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8月度のA2リーグ第5節、私自身のよんどころない事情により対局を翌日に変更した。
ペナルティ50Pは痛いといえば痛いのだが、対局1週間前に変更相談を受けた他の対局者(藤原プロ・大橋プロ・岸辺プロ)の厚意に恐縮した感の方が強かった。

とはいえ、前節に▲62.2Pの大敗(私にとっては)を喫した直後の事でもあり、1ヶ月前までは暫定昇級ポジション(16人中2人昇級)だったのを思うとどうしても「取り返さなければ・・」という気持ちになってしまう。

私の場合、特に前ノメリ状態になると心のブレーキが利き難くなってしまう欠点を自覚していて、普段の対局ではできるだけ冷静であろうと努めているのだが「失った何物にも代え難い100P超」がそのままノルマ的なプレッシャーとなってくるのを抑えようと懸命であり、一方で過度にクールにならぬよう自分を奮い立たせもする、要は頭がトッ散らかっている、そんな葛藤の中始まった1回戦東2局のこと。

親は藤原、以下南家・岸辺、西家・大橋、北家・今里で、前局は大橋→岸辺の1.000点横移動。
4巡目に以下の牌姿になった。

 ツモ ドラ

各家の捨て牌は、

藤原 
岸辺 
大橋 
今里 

といった所。
要はどこも早い様相は無く、体感的には私が一番形が整っているのではと思っていた。
さして思案することもなく、1シャンテンで打

打った瞬間、ふっと違和感が襲ってきた。なんと表現すればいいのだろう。
大切にしている時計を誤って床に落としてしまったような、周りにとってはなんでもないけれど、その人にとっては傷つくような言葉を不用意に発してしまった時のような、そんな自責の念が湧き上がってきたのだ。

2巡後にツモでテンパイ。打として次巡、藤原プロので1.000点のアガリ。
最速のアガリを拾った、そのはずなのに。
喉に詰まった小骨のように、その局に対する慙愧の念がしこりとなって私の内なる自制心をチクチクッと刺激しはじめた。
結果、大崩れすることこそ無かったものの、6.7Pのマイナス。ペナルティのマイナス50Pと合わせると2節で120Pを献上することとなってしまった。

さて、その「違和感」とはなんだったのか。

 ツモ ドラ

普段の私は、東場で「点数の大きな移動(それに伴う各家の状況の変化)が無く、その局の序盤〜中盤」であれば、できるだけ手牌の可能性を活かしていく選択を取っている。
前回講座で書いた「可能性を信じること」が、私自身にとって最も心地良く感じ、また心を冷静に保てるからだ。

今期リーグ戦で私が行っているフォームであれば、打といきツモでは打とし、高打点の可能性に対応できうる手立てを残していくだろう。
そしてタンピンに発展したらリーチを打つ。
もちろん、最速でいけばアガりの結末だったものを自分の都合で引き伸ばしている訳だから、采配が再び自分にあがるかはわからない。
むしろ良くて流局、他家の先制を許す可能性だって否定できないだろう。

それでも私にとってしっくり来るのは、十年以上かけて辿り着いたこのスタイルなのだ。
傲慢な考えかも知れないし、あるいは麻雀そのものを誤解しているのかも知れない。
信じる先に未来があるのかは、実際に私自身が切り開いていかないとわからないものだ。

自分にとっては「似合う麻雀を以って、結果で示していくしか手立てはない」のだから。



 
先日(9/8)にアップされた前原十段位三連覇の特別インタビューに、このような一節がある。
******************************************************************************
前原 「似合う麻雀、好きな麻雀、良い麻雀。前は、似合うと好きの2種類だったけど、今はね、良い麻雀が増えたんだよ。」
山井 「へえ〜。そう言えば僕がまだ守備型だったころ、山井君の麻雀は好きな麻雀で、似合う麻雀は攻撃型の方じゃないかなぁ、て言われたことがあります。」
前原 「そうそう、よく覚えてるね。 」
山井 「ええ、僕は単純なんで、それから攻撃型になりましたから(笑)」
前原 「そう言う、人の声に耳を傾けられる素直さが、山井の一番良いところなんだろうな。ある意味才能だと思う。麻雀のフォーム、スタイルを変えるということは、それまで歩んできた麻雀の道のりがある以上、本当に大変なことだと思う。あなた自身を目の前にして、こういうことを言うと正直気恥ずかしいけど、本当に尊敬するよ。」


山井プロは私と同一リーグだったことが多く、おそらく連盟内のどの打ち手より数多く対戦してきた相手。
だからこそ、3年ほど前のモデルチェンジ(守備型→攻撃型)への転向に衝撃を受け、本音でいうと懐疑的に見ていた時期もあったように思う。
現在の自信漲る姿を見ていると、その姿が眩しく感じる分だけ彼我の差が開いてしまったのだと認識せざるを得ない。

山井プロに限らず、私が「イイなぁ」と思う打ち手と自分との差って、何なんだろう。
漠然と考えるだけではなかなか答えが見つからないものなのだが、冒頭の対局の帰り道、ふと気が付いた。

あの手牌で何を打つかは、その人なりの意思に基づいて決めるものだと思う。
だが、もしヒサトプロや山井プロが私のフォームだったなら、例えば・・・前夜睡眠が取れていない、長旅からの戻り等の不安要素など微塵も惑わされず、信念を貫き続ける着手でいくのだろう。
そんな付帯状況ごときに揺さぶられて安易な打牌(着手自体は仮に一般からみて正着打だったとしても)を放ってしまうその弱い心こそが、自分のウィークポイントなのだと考えている。

「切磋琢磨」という言葉には色々な要素が含まれていると思う。
心を磨き鍛えていく意味で私はこの言葉を頭の中で唱え、フォームを強化する道しるべとしていきたい。

この対局の後、8月中旬に行われた前原プロの十段戦調整対局、私もスポット参加させてもらった。
前原プロに加え、滝沢プロ・ヒサトプロ・石田純平プロ。
5人打ちで打っていた最終戦、明け方ということとは全く関係なくヘロヘロになってしまった。
たった6半荘なのに目も頭も腕も、全てが限界値をオーバーしてしまう始末。

終了後、しばらく立ち上がれない位に心身ともに疲れきっている私を見て前原プロが一言。

「今ちゃん、稽古が足りてないんじゃない?」本当にその通りだと思う。

聞けば前日もその前も、そして翌日以降もこの調整対局を行っているとのこと。
まさに切磋琢磨している人たちがそこにいた。

フォームを変えるという事は難しいようで実は心がけ次第で簡単なことなのかも知れないが、フォームを保ちつつ進化させていくのは至難の業である。
打ち込みが増せば保てるものではない。
だが、まさに今の私のようにフリーで月間数百半荘打っていたとしてもその基本姿勢がおざなりなものだとすれば、全くといっていいほど己の向上には結びついてはいかない。

その事を思い知らされたこの頃であった。






執筆:今里 之彦

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