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麻雀の本質

 

第27期十段戦が終わった。
堀内正人が文字通り徹底した方法論で、追い上げる前原雄大の怒涛の攻撃を振り払い、見事、新十段位の座を勝ち取った。

今年優勝すれば四連覇となる前原が、完全マークされるのは当然だが、
先手を取らない限りは、その前原の攻撃をどこまでも受け切るという堀内のプレースタイルは賞賛されて然るべきだし、
何より、彼だけには優勝に向けての焦りというものが全く感じられなかった。

これが十段位獲得の一つの要因になったことは間違いないし、
この決定戦をどう戦うのかという、綿密な計算に最も長けていたのが堀内だったということなのだろう。

いや、もちろん追う側の気迫もギャラリーの目を惹きつけた。
中盤を過ぎてからは、堀内と前原の一気打ちの様相を呈したわけだが、特に、11回戦オーラスの前原のリーチだ。

 ツモ

ライバルである堀内には、10回戦を終えた時点で60ポイントほどの差をつけられている。
残り2戦で、これを捲るのは相当厳しい状況だと言えた。
だが、このオーラスは堀内の1人沈みかつ親番という、前原にとってはこれ以上ない局面になっていたのである。

前原の持ち点は原点きっかりの30,000点。
しかし、ここで2,000・3,900を引きアガれば、2人の点差は一気に20ポイントほどにまで縮まる。
一瞬斜め左上を見上げ、意を決したようにでリーチを宣言したときの背中には、絶対に十段位の座を譲ってなるものかという、
現王者の強い覚悟を感じることができた。

戦前、前原は私にこう言った。

「終盤、もし自分より上の人間ができた場合は、その人間のリーチと親番には徹底的にかぶせるよ。付け入る隙があるとすればやっぱりそこに尽きる。」

言葉通りの麻雀を打ち続けた前原、そして最後までそれをいなし続けた堀内、柔よく剛を制すとはまさにこういうことを言うのだろう。

 ツモ ドラ

これは、最近四ツ谷の道場で出くわした手牌である。
東2局、南家7巡目、原点持ちという場面だった。

前回、少しずつ自分の麻雀も変貌を遂げてきていると書いたが、10年前ならまず間違いなくを外していただろう。
これをシュンツ手とみれば、最も柔軟なのが切りだし、いかなるテンパイが入っても即リーチと行きやすい。
より下目のソーズを引けば、をトイツ落しでタンヤオに移行していくのはもちろんのことだが、
何より一発、裏ドラに赤ありとくれば、トイツ手よりはシュンツ手ベースで手牌を進行させるのが常套手段に思えた。

よく、「ルールによって打牌が変わることはない。」という言葉を耳にする。
私も長いことそう思ってきた。どんな麻雀であっても本質的な部分では変わらない。
だから、たとえオープン戦の麻雀であれ、競技麻雀であれ、同じ局面ならば切るものに違いなどあるはずがないのだと。
しかし、最近ではその考え自体に疑問を抱くことが多くなってきた。
決して小さな問題ではないが、そこまで頑固に切るものを変えない姿勢もいかがなものなのだろうか。
確かに同じ麻雀には違いない。違いないけれどやっぱり枕言葉が異なるのである。
その意味合いも少しは考えてやらなければならない。

“競技”というからには少なからず芸術性も必要なのだ。

私が手を掛けたのはツモ切りとなるだった。
これはいくつかの可能性を消してしまうことにはなるが、アガった時にはほぼ高打点を引き連れてくる。
競技麻雀においては、満貫、跳満などそう頻繁に作れるものではない。
つまりは、この愚形だからこそ狙える手役というものを考えなければならないということなのである。

ここで真っ先に思いつくのが、ドラドラの七対子だ。
すでに1シャンテンで、うまくリーチで引きアガればあっさりの跳満である。
もちろん何度かに一度の成功率ではあるが、その見返りから考えても十分に狙う価値はある。

続いてが、暗刻、トイツを生かした最高形の四暗刻である。
こちらもその視点で2シャンテンの手牌であるし、むしろ、こちらの方が前者より現実味があるのではと私は考えている。
競技ルールほど役満が狙いやすい麻雀はないのだ。

そして、これらの中でも最も実戦的といえるのが、見たまま手牌にイーペーコーを絡めることだろう。
ズバリ、カンが埋まればこの形である。

 ドラ

これならためらいなくリーチに踏み切ることができるし、アガリが拾えたならば子方の開局としてはこれ以上ない出だしとなる。
競技麻雀ではツモアガリ満貫ベースのリーチがよしとされるが、これならば1局に費やす労力から考えても決して無駄にはならないのだ。

では、こんな手牌ならどうだろう。

 ツモ ドラ

これも実戦譜からであるが、同じく開局の手牌なのである。
ルールの違いで打牌が変わらないという人ならおそらくを外すであろう。
アガリやすさから言えば、これ以外にないといっていい。

逆に、一番中途半端なのが切りである。
これは狙いをどこにおくのかがはっきりしない分、自分にはない手順である。
三色に拘りたいのならば、ここまで明確に形ができている以上、「保険」にと考えるのはやはり不純に映る。

よって、私の中での選択肢はを払っていくかかとなるのだが、こればかりはルールによっての違いがあってもいいのではと思ってしまう。
一発、裏ドラ麻雀ならば迷いなくを切る(もちろん開局という条件で)。
競技麻雀ならば七割方を外すが、やはりソーズに手が掛かることもある。
状況によるという部分は確かにあるだろう。だが、現実的に打牌の違いは存在しているのである。

麻雀はコンピューターが打つわけではない。
常に一定の打牌をし続けることが、勝率アップにつながるかといえば、決してそんなことはないのである。

最近、森山茂和プロからこんな言葉を掛けられた。

「いい具合に苦しんでいるみたいだな。少し発想を変えてみたら?」
「はい。色々と試してはいるのですが…」

「競技麻雀は30年前から何にも変わってないんだけどな。」

人の心を動かすのはほんの小さな会話であったりするが、この一言には目から鱗が落ちるような思いをしたことを覚えている。
この言葉を自分の中でどう消化していくか、これが今後最大の課題である。

 
 
 
 
      
 
 



執筆:佐々木 寿人  文中・敬称略

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