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プロ雀士コラム

まずはじめに、お断りしておかねばならぬ事がある。
このリレーエッセィは、ある者があるものを書き、それを名指しである者に送る。
送られたある者は、一ヶ月以内にやっぱりあるものを書き、それをある者に送る。
これ、いわば幸福の手紙の麻雀版である。
もちろん、送られた方は幸福どころか不幸の矢を射られたようでたまったものではない。
しかし、こんな読み物が麻雀ファンや仲間の見る楽しみとなれば幸いである。

(ホームページ編集部)

 


第46回:岩井 茜



「優勝叶わず・・・」


プロクイーン決勝進出が決まってしばらく経ったある日、このリレーエッセィの依頼を頂いた。
締め切りは、プロクイーン決勝後。

特に深い意味はないのかもしれない。
ただ、私には、「優勝してその時の事を書けよ。」と言われているような気がした。

2年前の第6期プロクイーン。私は公式戦初の決勝進出を果たした。
プロ入り3年目、上京してから2年目の事だった。

この時は、優勝したいという想いよりも、決勝に残った嬉しさの方が大きかった。
決勝の舞台で、私は、ただ、麻雀を打っていた。勝ちにいくよりも、恥ずかしくない麻雀をしようと思っていた。
特別に批判される事のないように・・・。

今思うと、なんて勿体無い事をしていたのだろう。
そんな想いで闘った決勝が、いい試合になるはずはなかった。
黒沢プロには圧倒的強さを見せ付けられ、1日目の最終戦、千葉プロと涼崎プロにそれぞれ役満をツモられ、私にはもう優勝は見えていなかった。
2日間を通して、最後まで手を緩めることのなかった黒沢プロが優勝した。

決勝が終わった瞬間、悔しさがこみ上げてきた。
負けたことへの悔しさではなく、何も出来なかった事への悔しさ。
ただ、決勝卓に座って、2日間が過ぎていった事への悔しさ。

もちろん、手を抜いて打っていた訳でも、適当に打っていた訳でもない。
私なりに、一生懸命打った。ただ、その当時の私には、技術も経験もなく、麻雀に幅がなかった。
何かをしたいと思っても、何も出来なかった。


また、決勝を闘いたい。次は、もっといい闘いがしたい。
勝ちたい。優勝したい。


そんな想いを胸に、翌年ベスト16シードで出場、あえなく敗退。
そして今年、2次予選からの出場。予選、ベスト16、ベスト8とすべてギリギリで通過。
また、この舞台に戻ってくることが出来た。やっと、スタートラインに立った気がした。


この2年間で、竹書房主催の野口恭一郎賞、TV対局の第7回女流MONDO杯など、
2回の決勝を経験し、どちらも優勝する事は出来なかったが、これらから得たものは大きかった。

自分の麻雀に対する考えが大きく変わった。2年前の自分とは違う。
麻雀の内容も変わった。確実に2年前より強くなっている。
優勝する自信があった。

初日、1回戦3着、2回戦ラスと幸先悪いスタート。
それまでの私なら、「はぁ」とため息の一つもつきたくなるが、この時は全く悲観的になっていなかった。
まだ先は長い。優勝する人だって、1回や2回ラスを引くだろう。

私は今回、2つの事を自分に課していた。

1つは、手数を多くすること。

もともと守備重視の麻雀を打つ。それは今でも変わっていない。
ただ、門前手役派の守備型は、とかく不利な事が多い。門前でしかも手役重視で手を進めると、どうしても遅くなりがちだ。
その上守備重視となると、他家の動きに対応する為狭く構えがちで、後手を踏めばオリに回る・・・。
なので、多少の打点は犠牲にしても、とにかく先手を取る事を意識した。

今回の決勝戦、抜け番を除く総局数は121局。そのうち、フーロした局が29局。フーロ率は23.9%。
これを多いととるか少ないととるかは人それぞれ。
因みに、2年前の第6期プロクイーンでは、総局数148局。フーロした局が17局で11.4%。

フーロすることがいい事だと言っている訳ではない。門前で手を進める事が必要な事だってある。
ただ、以前の私は、「鳴くべきでないから鳴かない」ではなく、「鳴いた方がいいとの確信がもてないから鳴けない」という状態だった。
自分の意志のもとで鳴かないのではなく、恐怖心から鳴くことが出来ない、という状態。
少なくとも、その恐怖心はこの2年間である程度克服出来たのではないだろうか。

フーロすることは、基本、アガリに向かう意思表明である。
もちろん、途中で路線変更する事もあるが。
ただ座っていただけの2年前とは違い、自分でどうにかしようという気持ちで対局できた様に思う。
惜しむらくはそれが結果に結びついていない点だ。フーロした29局中、アガリとなったのはたったの5局。
ここは今後の課題である。

因みに、先手をとるという事が、必ずしもフーロする事と同義であるとは思っていない。
ただ、わかりやすい1つの基準にはなるだろう。

2つ目は、いつもより多くリーチを打つ事。

私は、リーチが好きではない。なので、当然リーチ回数は極端に少なくなる。
理由は色々あるが、単純にいってしまえば、一般的に思われているほど、リーチの有用性は高くないと思っているからである。
リーチにはメリットデメリットそれぞれある。
現在はメリットの部分がクローズアップされ、デメリットの部分が見ないふりをされている傾向があると感じる。

かといって、自分の今のリーチ基準が正しいと思っている訳でもない。
リーチをかけられない弱さを感じる事も多々あるのだ。
プロクイーンは、一発、裏ドラのあるBルール。いつもは打たないリーチも打って、勝負に行こうと思っていた。

最終12回戦、トータルトップ目の石井あやプロの親番。
私はのノミ手テンパイをした。
マンズが高いうえに、テンパイ気配もある下家の石井阿依プロに対し、無筋の、生牌の、と打って果たしたテンパイ。

正直、今回打ったリーチの中で、一番打ちたくなかったリーチだった。
しかし、ここまでリーチを打ってきた。最終戦、ここで、尻込みしてどうする。
打ちたくない、と思った気持ちを抑えて、リーチを打った。

結果、石井阿依プロのツモ切りおっかけリーチに一発で放銃。
12,000点の痛手を負う。

後悔がなかったとは言わない。
やっぱりリーチは打っちゃダメだったか、とも思った。
(リーチしていないにしても次巡のはツモ切りするので8,000の放銃になってはいるが。)

実際この12,000は、優勝を目指すポイントを考えても致命傷。
望みがなくなった訳ではないが、手を伸ばせば届きそうだった優勝が、100メートルくらい一気に離れていった感じだった。

私の待ちは残り3枚、石井プロのペンも残り3枚。実際には五分の勝負だった訳だ。
結果は私にとって最悪のものとなってしまった。
「あのノミ手のリーチはかけるべきではないよ」と言う人もいれば、「あれは仕方ない」と言う人もいた。
どちらが正解かはわからない。
私は今まで、頑なに前者の立場をとっていたが、簡単にそこに戻る事はしたくない。
次の決勝戦を闘うころには、今よりも正解に近づいていればと思う。


すべての対局が終わり、私は優勝叶わず、3位という成績で第8期プロクイーンが幕を閉じた。

結果にはシビアでありたい。
3位という結果には全く満足していない。

このリレーエッセィも、タイトルホルダーとして書くことが出来なかった。
実は、決勝の前に、もう優勝したつもりで書いて提出しようかと思ったりもした(笑)
さすがにそんな事をしたら怒られるだろうからやめておいたが・・・。
負けた対局のことを書くのは正直苦しい。

だが、今の自分にやれることはすべてやったという充足感もあった。
何より、決勝の2日間、最高に楽しかった。
この経験が出来たのも、たくさんの方に支えられていたからだと思う。
心から感謝したい。


さて、次のエッセィだが、第9回野口恭一郎賞を受賞した、杉浦勘助プロにバトンをお渡ししたいと思う。
杉浦プロ、よろしくお願いします!







執筆:岩井 茜

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