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タイトル戦情報

第22期 十段戦

準決勝戦 観戦記

 2005年7月30日、31日の両日、十段戦三連覇中の河野高志への挑戦権を賭けた16名による戦いが行われた。

 各卓の上位2名が勝ち残りベスト8が決まり、その8名の中から河野高志への挑戦者4名を決めるというトーナメント方式である。

 

7 月 30 日ベスト 16

A卓:瀬戸熊 直樹・シャーク安東・今里 邦彦・滝沢 和典

B卓:藤崎 智・伊藤 優孝・阿部 孝則・森山 茂和

C卓:小島 武夫・土田 浩翔・沢崎 誠・桑原 恵子

D卓:板川 和俊・多井 隆晴・続木 舜英・ジャガー真鍋

 

B 卓 1 回戦東二局

 

伊藤、出足好調!

前局ドラ単騎を引き上がった伊藤が今局も残りツモ一回の処でドラ表示牌であるをチーでき一人テンパイ。その上家である藤崎がノーテンである。今回の藤崎は厳しいかも知れない。と記しているうちに阿部に打ち込む。ドラ

 ツモ 打

変化図

この局は難解な局だっただけに採譜者がいれば良かったのだけれど阿部らしい譜だと思う。

最初の 6 巡目のテンパイが以下。

親番でもあり僕ならば切りのリーチもあったかもしれない。

前述、下家の森山がをポンし、ソーズのホンイツ傾向の捨て牌だったのでが一枚飛んでいるのを考慮した上でシャンポンに受けさらに変化を考えている。阿部らしい一打である。

そして次局も阿部に手が入る。7巡目に伊藤からのを叩く。ドラ

さて、待ち取りであるが打でシャンポンに受けるが、これを森山が捕らえる。平和の 1000 点であるが、これは大きい 1000 点だろう。

伊藤が抱え込んだ点棒を吐き出さない。

インファイトを身上とする打ち手である伊藤の点棒が減らないということは守っているのではなく展開が伊藤に利しているのである。

そんな伊藤の親番である南三局 1 本場 西家・森山がリーチを打つ。ドラ

森山という打ち手は麻雀を知ってる、ということでは連盟でも一・二を争う。なおかつ美意識の高い打ち手であり、自分自身にさえ負けなければ今日は勝ち残れそうだ。

今局、森山らしいのはイーシャンテン時で

トップを狙いたい西家・森山はここから打と構える。当たり前のことだが初二段戦は愚か三段戦までこういった場面では打を見かけることが多い。勿論打がいけないと言っている訳ではない。打が競技麻雀の基本であることを知っての打ならば言うことはないが、私にはそうは映ってこない。

 

A 卓

一回戦 安東+ 32.9 滝沢+ 9.0 今里▲ 11.7 瀬戸熊▲ 30.2 でむかえた二回戦。

滝沢、瀬戸熊、好調!

当然といった感じで瀬戸熊がデッカいトップをもぎ取る。これまた滝沢も当然と言われんばかりに安東にラスを押し付ける。

朝、滝沢と一緒に会場に向かったのだが、「瀬戸熊さんが強いので、自分は勝ち残れると思います」滝沢らしい言葉であるがうまく伝わるだろうか?ここにトーナメントの秘訣がある。

二回戦終了時。トップは今里+ 3.2 瀬戸熊+ 0.9 安東▲ 1.9 滝沢▲ 2.2

安東のやっちまっただ〜という表情が印象に残る。

終ったことは忘れる。これは打ち手の能力である。

他卓を観ている間にサクサクとこの卓が終ってしまった。

結果は越後の奇跡(滝沢)が奇跡を起こしてデカトップをゲット。

慎ちゃん(藤中)に聞いたらドラドラ七対を受けまくりあがったのが勝因と。

本人は「色々沢山上がれて良かったです」と軽いコメント。

続く四回戦東一局滝沢の仕掛け ドラ

この手からを動いて打

滝沢らしい選択だ。手広さだけではピンズを一枚払った方が広い。しかしドラだけにツモを拒否したかったのだろう。こう打っておけば最低の上がり点は 5200 点になる。

その後、を引いた後、安東がを打っていたので打

瀬戸熊が打を打っていたので-待ちに取らずのツモ切り。

将棋の大山が言っていたのが「形勢が有利な者は局面を拡げないことが大切」

その言葉を体言したような打である。

この局面、滝沢がまず考えるべきは今里・安東に打たないことである。その次に考えるべきことが上がりを目指すということである。実際、この局面瀬戸熊はカンで待っていたのである。この一打は滝沢が目指すところのプロ像の具現化の一つの形ではある。

将棋で思い出したが、羽生を評して優勢な時ほど局面を拡げてゆくのが特徴である。と読んだことがある。

同卓の瀬戸熊とか板川は系統で分けるならば羽生側の打ち手はなんだろう。

 

桑原、大健闘!

C卓 2 回戦を終わり沢崎+ 27.0 桑原+ 15.0 土田▲ 4.3 小島▲ 37.7

三回戦東一局 1 本場 10 巡目 桑原

 ドラ

桑原は二段戦からスタートしここまで勝ち進んできた。プロクイーンでも残っている。桑原の麻雀を些細に見ていると解かることだが、このことはフロックと言ったことではなく桑原の力である。

そこを知っている分だけにこの牌姿には納得がいかない。

実はこの牌姿には誰に対しても安全牌がないのである。小島の受け駒は - だけ。沢崎には だけ。土田に至っては何もない。勝負手でもないのに攻められたら受けられない。やはりこの部分はこれからの桑原の課題なんだろう。

プロは構え方が大事なのである。

小島は元気である。

 ツモ

ドラがであるこの局面。打とし、次巡ツモで打のりーチ

きちんと形を創ってくださる紛れもない一つのプロ像であることは間違いない。

今日はこの形までは何度も行くのであるが最後の一牌が来ない。

こういう日もある。それでも小島は小島である。

プロの評価は結果の他にプロセスである。

観る者に伝える力である。プロであるならばメッセージの発信者であるべきである。

そういう意味では、同卓土田もプロである。

観る者に土田の麻雀に対する思考を追わせ、考えさせる。 

この考えさせるという部分に置いて土田はプロなのである。

沢崎はプロというより玄人に近い存在である。系統からすれば荒に近い。

解かる者だけに解かればいいと考えている処がある。

沢崎は一打一打よりも長いスタンス、例えば一半荘よりも 6 回戦をどうまとめるかということに比重を置いて麻雀を打ち進めていく打ち手である。

いずれにせよ桑原がこの 3 人のまごうことなきプロから今日何を吸収するかで彼女の今後が変わってくることは間違いない事実である。できることならば財産にして欲しいと願うのは観戦子の祈りか〜。

 

多井、苦戦!

D卓 二戦を終わり板川+ 43.5 ジャガー真鍋▲ 7.0 続木▲ 10.8 多井▲ 31.0 の並びで三回戦をむかえた。

東一局親の板川が仕掛ける。

 ドラ

王位戦・十段位戦と優勝こそまだないが実績を作っている板川である。

ポンから入るこの仕掛け。

 

 

本人もそれほど上がりたいという訳ではないんだろう。

が 2 枚出切っている。それでも仕掛ける持ちポイントのアヘッドを巧く利用した仕掛けである。

しかし同巡この仕掛けをとがめるように真鍋のマンガンツモ上がり。これを板川がどう捉えるか?どう考えるかである。「〜そんなこともあるんじゃないの?」決勝でも同じように考えられるならば板川のタイトル獲得は遠くない。

東二局、多井からリーチが入る。

 ドラ

のリーチである。多井の捨て牌にがある。それを確認した上で切りリーチを打つ北家・板川。

これも板川の麻雀の特質である。

結果は多井への放銃。

そして東三局、続木から真鍋への満貫放銃。続く東四局、板川のリーチ。

 ドラ

前巡山越でを真鍋に打たれた直後のこの形でリーチを打つが流局。

続いて南一局もリーチ。今度は親である。

 ドラ

これもあがれない。でも同卓者は嫌だろう。

南家の真鍋が仕掛け返す。

 (チー)(チー)(ポン)

ここに多井がが 3 枚見え自身が 2 枚飛ばしているを止める。

「おぉ〜」と思っていたらを打ってしまった。もしかしたら一の打ち込みも多井の中では織り込み済みだったのかも知れない。と書いているうちに板川からまたもリーチ。エネルギッシュな男である。

 ドラ

これも真鍋の上がりで交わされる板川。真鍋の上がり牌をみつめ、虚空をみつめる板川。何を考えているか。

もしかしたら出したリーチ棒の数かしら?結局オーラスも真鍋の上がりでチョン。

ノーホーラで終ったのも全てはポンから始まっていると考えるのはそう間違ってないだろう。

 

 

結局本日の勝ち残りは沢崎・滝沢・伊藤・板川・森山・土田・ジャガー真鍋・瀬戸熊

残念だったのが多井と阿部の敗退である。

多井は近い将来プロ連盟を牽引していく男である。

来年の十段戦の活躍を期待しているばかりである。

問題は阿部にある。現鳳凰位であるということは最高峰の打ち手であり我が連盟の至宝の打ち手である。その阿部がトップ・ 2 着・トップで始まり 6 回戦をまとめきれないということは、信じられない思いであり残念だ。

十段戦の翌々日、新宿で藤崎に会った時言っていた。

「昨日は、負けがこたえて家から一歩も外に出る気力が湧きませんでした。」

プロの打ち手とは藤崎に限らずそういうものなのである。

 

< ベスト8 組み合わせ >

A 卓 沢崎・伊藤・滝沢・板川

B 卓 森山・土田・ジャガー真鍋・瀬戸熊

 

ベスト8  A卓 沢崎・伊藤・滝沢・板川

A 卓

1 回戦オーラス滝沢のチーで伊藤メンホン一通をツモ上がる。

2 回戦東一局海底で 1300-2600 を伊藤、引き上がる。こういう時はなかなか負けないものである。

6回戦とは言え、これだけの上がりを拾って勝ち残れないようならば伊藤も打ち手を引退したほうがいい。それは例えば、前日の多井には風が吹いてこなかった。その中での負けならばこれはいたしかたないということが出来る。しかし、伊藤のように風を捕まえたならば取りこぼしてはいけない。それが麻雀プロの看板を背負った者の宿命である。

逆に言えば、チーで伊藤に跳ね満をツモらせた滝沢に風が吹くことは 6 回戦といえ難しいだろう。何よりも一番の問題は滝沢自身が自分が「ヤッチマッタ」と思うことである。思うなと言ってもそれは無理な注文である。なぜならば滝沢という打ち手はほとんどといっていいほどこういう爛れた仕掛けを嫌う打ち手であるから。滝沢の一番の長所は麻雀がどこまで行っても透明感を失わないということである。ではなぜ滝沢はやってしまったかと言えば、それは十段戦のステージの高さが滝沢をそうさせてしまったのだろう。これ一発で今日の滝沢には目がない気がする。

東四局一本場 板川 親リーチ

 

 ドラ

ツモ 6000 オール

次局二本場も

 (ポン) ドラ

ここまで手を伸ばすもが伊藤に捕まる。

おそらくこの局を板川が上がりきれば決定戦の切符を掌中にしただろう。

逆に言えばこのを捕らえた伊藤にさらに風が吹く。

2 回戦終了時

伊藤+ 27.5  板川+ 14.9  沢崎▲ 9.2  滝沢▲ 33.2

 

 

B 卓

2 回戦を終わり

森山+ 25.4 土田+ 0.5 瀬戸熊 ▲2.3 真鍋▲ 24.6

現状有利なのは森山であることは間違いないが二番手は点棒が二番手の土田より瀬戸熊が有利と見る。

昨日もそうであったが、瀬戸熊は 1 回戦特大のラスを引き 2 戦目は特大のトップを取っている。瀬戸熊の戦い方として、初戦はとにかく真直ぐに行きトップを取ればもうけもの。

ラスを引いたとしてもさらに直球勝負をかける。

麻雀とは不思議なものである。

攻め手があるうちは手が落ちない。

恐いのは受けに廻りすぎて手が死んでしまうことである。

いつ会得したのかは知らないが一番を狙わなくてはいけない決勝と違い 2 位でも残れる予選段階では有効な方法の一つであることは間違いない。

但し瀬戸熊の場合は打ち過ぎという爆弾を抱えている。これさえ出なければ昨年決勝戦で忘れ物を取り返しに行けるだろう。瀬戸熊に負ける要素は薄い。と書いてる間にさっそく我らが瀬戸ちゃんはやってくれちゃったのである。森山の 5 回戦の東二局に親リーにささりこんでしまった。

 (アンカン) ドラ

このリーチに手バラからささってしまった。

森山のびっくりしたような声が会場に響く。

「 ロン!」

この一発で瀬戸熊は終わってしまった。その後も何度も何度もパンチを振るうがそのパンチは空を切るばかりで誰にも当たることはなかった。誰かが悪くなれば誰かが良くなるだろう。

そんななか、土田のフィニシュホールドが炸裂する。

 ドラ

この土田の 5 巡目リーチが 8 巡目のツモ上がりはあまりにも鮮やかな収束であった。

 

B卓の勝ち残り者は森山茂和・土田浩翔

 

A卓は最終戦開始時点で伊藤、板川の差は僅か 2.3 ポイントである。

東一局いきなりといった感じで伊藤が親満を引き上がる。それから執拗なまでに板川の猛攻が始まったがその手牌が卓上に広げられることはなかった。

 

この手が開くことが出来れば決勝戦の切符も手にすることが出来たかもしれないが、それは叶うことはなかった。願うように祈るように牌をツモって来る板川の動作は観る者を熱くさせた。

滝沢も板川も今日という日を忘れることはないだろう。そしてまた 1 年後に更なる高みを目指してこの十段戦という名の舞台に舞い戻って来るだろう。

 

決勝進出者コメント

森山茂和

「単に勝ちを目指すということではなく、いい麻雀をお見せしたいと思っています。」

伊藤優孝

「今回で確か 4 回目のチャレンジとなるわけですが今回は燃えています。森山さんと打てるというのもホントに楽しみにしています。期待していて下さい。」

沢崎誠

「相性のいいメンバーが揃ったのでもう優勝しか見えていません。」

土田浩翔

「まだ道の途中ですので・・・」

文責:前原雄大

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