
第19期麻雀マスターズを優勝した樋口 新プロとプレゼンターの伊藤
優孝プロ
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マスターズ決勝戦終了後、優勝した樋口君のインタビュアーの話が挙がり、誰が適任かということになり、ここは私が!とは思ったものの、
幾ばくかの不安もあり、樋口君と親交の深い森下君にもお願いし、2人で務めさせて頂くことになりました。
数日後、樋口君に連絡をとると、日程はいつでも良いとの返事を受け、さっそく森下君と2人で都合がつく日程を調整。
それが2010年5月11日。当日の名古屋の天気は雨。夜、私は名古屋から車を飛ばし待ち合わせ場所に指定された三重県へと向かった。
指定された場所は、彼が良く行く雀荘で、キリがついた所で場所を変えてインタビューとなった。
彼と話をして行く事で、1つ1つの点が、どこかで線になろうとしていた事は、その時の私はまだ気付いていなかった。
と言う事で、今回のインタビュアーは中部本部 葛山英樹と森下剛任が務めさせて頂きます。
このインタビューを通して、少しでも樋口新という人物がお伝えできれば幸いです。
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二人 |
「改めて、マスターズ優勝おめでとう。」 |
樋口 |
「ありがとう。」 |
葛山 |
「優勝してからしばらく経つけど、周りの変化などは感じた?」 |
樋口 |
「特には変わっていないかな。」 |
まだこれから訪れる変化の違いには気付いていないようだ。 |
葛山 |
「緊張したと思うけど、勝因は何だと思う?」 |
樋口 |
「ん〜、何やろ・・・自分でもびっくりしたけど、緊張は全くしなかったなー」 |
森下 |
「人の麻雀を観戦するようになったからちゃうか?」 |
もごもごする樋口にすさかず森下がフォローする。
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左から 葛山
英樹プロ、樋口 新プロ、森下 剛任プロ |
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森下のフォローに樋口がうなずく。
確かに私の印象では、麻雀を打っているイメージが強く、後ろで見ているイメージはなかった。 |
葛山 |
「よく打っているよね。普段はどのぐらい打っているの?」 |
大体の数字が聞ければ良いかなと思っていたが、結果が管理されていた。 |
樋口 |
「去年は1年間でざっと計算して3,200半荘ぐらいかな。」 |
それに加えて、余った時間で対局を観戦しているとの事であった。
私も若いころは、月に300半荘ぐらい打った事もあるが、最近はそこまで打てていない。
自分で対局回数を増やして麻雀の経験を積む、もちろん結果を踏まえて省みる。
それに加え、他の方の意見を汲んで取り入れる。言われてみれば当たり前かもしれないが、学ぶ姿勢の原点が今の樋口にはある。
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森下 |
「後はルーティーンやね。」 |
葛山 |
「ルーティーン??どんな事があったの?」 |
樋口 |
「本戦の時から対局前は、会場近くの烏森神社でお参りをしたんだ。」 |
本戦の対局前に時間があったので会場の近くを歩いていた時に、たまたま見つけた烏森神社で何気なくお参りをした。
そうしたら本戦を勝ち上がったので、せっかく担いだゲンなので、お参りをせずに負けたら後悔してしまう。
その思いがこのルーティーンに繋がった。
困った時の神頼みとは良く言うが、この結果があればルーティーンにも頷ける。
自分のリズムを崩さないように、朝食のメニューも本戦、トーナメント、決勝戦と全て同じであった。
すがれる物には何でもすがりたい状態だったのであろう。
最初は照れながら話していたが、顔は真剣だった。
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葛山 |
「あれっ、そのルーティーンは、森下も一緒にやってなかったの?」 |
森下 |
「俺もやったんだけどね・・・」 |
どうやら効き目の方は、お1人様限定なのかもしれない。
決勝戦は緊張した様子がなかったが、その理由を聞いて納得した。
トーナメントに進出する時点で、周りには名前や実績のある選手が多数。
そんな中、萎縮していて後悔はしたくなかったとのことで、対局者の事は考えずに対局に挑んだとのこと。
とは言え、大御所を含め先輩方との対局は少なからず緊張するもの。そこで先の対局の経験が活きたみたいだ。
この時はどうする?のような、経験を考えていたら、河を見ているのが精いっぱいやった。
だから、あまり対局者の事を考えている余裕はなかったです。と話してくれた。
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葛山 |
「中部本部から観戦者が大勢行ったのは励みになった?」 |
樋口 |
「応援は本当に嬉しかった。やっぱり誰もいないよりはいてくれた方がね。」 |
1回戦が始まる時は、中部本部の応援軍団と運営関係者しかいないのではないか?と言うぐらい偏っていた印象があったが、
それも樋口は「対局に集中していたから、卓外は全く気にならなかったよ。」と笑っていた。優勝したから尚更格好良く聞こえる。
偶然にも、インタビューを設定した5月11日は、樋口の26歳の誕生日であった。
インタビュー中に、「お誕生日おめでとう。」と樋口の知人が声を掛けてくれた時に我々もこの偶然に気付いた。
良い経験になったので、これからもタイトル戦に力を入れて行きたいと今後の抱負を語ってくれた。
初めて参加したオープンのタイトル戦で、頂点を極めた。
これから、マスターズ覇者・樋口新としての戦いが幕を開ける。
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