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プロ雀士コラム

第27期鳳凰戦の軌跡 〜道標〜

執筆:瀬戸熊 直樹

 

いよいよ、第28期鳳凰位を決める戦いが目の前に近づいている。
色々な場所で、ありとあらゆる麻雀を見てきたが、正に日本一を決める戦いがそこにはあるはずだ。

それを証明するかのように、日本プロ麻雀連盟では、全20回戦(昨期までは18回戦)を全て生中継する事に踏み切った。
僕を含め4人のファイナリスト達は、連盟だけではなく、麻雀界の看板を背負って、最もレベルの高い魂の込もった闘牌を見せなければいけない。
解説者も観戦記者も大変だと思う。一打一打の意味を、牌を握ってまだ間もない人から、上級者までの人に説明して行かなければならない。

これは、麻雀という競技が世間に認められるかどうかの一大プロジェクトにも感じる。
その中の1人として参加できる僕は、責務に押しつぶされそうだ。

しかし、裏を返せば、自分が好きで歩んできた道に対する最高の恩返しを出来る場所でもあるのだ。
僕にとっては、絶対に譲れない場所でもあるわけだが、そこに反比例するかのように自然体になって行かなければならない。
このバランスを保つのが何より難しい。

対戦相手は、荒正義プロ(第8期鳳凰位)、望月雅継プロ(第23期鳳凰位)、右田勇一郎プロ。

それぞれのプロに対する想いを書き示すと、
荒さんとの対戦は、正にプロ入りからの悲願だったと言ってもいい。
過去に、プロリーグやグランプリ決勝、その他大小合わせると何度も同卓させてもらい対局してきたが、
鳳凰位決定戦は、あの、“荒正義”が死にもの狂いで戦う場所なのだ。

荒さんの恐さ、強さは嫌という程分っている。だからこそ、1人の麻雀打ちとして戦える事を光栄に思う。
お互いの年齢的にも、ここ数年が最初で最後の、本当の意味での生死をかけた戦いが出来るチャンスだと思う。
荒さんをもってしても、この決定戦の戦いは、精神的にも肉体的にもそれ程消耗する戦いなのだ。

40代の僕でも決定戦期間中に、5堋体重が落ちる。
よく食べてよく寝て万全の体調で臨んでもだ。
「荒さんだったら、敗れてもいいじゃん」という自分がいると同時に、
「荒さんに僕が負けるという事は、連盟の中堅プロ達はまだまだだ」という、時代を逆行させる事にもなりかねない。

もちろん、技術や経験はまだまだ遠く及ばない。でもこの場所だけは、僕は負けてはいけない。
僕には次の世代へバトンを繋げる役目がある。それは、僕がバトンを先輩達から引き継いだ時のように。
荒さんには、今僕が持てる力全てをぶつけようと思う。そして超えてみたい。ずっと追いかけてきた背中を。


望月プロとは、連盟の門を同時期に叩いた。
A1リーグや決定戦には僕の方が早くたどり着いた。でも鳳凰位には彼が早くたどり着く。
史上最年少で鳳凰位になった彼を会場の隅で見守っていた。

素直な感想は「スゲーなあ。どんな気持ちなんだろう。僕もあの優勝カップを掴む寸前まで行っていたんだけどなあ。いいなぁ・・・」
と、子供が他の子のおもちゃを欲しがるような気持ちになっていたのを思い出す。

望月さんの凄さは、麻雀への情熱に他ならない。静岡から、大会の時はもちろん、勉強会にも上京し顔を出す。
彼が若くして自分の店を出した時、心底凄いと思った。その行動力と真摯な姿勢があったからこそ、彼は最年少で鳳凰位になったのだ。
多分、年齢的にも、鳳凰戦の過酷な戦いを乗り切るであろう体力。一度は頂点に立った事のある経験。
僕は最大の警戒をしなければいけない。それ程の強敵である。


そして、最後のイスに座ったのは、右田プロ。
この「鳳凰の部屋」の第1回コラムに出てきた悲運の主人公である。

この何年かで、右田プロは本当に強くなった。彼もまた、麻雀に全てを注いで来たのだと思う。
あの前原プロに、「右田は研究、努力しているよ。」と言わしめた人物である。

先日の女流桜花で、魚谷プロが栄光を掴んだように、僕が初挑戦で、優勝目前まで行ったように、初の大舞台は不思議な力が後押ししてくれる。
何より僕が注意しなくてはならないのは、彼のモチベーションの高さと気迫だ。
彼の経験してきた、ここ何年かのA1リーグでの対局は、それまで彼が打ってきた麻雀を、全て合わせても足りないくらいの経験値となっているはずだ。


素晴らしい対戦相手を前にして、ようやく決定戦の近さを知る。
鳳凰位でなくなった自分を想像する。
「また一から頑張れるのだろうか?」
「また返り咲ける日は来るのだろうか?」

そんな自分に嫌気がさして、思い出す。
「僕はいつだって挑戦者でいなければいけない。確かに今回もディフェンディングの立場であるけど、既に3連覇した方もいるじゃないか。
そして、前人未到の4連覇という目標だってある。だから、今回もチャンレンジ精神だけは絶対に忘れてはならない」

動画配信では、何万人かの人が放送を見るはずだ。多くの人に見てもらいたいと思う。
一番見て欲しいのは、僕より下の世代の鳳凰位を目指している人々である。時間の許す限り見て欲しい。

荒プロも望月プロも右田プロもそして僕も、命をかけて戦うだろう。自分の全てをさらけ出して。
君たちに伝えたい。この戦いのレベルに、プロ連盟のプロ全員が近づいたならば、きっと麻雀プロは世間から認知されるだろう。

マナーや人としての在り方も大事である。でも、麻雀プロが最も大事なのは「麻雀の強さ」だと思う。
必ず決定戦の4人は、君たちに「道標」を見せる。だから目に焼き付けて伝えていって欲しい。「麻雀の素晴らしさ」を。


正直、戦いの場に行くのは恐い。
客観的に見ると、あの場所で戦える自分は幸せ者なのだろう。
獲った達成感は何とも言えない。それを知っていても、何度やっても、まだ「楽しむ」という境地には行けずにいる。
僕もまだ「道の途中」なのだ。

何度も言うように、僕は本当にちっぽけな人間です。
この世に生を受けて41年。自分の生きたいように生きてきてしまった。
多くの人に迷惑をかけ、傷つけてきたかもしれません。世の為、人の為になる事をあまりした記憶もない、情けない人間です。
そんな僕が麻雀だけは、1人前に人様にお見せするぐらいにはなりました。
だから、せめてもの恩返しの意味も込めて、一生懸命打ちます。

もし、1人でも「生きる希望」や「明日への活力」を感じてくれれば、うれしく思います。
いつもワンパターンですが、「魂」を込めて、一打一打、打ち切ります。

そして、僕を応援してくれている全ての人に、「精一杯やりました」と言えるよう行って参ります。

ご愛読ありがとうございました。

2012年冬:瀬戸熊直樹

 






執筆:瀬戸熊 直樹

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