【プロリーグA2 レポート:勝又 健志】
第2節。私の対戦相手は、滝沢、明石、白鳥であった。
3回戦を終え、ポイントはおおよそ白鳥+60、勝又▲10、滝沢▲20、明石▲30といったところ。
ここまで白鳥は本手をきちんと決め、そうでない時は仕掛けを入れ、
最終形を場面に合わせ捌ける時は捌き、押し返されたらしっかり対応する、万全の内容であった。
一方滝沢は、2回戦でメンタンピンドラ1の、待ちは3面張と絶好のリーチを打つも、その後3件リーチになり、結果は5,200の放銃。
その後は劣勢を受け止め、勝負所を待ちつつ受けに比重を置き進めていた。
4回戦、東1局。
白鳥が2枚目のカン をチー。
ピンフテンパイの親・明石が を勝負して7,700。
         チー  ロン ドラ
東2局、白鳥の仕掛けでドラを引きこんだ私が、リーチでツモリ2,000・3,900。
           
リーチ ツモ ドラ
迎えた東3局、今局も白鳥が ポン、 ポンと仕掛けてでた。
7巡目、滝沢からリーチが入る。
            リーチ ドラ
このリーチを受けた白鳥は即撤退。
今局は親番の私が、5,800の1シャンテンから で放銃となった。
そして4回戦終了後、滝沢とこの日の対局について振り返った。
滝沢「4回戦のリーチはもっと引きつけてから打つべきだった。」
滝沢が欲しいのは、今局の5,200ではない。次の親番に向けてのきっかけである。
ならば理想の展開は、まっすぐこられての5,200の出アガリではなく、対応されての1人テンパイ。
もしくは、誰かのアガリ逃しで局面が長引いての、引きアガリと考えたはずだ。
しかしこのリーチの結果は、白鳥がすぐにオリを選択したため、滝沢と私の1対1となった。
私からすれば、満貫を引きアガリ迎えた親番、劣勢の滝沢のリーチとの戦いならば放銃覚悟で突っ込む。
この勝負に勝てば、ビックイニングになり得るからだ。
この時点で、滝沢の思惑とは違う展開になってしまった。
もし、白鳥が押し返してくる段階まで引きつけられたとしよう。
私は、滝沢のリーチと、好調白鳥のホンイツ仕掛けに挟まれ、少なくとも1シャンテンの段階では生牌の を打ち切れなかったであろう。
この半荘も3着となった滝沢は、今節ポイントを減らしてしまったが、この発言からも精度の高い大局観がうかがえる。
また、劣勢時にチャンスを伺い、失点を最小限に抑える受けの強さもさすがであった。
滝沢ほどの打ち手であれば次節までの1ヶ月で、この数巡すらも修正してくるであろう。
別卓はというと、注目のA卓では朝武がその力を存分に発揮し+77P。
トータルでも100Pを越し首位をがっちりキープした。
第3節組み合わせ
A卓:朝武
雅晴 vs 近藤 久春 vs 仁平 宣明
vs 白鳥 翔
B卓:山井
弘 vs 明石 定家 vs 古川 孝次 vs
山田 浩之
C卓:勝又
健志 vs 鈴木 基芳 vs 吉田 幸雄
vs 猿川 真寿
D卓:金子
貴行 vs 中村 毅 vs 滝沢 和典 vs
四柳 弘樹
注目はA卓。門前打点重視の首位・朝武と仕掛けて主導権を取りに行く2位・白鳥の戦いである。
ポイントは上位であり、スタイルは好対照の2人の対決は前半戦の山場となるであろう。
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