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プロ雀士インタビュー

今回のプロ雀士 :  瀬戸熊 直樹

インタビュアー: 増田 隆一
 


第27期鳳凰位決定戦で優勝した瀬戸熊 直樹プロ



役満条件という絶望的なポジションから、奇跡の四暗刻ツモで決勝に残り、勢いそのままに優勝した去年。
今年は1年間、鳳凰位としてプロリーグを見守り、挑戦する側から、挑戦される側へ。

1年前との心境の違いは、どのようなものだったのか?場面場面での心境や想いを中心に聞いてみたいと思う。
インタビュアーは、公私共に、お世話になっている後輩の1人である私、増田隆一が務めさせていただきます。


増田 「瀬戸熊さん、インタビュー担当になりました。ご都合は?」
瀬戸熊
「今から新橋の寿司屋に行くから来れば?あっ、勝因は増田や直(吉田)の飲みの誘いを断ったこと(笑)」
増田 「えー!そんなー!(涙)。でも、鳳凰戦が終わるまではって散々断わられたし、今日は朝まで行きますよ!」
瀬戸熊
「勘弁してよー(涙)」

そのようなわけで、聞くこともあまり決まらないまま突然の開始。


増田 「優勝おめでとうございます。」
瀬戸熊
「今更、インタビュー用みたいなのはいいよ(笑)。何が聞きたいの?」
増田 「いや、一応、形式上(笑)。じゃあ早速、本題に入らせていただきますのでお願いします。」
瀬戸熊
「よろしく。」
増田 「去年は、劇的な残り方をした分、ここで獲らなきゃいつ獲るみたいに、逆に気負っているように見えたのですが?」
瀬戸熊
「ああ、それはあったよ。鳳凰位を獲るために連盟に入ったんだし、タイトル戦の中でも別格だしね。」
増田 「去年は悲願、ブログでも‘涙‘と書かれていましたが、今年はどのような気持ちで臨みましたか?」
瀬戸熊
「今年は‘死守‘。たまたま勝っただけのフロックと思われたくなかったから。連覇は力の証明だと思って戦ったよ。」
増田 「なるほど。では、今回の鳳凰戦に臨むにあたって、テーマなんかは決めていましたか?」
瀬戸熊
「とにかく、勝っても負けても連盟最高峰の鳳凰位として戦いたいと思った。藤原さんも言っていたけど、
鳳凰位になると、自覚が出て“ただ勝ちたい”ではなく、“鳳凰位として勝ちたい”になるんだよって。
鳳凰位という背負う看板の重さがそうさせるんだよってね。たしかに藤原さんの言うとおりで、その心構えが去年との一番の違いかな?
ディフェンディングとしての自覚みたいな。ああいう戦いを見て、増田には成長してもらいたいね。 」
増田 「耳が痛いッス・・・(涙)」
瀬戸熊
「あとは、集中力を極限まで高めて自分の世界に入ってしまおうと思っていた。
‘冷静に、冷静に‘って心の中で自分に言い聞かせていたけど、言いにくくて、途中から英語で‘コームダウン‘ってつぶやいてた(笑) 」
増田 「初日は、ギリギリで踏みとどまった去年と違い、手応えがあったのでは?」
瀬戸熊
「手やドラは入ったけど、ツモアガリがないのが辛かったよね。まあ、初日、2日目が終わったときに戦える位置にいればよいと思っていたから想定内。
相手3人も強いしね(笑) 」
増田 「今年は、気負いはなかったと?」
瀬戸熊
「そんなことはないよ。タンピン三色をダマにできなかったのは気負いだね。
それと、沢崎さんの止めや、前原さんの親番での爆発、板川さんの長打と、みんな必殺技を持っている。
それを出させないように気を付けているんだけど、出てしまうことがある。 」
増田 「出るときついですよね?」
瀬戸熊
「内心ではチラっと‘やられた‘って思うんだけど、気持ちで負けないように、‘さすが鳳凰戦。相手もやるな‘って意識的に思うようにしていた。」
増田 「では、細かい局面について聞かせてください。1回戦東4局、ドラドラ七対子のリーチをアガリましたが、
5回戦の連荘中の親番ではリーチをしませんでした。これはなぜですか?」


瀬戸熊
「まず、待ちの時は2シャンテンで七対子を感じてを捉えることができたから。
(ドラ)が重なったことは偶然だけど、は捉えられないでしょ?だから、手応えがあった。」
増田 「確かに。私も七対子になるでしょうが、一手遅れになってしまします。」


瀬戸熊
待ちの時は感触がなくて、字牌のドラだから拾えることもあるし、少しでも拾える可能性を上げたかった。
結果的にツモでラッキーくらいの気持ちだったし。ただあれは、荒さんもリーチと言っているし、リーチが正解な気がする。
自分の中でまだ結果が出ていない部分だから、これから勉強だね。」
増田 「続いて1回戦の南1局、3巡目にあっさりリーチが入ります。」
瀬戸熊
「さっき話した沢崎さんの止めの局ね。」
増田 「私なんかは、リーチをしないで手変わりを待つ場合が多いのですが?」
瀬戸熊
「もちろん、それもありさ。ただ、結果がどうであれ18回戦としてみたときにああするのが有利だと思っているし、
それは、どちらにするか決めておけば問題がないと思う。」
増田 「詳しく言うと?」
瀬戸熊
「1つには、こんな形のリーチもやるぞって見せることが大事。
そして、鳳凰戦くらいの高いレベルの戦いだと、誰がツイてる、ツイてないがあまりないフラットな状態ではアガリの道は1本しかないことが多いんだよ。
だから、アガれるアガれないよりも、自分のスタイルを決めておいて、裏目を引いても揺れないことが大事ってこと。」
増田 「なるほど。そして5回戦の東2局、板川さんの長打(四暗刻)がさく裂します。」
瀬戸熊
「これもさっき言ったけど、‘板川さん、やるな‘って思ったよ。でも、8,000点支払っただけでしょ?
弱気になってアガリを逃したわけでもないし、無茶をしてひどい放銃をしたわけでもないから、そんなには気にならなかった。」
増田 「実際、この言葉が強がりではないと証明するかのように、東4局の親番で板川さんを捲くってしまいます。」
瀬戸熊
「捲くったのは偶然だけど、強い気持ちを持ち続けられたからね。」
増田 「そして6回戦は、前原さんのビッグイニングが始まります。」
瀬戸熊
「やっぱり来たなって感じ(笑)。でも、相手がどんなに点棒を稼ごうが、常に浮きを狙う姿勢を崩さないようにした。
それと、失点は最小限に抑えることを意識したよ。」
増田 「結果、6回戦1回でトータルを前原さんに捲くられてしまいます。」
瀬戸熊
「舞台は鳳凰戦。そう簡単にはいかないよ(笑)。さっきも言ったように、初日が終わって優勝が狙える位置にいたから悪くはないと思っていた。」
増田 「途中、気になる手筋があったのですが?」
瀬戸熊
「どこ?」


増田
南1局の親番です。モニター前で見ていた、荒さん、滝沢さん、私の3人が同時に!?って呟いた局です。」
瀬戸熊
「ああ、あの回は(調子が)悪かったからね。1,500や2,900で刻んでも仕方がない、チャンスはそうそう来ないだろうし、
あの一通を一発で決めなきゃと思っていたよ。」
増田 「もちろん、いざというときの一通ドラ1のチーテンを取ることを考えたわけではないですよね?」


瀬戸熊
「当たり前だろ(笑)。リーチドラ2も、一通ドラ1も同じ7,700だけど、先にペンが埋まったときに、
MAX6,000オールまで見ることができるからを切ったんだよ。」
増田 「なるほど。最高形を逃さないと。そして初日が終わります。」
瀬戸熊
「何回やってもこの3日間は胃がキリキリする(涙)。でも、鳳凰戦の長丁場は体力勝負だと思っていたから、
詰め込むようにして食事をたくさん摂り、無理やり睡眠を摂ったよ(笑)」
増田 「そして2日目、12回戦の大きなトップで、前原さんにトータル70P以上の差をつけて終えます。私なんかはかなり優勝が近づいたと見たのですが?」
瀬戸熊
「そこまでは思わなかった。ただ、大きいトップとラスを取るようなドタバタ麻雀じゃなく、ポイントのまとめ方は上手くなったと思ったよ。」
増田 「なるほど。」
瀬戸熊
「それと、最悪でもこれで最終戦まで優勝争いをしていられるなと。
最終戦オーラス、アガった方が優勝ですみたいになったら、運を天に任せるしかないでしょ?そこまで行くことは確定したかなくらいしか思わなかったな。」
増田 「最終日に向けて、考えたことは?」
瀬戸熊
「とにかく、守らずに1日プラスで終われば、結果はついてくると思って臨んだ。ただ、
最悪のシナリオを常に頭に入れて、そうなったときに焦らないようには注意していた。」
増田 「結果、最悪のシナリオは訪れなかったと(笑)」
瀬戸熊
「はたから見ればそうかもしれないけど、17回戦の前原さんの親番は嫌だったよ。
ようやく迎えた親番の、カでアガれたのが決定打になったね。このときは優勝を確信した。」

最終戦オーラス 優勝決定の瞬間

増田 「私はもっと早い段階から、優勝するものだと思っていましたが?」
瀬戸熊
「はたから見るより選手は大変なんだよ(笑)。焦って(相手の)親を切るためだけの中途半端な牌で放銃をしないようにとか、
勝負はするけど腹を決められない局で、甘い牌は打たないようにしようとか、頭の中はフル稼働だよ。」
増田 「ありがとうございます。では、今度は抽象的な話になりますが、瀬戸熊さんが飲み会である若手に話した
‘過去に鳳凰位になった人で、流れがないって言った人はいない‘という言葉が今でも印象に残っています。
最近の若手は一局一局が独立していると考える人が多いようですが?」
瀬戸熊
「流れは確実にあるさ。ただし、オカルトに走り過ぎるのはダメ。例えば、アガった次の局はまたアガれるだろうみたいな単純なものじゃない。
落とし穴はあるし、中途半端や未熟な流れの捉え方をするくらいならしない方がいいと思う。」
増田 「なぜでしょう?」
瀬戸熊
「一局一局が独立していると考えれば、前局どんなひどいことをしても関係ないから心は強くあれる。
ただし、18回戦を1つの戦いと考えて、正確に流れを見ながら打つ方が最後は上に行く。
それは難しいし、揺れる原因にもなるし、徹底できないならやらない方がよいってこと。どちらにせよ、徹底的にやらなきゃダメ。」
増田 「私も流れはあると思っていますが、東風戦を打つ時は流れがないってことにして打っています。その方が、数字が出やすいんで(笑)」
瀬戸熊
「それはまだ、増田が正しく流れを捉えられてないからだよ(笑)。オレは今の自分が完成形だとは思っていないけど、もう少しだなと感じている。
あと2、3年でそこの世界を見てみたい。」
増田 「これからの目標はそれですか?」
瀬戸熊
「麻雀打ちとしての目標はそこ。麻雀プロとしては、連覇で注目度や人の見る目も変わるだろうし、しっかりした内容で対局することが目標。
自分らしくない負け方はもちろん、らしくない勝ち方もしたくない。」
増田 「私のように勝ったことがない人間は、なんとしてでも、例え多少内容が悪くても勝ちたいですが。」
瀬戸熊
「増田も鳳凰位になって自覚が出れば分かるよ(笑)」
増田 「何百年後になるやら(涙)」
瀬戸熊
「それと、麻雀とは関係ないけどダイエット!昔、鳳凰戦で負けた時の写真を見たら痩せてるんだ(涙)」
増田 「一緒にがんばりましょう(笑)。今日はありがとうございました。」
   
私が尊敬する荒プロが「心技体全て揃って初めて一流。みんな‘技‘ばかり鍛えて心を鍛えようとしない」とよくおっしゃる。
今回、インタビューの中で、瀬戸熊がたびたび繰り返していたのは‘心‘の話。
‘一流の精神力は一流の技術を凌駕する‘これ瀬戸熊の座右の銘である。

瀬戸熊は弱い部分を人には見せない。
5年前、鳳凰戦に敗れた瀬戸熊は、私の知らないところで気付かないうちに、血のにじむような努力と覚悟で強い精神力を手に入れたのだろう。

話は変わるが、実はこのインタビュー、3回も録っている。
なぜなら、インタビューのために待ち合わせをすると、瀬戸熊を慕う人間が乱入してくるからだ。
自然と飲み会になり、私が酔っ払って聞いたことを忘れてしまったり、周りが盛り上がり過ぎてインタビューにならなかったり・・・。
瀬戸熊自身の1年間の努力はもちろん、こうした応援者の見えない力が連覇を後押ししたのではないのだろうか。
さて、他人行儀はもうやめて私から一言・・・来年も夢を見させてください!


締切も迫り、何度か手を入れて原稿が形となった3月中旬、不幸な震災が東日本を襲った。
地震、津波、原発etc・・・さまざまな問題を抱え、日本中が一時の予断も許さないとき、私の携帯が瀬戸熊からの着信を知らせた。

瀬戸熊
「お疲れ様。もし、インタビューの記事でページが許すなら、東北関東大震災の被災者の方へ対する一言を載せてくれないかな?」
増田 「私も何かできることがないか考えていました。」
瀬戸熊
「東北関東大震災で被災された方々には、謹んでお見舞い申し上げます。また希望を持って、これから頑張って行ってほしいと思います。
僕らは僕らで、被災者の方々にできることをやっていきたい。1日も早い復興を祈っています。」
増田 「私もできることをやっていきたいと思います。
被災者の方々がどこかでこのインタビューを見てくださって、直接メッセージが届けばよいですね。ありがとうございました!」
   

 


瀬戸熊 直樹 (せとくま なおき)
日本プロ麻雀連盟14期生
⇒プロフィール(ロン2)はこちら

(このインタビューは2011年3月現在のものです)

  インタビュアー:増田 隆一

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