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考えるちから

 

俯瞰(ふかん)という言葉がある。
ひらたく言えば、高い所から全体を見渡すことである。

鳥瞰(ちょうかん)という言葉がある。
さらに高いところから、一切の感情を入れず全体を見渡すことである。

俯瞰、鳥瞰の眼を持って形勢判断をしていくことを大局観と、私は解している。
こう記すと難しく感じるかもしれないが、
要はツキの風を感じとりそこに沿って誠実に麻雀を打ち進めていくというだけのことである。
私にとって麻雀を打っていく上での最大の武器が、この大局観である。
元々は将棋の言葉として有名で、大山康晴さんあたりの名言が残されている。
『素人は悪くなってから考える。』
この言葉の意味合いは、憶測ではあるが、玄人は悪くならないように指し、よければ
さらによくなるように指す、そういうことなんだろう。
このことは麻雀も同じことだと私は考えている。
将棋の故村山聖さんの直筆の大局観と記された扇子を一時、対局にもって臨んでいた時期があったほどである。

麻雀プロであるならば、開局から数局見れば、だいたいその半荘の帰趨は見れるものであり、 半荘を見れば、数戦の結果はそれほど外れない。
それが外れる時は、観戦する側の麻雀プロが何かを見落としているか、大局観に欠けているものがあるか。
もう一つの外れる原因は、対局者の側にある。
まず考えられるのが、対局者は当たり前のことであるが人なのである。
人であれば、感情もあり、勝ちたいという欲もある。
その部分で押し引きを誤ってしまう。
攻めてはいけないところで手牌に溺れたり、自分のアガりたいという欲に負けたり、
逆に攻めなければならない局面で相手の攻めに日和り守ったりして、局面を歪めてしまう。
例えば、攻めるにしても、大局に見合う攻めがあるのである。

大局における攻め方

自分自身の失敗例は記しやすい。

第23期鳳凰戦10回戦 南四局 ドラ

古川  39,900点
前原  33,600点
望月  21,700点
朝武  24,800点

7、8回戦を連勝し、9回戦が終了したときの対局の休憩時、古川さんが皆の前で言った。
『前原さんの優勝でいいよ。もう2着でもいいかな?』
勿論、冗談である。
それほどデキがよかったのである。つまりはツイていたのである。
ツキを活かすのが技術である。

11巡目、わたしはドラである をツモり以下のテンパイ。

捨て牌

同巡朝武の打った に古川が動いた。

  ポン  捨て
次巡古川はツモって来た をカンすると望月がロン。



チャンカンである。

今局がわたしは今回の鳳凰戦の敗因のひとつだと思っている。
観戦記でも当日コメントしているが、このヤミテンはダメなのである。
誤解しないでいただきたい。結果から言っているわけではない。
姿勢の問題なのである。
トップをとりたいとか勝ちたいとか、欲に塗れたヤミテンだからダメなのである。
勢い、ツキがあるならば、私の大局観ではリーチが至当なのである。
よければさらによくなるように打たねばならないのである。
結果は別物である。
アガれたかどうかはわからない。
しかし、古川さんは感性の打ち手であり、常日頃、形テンは好きではない、そう言っているくらいだから、リーチも入っていないこの巡目、この牌姿から動くということは、何かを感じ何かが古川さんを衝き動かしたということである。
古川さんの対局感がそうさせたのは間違いのないところである。
いずれにしろ、これは私のエラー以外の何物でもない。
逆の言い方をすれば、 を動いたのも古川さんの力であるし、チャンカンでアガった望月君もまぎれもなく力なのである。
いずれにしても、この日この局以降全くといって手が入らず苦しい戦いが始まった。
正確に記せば、苦しい戦いにしてしまったのは私自身なのである。

ツキの風という物は戦いに不誠実なものには微笑まないということなんだろう。



逆バージョンをひとつ。

日が変わっての最終戦、東二局に

この形からリーチを打ちラス牌の をひきアガり迎えた親番で一本場を積んで迎えた今局。

東三局一本場 ドラ

配牌でドラの が固まっている。

11巡目で

  ツモ

この形からリーチを打ってしまったのである。


関連牌は が2巡目に望月から手出し、4巡目に がツモ切り、朝武から5巡目に 、7巡目に がツモ切り、古川からは9巡目に がツモ切られている。
正直何も考えずに、ドラ暗刻だからリーチを打っただけである。 リーチ後一発目に をツモった時に悔やんだ。
この時大局観を完全に見失っていた自分に気がついた。
テンパったから、リーチじゃあ素人と同じじゃないか?
本当にアガるという意志があるならばヤミテンだろう。
このリーチが引きアガれるほどの戦い方をしてきただろうか?
そんなことが頭の中を駆け巡っていた。
14巡目に をツモった時にはかなり冷静だったように思う。
麻雀は勝負手のひとつ前に、難解なパズルのような手牌がくるんだよなぁ。
そんなことも考えていた。
一方で他者がオリ気配なので次局への闘気を養うことに気持ちを切り替えていた。
そんな折、ハイテイ一歩前の望月の を古川が動いた。
私にハイテイ牌が廻ってきた。
何かが起こる予感が走った。祈るように願うようにツモった。
ハイテイ牌は だった。

「ロン」

それは、古川の声だった。

  ポン
 
ありえないことであるが、望月のツモ切った が一回でもズレていれば、そこには私の待つ が眠っていた。
たらればを言っているのではない。それだけ麻雀は精巧に誠実にできているということである。
精巧に誠実に創られている麻雀だからこそ、日々、真正面から立ち向かっていかなくてはならないものなのだろう。
 
先日ある番組をみていた。タクト一本で指揮者として世界を駆け巡る日本人の男の話だった。
『オーケストラとの練習は数回で本番を迎えることもすくないことではない。
そんな中での稽古でミスが2回でたら本番では同じミスが必ずでる。
そして本番で誰かがミスを犯したら私は2度とそこには呼ばれない。
それだけのことであり、そういう環境が今の私を作った。』
こころの震えがミスをもたらす。

そんな内容の番組だった。
鳳凰戦を振り返り牌譜を見、牌を並べてみた。
少なくとも100のミスは間違いなく見つけた。見るひとが見れば1,000かもしれない。
 
やはり稽古しかないのである。練習ではなく稽古なのである。
真剣味を帯びた稽古を山のように積み重ね、狂おしいほどに反省を繰り返し、
そして大局観をもう一度養うしか他に道はないように思えてならない。






文責:前原 雄大  

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