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プロ雀士コラム

第26期鳳凰戦を振り返って

執筆:瀬戸熊 直樹

 

決定戦出場が決まってから、本番までの半月少しだけ悩んでいた。

「いかに戦うか」

ディフェンディングは前原雄大プロ、前年度鳳凰位、十段位、グランプリと3つのビッグタイトルを獲得。
その強さは僕が一番肌で感じており、前原プロに勝つイメージがまったく湧いてこない。

そして、板川和俊プロ。近年何度も決勝の舞台で前原プロと対戦。
肉薄した戦いぶりから、充実ぶりがうかがえる。

次に、柴田弘幸プロ、2年連続の決定戦進出であり、リーグ戦の安定から急成長を感じる。

この3人を相手に、どう戦えば勝利する事が出来るのだろうか。
さまざまな気持ちの持ちよう、戦い方をイメージしては、なにかしっくりこず壊し、イメージし、壊すを繰り返す。
そうしても最後のピースが埋まらない。

「軸」となる考え方が欲しい。

プロ連盟に入会してから、出会ったさまざまな場面、人の言葉を思い出しながら、何かないかと考えを巡らせる。
そして、ある人の言葉を思い出す。
ここ数年、森山茂和プロに口を酸っぱく教えられてきた事。

「麻雀は結果よりも内容だ!」

この一言を思い出す。ついに「軸」となる戦い方が見つかる。
3日間に渡る全18回戦。
小手先の麻雀をやめ、常に流れを意識しながら、相手の体勢、自分との距離感、状況、状態、場況を加味しながら一打を打つ。
そして、この事から柱となる戦略は2つ。


(1)フラットな状態において、遠く安い仕掛けはしない。

例えば、子方で、

 ドラ

このようなポンシャンテンを、なんの意図もない状況では、ポンをしない。(2枚目もふかす)



(2)打たなければいけないリーチは打つ。

競技ルールにおいて、役なしリャンメンの先行リーチは、あまり行く気がしない人も多いと思う。
しかし、この3日間は先行リャンメンの役なしでも、流れが自分にある以上打つ事とした。

この2点を徹底させた上で、プロらしく、内容にこだわった麻雀を打ち切る事を誓った。
3日間の一打一打、一局一局、半荘半荘を線でつなげて、「鳳凰」の称号を点で獲るために。



初日、戦いに上手く入り込めない自分がいた。
何度も心が折れそうになったが、過去のさまざまな出来事を思い出し、そしてこの戦いを汚さない為に、歯を食いしばり耐えた。

2日目、初戦に全てをかけた。目指すはトップ。しかしラスでもいいと考えていた。
中途半端な攻めや守りでの2着、3着なら後がないくらいで臨んだ。
結果は、運良くトップで終え、終日ツキにも恵まれ、その日だけで100ポイントオーバー。
トータルトップに躍り出る。

しかし、これからが本当の試練の始まりだった。
2日目を終えて、夜寝付けない。身体と神経は疲れ果てているのに、眠れない。
大きくリードを奪い、鳳凰位のプレッシャーに押しつぶされそうになる。

また答えを探していた。どんな気持ちを持って、最終日をむかえ、あのステージでどう振舞えばよいのか。
ほぼ寝てない状態で朝を迎える。体力勝負と分かっていたのに。

朝、会場に向かう電車で窓の外をぼんやり見ながら考えていた。

「会場に着かなければいいのに。後、半日もすれば、喜んでいる自分か、途方に暮れている自分がいる」

この辺りからようやく気持ちの整理がつきだす。一つの事を心に刻み込んだ。

「自分の麻雀の腕を信じよう」

何のとりえもないし、人に誇れる事はないけれど、麻雀に費やした時間と、長年磨いた麻雀の腕だけは、
鳳凰位を獲ってもおかしくないくらいにはなっているはずだと。

3日目、半荘6回戦が長かった。本当に苦しくて、楽しんでいる余裕など全く無かった。守る怖さを痛感させられた。
切るべき牌を切るのが、コンマ何秒か遅れてきている。逃げ出したい気持ちで一杯だった。
藤原プロに教わった「守る麻雀」を必死に思い出しながら打った。

終った瞬間、前原プロから右手が差し出された。その手は暖かく大きかった。
その時、「やっと終ったんだ」と思えて、ふいに涙が溢れてきた。

後日、前原プロからかけられた言葉は、その通りだなと思える。

「ここは、あくまでスタートだよ。鳳凰位としての責任と重みを感じながら、これから日々精進して欲しい。」

荒プロもおっしゃっていた。

「鳳凰位は特別なんだよ」と。

約2ヶ月が過ぎ、その重みを日々感じている。
対局において気持ちが、「私」から「公」に変わり始めている。プロ連盟に入って良かったなと思う。
多くの強い先輩たちに鍛えられ、教えられ、少しずつ階段を登って来た。
僕は不器用だけど、素直に人の意見を聞けた事が、最大の武器だったのかなとも思う。
そして、多くの人々に感謝の気持ちを忘れずに、これからもさらなる高みを目指して行きたいと思う。





「鳳凰位を目指す後輩達へ」

人に物事を教えるのは、苦手だけれど、一応、頂点を取った人間として参考になればと思い、ここに書き記します。

まず、プロリーグでのモチベーションをいかに高く持つか。
今回、僕自身、最終節の最終戦のラス前、絶望的な所から役満ツモで決定戦に進出したが、
本来、力のある人間は、もっと安定してポイントを積み重ねるものだと思う。
そういった意味では、まだまだである。

要は、いかに各節の積み重ねが大事かということである。
よく、最終節で「4連勝すれば」とか「100ポイント浮けば」などと言う話を聞くが、この考えは捨てた方がいい。
プロリーグは、月1回開催の半年または1年間のサイクルで行われる。
毎回体調を整え、心を充実させ対局に望む事が大事になってくる。

では、どうすれば高いモチベーションを維持できるか。
僕自身の経験から言えば、明確な目標を持つこと。それも、目標が大きいほどいいと思う。
僕は、「鳳凰位を獲る」という事を、十年以上、思い続けてやってきた。連盟に入った当初からである。
当時の腕で、そう思っていた事を今考えると、顔から火が出そうになる程恥ずかしい。
でも、リーグ戦ではいつも目標をそこに置いて戦っていた。
そうすると、昇級するのが当たり前のことになり、ましてや降級は麻雀をやめたほうがいいのではとなる。
そうする事で、自分を追い込んだ。

次に、モチベーションとセンスだけの限界が訪れる。
僕にとっては、A2リーグの時がそうだった。そこで、真剣に麻雀と向き合う事にした。
毎回、自分の弱点を冷静に分析して、そこを克服することに努めた。色んな人の麻雀を勉強したし、研究もした。
そして、自分の弱い所は、素直に受け入れ矯正していった。

下位リーグの人達が、上位リーグの人達に麻雀の質問をしている場面に遭遇する。

「こういう時は、どうしたらいいですか?」
「どうしたら勝てますか?」

こう言った質問をよく耳にする。聞かれた方は、その人にあったアドバイスをしている。
聞いている方も「はい。分かりました。」と答える。

後日、その下位リーグの人は、また同じ過ちをしている。これではいけない。
麻雀が強くなりたい、上手くなりたいと真剣に考えるなら、駄目な部分は自分を曲げてでも、直すべきである。
悔しい思いを二度としたくないなら。

多くの先輩が僕を鍛えてくれたのは、連盟を大切にしているからだ。
だから、僕も若い人達にもっと強くなってもらいたいし、頑張ってほしい。

僕も、もっともっと頑張るからさ。









執筆:瀬戸熊 直樹

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