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プロ雀士コラム

まずはじめに、お断りしておかねばならぬ事がある。
このリレーエッセィは、ある者があるものを書き、それを名指しである者に送る。
送られたある者は、一ヶ月以内にやっぱりあるものを書き、それをある者に送る。
これ、いわば幸福の手紙の麻雀版である。
もちろん、送られた方は幸福どころか不幸の矢を射られたようでたまったものではない。
しかし、こんな読み物が麻雀ファンや仲間の見る楽しみとなれば幸いである。

(ホームページ編集部)

 


第62回:北野 由実


机の上にはPCとワインボトル、ワイングラス。
本日の1本は、イオンで購入したフランス産スパークリングワイン 1580円。
ラベルによると、「柑橘系のアロマを持ち、爽やかな果実味あふれる味わい」ですって。美味しそう。

慎重にコルクを抜く。「ポン」という音が心地いい。
ワイングラスに注ぎ、まず一口。うん、まあまあ。
更に二口、三口。ああ、酒はうまいね。きっと最後までそばにいるであろう、生涯の友。

さて、調子が出てきたところで、3月度のリレーエッセィを始めさせて頂きます。

まずは自己紹介から。
北野由実(きたのゆみ)、プロ6年目の22期生です。
「由実」という字は割と珍しいのか、よく間違った漢字で覚えられたりしますが、このちょっと珍しい感が、本人的には気に入っております。
どうか今日いらっしゃったみなさまには、名前だけでも覚えて帰って頂けると幸いです。

好きな言葉は、「為せば成る 為さねば成らぬ。」
この句の続きは2つあるそうです。

「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
「為せば成る 為さねば成らぬ 成る業(わざ)を 成らぬと捨つる 人のはかなき」

私は後者の方が好きです。
前者が、「出来ないのはお前がやらないせいなんじゃー!あほー!」と怒られている気がするのに対し、
後者は、「出来ないって諦めちゃうこともあるよね、だって人間だもの」という諦めにも似た優しさが感じられるから。
・・・あれ、つまり自分に甘い人間ってことかしら?

おっとグラスが空でした。2杯目。
ちなみにグラスは丸いボルドー型とかいう赤ワイン用。
スパークリングワインなのに、邪道だろって?
だってあの細長いグラスじゃ、ひしゃくで山火事消すようなものじゃないですか。

お酒は、日本酒とワインを主に好みますが、それらがなければ、あるものを飲みます。
違う種類のお酒を飲むちゃんぽんは、基本的に致しません。
だけど上司に勧められれば謹んでお受けします。清く正しい日本のサラリーマンです。
でもちゃんぽんは二日酔いするよね。

・・・酒の話は置いといて。
モットーは、「人生には全て意味がある、無駄なものはない。」
何かに悩んで選択した結果、悪いことや不本意な状況が起こっても、反省はするけど後悔はしません。
きっと回り回って、最後には「あの時ああいう選択をして良かった」と思える日が来ると思っているから。
「まあそんな日もあるよね」と自分に言い聞かせて、次に行きましょう!

3杯目を注ごうとして、つまみを出していないことに気づきました。
今日のつまみはカマンベールチーズ!
チーズおいしいよね。ワインにチーズ!日本酒にもチーズ!

えーと、麻雀の話をしますか。

最近の麻雀界での大きな動きというと、やはりニコニコ生放送で対局を配信する機会が急増したことでしょうか。
私はよくタイトル戦の決勝を観戦しに行ったりしますが、あれ疲れるんですよね。
丸1日、ずーっと立って観戦するから、終わるときには足が棒になっていたりします。
それが、家でPCをつけるだけで見られるのだから、もうものすごい楽です。
しかも全員の手牌状況を見つつ、更にトッププロ達の解説も聞けるなんて、なんという贅沢。
決勝特有の緊張感を肌で感じることが出来なくなったのは残念ですが、それを差し引いても素晴らしい進歩です。
ありがとうニコ生。

もっとも、これからは対局内容が世間の目に晒される機会が増えるということで、これは麻雀プロ達にとって真価を問われる正念場でもあると思います。
一人一人が、何を見せるか、ということを真剣に考えなくてはいけないのでしょうね。

「魅せて勝つ」
これ理想です。これが出来るに越したことはない。
でもそれって、部活でスタメン張りながら成績もトップクラスを維持する、みたいなもので、出来る人には出来るけど、出来ない人には出来ない訳です。
そんな時、どちらを優先するのか?魅せること?勝つこと?

私は昔、「見せようとして負けちゃった」ことがあります。
("魅せる"なんてレベルではないので、あえて"見せる"で・・・。)

4杯目。やはり1人で飲んでいると、後半は味に飽きてくるな・・・。

プロになりたての頃、モンド21の「女流チャレンジカップ」という番組に参加させて頂きました。
女流プロ20人が予選大会を行い、上位4人が決勝として半荘1回勝負を行うというもの。
予選は雀荘で行い、その模様はダイジェストで放送、決勝のみスタジオで対局します。
予選大会の日、私は絶好調で、1位で予選通過しました。それも2位とダブルスコアくらい差をつけての圧勝。
決勝は予選ポイントを半分持ち越して行うので、圧倒的有利な立場で、決勝に駒を進めました。

予選大会が終わって決勝までの間、私は悩みました。どう打つべきか?
持ち越しポイントを考えると、着順条件はあるものの、ラスさえ引かなければ大体優勝できます。
あ、ちなみに優勝すると女流モンド杯に出られます。

みんな優勝を狙って前に出てこざるを得ないので、ツモり合いの展開にならなければ、ラスを回避することは比較的容易に思えました。
ラス回避麻雀を打とうか?

でも。
予選大会はダイジェストでの放送なので、私が持ち越しポイントを持った過程は視聴者の方には分からない。
いきなり出てきた私が逃げの麻雀を打ったとして、それ見ている人は面白いのかな?
トップ取り麻雀を打とうか?

うーん、うーんと悩んだ末、トップを狙う気で臨むことにしました。
それで優勝を逃しても、後悔すまい、と自分に言い聞かせて。
もちろん終盤はポイント差を計算して、優勝できる条件をクリアするよう打つつもりです。
あくまで序盤の構え方の話です。

―――ここで5杯目。最後の1杯になっちゃった。

そう決めたからには、視聴者の方にも、「トップ取る気でいきますよ」ということを宣言したい。
そこで某名作麻雀漫画のセリフを拝借することにしました。
司会者の方に事前打ち合わせで、「『ダントツトップの立場ですが、どう打ちますか』と聞いてください」と頼み、
「リードは守るものじゃなく、広げるものですから」と答えました。

いやー、恥ずかしい(*ノωノ)
「若さはバカさ」とは良く言ったものですね。
自分アホだったなぁ。今自分で書いていても恥ずかしいです。酔わなきゃやってらんないわ。

で、結果は惨敗。
東場でチンイツ2シャンテン(たしか)から生牌の字牌を打って親満に打ち込み、そのまま失点を回復できずにラスで終了。
まあ今考えると、例えトップ取り麻雀であったとしても、あの牌姿から生牌を勝負する必要があったのか?という疑問もあり、
そもそも今より更にレベルが低かった訳なんですが。
更に言うと、トップ取り麻雀を見せた方が面白いに違いない、というのも私見に過ぎず、逃げ麻雀が見たい、という人だっているに決まっている訳なんですが。

そうして、私の最初で最後(になっちゃうのかしら)の女流モンド杯出場チャンスは、夢と消えました。

今でもたまに思います。
もしやり直せたとして、私はどちらを選ぶだろうか。魅せること?勝つこと?
後悔はしていません。
あそこで負けることが、きっと私の人生に意味のあることだったのだと思います。
でももう一度やり直せたとして、私はどちらを選ぶのか、自分でも分かりません。

「魅せて勝つ」
難しいですね。

さて、グラスも空になったことだし、そろそろお開きにいたしましょう。
次のリレー走者は、第2期麻雀グランプリMAXを制した、勝又健志プロです。
オーラス捲り返しての優勝は、「魅せて勝つ」を体現されていましたね。
どんなお話が聞けるのか、とても楽しみです。

それでは、長々と与太話にお付き合い頂き、ありがとうございました。
ここまで読んで下さったみなさまに、今宵素敵な夢が訪れますように。
ごきげんよう。






執筆:北野 由実

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