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プロ雀士コラム

まずはじめに、お断りしておかねばならぬ事がある。
このリレーエッセィは、ある者があるものを書き、それを名指しである者に送る。
送られたある者は、一ヶ
月以内にやっぱりあるものを書き、それをある者に送る。
これ、いわば幸福の手紙の麻雀版である。
もちろん、送られた方は幸福どころか不幸の矢を射られたようでたまったものではない。
しかし、こんな読み物が麻雀ファンや仲間の見る楽しみとなれば幸いである。

(ホームページ編集部)

 


第70回:浜上 文吾

はじめまして、こんにちは。
手塚紗掬プロよりバトンを頂きました、九州本部の浜上文吾です。

今回、このような機会を頂き大変光栄に思います。
九州本部のこと。第29期十段戦のことを中心に書きたいと思います。

まずは簡単な自己紹介から。
1976年12月21日生まれ 35歳
九州本部副本部長 18期生 四段 B2リーグ
鹿児島県出身


< 九州本部 >
私は現在、福岡市在住で、九州を中心に競技麻雀の普及活動をしています。
私の所属している九州本部は、2004年4月に設立され、同時に、九州第1期生としてプロデビューをしました。(その時は九州支部として設立)

当時は、九州の競技麻雀人口は少なく、リーグ戦を開催するにも参加者が集まらない、活動場所も限定され苦悩の日々が続きました。
少しでも多くの方に競技麻雀を普及させたいと思った私がとった行動は、
まずプロリーグ(鳳凰戦)に参戦し、そこで見て感じたものを九州で伝えていくということでした。

そして、プロリーグデビュー戦(C3リーグ)を迎えます。
会場に着くと、そこはもう活気のあるこれまでとは違う別空間でした。緊張で手も震えます。
対局内容は全く覚えていませんが、第1節は+115.1Pで首位。そのまま5節、真っ直ぐ攻めて優勝することができました。
それからは、九州に戻るたびに自分の対局のこと、他のリーグのこと、円滑な運営方法等を仲間に伝える日々が続きました。

最初はあまり理解されずに孤独な時期もありましたが、同期で、今回第29期十段戦を共に戦った安東裕允、
そしてジャガー真鍋や北関東副支部長の大川哲哉(当時は九州所属)と、少人数ながらも数多くのこと議論し、
お互いを支え合うことができたことが、少しずつ理解されるようになり、今の九州本部に繋がったのだと思います。

C3リーグを優勝したものの、その後は大事なところで勝ち切れなく残留が続き停滞していました。
ただ1つ、デビュー時から続いていることは、プロリーグやタイトル戦で上京した時には、必ず観戦をしてメモを取り、質問して自分なりに考えることです。
(今でも時間のある限り、A1からD3リーグまで観戦しています)

考えた結果、自分の麻雀を見つめ直し、門前手役重視にスタイルチェンジしていきました。
リーグ戦でも結果が良くなり、長年在籍したC1リーグからB2リーグに昇級を果たしました。
九州に戻り仲間に私の考え方を伝えます。

理解されない部分も多々ありますが、私にとって伝えることができる環境がある九州本部は大きな財産です。
年々在籍人数も増え、現在九州本部には50名弱が在籍しており、競技麻雀を普及させる土台はようやくできたと思っています。
次なる課題は強い選手の育成です。

正直、中央のレベルにはまだまだ程遠いものです。
どうすれば強くなれるのか、未だ私も試行錯誤の毎日ですが、中央での限られた時間の中で、
多くのことを学び、九州本部に持ち帰り全体のレベルアップに繋げて行きたいと思います。


< 第29期十段戦>
私は第12期九州リーグを優勝して、第29期十段戦は五段戦からのシードでした。
五段戦の受付で運営をしていた、第28期十段位の瀬戸熊直樹プロから、

「浜上〜、九州本部の代表枠で五段戦シードだから情けない対局はするなよ!」と・・・

この一言で、気合が入ったのかは定かではありませんが、破竹の快進撃で決勝までコマを進めます。
決勝戦はニコニコ生放送で配信ということで、インタビューからの放送でした。
緊張のあまりインタビューでは何を喋ったのか覚えていません。すぐそこには決勝戦が始まるというのに頭の中は真っ白です。
もちろん目標は優勝ですが、私はこの決勝で今まで自分のやってきた麻雀をすべて出そうという気持ちで対局に臨みました。
第28期十段位の瀬戸熊直樹プロに、自分の力がどれだけ通用するのか戦前からワクワクしていました。


★1回戦(起家から、瀬戸熊・堀内・浜上・仁平)抜け番:安東

開局、瀬戸熊プロの、

このリーチ12,000のアガリを見て、迫力に圧倒されてしまいます。
しかし、自分らしく打とうと言い聞かせチャンスを待つと、東2局1本場に、

 ドラ

このテンパイで即リーチ。
終局間際の16巡目にツモで3,000・6,000。

必ず最初のテンパイはリーチを打つと決めていましたので、かなり感触の良いアガリでしたが、
要所要所で力の差を見せつけられ、その後は原点を割り1回戦は終了しました。
ただ、先ほどまで緊張していた私はどこにいったのか?落ち着いて対局できているとは感じました。
しかしながら、3日間という長いスパンの決勝戦を戦ってみて、ミスも一番多かったのではないかと思います。


★4回戦(起家から、堀内・浜上・安東・瀬戸熊)抜け番:仁平

3回戦終了時
瀬戸熊直樹+27.9P  浜上文吾+15.2P  堀内正人▲8.6P  仁平宣明▲10.3P  安東裕允▲24.2P

この時、得点はこうなっており、瀬戸熊プロ追走一番手に付けていました。
その4回戦南2局4巡目に、

 ドラ

ここにツモでホンイツに移行し打

そしてツモで打の直後に、瀬戸熊プロからドラのを打たれ、これで我慢が効かなくなり、堀内プロの打に仕掛けてテンパイを入れてしまいます。
この、局面を合わせに行った点が最大のミスでした。
でも、今後はこのようにメンタル面で追い込まれても楽をしてはいけない、腰を重くしどっしりと構える、ということをこの十段戦で学ぶことができました。


★11回戦(起家から、浜上・瀬戸熊・仁平・堀内)

東4局の堀内プロの連荘で、置き去りにされた11回戦南1局。
配牌は、

 ドラ

こうで、序盤からツモが効き、結果的には、

残り1枚の待ちの七対子テンパイとなりましたが、堀内プロに早々とドラのを打たれた以上、
ファーストテンパイの待ちのリーチじゃないか?序盤から積極的に仕掛けるべきでは?は仕掛けるべきではないか?等、多くの質問を受ける局となりました。

この時の私の考えは、この十段戦決勝は、門前で仕上がりそうな高打点が見込める手は、ポンテン、チーテン以外は取らないと考えていました。
すべての対局が終了し、瀬戸熊プロの優勝を目の前で見て悔しい思いはしましたが、
予選も含め、私にとって第29期十段戦は、今後の為に良い経験になったのではないかと思います。
来年また、瀬戸熊プロに挑戦できるように、日々訓練して頑張りたいと思います。

拙い文章でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

つぎは、プロクイーン優勝の、安田麻里菜プロにバトンを渡したいと思います。
よろしくお願いします!





執筆:浜上 文吾

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