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タイトル戦情報

第29期 プロリーグ

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A2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1
古川 孝次(愛知)
37.5 ▲ 11.0 17.8 88.0 ▲ 28.6 19.2 42.2       165.1
2
猿川 真寿(静岡)
21.3 80.3 ▲ 39.6 ▲ 66.9 74.6 71.5 10.5       151.7
3
黒沢 咲
(東京)
39.7 18.4 45.0 ▲ 47.0 ▲ 42.7 103.2 22.1       138.7
4
勝又 健志(東京)
45.6 32.7 14.7 1.8 0.7 19.3 ▲ 30.3       84.5
5
板川 和俊 (大阪)
27.5 62.8 ▲ 3.7 ▲ 24.5 ▲ 5.4 6.8 5.8       69.3
6
四柳 弘樹(富山)
▲ 44.3 ▲ 9.8 81.9 ▲ 18.9 28.8 2.4 ▲ 3.6       36.5
7
仁平 宣明(福岡)
▲ 9.2 ▲ 38.9 ▲ 72.1 34.8 14.7 4.7 47.7       ▲ 18.3
8
老月 貴紀 (東京)
▲ 27.3 ▲ 35.5 41.7 31.1 ▲ 13.9 ▲ 29.6 14.4       ▲ 19.1
9
二階堂 亜樹(神奈川)
▲ 13.5 ▲ 5.0 ▲ 20.1 ▲ 4.1 23.1 41.5 ▲ 42.6       ▲ 20.7
10
遠藤 啓太 (東京)
▲ 28.7 ▲ 54.9 ▲ 7.8 85.1 ▲ 24.3 48.1 ▲ 48.1       ▲ 30.6
11
金子 貴行(神奈川)
▲ 38.5 39.7 18.6 ▲ 16.4 8.0 ▲ 40.5 ▲ 6.9       ▲ 36.0
12
白鳥 翔(東京)
▲ 3.2 ▲ 22.3 14.7 ▲ 44.6 59.1 ▲ 33.1 ▲ 13.8       ▲ 43.2
13
山田 浩之(兵庫)
▲ 30.2 ▲ 62.6 ▲ 18.6 3.4 8.8 8.4 44.5       ▲ 46.3
14
吉田 直(新潟)
26.2 26.3 ▲ 15.3 2.6 ▲ 10.0 ▲ 92.4 ▲ 51.5       ▲ 114.1
15
山井 弘(富山)
▲ 55.8 13.5 ▲ 14.9 17.9 ▲ 25.2 ▲ 83.0 ▲ 6.1       ▲ 153.6
16
中村 毅(京都)
51.9 ▲ 34.7 ▲ 63.3 ▲ 42.3 ▲ 68.7 ▲ 46.9 13.7       ▲ 190.3

昇級者 2名   降級者 4名     ※降級者は都合により残留となる場合があります
昇降級ライン:順位枠内に表示


【プロリーグA2 レポート:前原 雄大】 

 

 
 


何処までも突き抜けるような空の高さと、蒼さが秋の気配を漂わせる中、第7節のプロリーグが始まった。
私自身の対局終了後、A2を観戦すべく遅い昼食を摂る。
腹が空かないのは、まだ血流が頭の方に行っているせいなのだろう。

喫茶店でパンを二切れほど、アイスコーヒーで流し込み会場に向う。
見上げた空は鰯雲が漂っていた。子供のころからずっと夏の入道雲が好きだった。
鰯雲はどこか淋しげで何となく好きになれなかったが、いつの頃からかはわからないが、いつのまにか好ましく思えるようになった。

___人は変わるものなんだな。
そんなことを考えながら会場に戻った。


今回の採譜卓は、中村毅、板川和俊、黒沢咲、二階堂亜樹{起家より}
3位に着ける黒沢と、昇級アンケート1位で現在5位の板川。
今節ブレイクすれば、首位グループに位置できる二階堂(亜樹)。
そして、最下位ながらこのままでは終えられないはずの中村。

それぞれに勝負処の節と見たからである。
ところが、同じ思いを持った観戦者が多く、きちんと観戦が叶わない。

難しかったのが、東2局、西家・二階堂の12巡目。

 ツモ  ドラ

場況は、圧倒的にピンズが悪くが狙い目の局面。二階堂も冷静に打とヤミテンに構える。
すると、2巡後ラス牌のツモのツモアガリである。
確かに二階堂の読み通り、は山に2枚残っており、誰が掴んでも出る局面である。
付け加えるならば、仮にピンズに受けていたら山には1枚も残っていなかった。
この的確なヨミが、多くのファンを引き付けるのだろう。
必然の手順であり、最善の手筋である。その結果、2,700点の収入なのは致し方ないところだろう。

大事なのは、この結果を二階堂がどう受け止めてどのように今日を戦い抜くかである。
次局にもまた二階堂に手が入る。

 ドラ

これが僅か4巡目のテンパイである。
ちなみに捨て牌は、

ここも二階堂はヤミテンに構える。そう構えるのが本手だろうとは思う。
ヨミ通り、配牌から受けに向っている中村が1枚持っている以外、全て山に残っており、誰も二階堂のテンパイ気配を感じていない。
そして、肝心の以外字牌は、次々打ち出されて行く。

この時点で3シャンテンだった板川が手を育て、9巡目にリーチを打ち12巡目にに引きアガる。

 リーチ ツモ

こういう結果が出るから麻雀は面白いし、難しい。

この2局を見て思うのは、今日は二階堂の日ではないということである。
耐えるしかないのである。良い日もあれば悪い日もある。
晴れた日に思いきり暴れれば良いし、雨の日はじっと家に籠るしかないのである。
正しい考えかどうかはわからないが、それが私の考え方である。
翌日、二階堂から送られたメールである。


「今まで何節もリーグ戦を闘ってきましたが、今節が今までで一番最低な麻雀だったと思います。
練習不足やメンタルが安定していないこと。拙いのは勿論ですが、一番は覚悟が無かったなと。
振り返ってみれば、負けたのは自分で負ける麻雀を打っていたからです。
もっと、まともに打てるようにならなきゃ自分はここに居てはいけないと思うので、頑張っていきたいと思います。」
二階堂亜樹


この文面を読み、流石だなと私は思った。
良く自分自身を理解している。

二階堂とは逆に、晴れの日だったのが黒沢。
オーラスを迎えて28,000点持ちである。

 ドラ

この配牌を大胆かつ丁寧に仕上げ、8巡目にポンテンにとる。

 ポン

次巡にツモで打。そして15巡目にのツモアガリである。
この跳満のアガリは黒沢にとっても大きかった。

一番被害を蒙ったのは、親番の二階堂かもしれない。
4巡目に1シャンテンの二階堂の手牌。

  

この手牌が黒沢のアガリを見た15巡目の最終形。

  

真っ直ぐに打っていても何処にもアガリ形はない。
手残りのが、二階堂の麻雀に対するプライドなのだろう。
麻雀に対する誠実さという言葉に置き換えても良いと私は考える。


「第7節でしたが、開幕戦だと思って臨みました。1回戦のオーラス、浮きを目指したホンイツの仕掛け(ポンテン)から、
ツモが効いて最高形で跳満をツモアガリ、沈みから一気にトップを逆転しました。
そんな最高の結果に気が緩んでしまったのか、2回戦以降に少し攻めの姿勢が崩れてしまったと反省しています。
今節は、堅く打っていないのに放銃がほとんどなく、もっと大きく攻めるべきでした。
残り3節、どんな結果が待ち受けているかわかりませんが、強敵相手でも縮こまることなく、自分らしい大きな麻雀を打ちたいです。
最後まで精一杯頑張ります!!」
黒沢咲


確かに黒沢の記す通り、初戦18.0Pのデキからすれば、大きく抜け出すチャンスだったのかも知れない。
ただ、それも相手あってのことである。
相手も必至に戦っている。
板川の受けの強さがなければ、黒沢のワンサイドゲームになっていたかも知れない。
中村も、最下位のポジションは変わらないが、プラスポイントに纏め上げたのが次節に繋がる可能性はある。


「今期の対局に臨むにあたって、必ずA1に復帰することはもちろんのこと、その内容、スコアにもこだわって闘うように自分に言い聞かせてきました。
平均アベレージ25P、トータル250Pをターゲットに自分との闘いが始まりました。第2節が終わり、90Pを超え順調な滑り出し。
ところが、慢心したわけではないのですが、心のどこかで隙が生まれたのか、自分らしい麻雀が打てない、あるいは打たせてもらえない状況が続き、
じりじりとポイントを減らしていきました。前半最終節の5節、組み合わせが変わっての後半戦の第6節と、若手の伸び盛りのメンバーとの対局。
久々にわくわくする対局の連続でした。彼らと正面から向き合うには、自分自身の準備が足りないと感じていたので、8月は10日間の休みをすべて東京での麻雀、
9月に入っても麻雀格闘倶楽部、ロン2に時間の許す限り参戦し、勝負勘を取り戻す訓練を行ってきました。
第6節、今回の第7節共に、初戦からの展開は自分のイメージどおりでした。
しかし、第6節では前半我慢をしていたら、猿川プロに後半ブレイクするきっかけを与える不用意な放銃。
第7節は、初戦トップ目のオーラス、ホンイツ気配の黒沢プロにを鳴かし跳満ツモで捲くられる。まだ何かが足りない。
その何かを身につけるために全力で鍛錬し、80P差を捲くりに行きます。」
板川和俊

他の卓も観戦しようとするのだが、如何せんギャラリーがどの卓もいっぱいである。
それだけ魅力のあるA2リーグになっている証で喜ばしい限りではあるが、観戦子泣かせでもある。
運営席に戻り、瀬戸君に今後の展開を尋ねると、
「誰が残るかはわかりませんが古川さんは昇級すると思います」
「やはりそう考えるんだね」
「後は、猿川も良いかもしれませんね」

猿川の卓を観戦にいくと放銃が目立った。
ただし、会場の関係で猿川の手牌はまるで見えない。
必然の放銃なのか過失の放銃なのかは判然としない。
ただ、今日の麻雀のデキは良くはないのだろう。


「今節はツイていたの一言に尽きます。今回の自分の目標は+50Pオーバーでした。最終節をむかえるにあたって、どうしても首位にいたいからです。
勝ちたいと思って勝てるものではないことは重々分かっているつもりですが、上下が分かれている分、チャンスなのも事実だと思っていました。
その思考のせいか、メンタルの弱さかは分かりませんが、今節の麻雀は非常に雑だったと思っています。
結果は、奇跡的に+10.5Pで上位をキープ出来ましたが、ただ振り回しただけの拳がたまたまヒットしただけであり、
しかも、10回振り回して1回当たるかどうかの攻撃で、自分の弱さを強調している節とも取れると思いました。
残り3節に不安が残りますが、やれることをやろうと思っています。
実力が秀でている訳ではないので、せっかくのチャンス悔いの残らないようにモチベーションだけは高めて対局に臨みたいと思っています。」
猿川真寿


古川に電話で感想を訊いてみた。
「私にとっては最後の昇級のチャンスだと思っております。{年齢的にも体力的にも}今回を逃したら、まずA1への昇級は叶わないと覚悟しています。」

短いコメントだったがわかるような気がした。
それは、私自身が古川と同じ気持ちをここ数年思っているからである。

若い頃、夏の湧き上がるような入道雲が好きだったのは、そこに力強さを、自分自身を投影させていたようにも思う。
「年に一度も天和がアガれなくなったら麻雀プロは辞める」
そう公言して憚らなかった若く、そして愚かな自分がいた。
もう十年ほど天和はおろか、リーグ戦ではメンチンさえアガった記憶がない。

秋の鰯雲が好きになったのも、どこか儚げでちからを失いつつある自分を投影させているのかもしれない。
そして、いずれ間違いなく冬は訪れる。古川にも私にも、そして現鳳凰である荒正義にも冬は訪れる。
冬が訪れ私達が枯れ果てても、それは仕方ないことである。むしろ、良いことだとさえ思える。
今、確実に若い芽が育ちつつあるのだから。新陳代謝のない世界は滅びるのが必定なのだから。

古川の覚悟が優るのか、それとも若い芽達が育つのが優るのかそれはわからないことだが、懸命に麻雀に立ち向かうことは何らかわりはないことである。
昇級争いも降級争いも、本当に一打一打が直接結果と結びつく縦長の展開である。
来月がまた楽しみな、そして過酷な戦いが繰り広げられることであろう。

 

 

第8節組み合わせ

A卓 
古川 孝次 vs 板川 和俊 vs 白鳥 翔 vs 遠藤 啓太
B卓  勝又 健志 vs
猿川 真寿 vs 老月 貴紀 vs 二階堂 亜樹
C卓  四柳 弘樹 vs 金子 貴行 vs 山井 弘 vs 中村 毅
D卓 
吉田 直 vs 黒沢 咲 vs 仁平 宣明 vs 山田 浩之
 




 
 
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