
第4回天空麻雀 女性大会を優勝した二階堂 瑠美プロ
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11月某日。今日はPC採譜講習があるので、四谷の連盟道場に来ていた。
少し早めに着いた自分は、1半荘なら打てるだろうと待っていたその時、編集部からメールが来た。
そして、本文を目にした瞬間、頭が真っ白になった。
「二階堂瑠美プロのインタビューをお願いできますか?」
俺が???なんで???だって相手は天下の二階堂瑠美プロですよね?!
たくさんの?が頭の中を飛び交う中、自分の右手は別の人物かと思うくらいのスピードでメールを返信していた。
「喜んでお受けします!」
なに勝手に送ってんだ右手ー!お前そんな大役大丈夫か?!と、内心格闘している最中、卓に案内される。
心が乱れながら打ってもいい結果が得られるはずもなく、その半荘は当然ラス。
講習が終わり家に帰ったが、ほとんど眠れずに次の日を迎えた。
日程の確認のため、緊張しつつ瑠美さんに連絡してみる。
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吉田 |
「えーと・・・瑠美さんのインタビューをさせていただくことになりまして・・・
お忙しいとは思いますが、どこでも飛んで行きますので、空いている日に少し、お時間いただけないでしょうか?」 |
瑠美 |
「何時でもいいのでしたら、リーグ戦の後はどうですか?
」 |
吉田 |
「リーグ戦の後だとお疲れではないですか?」 |
瑠美 |
「大丈夫ですよ。
」 |
吉田 |
「では、宜しくお願いします。」 |
瑠美 |
「はい。こちらこそお願いします。
」 |
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そんなこんなで日程は確保したが、今からデータを集めなければ。
第4回天空麻雀女性大会優勝。
これは、PC採譜で現場にいたのである程度は知っているから、もう一度見直せばいいだろう。
他には、女流桜花、女子プロカレンダー・・・さすがトッププロだけあって聞きたいことが山ほどある。
そうじゃなきゃインタビューの話はこないか、などと考えを巡らせているうちに当日を迎える。
そしてインタビュー当日。
緊張のため少し挙動不審になりながら、錦江荘で瑠美プロのリーグ戦が終わるのを待つ。
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吉田 |
「お疲れ様です。リーグ戦はどうでした?
」 |
瑠美 |
「40ポイントぐらい浮きました!
」 |
吉田 |
「流石です。お腹も空いているでしょうし、何か食べに行きますか?
」 |
{お腹がいつも空いているのは俺だよな?食事でよかったのか?}と、自問自答していると、
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瑠美 |
「じゃあ、美味しいうどん屋さんがあるのでそこにしませんか?」 |
吉田 |
「はい!喜んで。」 |
そして、うどん屋さんに到着。
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吉田 |
「なんでも好きなもの頼んで下さい。
」 |
瑠美 |
「じゃあ、天丼セットで♪
」 |
吉田 |
「では、僕も同じものをお願いします。
」 |
さすが瑠美プロのお勧めだけあって、静かでいい雰囲気のお店だ。
【天空麻雀優勝】
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吉田 |
「まずは、第4回天空麻雀、優勝おめでとうございます。」 |
瑠美 |
「ありがとうございます。」 |
吉田 |
「え〜と・・・・・・・・すみません、緊張しすぎて何を聞くか忘れました(汗)」 |
瑠美 |
「(笑)
」 |
吉田 |
「(空っぽの頭の中の抽斗を開けまくって)あっ思い出しました!今回が天空麻雀初の決勝進出だったんですよね?」 |
瑠美 |
「そうなんですよ。」 |
吉田 |
「意外というか、ビックリです。」 |
瑠美 |
「実は、私TV対局の予選はあまり良くなくて、惜しいとかなく全然駄目なんですよ。ただ、前にモンド21で1回決勝に残れたことがありましたけど。
」 |
吉田 |
「第3回モンド21杯ですね。」 |
瑠美 |
「そうそう。その時は優勝できたんで、今回も4分の1だしワンチャンあるかもなっ、て思ってたら優勝しちゃいましたね(照)」 |
吉田 |
「今回の決勝で、まず東3局の親番で6,000オールを引きましたが、このときはかなり手応えがあったんじゃないですか?」 |
瑠美 |
「そうですね。連には絡めるかなとは思いましたが、一発裏ドラがあるので気は抜けないなと思いました。
」 |
吉田 |
「この時、瑠美さんの大好きな三色が確定していましたが、結構嬉しかったんじゃないですか?」 |
瑠美 |
「ん〜実は私、できあい三色よりは、高め三色が好きなんですよ。」 |
吉田 |
「え!そうなんですか?自分なんか確定しちゃうとヨッシャ!って思っちゃいます。」 |
瑠美 |
「できちゃうとつまんなくて、最後に高めこい、高めこい、っていうのが好きですね。」 |
吉田 |
「きっと最後までおいしいものはとっておくタイプなんですね(笑)その後トップ目のまま南2局まで進んでいき、
宮内さんにタンピンドラ2の12,000を放銃してしまったのですが、その逆転を許してしまった時の心境を教えて下さい。」 |
瑠美 |
「あの時は役ありのテンパイが入り、自然な形で出ていく牌が当たるんだ、へ〜って思って。まあ、まだ親も残ってるし満貫作ろって思ってました。」 |
吉田 |
「かなりハートが強いんですね。自分なんか、あーもう駄目だって思っちゃいます。実際、次局の南2局1本場で満貫をアガって親を持ってきて、
その親番で、トップ目の宮内さんから満貫をアガり返し、再びトップ目に返り咲きましたよね。」 |
瑠美 |
「あれはツイてましたね〜。
」 |
吉田 |
「いえいえ。親の七対子の待ち取りと、リーチの思い切りが素晴らしかったと思います。」 |
瑠美
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「あの時は、 でテンパイして待ちは悪くなさそうなんだけど、自分の目から が3枚見えているのに、場に が1枚も見えてないから、
もし、 を誰かにトイツで持たれてて、もう1枚が王牌だったら寒いなって思ってダマで構えて、持ってきた1枚切れの でリーチを打ったんです。」 |
吉田 |
「その感性が、結果功を奏したわけですね。そして最終局がこちらです。」 |

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吉田
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「最後、 を引き入れ - - の3面張でテンパイするのですが、この時はどんな気持ちでしたか?」 |
瑠美
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「場に1枚も - - がでてなかったので、アガれる感触が全然なかったです。
」 |
吉田
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「確かに、瑠美さんがテンパイした時、山には が1枚、 が1枚でかなり薄かったです。」 |
瑠美 |
「そうみたいですね。
」 |
吉田
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「でも、麻雀の神様はちゃんと見ていてくれたんですね。最後のツモに がいて、ついに天空麻雀で初優勝できたんですよね。」 |
瑠美 |
「本当に嬉しかったです。」 |
吉田 |
「次に狙うは連覇ですね。」 |
瑠美 |
「うーん。まずは予選を勝ち上がりたいですね。決勝に残れば4分の1なんで(笑)」 |
吉田 |
「そうですね。次も楽しみにしています。」 |
瑠美 |
「頑張ります。
」 |
対局の内容は牌譜データサービスでご覧になれます。
⇒牌譜データサービスはこちら
ここで食事がきたので少し休憩を。
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流石の着こなし |
天丼セットがきてご機嫌な瑠美プロ |
【女流桜花決勝進出】
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吉田 |
「現在、女流桜花で首位を走っており、残すはプレーオフのみ。遂にタイトル戦決勝で、夢の姉妹対決が見られるのでは、と多くのファンの方たちも、
期待に胸を躍らせていると思うのですが。」 |
瑠美 |
「見られなかったらゴメンネ。
」 |
吉田 |
「そんなこと言わないで下さい!」 |
瑠美 |
「はい。期待して下さっているファンの方達のためにも頑張ります。」 |
吉田 |
「では、決勝に残る前提でお話をうかがいます。仲がいいことでも有名な二階堂姉妹ですが、タイトル戦決勝で、亜樹さんとの対局はやりやすいですか?
それともやり辛いですか?」 |
瑠美 |
「プレーヤーとしてはやりやすいけど、心情的にはやりにくいよね。」 |
吉田 |
「やはりそうですよね。」 |
瑠美 |
「亜樹ちゃんは信頼度が高いし、本当に強いと思う。でも、決勝に残れば優勝確率4分の1なんで(笑)」 |
吉田 |
「あれ?ここでも4分の1ですか?」 |
瑠美 |
「半荘1回も10回も一緒だよ。でも最後圏外は嫌だな。オーラス満貫ツモ圏内にはいたいな。」 |
吉田 |
「そしたら2分の1ぐらいですね。」 |
瑠美 |
「そうだね(笑)」 |
吉田 |
「なんか、こんな話をしていると優勝できそうですね。」 |
瑠美 |
「でもね、勝ち負けも大事だけど見ている人も、打っている人も楽しい麻雀にしたいな。」 |
吉田 |
「なるほど。それが現在の麻雀スタイルに繋がっているのでしょうか?」 |
瑠美 |
「そうですね。昔も今も手役を追うのは変わらないんですけど、昔は夢中で追っていたタンピン三色も、
今は鳴いて2,000点でアガったりしなきゃいけない局面もあるという考え方に変わった。
それは、4人でゲームを作っていかなければいけない、という考えが生まれたからだと思います。」 |
吉田 |
「しかし、4人でゲームを作っていくというのは非常に難しいですよね?」 |
瑠美 |
「はい。でも亜樹ちゃんもそういうタイプですし、今回プレーオフに残っている人達もそういう麻雀が打てると思うので、私自身もギャラリーの人達に、
面白いなぁ、もっと見たいなぁと思ってもらえるように打って優勝できたら嬉しいです。」 |
吉田 |
「そしたら素晴らしい牌譜も残りそうですね。楽しみにしています。」 |
瑠美 |
「はい。頑張ります。」
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【カレンダー】
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吉田 |
「次に、2010年の連盟女子プロカレンダーについて裏話などがあったらお聞きしたいのですが。」 |
瑠美 |
「うーん裏話ですか・・・あっそういえば今回のサンタさんの衣装なんですけど、自分で選んだんですよ!」 |
吉田 |
「えっ!ご自分でですか?」 |
瑠美 |
「そうなの。なんか宮内さんに貸衣装屋さんに行って、サンタっぽいのを探してきてって言われて『え〜!?』って思ったんだけど、
取りあえず行ってみて、初めてお店に入ったらすごいの!色んな洋服とか靴とか何万着もあって、すっごい楽しかった!!」 |
吉田 |
「めちゃめちゃ楽しかったのが伝わってきます(笑)」 |
瑠美 |
「うんそれでね、サンタガールみたいなのがいくつかあって、何回も試着して選んでたの。
そしたら最後に『あ、これ可愛いじゃん♪』って見つけたのがカレンダーの白い服なんだけど、でもあまりサンタっぽくないなって思って・・・
だってサンタは赤って感じでしょ?」 |
吉田 |
「確かにサンタさんは赤のイメージが強いですね。」 |
瑠美 |
「それで、どうしようかなって思って宮内さんに両方着たやつを写メールで送ったの。そしたら、どっちでも瑠美ちゃんの好きな方でいいよって言われて、
さらに悩んで、私は白いほうが好きだけど、やっぱりサンタさんは普通赤だよねってしばらく考えてたら、
貸衣装屋さんが1つの料金で2つ持って行っていいですよって言ってくれたの。」 |
吉田 |
「それはラッキーですね。」 |
瑠美 |
「多分、私が色々試着して盛り上がっている時に、仲良くなったからかなぁ。」 |
吉田 |
「瑠美さんの人柄のなせる業ですね。」 |
瑠美 |
「それで、靴も借りた後にちょっと気になるウィッグを見つけたの。で、『これ可愛いなぁ』って言ったらそれも持って行っていいですよって!
マジで!?でもかぶったことないし、似合うかわからないですって言ったら、メイクさんもいるし大丈夫ですよって結局貸してもらっちゃった。」 |
吉田 |
「瑠美さん、きっといい主婦になれますよ(笑)」 |
瑠美 |
「撮影当日は、先に赤い方を着たんだけど、白いのも着てみればって言われてウィックつけて着てみたら、宮内さんが、いいじゃん、いいじゃん
これも撮っとこうよって言ってくれて、結局両方撮ってもらったの。出来上がった写真を見たら、森山さんは定番の赤の方がいいって言うかなぁって思ってたら、
白いサンタさんが選ばれて、えっ?て思ったのと同時に嬉しかった。」 |
吉田 |
「写真は森山さんが選ぶんですか?」 |
瑠美 |
「何百枚もある中から選ぶので、森山さん1人ではないけど、本人も気づかない細かいところまで目が行くから、森山さんは本当にすごいと思う。」 |
吉田 |
「さすが森山さんですね。では、選ばれなかった赤いサンタはお蔵入りなんですか?」 |
瑠美 |
「赤いサンタは、ポストカードになったよ。」 |
吉田 |
「あっそれ知ってます!先着何名様かで、カレンダーに付いてくる特典ですよね。」 |
瑠美 |
「そうそう。」 |
吉田 |
「じゃあ、手にした人はすごいラッキーですね。」 |
瑠美 |
「はい。結構レアだと思います♪」
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やはり楽しい時間とういのは、あっという間に過ぎるものだ。
いや、初めに緊張して、ちゃんとした質問ができなかったから時間をとらせてしまっただけなのか。
【プライベート】
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吉田 |
「お疲れのところすみませんが、最後に、ファンの方も聞きたがっていると思われる、プライベート的なお話を少しお願いします。」 |
瑠美 |
「はい。」 |
吉田 |
「ありきたりですみませんが、お休みの日は何をして過ごしていますか?」 |
瑠美 |
「お家でパソコンの前にいるか、お外でパチンコをしています。」 |
吉田 |
「そういえば、瑠美さんはパチンコの仕事もしていましたよね。」 |
瑠美 |
「はい。」 |
吉田 |
「今は週にどれくらいパチンコをやるんですか?」 |
瑠美 |
「1、2回くらいかな。」 |
吉田 |
「では、行ったら楽しくて結構長い時間打ってしまうんじゃないですか?」 |
瑠美 |
「やりたいんだけど、最近の台って光が眩しかったり、音が大きかったりして、長時間打っていると疲れちゃうんですよね。」 |
吉田 |
「わかります。」 |
瑠美 |
「そういえば最近、他の女流の子と遊ぶことが多くなったと思います。」 |
吉田 |
「何して遊ぶんですか?」 |
瑠美 |
「ぶどう狩りに行ったり、普通にご飯を食べに行ったり。以前は皆無だったんですよ。亜樹ちゃんにべったりで(照)」 |
吉田 |
「麻雀はしないんですか?」 |
瑠美 |
「4人集まったら1卓できるじゃんとは言うんですけど、ないないって言われて、そうだよねってなりますね。」 |
吉田 |
「(笑)では最後に、瑠美さんの好きな手役と、パチンコの機種を教えてください。」 |
瑠美 |
「好きな手役は、純チャン三色です。好きなパチンコの機種は、エヴァ〜最後のシ者です。エヴァは本当に良くできてると思います!!」 |
吉田 |
「僕、エヴァはあまりやったことがないので今度やってみます。今日は本当にありがとうございました。」 |
瑠美 |
「いえいえ。こちらこそありがとうございました。」 |
リーグ戦の後で疲れているにもかかわらず、こんなに長く付き合ってくれて、更にはこちらに気遣いまでしてくれるなんて、何ていい人なんだろう・・・
と思いながら今日のことを振り返っていた。
容姿端麗で、麻雀も強く亜樹ちゃんを大好きな瑠美さん。
今日麻雀の話をしていて、ここまで深く考えているんだなと尊敬の念を抱きながら、その魅力に引き込まれていく自分がいた。
そして、衣装の話をしている時には、麻雀を打っている時の真剣な表情とは違う、女の子らしい一面も垣間見えた。
きっとこれ以上一緒に居たらまずかったであろう。
思わずあの言葉が喉をかすめそうだったから・・・
「惚れてまうやろ〜」と。
{そして、このインタビューが終わり暫くして・・}
【女流桜花プレーオフ終了後】
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吉田 |
「決勝進出おめでとうございます。」 |
瑠美 |
「ありがとうございます。」 |
吉田 |
「決勝に向けての意気込みをお願いします。」 |
瑠美 |
「この1年間あまりツイてなかったんですけど、女流桜花だけは好調なので、桜花はワンチャンいけるかなって思っています。
でも、わたし勢いはあっても腕がないんで・・・」 |
吉田 |
「そんなことないです!」 |
瑠美 |
「亜樹ちゃんは力があるから、亜樹ちゃんが超ツイてないとき以外は勝てないとおもうけど、乱打戦になったらチャンスはあるかなって思うので、
一生懸命、真面目にコツコツ頑張りたいと思います。 」 |
吉田 |
「まぁ、決勝に残れば4分の1ですからね。」 |
瑠美 |
「そうそう。姉妹だと2分の1だし。」 |
吉田 |
「(笑)」 |
瑠美 |
「でも、正直タイトル戦で姉妹対決を見せられるので、それだけで満足です。後はみんなが見ていて面白いなって思う麻雀を打ちます。」 |
吉田 |
「ありがとうございました。決勝は頑張ってください。」 |
瑠美 |
「はい。頑張ります。」 |
第4回天空麻雀で、悲願の初優勝を果たした二階堂瑠美プロ。
どこまでも謙虚な瑠美プロだったが、本当に優勝してもらいたいなと思った。
そして、来年のタイトル戦初戦は華やかな姉妹対決!
ギャラリーの数は、どのくらいになるのだろうと考えながら筆を置くことにする。
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