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決勝観戦記

(文責・野崎 次郎)

危なげない戦い方でしたね?
優勝した瀬戸熊 直樹プロ(以下、瀬戸熊)にそう尋ねると彼ははにかんでこう答えた。
「勝負所を制することができたからね。あそこでコけてたらどうなってたか分からないよ」


優勝が決まった瞬間の瀬戸熊 直樹プロ

 

 瀬戸熊の言う“勝負所”とは、1回戦目南3局のことだという。全5回戦の緒戦に勝負所があったとするならば、瀬戸熊にとって2回戦目以降は楽な戦いだったということになる。確かに2回戦目以降の瀬戸熊は安定していて(1回戦もそうだったが)、放銃回数は2回戦以降59局中5回のみと群を抜いて少ない。しかも放銃した点数も最高で2.000点止まり。逆に和了回数は59局中13回で平均打点は4.700点を超えた。観戦者の目には、“瀬戸熊の圧勝”と映ったであろう。

 しかし、最初に主導権を握ったのは瀬戸熊ではなく、4人の中で唯一初めて決勝卓に座った吉田 直プロ(以下、吉田)だった。
吉田は若手ながらも四谷連盟道場の運営に日頃から携わり、また採譜班の一員としてタイトル戦では裏方として貢献している。今決勝戦で会場入りしたときも、「ここでいいですよね?」と採譜者用の席に座り場を和ませるなど、ムードメーカー的な存在でもある。


吉田 直プロ

 

 その吉田であるが、決勝戦が始まると初めてのタイトル戦決勝とは思えないほど落ち着きを払い、出だしから卓上に集中できていた。
決勝戦開局特有の緊迫した雰囲気の中、動きのないまま迎えた15巡目、上家の増田隆一プロ(以下、増田)から2巡続けてが切られた。
2枚目のをチーした吉田の手牌は、

  ドラ

 形式テンパイに近いバックだ。ここから初牌のを打ち出すのか、と思いきや、彼の選択はテンパイとらずの打
“積極的な後退”とでも呼べばよいのであろうか?この選択は見事なもので、このはこのときダマでテンパイしていた増田への放銃牌となっていたのだ。
<増田の手牌>

 ドラ

増田への6.400放銃を回避した吉田はすぐにを鳴くことができ、単騎で再テンパイを果たす。流局時に開かれたお互いのテンパイ形を見てそれぞれ思うところがあっただろう。

 大一番の緒戦で、6.400点放銃とテンパイ料の1.500点を得ることは、点数的にも精神的にも雲泥の差があるのは当然だ。
これに気をよくしたのか、吉田は続く東2局1本場にメンタンピンドラ1(7.700点は8.000点)を出アガると、東4局は難しい手をうまくまとめ、最後のツモで2.000、3.900を力強くツモあがった。
(下図)



 このとき親っかぶりをしたのは瀬戸熊だった。彼の手は6巡目には平和一通のイーシャンテンとなりトップ目の吉田を追撃できる手格好になっていた。9巡目にその吉田からリーチが来る。“またも先手を取られた”瀬戸熊はそう感じたことだろう。しかし、先手は取られても諦めたわけではない。その証拠に無スジの危険牌も躊躇せずツモ切っていく。だが放銃はしないもののテンパイ牌も来ず、淡々と局は進んでいく。瀬戸熊の10巡にわたるツモ切りで迎えた吉田の最後のツモ番、牌は河に捨てられることなく、彼の手牌の横に静かに添えられた。

「2.000・3.900」
このアガリを見て、瀬戸熊は彼我の体勢の差を歴然と感じただろう。
「あのままでは突き抜けられてしまうと思った」瀬戸熊は振り返る。
 開局の単騎のテンパイ形、東2局のメンタンピンドラ1、そして今局の間ツモ。
吉田に勢いがあるのは観戦者の目からでも明らかだった。過去にちょうど両手の数だけ決勝卓に座ったことのある瀬戸熊にとっては尚更のことであろう。タイトルを掴むためにはやはり勢いがものを言うという。
「早い段階で吉田の勢いを止めないと(優勝に)間に合わなくなってしまう」そう感じた瀬戸熊は吉田の勢い止めるきっかけを探すことをまずは念頭に置いた。

南1局12巡目。ここまで静観していた親番の小川 尚哉プロ(以下、小川)にポンテンで大物手が入る。ドラが暗刻のタンヤオだ。

小川 尚哉プロ

 

小川は、昨年の第33期王位戦決勝戦、そして今回と短期間で二度の決勝戦に残るほどの若手筆頭の実力者だ。

<小川の手牌>
 ポン ドラ

待ちは間と良くはないが、山に2枚生きている。その大物手を阻止したのはやはり吉田だった。
小川テンパイの同巡、役なしの間待ちでテンパイを果たした吉田だが、次巡、を引き待ちが3面張と変化すると意気揚々と牌を横に曲げる。

<吉田の手牌>
 ドラ

 ドラが見えない局面、小川の仕掛けが吉田の目には不気味に映ったであろうが、--待ちは場況的にもよく、捌けると踏んだのであろう。
牌も前に出ろとばかりにやってくる。
「放銃よりダマのままでの和了り逃しだけは避けたかった」吉田は語る。
 今日の吉田は普段の打ち筋からは想像できないほど前に出ていた。積極策が功を奏している以上、その姿勢を貫くつもりなのだろう。結果、吉田の目論見通り、2巡後、小川がを掴み吉田への放銃となった。吉田が消極的だったら結果はどうなっていたか分からない。小川は次局もドラを暗刻にしてリーチを打つがこれも実らず、しばらくは忍耐の展開が続いていくこととなる。

 そして冒頭で挙げた南3局。
瀬戸熊が後に勝負所と振り返る局となるのだが、9巡目に東家吉田の手牌はこのようになっていた。





吉田はここからテンパイとらずの打とする。一通、タンピン三色が見える十分形だ。西家小川は自風のを活かし、ピンズのホンイツへと向かうもののツモがかみ合わず伸び悩んでいる。
そして南家、瀬戸熊。「吉田の親を蹴ること」を最優先事項としこの局に臨むも、ドラそばの間がネックになっていてイーシャンテンではあるが重い手になっていた。そして14巡目…




 東家吉田はを引き入れ一通が完成、一旦単騎に受けるも次巡を引き入れ三面張とする。巡目も深く、ダマテンを選択。
 そして瀬戸熊。同巡にネックであった間を引き入れテンパイ即リーチ。(上図)

次巡、吉田もツモ切りリーチで応戦。
 吉田--待ち 対 瀬戸熊-待ち
「吉田のツモ切りリーチが来たとき、“あぁ、やっぱり手が入ってたな”と思った。ダマでいたからにはきっと本手だったのでは?ここで引き負けるのであれば、完全に吉田が乗ってしまう。ここが勝負所だと思った」瀬戸熊は振り返る。
 そして、3巡後、瀬戸熊、会心のをツモりあげた。

<瀬戸熊 手牌>
 ツモ ドラ

 勢いに乗る吉田の親番を蹴ることに成功し、尚且つ点棒も3万点を超えクビが繋がった。
そしてオーラス、今度はその瀬戸熊が親番を迎える。

 瀬戸熊の勝負所が吉田の親を蹴ることであったとするならば、吉田の勝負所は瀬戸熊のオーラスの親番を蹴りトップを確定させることにあった。

 1回戦オーラス。16巡目。場は硬直していた。<下図>
北家の吉田がを仕掛け瀬戸熊の連荘阻止を図るも、ドラのを切りきれずにとりあえずのドラ単騎テンパイを組んでいた。首尾よくツモることができれば瀬戸熊のクビを切ることもできる。しかしそのドラは増田が暗刻で純カラだ。吉田の焦燥が伝わってくる。
西家増田。ドラ暗刻のトイトイで、ツモれば三暗刻がつき3.000、6.000。一躍原点浮上2着となる本手だ。しかし、吉田と同様、も山になく他家の手の内で使われ、出和了も期待できそうにない。
南家小川。を引き入れリーチを打っていた。高めのなら出アガリでもクビが繋がる。ツモればクビあり2着へと浮上できる。しかしそのは増田が暗刻で山には無い。





 散家がそれぞれ手を作ってきているが、各自が待ちを潰しあっている状況だ。それを知る由もない東家瀬戸熊はチーテンのタンヤオ三色をテンパイしていた。そして頭のをツモりここは前巡に通ったを合わせる。自然な形だ。単騎。を河に切るとすぐにリーチ者の小川がを掴んで瀬戸熊への放銃となった。
これが「暴君」瀬戸熊発動の序曲となった。

<瀬戸熊 手牌>
 チー ロン 1.500

唯一のAリーガーである瀬戸熊はこうなったら止められない。格の違いを見せ付けるかのように大物手を連発していく。

続く1本場。

 ロン ドラ 12.000は12.300

2本場

 ポン ツモ ドラ 4.000は4.200オール

瀬戸熊旋風が吹き荒れ、オーラスの親番だけで22.000点差あった吉田を捲くりトップを奪った。

1回戦 結果
瀬戸熊 +36.7P 増田 ▲39.1P 小川 ▲11.0P 吉田 +13.4P







 1回戦目に箱ラスを喫してしまった増田。年は26才とまだ若いが、競技麻雀のキャリアは長く、連盟の新人研修講師を任されるほど信頼は厚い。第32期王位戦決勝に続き、今回は二度目のタイトル戦決勝戦だ。

増田 隆一プロ

 

「チャンスはあると思うので、そろそろ(タイトルを)欲しいですね」対局前そう語った増田は2回戦目以降、初タイトル奪取に向けて瀬戸熊を猛追していくことになる。

2回戦目、開局から3局連続で仕掛けた増田だがどうもアガリに結びつかず、攻めあぐねていた。
そして迎えた東2局4本場、ドラのを重ねテンパイ一番乗りを果たす。

 ドラ

しかし次巡、他家もそれぞれテンパイし同巡に三者リーチと打ってでた。
<下図>




親の小川は--待ち。
西家の吉田は丁寧なうち回しで間を引き入れ、高めメンタンピン三色の-待ち。
北家の瀬戸熊も-待ちの高めチャンタの満貫手だ。
 そして増田のツモ牌は
増田、どうでるのか?
連盟Aルールでは4軒リーチは流局となる。

増田の選択は、切りのダマテン。あくまでもアガリを追及した一打だった。は吉田の現物牌でありのワンチャンスであるので比較的安全そうに見えるが、3軒リーチに対して易々と  打てる牌ではない。降りるのであれば、ドラのだ。
この局は結果的には吉田の瀬戸熊への安目放銃で終わったが、増田の優勝への執念を感じさせる一打であった。
その執念が通じたのか、親番を迎えた次局、増田は11巡目にあっさりと親満をツモりあげた。

<2回戦 東3局>
 ツモ ドラ  4.000オール

決勝戦17局目にしての増田の初アガリである。
増田はその後も積極果敢に攻め立て、2回戦は5万点を超えるトップをものにする。しかし、瀬戸熊を大きく沈ませることはできないでいた。瀬戸熊にとっての2回戦目は雌伏のときだった。

2回戦 結果
瀬戸熊 ▲8.4P 増田 +26.1P 小川 +10.0P 吉田 ▲27.7P

2回戦 終了時
瀬戸熊 +28.3P 増田 ▲13.0P 小川 ▲1.0P 吉田 ▲14.3P







 “瀬戸熊の一人浮き”で迎えた3回戦。追いかける三者は、“瀬戸熊をこれ以上走らせてはいけない、瀬戸熊を沈めよう”という思惑では一致していた。
しかし、起家を引いた瀬戸熊は14巡目に以下の手でリーチ。

 ドラ

 「本手でもリーチをするんだぞ、ということを見せ付けたかった」瀬戸熊は振り返る。
このリーチには誰も向かっていけず、瀬戸熊一人テンパイで流局。
続く1本場。
再度リーチを敢行。3.900は4.200を出アガり、三者の思惑をあざ笑うかのように頭一つ抜け出る。

 ロン ドラ 

 このを打ち込んだのは吉田だった。リーチ宣言牌を鳴かれ、それによって掴まされたであった。1回戦目のオーラスで瀬戸熊にトップを捲くられた吉田は、2回戦目は増田の攻めに抗えずラスを引き受け、3回戦目もなかなか勝負手をものにすることができないでいた。
吉田、もう浮上の芽はないのか?瀬戸熊がこのまま走ってしまうのだろうか?
その思いが頭をよぎりだした次局、15巡目と巡目も深く、尚且つドラまたぎの役ありテンパイ形にも関わらず、吉田はノータイムでリーチを打った。

<吉田 リーチ手牌>
 ドラ

 これに飛び込んでしまったのがドラ単騎の七対子をテンパイしていた小川。瀬戸熊の河にが二枚切られ、ドラ表示牌と合わせるとワンチャンスとなる牌であるのでこの放銃はやむをえないのであろう。兎にも角にも、このアガリで吉田が息を吹き返す。
 
東3局、親番を迎えた吉田は、ダマテンで瀬戸熊から静かに1.500点をアガる。

 ロン ドラ

ドラのが入ればリーチだったのであろう。1.500点と点数は安いが瀬戸熊にとっては決勝戦2度目の放銃だ。点数以上のなにかがこのアガりからは感じられた。
 
 続く東3局1本場。
 10巡目にオタ風のを仕掛けた吉田の手牌。

 ポン ドラ

 西家の瀬戸熊の手牌は、

 ドラ

次巡、瀬戸熊はをツモり、打
さらに次巡、をツモり、間でテンパイしを勝負。リーチはない。は瀬戸熊が吉田が重ねる前の4巡目に処理してあって二枚目だ。

<瀬戸熊 手牌>

 ドラ

このをポンした吉田は

 ポン ポン

次巡、を掴んだ瀬戸熊は、ドラのの対子落としでオリに廻る。
そして吉田、をツモりあげ4000オール。

 ツモ ポン ポン 4.000オール

 瀬戸熊を押し切り、満貫をツモった吉田は南1局の瀬戸熊の親番でも満貫をツモり、3回戦は5万点を超えるトップを取った。
増田は3回戦目も攻め立てるもアガりが遠く、一歩後退。小川は失点を最小限に抑えるのに精一杯でなかなか流れを掴めずにいる。
そして吉田はトータルポイントで瀬戸熊に14P弱の差に迫った。しかし、瀬戸熊はそれさえも想定内かのように焦りは見られず、落ち着いて4回戦を迎える。

3回戦 結果
瀬戸熊 +7.5P 増田 ▲29.5P 小川 ▲14.0P 吉田 +36.0P
3回戦 終了時
瀬戸熊 +35.8P 増田 ▲42.5P 小川 ▲15.0P 吉田 +21.7P







4回戦
起家を引いた吉田は、7巡目、Wのシャンポンでテンパイを果たす。

 ドラ

は南家の小川、西家の瀬戸熊が抱えている。守備型の小川は手が整っておらず、このは河に切られることはない。一方瀬戸熊も七対子のイーシャンテンで、トータル2着目の吉田に対してはまずは切らないだろう。
「あのは絶対に切らなかったよ」対局後、瀬戸熊自身もそう語った。
数巡後、吉田はを引き、この手牌。

 ドラ

 を抑えられていることを感じ取った吉田は切りリーチと打ってでた。
この局は吉田一人テンパイで流局したが、吉田健在を感じさせる1局となった。

しかし、次局の東1局1本場。
しばらく雌伏していた「暴君」瀬戸熊が雄飛する。

 ドラ

5巡目でテンパイしたこの手牌を躊躇なくリーチ。自力先行型の瀬戸熊らしい選択だ。トータル2着目の吉田の親をそっと蹴ろうという意識は欠片もない。対抗吉田も前に出るがイーシャンテン止まりで、6巡後、瀬戸熊がをツモりあげた。1.300、2.600は1.400、2.700。このアドバンテージは大きい。

 東2局。
 それまで我慢を重ねていた親番小川に超大物手が入る。

6巡目にドラで自風のを暗刻にし、この形。

 ドラ

8巡目にを引き、

 ドラ

10巡目にをポン 打で親の倍満テンパイ。

 ポン ドラ

この手が成就すれば小川にも十分優勝の目がある。待ちのは山に二枚。小川の河にはが2枚切られ、一色手が目立つ河にはなっていない。

これを捌いたのは増田だった。を鳴きチーテンを入れるとすぐにタンヤオを出あがった。
(下図)

 “チャンスの後はピンチあり”
チャンス手を逃した小川に次局、罠が待っていた。
7巡目。

 ツモ ドラ

小川はここから打とした。は3巡目に自分で切っている。

次巡、を重ね、リーチ。

 ドラ

 捨て牌にが切れており、出アガリ5.200、ツモれば2.000、3.900だ。
その2巡後、親の瀬戸熊からリーチが入る。リーチ宣言牌が心持ち強く切られた気がした。
大物手か?
小川もそう感じたのではないだろうか。
そして小川のツモ切ったで瀬戸熊の手が開かれる。




 ドラ暗刻の親満貫だ。磐石の-待ち。
前局の親倍満をものにすることができず、そして今度は親満放銃。動揺してしまったのだろうか、小川は次局も増田に7.700を放銃してしまい、戦線から離脱してしまう。

<次局 増田の手牌>
  ポン チー ロン ドラ 

4回戦のオーラスを向かえ、各自の持ち点は次のようになっていた。

東家 増田 34.600
南家 吉田 29.600
西家 小川 ▲700
北家 瀬戸熊 56.500

 瀬戸熊はオーラスも攻めの手を緩めず、3シャンテンから積極的にを叩き前に出るも流局。
増田、小川の二人テンパイ。
そして次局、瀬戸熊に手が入る。
親の増田からリーチが入るも、首尾よくを鳴くことができ、ハネマンテンパイ。

 ポン ドラ

南家の吉田ものポンテンを入れる。



そして、迎えた14巡目。瀬戸熊がをツモってくる。(上図)
少考後、瀬戸熊の選択は打。この打牌に異論はないだろう。
しかし次巡、吉田がをツモ切る!瀬戸熊の横顔が少し歪んだ気がした。
そして親の増田がをツモると手を開けた。

 アンカン ツモ

瀬戸熊、倍満をアガリ逃したのか?
と思いきや、実はは吉田のロン牌であった。

<吉田の手牌>
 ポン ドラ

瀬戸熊と吉田の攻めを掻い潜った増田はこの後、親で連荘を重ね、遂には瀬戸熊を捲くった。
オーラス 2本場

 リーチ ツモ 2600は2800オール

オーラス 3本場

 ロン ドラ5800は6700

トップを捲くられた瀬戸熊であるが、5万点を超える2着、対抗の吉田が大きく沈んだため展開は申し分なく、余裕を持って最終戦を迎えることとなった。トップを捲くられたことすら瀬戸熊の戦略の一部のような気がしてならない。


4回戦 結果
瀬戸熊 +26.1P 増田 +35.9P 小川 ▲42.8P 吉田 ▲19.2P
4回戦 終了時
瀬戸熊 +61.9P 増田 ▲6.6P 小川 ▲57.8P 吉田 +2.5P







 「勝負所は1回戦目の南3局にあった」対局後に瀬戸熊が語ったように、紆余曲折はあったものの、決勝戦全体を通して瀬戸熊は放銃らしい放銃はほとんどなく、他家の大物手も脇の移動であったりと、ピンチらしいピンチはほとんどなかった。もちろん、麻雀はそんなに楽なものではない。瀬戸熊の集中力、場を見る確かな目、自力先行型の潔さ、経験値の高さ、そういった要素の積み重ねが瀬戸熊をして磐石の体勢を作り上げさしめたのであろう。

 最終戦も自力先行型の姿勢を崩さず、二度のリーチを打ち、4局を仕掛け、4つのアガリをものにした。
瀬戸熊は、戦前“瀬戸熊の対抗”と目された増田に対しては一度たりとも放銃していない。対する増田は瀬戸熊への放銃は6回あった。そのあたりも瀬戸熊のタイトル戦決勝を熟知した巧みな戦術に現れていると思う。

 和了回数の多さも瀬戸熊が群を抜いていた。九種九牌を除く、全70局中、18回を瀬戸熊がアガった。そういう意味でも自力で掴みとった優勝といえる。

 増田は4回戦、5回戦と連勝し、瀬戸熊に肉薄したが届かなかった。特に5回戦の猛追ぶりは圧巻であった。今回は惜しくも準優勝となったが、増田の得たものはそれ以上に大きかったのではないだろうか。

 「最後の親番が流れたときは本当に涙が出そうになった」最後まで優勝を諦めなかった吉田の言葉である。最終戦、親番が消え残されたわずかな局に、国士無双に向かい、緑一色を狙った。それでも、役満の可能性が消えかけると勝負に水を差さないように慎重に牌を選んだ。その姿勢、所作はとても初めての決勝卓とは思えないほど落ち着き、堂に入っていた。

 小川の二度の決勝進出は伊達ではなく、彼の場を見る目は紛れもなく確かなものだった。冷静に場を見渡し、無理をすることがほとんどなかった。目立たなかったが随所に良いプレイが見られた。今回は如何せんツキがなかったが本当によく戦ったと思う。吉田と同様、連盟若手の先頭に立つ逸材であることは間違いないであろう。

 最終戦ラス前、連荘を重ね約22P差まで迫った増田の連荘中に瀬戸熊はリーチを打った。増田がドラを切ったとはいえ、親満を直撃されればひっくり返る状況だ。ましてや、脇の二人からの出アガりは見込めない。瀬戸熊は最後まで逃げることなく勝負を挑み、アガりきる。そして優勝を自力で掴みとった。

5回戦 結果
瀬戸熊 ▲4.9P 増田 +37.6P 小川 ▲2.2P 吉田 ▲30.5P

第13期 チャンピオンズリーグ 結果
優勝  瀬戸熊 直樹 +57.0P
準優勝 増田 隆一  +31.0P
3位  吉田 直   ▲28.0P
4位  小川 尚哉  ▲60.0P


 

後列 左から 3位:吉田 直 準優勝:増田 隆一 4位:小川 尚哉
前列 優勝:瀬戸熊 直樹







(文責・野崎 次郎 文中敬称略)

                              

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