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見切り・2

 



今回は「得点力加速へのきっかけ」というテーマで考えていたのだが、前回テーマ「見切り」に関する質問が幾つか寄せられたので、まずはこちらを優先したい。
(※前回をご参照の上、本稿をご覧下さい)
上記テーマに関しては、いつか「上級講座」を担当した際のお楽しみということで。

質問1⇒「前項の例1(自手を見切り、打といった局)をもう少し詳しく教えてください。共通安全牌のを打ってその後、
手が伸びていけばトイツ落としで手を高くしていき、リーチで切り込むのが自分の打法ですがこれは間違いですか?」

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前回時には観戦記が掲載されていなかった為、読者に余計な先入観を入れないようボカしていたが、使用した牌譜はどちらも、
「第7期プロクイーン決定戦 初日4回戦」のものである。⇒(牌譜データサービスはこちら



例1は、優勝した黒沢咲プロの手牌(ホンイツ手の下家は奥村知美プロ)。
北條恵美プロの観戦記にもあるような、勝負所を踏まえたリーチの成否が優勝のカギとなったのは言うまでもない事だが、同じくらい重要なポイントは、
この「見切り」の精度だったと私は考えている。
自手に溺れることなく、ピンチを未然に防ぐ。その為に「内なる小さな誘惑の種」を摘んでおく。
この事と「勝負所では勇気を振り絞る」事の相反する葛藤を両立させる。これは生半可なことではない。

この例で言えば「(現時点での三者共通安全牌)」を放すタイミングというものは、簡単でいて実に悩ましい。
アクセル全開に思える西家・北家に、ツモ切りが多いものの、スッとを手出ししてきた東家。
形勢判断をすれば、巡目は早くても既に中〜終盤に掛かりつつあると判断できそうな具合。
いうまでもなく自分の手だって悪くはない。

つまり『アガりは拾える可能性充分だが、手を作りに行くほどの猶予はない』というこの判断に身を委ねられるか。
ここが今局のポイントであり、だからこそテーマ「見切り」の例題として使用したのだ。

質問者のいう「切り込む」という発想、私は嫌いではない。
下家がテンパイしていようが、マンズとがうまく処理できた他色待ち(例えば-、またはマンズが雀頭に潰れた-など)になれば、
これは充分勝負できる価値があるのだから…。

その上で、前回私が述べたことを再度おさらいしてみたい。
【>もちろん、基本は「無駄な放銃は避けつつ勝負所では押す」事なのだが、その勝負所という概念が、「自分の手牌が良いとき」
だけではないのだと考えて実践するようになると、麻雀観そのものが大きく変化するように思う。
>その意味で、 崛蠎蠅縫船礇鵐垢鰺燭┐覆ぁ廾戮鵬燭鬚垢襪。現在の状況にマッチするテーマは何か。自らの可能性をどう判断するか。
この3点を考えていくと「見切る」局面というものが往々に現れてくる。】

『自分の手がいい=勝負所』ではないこと。,任いΑ愾蠎蠅縫船礇鵐垢鰺燭┐覆い海箸癲崗”藹蝓廚粒鞠阿任△襦戮箸いΔ里私の考え。
ここに、の『自らの可能性(質問でいえば、{手が伸びていけば北トイツ落としで手を高くしていきリーチで切り込む}に至る実現性)を客観視できる力』
を加えることによって着手は大きく変わっていく。

よく「安全牌(ここでいう)を抱えて12枚麻雀をするのは場が見えない初級者の麻雀」といったことをいう人がいて、確かに【場を見る努力】を惜しみ、
安牌に頼った麻雀をする傾向の打ち手に対しては有効なアドバイスなのだが、この局面に関してはその指摘は当てはまらないといえる。
むしろ、パンパンに手牌を膨らましてしまっておくことこそが温い(=状況判断が的確ではない)と私は思う。

例えば、ドラが中張牌で既に自分が一牌抱えているか隣接する牌であったなら、タンピン形で手をまとめリーチに走ることが、
【成就の場合に今半荘決定打となる可能性>下家に簡単にテンパイを入れさせ成就させてしまう可能性】という形勢判断に至る思考も充分理解できるのだが。
この「100人中90人以上が何気なく打つ」を手中に置き他の牌を打てる胆力こそが、2日目10回戦に足切りのリスクを厭わず、
(前回テーマの最後に記した「(放銃の)恐れを見切る」)七対子リーチを打てる力に繋がっていたと私は確信しているのだ。

質問2⇒「例2の一通手は、対局者と同じ手順を辿りそうなのですが、をツモ切ってペンに固定したまま2着アガリをしたら、ナメられませんかね? 
むしろリャンメンに仕上げリーチを打ち、流局上等で行った方が二日制の戦い方として常道では?」

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結論から述べると「オーラスまでの迎え方(もっといえば3回戦までの戦い方)で、既に対局者同士何らかの評価がなされている訳で、
この一局を偏重して対局相手は評価を下さないだろう」と私は思う。

付記しておくと、この打ち手(奥村プロ)は所属団体は違えど、巷の雀荘で対戦することも多く、摸打や思考法を含めて私は高く評価をしている。
ここで、打といくのはあまり素直な着手ではない。
好調者の現物であるということ、微差2着でありトップ目とはハネ満ツモでなければ変わらない、という幾つかのファクターが噛み合った上に、
先の三要素が含まれていって初めて現実味を帯びる、いわばレアケースに近いものであろう。

ただし、例としてはレアの部類であっても「トップ目を見切る(トップ目の勢いに一時屈する)・場を洗う決断/実行力」
という選択肢を作らなければならない時というものは、往々にして生じるものだと思っている。(形勢不利だと自覚しながら)

突っ込んでいって火傷して、その傷を次半荘以降も引きずってしまう。皆こういう経験をしている筈。
長丁場の中で好位置をキープする。これもまた簡単なようでいて実際は難しいことである。

この位置取りを保つ為の一策として例に出した訳だが、私自身は奥村プロの着手を見て実に「彼女らしい」リーチだなぁと思った。
破壊力があり、それでいて繊細な判断もできる。
今回の各対局者を見渡して抱いた印象がそのまま形になって現れたかのようなリーチであった。

だからこそ、一辺倒の応手ではない部分・いわば「引き出しのひとつ」を適時に披露できるとさらなる結果がついてくるように思う。
その素質自体は備わっているのだから。

そして私は、その幅を対局者に見せるのがナメられることには繋がっていかないように思えてならないのだが、
主観のうちもっとも先鋭的な部分・第一感に関しては余人が口を差し挟むことではないのかもしれない。

質問3⇒「放銃の恐れを見切る」ことは、ゼンツ(全部突っ張る)麻雀とどれだけ違うのでしょうか?何も聞こえない・感じない麻雀が理想形ではないですよね。

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前原雄大プロが以前、こんな事を記していた。
「我々(麻雀打ち)が望むのは【初級者のバカヅキ状態】であり、この状態になる為に細心の注意を払う」

つまり、何を切っても当たらない。どう打ってもアガリに結びつく。
こんな状態が麻雀打ちにとっての理想の姿なのだろう。

ただし、この言葉の真意は前段ではなく、後段「細心の注意を払う」という部分に集約されている気がする。
いうまでもなく「全局ゼンツ」でいくことは「細心の注意を払う」こととはまるで異なる訳で、見切りと小気味いいアガリのコンボで行きながら、
手順ミスを最小限に抑えていくことが、いざ勝負の時を迎えた段階での「放銃の恐怖」を見切ること=当たらないと確信できること、
に繋がっていくのだと私は考えている。

上記の決断時点に限っては「何も聞こえない・感じない」状態になってもいいとも思っているのだが、
ここでなお、客観視できてその上で退くという判断を実行できる打ち手には憧れるし、はっきりいって今の私にはその自信がない。
(もちろんその決断の精度が伴わなければ意味はないのだが)
質問1の最後にも触れた、黒沢プロ10回戦オーラスの七対子リーチ。

 

この時点でのトータルポイントは北條プロの観戦記をご覧頂きたいが、客観的にいえばかなりリスキーな決断ともいえるし、
逆に「優勝への好位置を獲得する」という意味で言えばここが大きな勝負所ともいえよう。

今回の牌譜を見返してみると、黒沢プロが相手のリーチに対し、テンパイからシャンテン数を下げる局面が多いことに誰もが気づくと思う。
人によってはヌルいと感じるケースもあるだろうし、当然と感じるケースもあるだろう。

ただ、彼女がただチキンなだけではなく「本物の麻雀プロ」であるという証明を決勝の正念場で示せたこと、そのことがともすれば優勝という二文字と同じ位に、
彼女自身のキャリアにおいては大切なことだったのかもしれない。

最近、怠けているつもりはないのだが、タイトル戦を観戦しにいく機会が減っていたように思う。
今期プロクイーンに関しては、皆ある程度見知った後輩同士という意味を超えての熱い闘いぶりを目にできたという喜びとともに、
打ち手の誇りをも共有できた思いがして、久々に嬉しい気分が味わえた。

「もっと麻雀をがんばれ!」万事いい加減な私に対しそう言い聞かせるような対局内容だった。
これから行われる第35期王位戦決勝でも熱い戦いが繰り広げられ、その模様を全国の麻雀ファンが牌譜データサービスを通じて共有できることを願ってやまない。







執筆:今里 之彦

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