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プロ雀士コラム

麻雀で勝つということは

執筆:山井 弘



今から4年半前、望月プロが第23期鳳凰位を獲得した同日、私は、他団体のタイトル戦の決勝で戦っていた。

何故かは今もまったく分からないが、この時私は自分に勢いを感じていた。
そのタイトル戦の予選に出ても、どこか負ける気がせず決勝まで行けるような気がしていた。
もちろん、自分は強いとか実力があるとか、そんなことを思っていたわけではない。
ただなんとなく、落ち着いていたというか、どんな窮地に立たされても、逆転できるような気がしてならなかった。

そして、プロになって始めての決勝進出を果たした。しかし結果は準優勝。
準優勝というのは、3位や4位と同じで“負け”ということである。
応援にきてくれた後輩達は、私の敗北に皆涙していた。

麻雀で“勝つ”ということは優勝以外、意味はない。と、この時はそう思っていた。
悔しい・・勝ちたかった・・と。


時は流れ、その間に決勝へは2回進んだが、第12期チャンピオンズリーグでは4位。
第32期王位戦では3位と、初優勝への思いは届かなかった。
その王位戦でのある出来事が、今回のチャンピオンズリーグ優勝の要因の1つになったのではないかと思う。

その出来事とは、4回戦を終え抜け番を迎えた時のことである。
3回戦が終わって首位に立っていた私は、4回戦で痛恨のラスを引いて厳しい状況となっていた。
そして抜け番を迎え、会場の片隅に腰を下ろして、残り2戦をどう戦おうかと考えていた時のことであった。

そこに、1通のメールが届いた。

「抜け番の時は1人でいたほうがいい。誰とも会話はしないほうがいい。」

記憶ではもう少し丁寧な文章で、私に気を使った文章だったように思う。
そのメールの送り主は前原雄大だった。

しかしその時私は、せっかくもらった前原さんのアドバイスを聞かず、会場に残ってしまった。
敗戦後、このアドバイスをどうして聞かなかったのかを悔やんだ。
もちろん、アドバイス通りにしていたら勝てたかどうかなんて分からない。

それにしても、何故私はこのアドバイスを聞かなかったのだろう。
今考えると、当時はどこか照れくさいという感情があったのかもしれない。
真剣に取り組んでいる姿勢を見られるのが。

誰とも会話もせず、自分の世界に浸っているように思われるのも嫌だった。
そうしなくとも勝てるところを見せたかったのかもしれない。
今思えば、ただ強がっていただけだったように思う。


その後、スタイルチェンジのため試行錯誤していたこともあり、しばらく決勝への舞台へ上がることはなかった。
しかし今年7月頃から、あの時の、4年半前の感覚がよみがえってきていた。
本当に何故かは分からないが、あまり負ける気がせず勢いを感じていた。

昔は1年に何日か、今日は絶対勝てるという日があった。そして、その日は絶対に勝った。
最近は、年に1度来ることもなくなったが、この時の感覚はそれに近いものがあった。
もしかしたら、ただの思い込みかもしれない。

そして、久しぶりにチャンピオンズリーグの決勝の舞台へ立つことができた。
予選は本当にギリギリの戦いばかりで、楽な戦いは1つもなかった。
ツキも味方して決勝に残れたことに、やはり勢いを感じた。

決勝へは、王位戦でのことを省みて、人にどう思われようと構わないから、ただ集中力を高め、自分の最高の力が発揮できるよう臨んだ。
だから、会場に足を踏み入れた瞬間、自分の世界へとスーッと入っていった。
誰も寄せ付けないようなオーラを発しながら集中力を高める私に、誰一人として話しかける者はいなかった。

試合中の休憩時間も、私は1人集中力を高める作業を繰り返していた。
それにしても、この時私は何を考えていたのだろうと、今ふっと考えてみる。

戦略的なことなどは、何も考えていなかった。ただ、麻雀で勝つということはどういうことだろうと考えていた。
内容が悪くても勝つか、内容がよければ負けてもいいか。もちろん、内容がよくて勝てるのが理想ではある。
そんなことを考えていた。

「手を作ってテンパイまで持って行くのはその人の力。それがアガれるかどうかは運だよ」

その時フッと、森山さんに言われたこの言葉を思い出していた。
この言葉の意味を考えたら“いい麻雀”というフレーズが、私の頭の中を駆け巡った。
いい麻雀を打てば、それは勝ちと一緒。それで、結果がどうでるかは、後は運次第。

そう考えていると、初めて決勝に残った時のような、“勝ちたい”という、私の中の気持ちが小さくなっていくように感じた。
そして、その気持ちは“いい麻雀を打ちたい”に変わっていった。

自分の気持ちが「いい麻雀を打ちたい」に変化して行ったことで、「勝ちたい」という願望を抑え、
自分の状態を客観的に「勝てる」と捉えることができるようになったのだと思う。
ようは、自分に対して自然になれたということだ。

こうして、プロ14年目にしてようやく初優勝することができた。


何年か前は、優勝以外は“負け”と思っていた。
しかし今は、いい麻雀を打てば“勝ち”と思えるようになった。
もちろん、これで満足している分けではないし、これからももっと一杯タイトルも取りたいと思っている。

だけど、タイトルを取る=勝つということではなく、これはまったくの別物だと考える。
これから何度、決勝の舞台、いや、決勝に限らず、多くの麻雀ファンの方々に見てもらえるか分からないが、
“いい麻雀”=“勝ち”と思い、それを貫き通して行きたいと思う。


そう言えば4年半前、私に「準優勝おめでとうございます」と言ってくれた後輩がいた。
その時は、何も答えることができなかったが、今ならこう答えるだろう。

「ありがとう。あなたにとっていい 麻雀でしたか?」と。


                                  


執筆:山井 弘

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