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第29期 十段戦 

決勝観戦記 〜二日目〜

(観戦記:望月 雅継)

 

初日最終戦の瀬戸熊の爆発により、残る4人が全て瀬戸熊を追いかけなければならなくなってしまった。
自身の加点と同時に、瀬戸熊の足を止めることが必須条件となる。

2日目にして、各自条件が発生してしまった要因は何なのか?
それほど状態が良くない瀬戸熊が、独走状態になってしまったのには、それぞれに問題点が在った事だろう。
追手の4人がそれぞれ自身を見つめ直し、ゲームプランに合った戦い方をすることが、この2日目の焦点になるのではないか。





5回戦(起家から、安東・瀬戸熊・仁平・堀内)抜け番:浜上

初日を終えて、意外にも良いコメントをもらえたのは、現在2位の堀内と最下位の安東。
堀内の戦い方を考えると、瀬戸熊の出来も踏まえ、好位置につけ差し切りを狙う戦い方に絞ると思えば、
このくらいの差は、まだまだ射程圏内だという気持ちもよく理解できる。

対して安東は、内容と背負ったマイナスを考えれば、もう少しネガティブな思考になってもおかしくはない。
しかし、予想に反し前向きなコメントを発した裏には、何かが隠されているのではないか?と戦前のコメントを振り返ってみることにした。

すると安東は、
「他の4人に比べ、失うモノは何もないですから。過去の決勝観戦記を見て、自分が戦略を立てても意味がないだろうと思っています。
一局単位で考え、自分へのダメージを最小限に抑えるようにしたいです。一局にどれだけ集中できるかがカギですね。」
と語っていた。

そういった視点で初日の戦いを振り返ってみれば、安東自身のミスはあったものの、
ゲームプランとしては大きく間違った方向に進んでいないことは評価できるのかもしれない。
ポイントは大きく離されてしまっても、自分がその部分において強い気持ちを持って戦うことが出来ているならば、
まだまだ安東にも十分にチャンスがあるのだろう。

「一局にどれだけ集中できるか」

安東が語るこの言葉通り、一瞬の切れ味を見せることが安東の絶対条件。
しかし、これ以上離されることがあれば、一瞬にして安東の優勝の可能性が消滅してしまう。
何とか喰らいつく安東の勇姿を期待しながら、5回戦がスタートした。

いつものように開局から飛び出すのは堀内。
東1局、堀内の9巡目、

 ツモ 打 ドラ

一通への手変わりの変化を拒否する打は堀内らしい一打だ。
これは、ツモで即リーチを宣言できる手筋を残したということだろう。

堀内 正人


私なら、簡単に打としてしまいそうなのだが、この辺りが堀内の一貫性なのかもしれない。
二手変わりの一通より、リーチが打てる強い形を残すのが堀内らしさなのだろう。

しかしこの手が進まない。
そんな堀内を横目に、先にテンパイを果たしたのは瀬戸熊。
12巡目に七対子のテンパイを果たす。

  

11巡目仁平。こちらは絶好の三色1シャンテンで、

    

ここから三色とイーペーコーの天秤を掛ける打
これも、一見自然に見える一打ではあるが、がドラであるだけに、打と決める手順もあったのではないかと思われる。
この1巡が仁平にとって命取りとなってしまう。
12巡目、安東リーチ。

  リーチ

こちらは自然なリーチ。をツモることが出来れば、昨日の負債を減らすには絶好のリーチと言ってもいいだろう。
このリーチを受け、先手を取られた形になってしまった堀内はしっかりと撤退。
それに対し、瀬戸熊、仁平共に粘り込むが…瀬戸熊は当たり牌を掴み、17巡目にオリを選択。
仁平は粘るものの、ツモで雀頭のに手を掛ける。

しかし16巡目、ツモ、17巡目ツモと、こちらははっきりと自身の目に三色のツモアガリの形が見えてしまう。
11巡目に、三色に決め打てたと仮定して、を1枚だけ勝負することが出来れば、三色のツモアガリがあっただけに残念な1局となってしまった。

結果は流局に終わったものの、いろいろな要因が複合され、安東にプラスに働く形となった。
この5回戦のカギは、結果的にはこの開局にあったのではないかと考えている。

そんなことは対局者にはわかるはずもなく、この5回戦もペースは堀内が握る。
東3局、安東5巡目に四暗刻の1シャンテンに。

 ドラ

そして6巡目、堀内がリーチ。

 リーチ

安東がリーチ後一発で引いたのは。当然のツモ切り。
すると10巡目、堀内の当たり牌を引いたのは今日も仁平。
こちらも三色の1シャンテンだけに、このが止まるはずもなく、仁平→堀内への5,200のアガリとなった。


それにしても開局といい、この東3局といい、仁平には今日も不運が続く。
少し潮目が変わってきたなと感じさせるのは安東。
自身のアガリはまだないものの、昨日と打って変わったように手が動き、展開も有利に進んでいるように感じるのだ。

それが顕著に表れたのは東4局1本場、安東にドラトイツの勝負手が入る。

5巡目の安東の牌姿がこれ。

 ツモ 打 ドラ

ここで安東は、自風のを手中に置いて打としたが、ここは打と素直に打ってほしかった。
8巡目ツモ、9巡目ツモで、ターツ選択でマンズに手を掛けられれば、

 

この大物手のテンパイを果たしていたことになる。
結果は何とも言えないが、ヤミに構えればトップ目の堀内が打としていた公算が高いだけに、この選択は失敗に終わったか…
と見ていたのだが、この日の安東はここからが力強かった。

上記の牌姿に何とツモ
ここでを切ると、堀内の切ったをポンしてテンパイを果たす。
そして、残り1枚のをツモ!一気にトップに躍り出る。

 ポン ツモ 

ここからの逃げ切りを図りたい安東だが、簡単に逃がさない三者。
南2局1本場、堀内はなんと2巡目にピンフ三色の1シャンテンに。

 ドラ

対して仁平も3巡目に1シャンテン。

 

2人に後れを取っていた親番の瀬戸熊であったが、中盤にツモが効き、8巡目に即リーチを敢行する。

 リーチ

これに対し勝負を挑んだのは堀内。
先手を取られると慎重に対応することの多い堀内が、

 ツモ 打 

ドラ切りリーチで追いかける。
このような勝負をする姿勢を見せることが少ない堀内ではあるが、ここが勝負所と踏んだのだろう。
思い切ってドラを切り三色に受けたのだが、これが痛恨の選択ミス。
でのリーチならば、ツモと、先に満貫のツモアガリになっていたのだ。堀内が欲するは瀬戸熊に3枚。

こうなるとやはり勝つのは瀬戸熊。を力強くツモリ上げ、安東に肉薄する。
これで瀬戸熊の時間到来と、視聴者の皆さんも思った事だろう。
続く南2局2本場、今度はすんなりと6巡目リーチ。

 リーチ ドラ

しかし、ここに真っ向から勝負を挑んだのは仁平。

仁平 宣明


8巡目、瀬戸熊の現物である-待ちであるのにも関わらず、気合のリーチを宣言。そして一発ツモ。

 リーチ ツモ 

苦しい展開が続く仁平であったが、このアガリで一気に4者の接戦となったのだ。
それでもこの半荘をリードするのは安東。
南3局、親番の仁平が8巡目、意外な仕掛けに出る。

 ドラ

この牌姿からをポン。メンツが足りないだけに、このポンは仕方ないと見るか?
それとも、仁平の雀風を知る者が見れば、親番とはいえ焦り気味と見るのか?
しかし、それ以上に意外な対応をしたのが堀内。13巡目にリーチを宣言するのだが、

 リーチ

親の仁平がホンイツ模様だとはいえ、自身の待ちであるはポンカス。
先手を取られている現実がある以上、ここはヤミに構える選択もあったのではないか?
このリーチを受け、仁平も堀内の現物であるを仕掛けることが出来、待望のテンパイ。

 ポン ポン 

こうなると、この2つの手だけ見れば若干ではあるが、仁平に分があると考えるのが自然。
しかし、この局を制したのは安東。

 ロン 

堀内と仁平の現物である-待ちで、じっと息を堪えていた安東。
トータルトップである瀬戸熊からの出アガリは、本当に価値のある大きなアガリ。
優勝争いに踏みとどまったばかりか、瀬戸熊のポイントを削ることに成功した意味は極めて大きい。

「一局にどれだけ集中できるか」

この言葉通りの戦いに、ようやく安東の十段戦決勝が始まった。

安東 祐允

 


5回戦結果
安東裕允+15.0P  堀内正人+4.9P  仁平宣明▲6.1P  瀬戸熊直樹▲13.8P


5回戦終了時
瀬戸熊直樹+48.0P  堀内正人+0.9P  浜上文吾▲7.3P  仁平宣明▲16.4P  安東裕允▲25.2P




6回戦(起家から浜上・仁平・安東・堀内)抜け番瀬戸熊

瀬戸熊の抜けた半荘は、速さと上手さと打点力の勝負になる。
これは、各自が自身のストロングポイントを発揮しようとする気持ちが、より一層強くなるからではないかと推測する。

堀内は戦前、

「手数と仕掛けとリーチ回数は一番多いはずです。」

と語ったが、事実この6回戦、全17局中リーチが8回、仕掛けた局が4回、そして放銃が3回と、
何時にも増して攻撃に対する意欲が増加していることが数字からもわかるだろう。

個人成績はこちら 個人成績(グラフ)はこちら

これだけ攻めに徹する背景には、瀬戸熊がいないこの半荘だからこそ、更に加点し瀬戸熊との差を詰めたいと考えたはずだ。

その想いは、安東も浜上も仁平も同じ。
それぞれが持ち味を出す事を意識して戦った結果、この半荘は大荒れの様相を見せる。

東1局、いつものように飛び出すのは堀内。

 ツモ ドラ

堀内にしては珍しく少考後、打
ツモを暗カンすると、リンシャンからツモ
ここで待ちを変えリーチ。そしてツモと結果を出す。

 暗カン リーチ ツモ 

この後も堀内は攻め続けるが、残る3者もグッと堪え堀内に簡単にアガリを許さない。
局が動いたのは東3局2本場、堀内が3巡目にをポンと仕掛けると、

 ポン ドラ

その仕掛けにより仁平が四暗刻1シャンテンに。

 

更に堀内がをポンすると、仁平に流れたのは最安目の
それでも仁平がリーチを宣言しない理由は無く、6巡目に仁平がリーチを宣言する。
ここで登場は安東。仁平のリーチを受け、8巡目にをチーしてテンパイを取る。

 チー 

配牌からドラが暗刻だった安東、この手のキーポイントは3巡目、

 ツモ 打 

下家の堀内の仕掛けをケアし、打と堀内の仕掛けに対し対応を見せる。この選択が大正解。
チーテンを取った後にツモ。2枚切れのカンからのシャンポンに受け変え、そして即座にを引きアガって3,900オール。
堀内と仁平の攻撃を冷静に見極め、そして最良の結果を導き出すことに成功した安東。
昨日は見ることの出来なかったクレバーな対応に、復活の気配を感じることが出来た。

安東が一歩抜け出すも、更に攻めるのは堀内。
そして、常に苦しい展開を強いられている仁平も、ここは離されるわけにはいかない。
東4局4本場、仁平に岐路が訪れる。6巡目、

 ツモ 打 ドラ

この1シャンテンから仁平は打と、ホンイツへ移行。そしてをポン。
このポンが明暗を分ける。この時堀内は、

 

ダブ東暗刻の1シャンテン。仁平の仕掛けにより急所のが埋まり、カンでのリーチと打って出る。
このリーチに捕まったのはまたしても仁平。一発でを引かされ放銃。
この12,000で本当に苦しい状況に追い込まれたのだ。

実はこのアガリに助けられた男がいる。安東だ。
仁平がホンイツに移行せず、を仕掛けなければ、堀内はツモと、カンのテンパイとなっていた。
表示牌含め、2枚見えているこの形では、恐らく堀内はヤミを選択したはずだ。

堀内に下がったは、本来は安東のツモ筋。
安東の手恰好からツモ切りの選択もあっただけに、仕掛けに助けられた形になったのだが、これは観戦者にしかわからない情報。
これだけ見ても、安東の状態は初日と一変していることが窺える。

安東と堀内のマッチレースの様相を呈している裏で、仁平は後がなくなってきた。
瀬戸熊がいないこの半荘での失速は、優勝争いから脱落することを意味する。
戦う気持ちは画面からも十分なくらい伝わってくるのだが…気持ちと手牌は完全にミスマッチしているのだ。

南1局、仁平は純チャンのリーチを放つも、

 リーチ ツモ ドラ

ツモるのは安目ので700・1,300。
続く南2局の親番でも10巡目、気合のリーチを打つのだが、

 リーチ ツモ ドラ

今回は2,600オールと打点的には納得も、ツモは安目の。いまいちしっくりとこない。
それでも今の仁平は攻め続けるしか打開策はない。
南2局1本場、仁平はこれでもかと言わんばかりの3局連続のリーチ。

 ツモ 打リーチ ドラ

同巡堀内、

 ツモ  

「自分の麻雀は大きくは変わらないのですが、Aルールの麻雀を再確認するために、
自分の牌譜や対戦相手の牌譜を、ロン2を使って研究しています。」

このように語る堀内は、仁平の打ち筋がしっかりと頭の中にインプットされていたのだろう。
自らのテンパイは1,300。対して仁平のリーチは親のリーチ。
仁平の捨て牌にが切られ、いくら中筋になっているとは言え、ここで仁平のリーチに対してぶつかることは得策ではない。
そう考えたのではないか。打とテンパイを取ると7,700の放銃となるところを、堀内はしっかりとをツモ切り。
これが堀内の強さなのであり、堀内の対仁平対策の成果なのだろう。

このリーチが空振りに終わると、さすがに仁平は苦しい。
こうなると、ここからは堀内と安東の戦いになる。この2人の戦いを制したのは安東。
南2局、堀内の先制リーチを交わして、ライバルから直撃を果たすと、

 リーチ ロン ドラ

ここからは小刻みに1,500、500オールと加点し、トップの座を不動のものにする。

6回戦は我慢の戦いを強いられていた浜上。しかし、終盤に迫った南3局2本場、ようやく持ち味を発揮する。
先制するのは例によって堀内。6巡目、

 

動画再生

 ドラ

このリーチを受けた浜上の手は、

 

ドラが暗刻の1シャンテン。11巡目、上家・堀内から放たれたに微動だにしない。
この選択が吉と出る。安易にをチーしてしまうと、堀内にが下がり1,300・2,600のツモアガリ。
ここでグッと堪えることが出来たからこそ、浜上は十段戦決勝の舞台まで登り詰めてきたのだ。

ここからツモ、ツモと丁寧に歩を進め、ここでようやくをチー。
すると、ここまで堪えてきた御褒美を神様が与えたかのように、堀内からが零れる。

 チー ロン 

この7,700で浜上も息を吹き返す。とはいえ、この半荘は安東の見事な勝利。
昨日の負債を一気に取り返したばかりか、瀬戸熊に続く2位に浮上。
気分良く7回戦の抜け番へと向かうのであった。


6回戦結果
安東裕允+35.7P  堀内正人▲1.4P  浜上文吾▲8.9P  仁平宣明▲27.4P  供託2.0P

6回戦終了時
瀬戸熊直樹+48.0P  安東裕允+10.5P  堀内正人▲0.5P  浜上文吾▲16.2P  仁平宣明▲43.8P  供託2.0P




7回戦(起家から瀬戸熊・浜上・堀内・仁平)抜け番安東

6回戦の結果を、瀬戸熊はどのように考えていたのだろう?
安東が爆発し、一気にごぼう抜きを果たした半荘に、自分はいない。そして、2連勝と上昇ムードの中、抜け番に入る。
このこと自体は恐らくプラスに捉えていたのではないか?
後はしっかりと自身が加点することで、自分の足元が強固なまでに固められていくのだから。

このようなポイントの積み重ね方を、瀬戸熊は十分に熟知している。
今、何をしなくてはならないか?追手は何を考えて戦いに挑んでいるのか?
そういった心理面までも加味した戦い方をさせたら、瀬戸熊の右に出る者はいないだろう。

瀬戸熊 直樹

 

開局から瀬戸熊は飛ばす。
東1局5巡目、瀬戸熊がダブ東をポン。

 ポン ドラ

この仕掛けを受けた浜上、6巡目にリーチ。

 リーチ

役牌暗刻のドラ待ちカンチャンリーチ。

浜上 文吾


ここまでの浜上の戦い方を見た人は、浜上らしくないと感じた方も多いだろう。
しかしこのリーチ、浜上曰く「引きに行くリーチ!」と決めていた様子。瀬戸熊の仕掛けも意に介さないといったところか。

しかし、この勝負に競り勝ったのはやはり瀬戸熊。
ツモ、ツモ-待ちに構えた瞬間、ツモ。
この半荘も抜け出すことに成功する。

 ポン ツモ 

続く東1局1本場、珍しく瀬戸熊が少考する。

 ツモ ドラ

何を切っても間違いではなさそうなこの牌姿から、瀬戸熊が選んだのはドラの
このドラをポンしたのは浜上。一気に場が緊迫する。

 ポン 

が、これは少し無理があるポンか。
バックと一通の天秤に掛けた浜上だったが、ここはタンヤオに向かった方が柔軟性もあり少しだけ早かったと見るがどうか。
ドラを切った瀬戸熊は、8巡目ツモでテンパイ。ここは冷静にヤミを選択。
すると次巡、当然のようにツモ。三色に振り替わったところでリーチを宣言する。

こうなると苦しいのは浜上。
手は進み、バックと一通どちらも取れる十分形になったところにツモ

 ポン ツモ  打 

このは瀬戸熊の高め。

 リーチ ロン 

この12,000でこの半荘は勝負あり。
攻める気持ちを持って戦った浜上としても、さすがにここは1枚切れの打と丁寧に対処してほしかったように感じる。
この放銃が、浜上の大きなチャンスを奪ってしまったと言っても過言ではないだろう。

対する瀬戸熊は、ここからは王者らしい戦いぶり。
他を寄せ付けない力強さを見せたのだが…不安要素が1つ。

それは東4局1本場、7巡目に、

 ツモ 打 ドラ

この1シャンテンからドラの先切り。
ピンズは高く、は堀内の現物であるだけに先切りを選択した瀬戸熊であったが、9巡目にドラを被りツモ切り。
すると堀内が10巡目に七対子のテンパイ。

  

この手を堀内はヤミに構えるのだ。このドラの地獄待ち、放銃するなら瀬戸熊しかいない。
そう思っていると、やはりと言っていいのかもしれない、瀬戸熊がを掴み6,400の放銃。

この放銃、一局面として捉えるとそれほど大きな放銃ではないだろう。
事実、瀬戸熊には十分すぎるほどの貯金があるのだし、この放銃でこの半荘のトップの座が揺らぐわけでもない。
しかし、逃げ切りを図る瀬戸熊の不安要素として捉えると、あるいは堀内が瀬戸熊攻略の糸口となるきっかけを掴んだと捉えると、
非常に興味深い一瞬であった。

瀬戸熊VS堀内の図式は、この瞬間から始まったのかもしれない。

7回戦結果
瀬戸熊直樹+26.3P  堀内正人+9.8P  仁平宣明+1.9P  浜上文吾▲38.0P

7回戦終了時
瀬戸熊直樹+74.3P  安東裕允+10.5P  堀内正人+9.3P  仁平宣明▲41.9P  浜上文吾▲54.2P  供託2.0P




8回戦(起家から仁平・浜上・瀬戸熊・安東)抜け番堀内

瀬戸熊と2位安東の差は60P強。プロ連盟Aルールに置いてはこの差は決して小さいものではない。
更にポイントを持って逃げているのが瀬戸熊だという事実も、実際の数字以上に対局者に圧し掛かっているはずだ。
ここで瀬戸熊に加点されることは、自身の失権を意味するだけに、何とかして瀬戸熊の勢いを止めたいところだろう。

それでも、開局からテンパイ一番乗りは瀬戸熊。
6巡目、役無しペンのテンパイも、テンパイ打牌がドラとなるだけに、ここは丁寧に打とテンパイを外す。

 ツモ 打 ドラ

7巡目浜上、チャンタ役牌のテンパイはドラ切りリーチ。

 リーチ

このリーチに対し、瀬戸熊はドラを合わせない。あくまで自身の加点を目指し戦う姿勢を見せる。
ここに登場は仁平。11巡目、一通が完成しドラ待ちとなる-待ちでリーチを放つ。

 リーチ

「本手の-ならヤミだと。で放銃したら3,900だと思っていた自分のミスですね。5回戦南2局2本場の2,000・3,900も見ているんだから。」

仁平の戦い方を熟知している瀬戸熊ならではのコメント。
確かに、この牌姿であれば常時やリーグ戦なら仁平はヤミを選択するだろう。
しかし、ここで差を詰めないと後がなくなるだけに、仁平は普段とは違うスタイルを余儀なくされていたのだ。

同巡、瀬戸熊、テンパイを果たして勝負する牌はドラの
仁平のリーチが無くても切るであるが、仁平はどう感じたのだろうか?

「瀬戸熊さんから出るとは思っていなかったので、ビックリしましたよ。6,000オールを引きに行くつもりでしたから。」

このアガリで一気に追い上げムードになった仁平は、続く次局も攻める。
東1局1本場、8巡目の浜上のリーチを受けても、仁平の踏み込みは深くなるばかり。
仁平のスタイルを考えると驚くばかりだが、ここから浜上の無筋を三本も通し、11巡目追っかけリーチ。

 リーチ ドラ

しかしこの勝負は浜上に軍配が上がる。
先制リーチの浜上もドラトイツ。仁平に一度もツモらせることなく、同巡、浜上の3,000・6,000が炸裂する。

 リーチ ツモ 

局は進んで、東3局2本場10巡目、安東がドラの切り。一気に場に緊張が走る。
これに被せるのは浜上。11巡目、役牌のを暗刻にしてのリーチ。

 ドラ

このリーチを受け、瀬戸熊が現物の打。安東が場に4枚目の打
そして仁平。難しい選択ではあるが、メンツを抜いての打。これが安東に捕まる。

 ロン 

仁平痛恨のオリ打ち。
浜上のリーチが変則手模様の捨て牌相だっただけに責められないが、仁平にとっては本当に大きな失点となってしまった。
トータル2位の安東が加点したとなると、瀬戸熊も黙っていられない。
南1局、配牌ドラトイツの手を上手く牌を捕まえ10巡目七対子のテンパイ。

 ツモ 打 ドラ

どちらも1枚切れ。共に仁平が切っているのだが…ここは打タンキを選択。
そしてここは丁寧にヤミ。すると、13巡目、浜上がリーチ。

 リーチ

このリーチを受け、仁平打
瀬戸熊の当たり牌はまだ山に2枚残っているのだが、瀬戸熊が掴んだのは残り1枚の
が出たのは結果論とはいえ、この8回戦は瀬戸熊にとっては苦難の半荘となってしまった。

このアガリをモノにした浜上は一気に復調ムード。
オーラスも気分良く8巡目にリーチ。

 リーチ ツモ ドラ

安目のツモアガリとなったが、ここでの1,300・2,600の加点は最終日に向けて価値あるアガリ。
トータル争いでも4位に浮上し、明日へ希望をつなぐ大トップとなったのだ。

8回戦結果
浜上文吾+28.2P  仁平宣明+5.3P  安東裕允+1.4P  瀬戸熊直樹▲33.9P

8回戦終了時
瀬戸熊直樹+40.4P  安東裕允+11.9P  堀内正人+9.3P  浜上文吾▲26.0P  仁平宣明▲37.6P  供託2.0P




〜2日目を終えて〜


瀬戸熊直樹
「(8回戦の)を打った後はおとなしくしようと。それでも20,000点のラスを引こうと頑張ったんですけどね…。
まぁこんなもんでしょう。2日目が終わって、首位にいれるだけありがたいです。楽しては勝てないですからね。」

安東裕允
「今日だけ見れば気分はいいのですが(笑)ようやくフラットな状況に戻っただけですね。
明日が勝負です。今日は戦った結果がプラスに働きました。」

堀内正人
「予想以上に点差が縮まりテンションが上がっています!
1戦で逆転できる位置なので、明日は全力で頑張ります。」

浜上文吾
「(抜け番の)5回戦を全部見ちゃって…変なイメージが頭の中に残ってしまいました。
そのまま戦いに入ってしまい、6回戦も戦えず、そしてそのまま7回戦に入ってしまったのが悔やまれます。
まぁ7回戦のラスは仕方ないですね。でもがね…(瀬戸熊に放銃したメンピン三色の
もう一度原点に戻ろうとして迎えた8回戦は我慢して、腰を重く戦えました。」

仁平宣明
「5回戦東1局のアガリ逃しが…もう少しぶつければよかったのですが、安東クンの気合いに負けちゃいましたね。
まだ可能性があるので、明日の1回戦はトップをとって次に繋げたいですね。
10回戦終了時に敗退にならないことが大事です。」





 

(観戦記:望月 雅継 文中敬称略)

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