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チャンピオンズリーグ

第11期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記


午前10時、目覚ましが鳴るのを待たずに目が覚める。
2時間しか寝ていないのに、驚くほど寝覚めがよい。
対局の朝はいつもこうだ。
選手として、観戦記者として、立会人、記録者として・・・どんな立場であっても、私たち麻雀プロにとって対局は特別なものである。
チャンピオンズリーグ決勝を戦う4人は、どんな気持ちでこの特別な朝を迎えたのであろうか・・・。


若手からベテランまでが所属リーグや獲得タイトルの垣根を越え半年間リーグ戦を戦う、それがチャンピオンズリーグだ。
この5節の戦いで上位15名と前回優勝者が準々決勝へコマを進め、
更に準々決勝、準決勝と、同卓上位2名が勝ち進むシステム。
今回、決勝の椅子を掴み取ったのは、紺野真太郎、高木修司、中村毅、石橋薫の4名である。


四谷でタクシーを降りると、声を掛けられた。
「おう!」低い声の主は紺野だった。
今回の決勝で唯一のAリーガー(A2)であり、タイトル獲得者(新人王)である彼は、格上の強みか、いつものように落ち着き払っていた。頼もしい。

会場に入ると、他の3名はもう揃っている。まるで、格上の紺野を待ち受けていたようだ。
高木、中村は共に気合十分といった表情なのだが、石橋の表情が硬い。
「採譜されることが嬉しい」と前日語っていた石橋だが、その喜びが「採譜されることへの緊張」にならなければよいと思った。



1回戦、小場が続く。皆、緒戦から致命傷を負わないように注意深く打っている。
そんな中、東3局中村の2,000・3,900が炸裂した。

  ポン   ポン   ツモ   ドラ

この時、ドラを鳴かせた高木の手牌は、

  ポン

安全牌の を抱えてのドラ切りは賛否両論であろうが、私には勝負を急いでいるように見えた。

また、石橋の手牌が、



この形で7巡目に聴牌が入っていた。先制リーチならばドラが切られることはなかっただろうし、仮に切られていたとしても、中村のイーシャンテン打牌の を捉えている。そうなれば、展開は大きく違っていただろう。
石橋は対局後、「まだあせることはないと思った」と語っていた。
5回戦勝負で優勝以外意味のない戦い、高木とは逆に、勝負から逃げているように見えた。

南3局、 をポンして先手を取った親の高木が、今度はドラを可愛いがり、和了りを逃す。

  ポン   ドラ

ここから打 で次順のツモが
ダマテンで押していた石橋の をポンして聴牌を入れるも、時すでに遅し。
本来なら12,000の和了り牌となる を打たれては、勝ち目はない。
すぐに石橋のピンフドラ1の当たり牌をつかんで放銃。
点数は2,000点だが、高木を沈ませる貴重な和了り。
高木も「あの局はやっちゃったな」と語っていたが、途中で手変わりのある ツモ切りにも私は首を捻った。
この局が、高木敗因の一つであるのは間違いない。

ラッキーな和了りで勢いの付いた石橋が、オーラスもあっさり七対子で流して一人浮きのトップとなった。


1回戦終了時
石橋+20.0 高木▲1.5 中村▲6.7 紺野▲11.8






2回戦、ラッキーな一人浮きの石橋に注目していたが、一転、主役が代わる。

東2局、西家の高木がを暗刻にしてリーチ。

  ツモ   ドラ   

中村の追っかけリーチが入り、紺野がチーテンで対抗、 が食い流れるも、海底で力強く を引き寄せた。
次局も暗刻になる牌を先に引き、3面張リーチであっさり1,000・2,000。
麻雀の基本は両面待ちなので、先に嵌張やシャンポンが埋まり、両面が残るようなときは得てして調子がよい。
秀逸は連続和了りの次局。

東4局の親番。中村の、

  ドラ

このリーチを受けた高木の形が、



中村の河には もあり、あっさりチーテンを取れそうな形だ。
仕掛けて高目5,800、面前なら倍満まで見え、親番、しかも絶好調モードと前に出る要素は揃っているように見えたのだが、高木はオリを選択。
「攻めが強いタイプだが、何でも切る下手ではない」 そんな意思の籠った の対子落としにプロの技が光っていた。



             高木 修司

ここでの我慢が南3局の2,000・4,000を生むのだと思う。

  ツモ   ドラ   

3人のテンパイ気配に対応してオリているうちに三暗刻が完成し、あっさりツモ。
投げやりに打つ人間にツキは掴めない。

オーラス、ここまで良いところの無かった紺野が、格上の意地を見せる。
紺野は、私が連盟に入ったばかりの頃から御世話になっている先輩の一人だ。
今回の4人の中で、一番よく麻雀を見させてもらっているし、一番麻雀を勉強させてもらっている。
紺野が勝つべきであるし、勝って欲しい、というのが私の本音だ。

  ポン   ポン   ツモ   ドラ   

この和了りで紺野は、ポイントは沈みながらも2着に浮上した。当たり前のようにツモ和了るのが彼らしい。この自信にあふれた姿が本来の紺野なのだ。



             紺野 真太郎


しかしこの後、私が期待していた紺野の自信にあふれた姿を見ることはできない。
当然、Aリーガーらしく正着打を打ち続けたのだが、ツキという、目に見えないものの力をねじ伏せることは出来なかった。


2回戦終了時
高木+22.8 石橋+7.2 中村▲13.8 紺野▲16.2






3回戦、中村が東1局、

  ツモ   ドラ

のリーチをツモって、2,000オール。
東4局にも1,000・2,000を引き上がって、40,000点オーバーに。



              中村 毅

毎回主役が変わる展開で、最後まで楽しめそうだと思っていたが、2回戦の高木と違って、中村はツキを自ら手放してしまう。

南2局、北家中村が、

  ドラ

ここから を一鳴きする。
北家の鳴きは親のツモ回数を増やしてしまうので、注意しながら鳴かなければならないのだが、中村は不用意に鳴いてしまった。
ましてや、2回の和了りが両方とも面前でのツモ和了り。
私は、ツモ和了りは好調の証だと思っているので、同じ状況でも絶対に鳴かないだろう。
鳴きはツキの流れを変えてしまう。

ポンの後、東家石橋の



この手牌が、

  暗カン

になり即リーチ。 をツモって3,900オール。

一瞬、空気が止まる。
中村は、どんな気持ちで開かれた手牌を見つめていたのだろうか?
次局、不用意な仕掛けでツキを手にした石橋は止まらない。

6巡目リーチがこの形、

  ドラ

あっさり をツモり、4,000オールの一本場。この半荘の勝負を決めた。

オーラス、満貫ツモで2着中村とトップ石橋の着順が変わるのだが、石橋はイーシャンテンからドラの 切り。
これを中村にポンされるも流局。

石橋はトップをとっても内容が危うく見える。しかし、この後もツキは石橋を見捨てない。
3回戦まで見てきたが、4者とも仕掛けが多い展開だった。
そして、その仕掛けで誰かにツキがいく。その回数で着順が決まっているような状態だった。
4回戦、5回戦は誰がツキを掴むのか?


3回戦終了時
石橋+44.1 中村+1.6 高木▲17.9 紺野▲27.8






4回戦、石橋はトップなら、ほぼ優勝が確定。
2,3着でもマイナスしなければ、ほぼトータルトップで最終戦を迎えられる。
ほかの3人は、協力してでも、ここで決めさせたくない気持ち。
4人の思惑が絡み合う4回戦、東1局一本場、大事件が起きる。

南家高木に、

  ドラ の面前清一色のテンパイが入り、仕掛けた石橋が 勝負で飛び込む。16,000。
これで石橋は、東1局に5,800を和了った中村や、16,000を和了った高木と、ほぼ差がない状況になった。

しかし、東3局の親番で石橋が息を吹き返す。

まずは、

  チー   ツモ   ドラ

で2,600オール。

続く1本場、北家高木の疑問手。親の石橋が、

  ポン

高木が、

  ドラ

ここからテンパイ取らずの 切り。これを石橋が仕掛けてテンパイ。
親の石橋がダブ東を仕掛けている状況でのこの打牌はどうか。
これは石橋を沈めなければならない条件戦。石橋に連荘させることは最もしてはならないことなのだ。
実際、高木がオリを選択していても、 が重なり結果は一緒。だがこれは姿勢の問題である。
この時、テーマに沿った打牌が出来なくなってしまった高木に優勝の目は無い、と感じた。

この後、石橋が4連荘。ここからまたツキが変わる。石橋の苦しかった手牌がよみがえり、南2局、優勝を決定づける

  ツモ   ドラ  

このあがり。16,000のビハインドをものともせずに、高木、中村を捲り一気にトップとなった。



              石橋 薫




4回戦終了時
石橋+59.0 中村+6.5 高木▲24.1 紺野▲41.4






最終戦を迎え、トップ石橋と2位中村は50P以上の差がついている。
ほぼ消化試合の最終戦、中村が詰め寄るも石橋が逃げ切り、自らの手で最終戦を締め括った。


最終成績
石橋+75.9 中村+31.0 高木▲34.0 紺野▲72.9






最後までツキが押し寄せた石橋は、嬉しい初タイトル獲得となった。
格上3人を相手にしての優勝で喜びは格別であろう。
今後の飛躍を期待したい。



前列 石橋 薫
後列 左から 紺野 真太郎 中村 毅 高木 修司 



優勝コメント
「幸運の連続で、楽しみながら打ててよかった。ずっと2着で準決勝を通過したので感触は。
 競技は勉強の途中なのでこれからもがんばりたい。」

会場を出て、友人の結婚祝いに行くために上野に向かう。
ぼんやりと車窓の景色を眺めながら、石橋は何を思ってこの特別な夜を過ごしているか考えていた。



 


(文責 増田 隆一 文中敬称略)

                              

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