史上初のインターネット麻雀の頂点を決める戦い「インターネット麻雀日本選手権2012」
この予選が今年3月から始まり、
「雀龍門」=10名
「TAISEN」=2名
「桃色大戦ぱいろん」6名
「ハンゲーム
麻雀4」=8名
「ロン2」=6名
以上の各サイトから32名が勝ち上がりました。
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そして長い本戦に入り、ベスト16、8、準決勝と戦い、遂に決勝の舞台を迎えました。
決勝戦はニコニコ動画で生中継され、もちろん対戦はネットでの対戦となりました。
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左から 前原
雄大、佐々木 寿人、いちのせ@、ダンプ大橋 |
サイトは連盟公式の「ロン2」を使い、対局会場は4人がそれぞれパーテーションで仕切られたテーブル上で、
パソコンを操作するという状況のもとで行われました。
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前原雄大 |
ダンプ大橋 |
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いちのせ@ |
佐々木寿人 |
決勝メンバーは、日本プロ麻雀連盟より、前原雄大、佐々木寿人、ダンプ大橋の3名と、
ハンゲーム「麻雀4」の予選を勝ち上がってきたユーザーのいちのせ@さん。
「チームがらくた」のメンバーである前原・佐々木両プロがいることと、
トーナメントの牌譜を見る限り、ユーザーのいちのせ@さんが鳴きを多用するタイプの打ち手である、という情報があったことから、
早い展開の試合になるのではないか、と予想されていましたが・・・。
1回戦が終わるころには、まず解説陣のいちのせ@さんに対する評価がかなり変わります。
門前重視で軽い仕掛けはせず、勝負手はリーチ。手役も意識しており、他家の仕掛けやリーチに対する対応も丁寧。これで本当に18歳なのか!と。
そして、東場だけで流局が5回、さらにアガリがすべて門前という、予想に反してかなり重い展開でスタートしたのです。
東2局1本場、プロ2人の先制リーチを受けた親のいちのせ@さんが、ドラドラ七対子の 単騎をヤミテンにしているところから、
に待ちを替えて追いかけリーチ、寿人プロから12,000は12,300点を出アガリ。
東3局5本場、見ていて思わず声が出てしまうほど、前原プロらしいこのリーチ。
            リーチ ドラ
このリーチに、親の寿人プロが一発でつかまります。
寿人プロはこのときピンフ三色のイーシャンテンだったので仕方のない放銃なのですが、
このリーチで をとらえられていないと、かなり違う展開になっていたのではないでしょうか。
そういう意味での、この「がらくたリーチ」の精度の高さは本当にすごい!の一言に尽きます。
そして迎えた東4局の親番。
前原プロの連荘が始まるか・・・と思われましたが、ダンププロのホンイツと寿人プロの本手リーチにはさまれ、
当たり牌でもあるドラの をつかんでまわり、親流れ。
しかし次局、親のダンププロの先制リーチに、
            ドラ
この形で追いつき、リーチ一発ツモ。
2,000・3,900のアガリでトップ目に立ちます。
続く南2局、親のいちのせ@さんも負けじと、
            ドラ
これで即リーチ。ツモった が裏ドラになり2,000オールで再びトップ目に。
南3局もリーチしてツモアガリさらに持ち点を増やします。
オーラス、寿人プロに大物手が入ります。
            
が3枚、 が2枚切れているため 単騎を選択し、リーチ。
しかしこの は1枚も残っていませんでした・・・。
2人テンパイで流局した1本場は、
            ドラ
いひのせ@さんが、このヤミテンをしっかり前原プロから討ち取り50,000点オーバーのトップで終了。
長い長い予選を勝ち上がってきたネット雀士のレベルの高さを、同卓のプロ3人も感じていただろうと思います。
2回戦は、1回戦とは対照的に序盤から手がぶつかり合う乱打戦となりました。
東1局、まずは起親のダンププロが、
            リーチ ドラ
を一発でツモり4,000オール。
1本場、再びダンププロにチャンス手が入ります。7巡目、
            ドラ
ここに が入って三色ができあがり、ピンフもついてヤミテンでも をツモれば倍満という、高く美しい牌姿となりました。
しかし1巡後、
            
寿人プロのこのリーチに、 を一発でつかんで5,200点の放銃。高めの は山に3枚眠っていました…。
東3局からはしばらく、前原プロの独壇場。
7,700
2,000・3,900
2,000・4,000
7,700
とリーチをかけてアガリ続け、持ち点を60,000点近くまで積み上げます。
そして南3局、さらなる加点を目指す南家の前原プロに6巡目テンパイが入ります。
             ドラ
前巡、西家のダンププロが客風牌の を1鳴きしており、ドラの は切りづらいのですが、当然のようにリーチ。
そのときダンププロは、
         ポン  
この形で、当然のポンテンをかけます。
2巡後に をツモって3,000・6,000。
オーラス。
            ドラ
親番の前原プロがこの形でリーチを打たないのは意外だったのですが、対局後に聞いたところ、
やはり前局に を鳴かれ跳満をツモられたのをふまえてのヤミテンだったとのこと。
1本場も、ダンププロのホンイツリーチと、いちのせ@さんのホンイツリーチにねばらずおりたのも、その流れがあったからなのでしょう。
3回戦も、前原プロが力強いアガリを連発。
南1局、 、 とポンしている親の寿人プロに、
             ドラ
ここでドラ切りリーチでかぶせます。寿人プロも、
      ポン  ポン  
このテンパイを入れ、この時点で - は1枚、 、 はなんと4枚残り。
しかし前原プロがツモ切った を大明カンすると・・・
次の前原プロのツモが、 。裏ドラが2枚のって跳満のアガリとなりました。
ダンププロも、南場の親番で満貫を2回出アガりし食い下がりますが、前原プロがまた大トップ。
3回戦終了時にはかなりポイントが離れてしまい、追う3人は、とにかく4回戦で前原プロをラスにしての大トップが必要となりました。
しかし、4回戦、先程までの力強さが嘘のように丁寧で繊細な麻雀を打つ前原プロは、原点をキープし、連も外しません。
最終5回戦は、3者ともに親でダブル役満を狙うしかない、という程の厳しい状況に・・・。
全員が大物手を狙いますが、成就せず、前原プロの圧勝という形で幕引きとなりました。
「圧勝」というのは、ポイント差のことだけではありません。
手牌も壁牌も、すべて見えているのではないか?と思えるほどの的確な状況判断、対応、勝負所とみた局での潔い押し。
実際に対峙しているわけではないのに、画面上でもその存在感はやはり圧倒的なものでした。
いくつかの牌姿と、私の拙い日本語ではそのすごさをうまく伝えることができずもどかしいのですが、
見ていて勉強になる部分、感動する箇所がきっとあると思うので、すべての牌譜をご覧になってください!
インターネット麻雀の競技人口は、今、驚くほどの勢いで増え、その増加は今後もしばらく衰えることはないでしょう。
インターネット麻雀のタイトル戦、というのは画期的で時代にあった試みだと思います。
その第1回目の大会である「インターネット麻雀日本選手権2012」では、主催の日本プロ麻雀連盟からの呼びかけに応じてくださった、
「雀龍門」「TAISEN」「ハンゲーム
麻雀4 」「桃色大戦ぱいろん」と、「ロン2」という5つのサイト上で予選が行われました。
今後は、より大きな大会になっていくと思うので、今回参加されなかった皆様も、第2回大会にはぜひ参加してみてください。
(レポート:白河
雪菜)
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