【プロリーグA2 レポート:勝又 健志】
リーグ戦も第7節を迎え終盤戦に差し掛かってきた。
現在の昇級ボーダーは+170ポイント程。
ここまでほぼ±0の私は、昇級に望みを繋ぐためにも今節は何としてもプラスしたいところである。
今節の対戦相手は、現在3位の近藤、5位・猿川、6位・白鳥と今期好調の3者であった。
1回戦、まずは白鳥がタンピン三色の7,700をアガリ先手を取った。
次局以降は、私が1,600、2,400、4,000オールとトップ目に立つ。
この親は2本場で、ストレートに手を進め、
            ドラ
このリーチを打つものの、近藤が、
            
これで押しきり、突き抜けることはできなかった。
しかし、アガリを取れた3局はどれも難解な選択があったが、良い結果となり好調の手応えを感じていた。
そんな中で迎えた南1局。ここで疑問手を打ってしまう。
まずは、近藤が3巡目に をポンと仕掛けてきた。
この仕掛けでツモが利き8巡目に私にテンパイが入る。
            ドラ
この時ピンズの上は場に高く、 〜 は生牌で、 は1枚切れという状況であった。
ここで私はダマテンに受ける。3巡後、近藤に手出し が入ったところで、私が引いた牌は であった。
少考後これをツモ切ると、近藤のドラ単騎につかまってしまった。
         ポン  
今局には2度の分岐点があった。1度目はテンパイを果たした8巡目。
好調を意識していたのならばリーチも十分に考えられる場面である。
しかし、ここでは待ちの弱さと、リーチで3,900点をアガっても決め手にはならない状況であったことからダマテンを選択した。
と 、 が入れ換わったならばリーチと行こうと考えていた。
2度目はドラを引いた11巡目。
ダマテンを選択したからには を切ってテンパイを外すのが一貫性のある一打であると思う。
また、近藤の最終手出しが でかなりの危険牌ということもある。
しかし、私は好調を感じている今、放銃よりもアガリ逃しの方が今後に影響を及ぼすのではないかと考えツモ切りを選択した。
今となって冷静に考えてみると、甘い一打と言わざるを得ない。今局のテーマは何なのか。
手牌を曲げてのアガリ逃しが悪手と考えるのであれば、8巡目にリーチを打つべきであるし、
リーチを打っての3,900点が、他家の攻めや、待ちの強さと見合っていないと判断したならばここは1を切らなければいけない。
完全に気持ちがぶれてしまっている1局である。
もっと踏み込むならば、今局の親は猿川であった。
私がリーチを打ったとしても、猿川は点棒的にもスタイル的にもよほど手牌が苦しくない限り攻め返してくるであろう。
そうなった時に自分の待ちが弱く、めくり合いに負けて大きく点棒を失うことを恐れていたのだ。
そして11巡目では、アガリを逃し運気を失うことを恐れていた。
恐怖に駆られ、目先の欲に溺れた後悔の残る1局としてしまった。
そして3回戦東1局ドラ中。1、2回戦の焦りから敗着となる一打を打ってしまう。
4巡目、親の白鳥が1枚目の を仕掛ける。2回戦までで30ポイント程プラである親が1枚目の をポン。
そしてドラは 。完全に警戒しなければならない局面である。
5巡目,ここで私の手牌は以下。
             
ここから私は打 としてしまう。
これがドラ暗刻の白鳥に12,000の放銃となってしまった。
心に余裕がなく、純チャン三色が見える、まだ5巡目だし、といった欲に負けてしまった。
今半荘は当然のラス。悔やんでも悔やみきれない半荘にしてしまった。
とにかく自分の弱さが浮き彫りになった今節であった。
4回戦では、ラスでもいい自分の麻雀を打ち切ろうと開き直り不格好なアガリもあったがトップを取ることができた。
残り3節、ポイント的には本当にわずかな確率ではある。
しかし、A1への道を目指し、4回戦目のように例え泥臭くても自分の麻雀を貫き通そうと思う。
そのために次節までの1カ月「心技体」を充実させることに全ての力を注ぎたいと思う。
第8節組み合わせ
A卓:朝武 雅晴 vs 近藤
久春 vs 鈴木 基芳 vs 滝沢
和典
B卓:中村 毅 vs 吉田
幸雄 vs 四柳 弘樹 vs 猿川
真寿
C卓:山田 浩之 vs 明石
定家 vs 白鳥 翔 vs 山井
弘
D卓:勝又 健志 vs 金子
貴行 vs 仁平 宣明 vs 古川
孝次
|