



最後に、決勝終了後の4人のコメントを掲載して締め括りたい。

4位 堀内正人
「今回のチャンピオンズリーグは、仕事の同僚の田代君との格付け勝負でもあり、
特別昇級リーグの出場権を得るためのチャレンジでもありました。それが実現できて良かったと思います。」

3位 加藤博己
「今は自分の麻雀スタイルを変えているところで、今回は決勝とは言え試験的な部分もありました。
今後の課題は全体を通してのゲームメイクですね。1/4 を獲る闘いをもっと考えなければ・・・。」

準優勝 田代航太郎
「めちゃくちゃ楽しかったです!
いつも通り、そのまま打てましたが、決勝という舞台で打ち方を変えなければいけないということも経験できて良かったです。」

優勝 沢崎誠
「普通に打てば負けるわけはないんだけど、簡単に負けたら一緒にプロ連盟の歴史を築いてきた同志たちに悪いよね。
でも、負けた3人には勉強になる。勝ったら勉強にならないんだから、この経験を活かしてほしいよね。」


優勝した沢崎 誠プロとプレゼンターの前原 雄大プロ

 

常に若手プロの育成を念頭に置いているトッププロ・沢崎誠に、改めて尊敬の念を抱かざるを得ない。

数十年後の自分が、彼のような麻雀プロでいられることを願っている。

 

後列 左から 第4位:堀内 正人 準優勝:田代 航太郎 第3位:加藤 博己
前列 優勝:沢崎 誠






文責:松本 京也 文中敬称略)

                              

ページトップ
麻雀格闘倶楽部 好評稼働中!
GyaOバナー白
近代麻雀2
モンド21麻雀プロリーグ
麻雀格闘部呂倶
日本プロ麻雀連盟メールマガジン
トップページ牌画の利用について引用・リンクについて広告についてよくあるご質問お問い合わせサイトマップ
日本プロ麻雀連盟
Copyright 1997-2010 Japan Professional Mahjong League. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
ma-jan.or.jpの記事・写真等の無断転載はお断りします。