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プロ雀士コラム

まずはじめに、お断りしておかねばならぬ事がある。
このリレーエッセィは、ある者があるものを書き、それを名指しである者に送る。
送られたある者は、一ヶ月以内にやっぱりあるものを書き、それをある者に送る。
これ、いわば幸福の手紙の麻雀版である。
もちろん、送られた方は幸福どころか不幸の矢を射られたようでたまったものではない。
しかし、こんな読み物が麻雀ファンや仲間の見る楽しみとなれば幸いである。

(ホームページ編集部)

 


第47回:杉浦 勘介


岩井茜プロよりバトンを受け取りました、杉浦勘介です。

毎月楽しみに読ませていただいているリレーエッセィのコーナー。
思いがけなく回ってきた出番に、ライン上並びはしたものの、何から書き始めて良いものか・・・。

陸上のリレー競技ならば、走者の接近を認めて駆け出し、「ハイッ!」という合図と同時にバトンを受け取ったら、
次の走者に向かって一目散、推敲する必要はありません。
しかし、4年近くに渡ってつながれてきたバトンのプレッシャーでしょうか、最初の一歩がなかなか踏み出せません。




最初の一歩

そうはいっても、カラ原稿でバトンを落とすわけにもいきません。
見切り発車にはなりますが、連盟に入会した時のことから書いてみようと思います。

ぼくは20期生として連盟に入会しました。
早いもので、プロテストを受けてから、もう丸々7年が経過していることになります。
志望動機はいろいろあったのですが、今振り返ると、若気の至りとしか思えない、甘い考えだったように思います。
当時まだ学生だったぼくは、これが人生の大部分を限る決断になるなどとは知る由もありませんでした。

筆記、実技、面接のプロテスト、そして、それに続く研修(現在は第三次プロテスト)では、多くの先輩方に大変お世話になりました。
麻雀にのめり込むあまり、学業を半ば放棄した状態だったぼくに、伊藤優考プロは、「大学はしっかり卒業しなさい」と、
親身にアドバイスしてくださいました。
この時期に先輩方からいただいた言葉やアドバイスの数々がなければ、今の自分はなかったと断言できるし、
もしかしたら、道の途中で勝負を投げていたかもしれないと思うと、感謝の言葉もありません。

さて、半年間の研修を終え、C3リーグからのスタートとなったプロリーグの第一歩ですが、それはもう散々なものでした。
第3節までに180ポイント近い負債を抱え、新設となるDリーグへの降級も覚悟しましたが、
後半戦は若さ故の無謀が通ったのか、奇跡的に残留することができました。
それから7年間で昇級3回、亀の歩みではありますが、ようやくBリーグの末席に加わることができました。

一つ残念なのは、同期で入会した仲間が年々減ってきているということ。
現在プロリーグに参加している20期生は全部で17名。
その中でも、東京本部の正規合格者として共に研修を受け、デビューした仲間に限れば、
小松プロ、天音プロ、松岡プロにぼくを含めての、僅か4名を残すのみとなってしまいました。
世知辛い世界に無用の情と笑われるかもしれませんが、いつか必ず労を多とする日がくると信じています。



最大のチャンス

去る9月、ぼくは立志以来最大のチャンスを迎えていました。
第9回野口恭一郎賞の選手に選抜していただいたのです。

野口恭一郎賞は、麻雀博物館の開館を記念すると共に、未来の麻雀界を担う若手棋士を発掘し、
麻雀業界への寄与、発展へとつなげることを目的として創設されています。
そして、「麻雀界の芥川賞」とも言われるように、歴代の受賞者には錚々たる面々が並んでおり、
第4回には滝沢和典プロも受賞されています。

今年で9回目を迎え、9月13・14日と麻雀博物館において開催された野口賞は、
今回から男性・女性両棋士部門に分かれることになり、選抜された各8名から初日で各4名が脱落、
翌日の決勝全4回戦で受賞者を決定するというシステムにて行われました。
さらに、各受賞者には、MONDO TV「麻雀プロリーグ」への出場権が与えられるとのことでした。

タイトルはおろか、決勝の経験さえなかったぼくは、選抜していただいたことに感謝すると同時に、
必ずや結果を出して、この登竜門を突破しようという強い気持ちで臨みました。

しかし、予選を勝ち進み、決勝もほとんど横並びの着順勝負で最終戦を迎えたとき、ぼくの心境は微妙に変化していました。



妙な体験

最終戦開始の合図を控え、外の空気を思い切り吸い込んで会場に戻り、卓の前に立ったとき、
卓上にやわらかい光が差し込んでくるような、幻想的で信じ難い光景が目に入ってきました。
咄嗟のことでわけもわからないまま天井を見上げたのですが、一瞬で消えてしまった光の正体は掴めないまま・・・。
でもなぜかホッとするような、穏やかな感覚が体全体に広がっていったのを覚えています。

そして、不可思議な感覚が覚めやらぬまま視線を落とすと、2日間戦ってきたライバル達の緊張した面持ちがうかがえました。
ふと、自分が勝つために倒すべき相手だったはずの対戦者が、敵だとは思えなくなり、
勝たなければならないはずの最終戦も、負けてもいいんだと思えてくることに気付きました。

着席したときの光景も何だか少し違って、重苦しい雰囲気だった会場の居心地が少しずつ良くなって、
気持ちが楽になってくるように感じました。

もちろん、これは錯覚であって、錯覚を美化して綴るのは非常に心苦しいのですが、
「自分がどうして勝ち得たか?」と自問自答するにあたって、あの忘れられない印象的な光景と、
それに伴う心境の変化が、どうしても無関係だとは思えないので、心にしまっておくのはやめにしました。



チャンタ

決勝戦全50局中・・・ リーチ8回(16%)  フーロ10回(20%)  アガリ8回(16%)  放銃5回(10%)

これは、決勝戦でのぼくの成績ですが、積極性、安定感、バランスと、どの数値を取っても他の対戦者に勝るものはなく、
とくに対局者中最低でもあるアガリ回数の少なさは、短期決戦においては致命的なものだと思います。

このような成績でも接戦に持ち込めた理由を挙げるとすれば、平均アガリ点が高かったこと、
そして平均放銃点が低かったことに集約されると思います。
それに関連して、平均打点を上昇させた2度の満貫のアガリが、どちらもメンゼンでのチャンタ、
しかもリーチをかけて1巡後のツモアガリだったことは、とても印象に残っています。

 リーチ ツモ ドラ

3回戦は、ラス目で後がなくなった南場にこれをアガって2着で終えると、最終戦にも、

 リーチ ツモ ドラ

再度のラス目から、今度は先行リーチに追い付き、直後のツモアガリ。
結局、このアガリが決勝打となって、最終戦で初トップを取り、野口賞を受賞することができました。

それにしても、ただでさえ珍しいチャンタ役が勝負所で連続したことは、とても偶然とは思えませんでした。
比較材料にロン2のデータを調べてみると、チャンタをアガるのは、メンゼンに限ればおよそ1,500局に1回。
野口賞は競技ルールで行われているため、手役の価値も違うし、一発役もないのですが、これが50局に2回、
しかもリーチ後即のツモアガリとなれば、どれだけ稀なことだったかがわかると思います。



「三十にして立つ」

こうして、好運に恵まれたぼくは、MONDO TVの「麻雀プロリーグ 第11回モンド杯」にも出場させていただきました。
まだ放送途中のため、内容に触れられないのが残念ですが、こちらでも大変貴重な経験をさせていただきました。
亀の歩みで進んできた道が、三十路を目前にして、少しずつ変化してきたように思います。

孔子の『論語』に、「三十にして立つ」とありますが、まだまだ未熟なぼくは、自分の基礎や地盤の確立など程遠く、
フラフラのまま二十代最後の師走を迎えて、腑甲斐無い自分を情けなく思うばかりです。

そんな中でただ一つ、プロテストを受験したあの頃と決定的に変わったと思うのは、
麻雀を手段としてではなく目的として考えるようになったということ。
当時、大学や就職から逃げるための手段であり、ときには生活のための手段であったものが、
今は人生の目的であるという覚悟が固まり、麻雀のための何かを模索する日常であるように思います。

こうした覚悟で一歩ずつ進めば、あるいは、兎に追い付くこともあるのでしょうか。
四十の声を聞く頃には、「不惑」とまでは行かずとも、何とか「而立」してありたいと切に願います。

それでは次回、新年のスタートとなりますが、最強位を獲得されました板川和俊プロにお願いしたいと思います。
板川プロ、よろしくお願いします!








執筆:杉浦 勘介

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