日本プロ麻雀連盟
第2回ロン2カップ
日本プロ麻雀連盟HOME 日本プロ麻雀連盟のご案内 牌譜データサービス ロン2のご案内 タイトル戦のご案内 インフォメーション プロ雀士情報 雀力アップ
ホームプロ雀士コラム >アイアムアイ

プロ雀士コラム

アイアムアイ

 



もう25年ほど遠い昔、阿佐田哲也さんの仕事のお手伝いをさせていただいたことがあった。

お手伝いと言っても、先生が麻雀の自戦記を書かれるために、私は牌譜通りに山を作るだけの簡単な作業であった。

先生は私の作った4人分の山を各自の立場に立ってツモり河に捨てる行為を繰り返しながら、時折その手をとめ眼を伏せながら深いため息をついていらっしゃった。


何に対して深いため息をつかれたのか。

それは先生ご自身の麻雀に対してなのか、他者三人に対してなのか、もしくは、ご自身自身を含めた4人のレベルにたいしてなのかは、わからないことだった。

半荘1回に要する時間は2時間を軽く超えていたように思える。

しかし、その時間は決して退屈な時間ではなく、とても濃密な時間であった。


麻雀プロの存在たらしめるものはプロセスである。

そんな内容の言葉と、帰り際、


 また一緒に麻雀の勉強をしましょう。


その言葉にどういう返事も返せなかったどうしょうもない、若くて愚かな自分がいたことだけは、はっきりと覚えている。





■プロセスが打牌を選ぶ


昨年、ツキだけに恵まれ十段位をとったあと、一か月ほど牌譜にはまり込んだ。
約100局の中に少なくとも1000以上のミスを見つけ、絶望的な気持ちになった。

特に二日目は大量のリ−ドを守ろうとして、戦う姿勢にまるでなってない。
例えば1局面から見れば間違っていない打牌かもしれないが、大局から観ればあきらかなミスなのである。
1局1局を丁寧に打つことは大事なことであるが、その局面に拘り過ぎ、その丁寧な打牌が悪手となり、その後に手牌が死んでしまうことはよくあることである。

親番7巡目

 ドラ 

例えばこの手牌、フラットな局面であれば以外は動かない。勿論が出てくるということ自体フラットな局面ではないのだが。

好調を意識している時はだけは動く。

絶好調を意識している時はも動かない。
絶不調を意識しているときは同様に動かない。
動かずに、ひたすらオリ続ける。

この考え方が正しいかどうかは別として、私自身はそうやって麻雀に関わって生きてきた。

昨年の十段戦は、そういう意味ではどうしょうもない麻雀だった。

不調者のリーチに好調である自分が無意味にオリていた。

そして、自分で自分自身の麻雀を悪くしていった。





■そしてそれから

何が悪いかはよくわかったが、問題はどうすべきか?
体力、集中力、動体視力が落ちているのは年齢的にもどうしょうもない部分である。

まず、体重を10キロほど落とした。

それから、麻雀は三人麻雀とAルールを主体に変えていった。

三人麻雀は一人人数が少ない分、紛れが少なく運という曖昧模糊としたものを取り込む稽古になると考えたからである。

ミスを犯すと覿面に麻雀そのものがプレーヤーを咎めてくれるところが気に入ってる。

北抜きサンマも考えたが、これは相手が揃わず断念。
本当はドラゴンボールの精神と時の部屋のような麻雀で、こちらの方がいい気もしたのだが。


それでも王位戦はいいシードをいただきながら決勝にも残ることができず、プロリーグに至っては最終戦スタート時点ではトータル2位につけながらもおわってみれば次点。

マスターズは予選で、割と得意と思っているトーナメント形式でありながらも敗退。

結果も悪いが内容が話にもならないほどで、さすがに自分自身が許せなくなり、その日から禁酒。




7月に入り、友人の医者の勧めで健康診断を受ける。

__残念ながらこのままで行くとあと50年はいきそうですね。

そう言われ、瞬間嬉しくもあったが、正直複雑な心境になった。

それでも次の日から自転車を購入して雀荘に元気よく向かう。
道中を間違え45分かかりヘタバリ麻雀にならず、雨が降り出したことを言い訳にして、帰りはタクシー。

まったくどうしょうもない男である。

ヒサトからフットサルを誘われるが、即座に断りあきれ果てられる。

年の離れた友人たちから毎日のように電話やメールが入る。

__調整は進んでいますか?

__今週のぼくの空いてる曜日です。

__今、仕事が終わりました。名古屋駅にいますから東京には00時に着きます。

__何時だと思ってるんですか?もう昼近い時間です。2時に待ってます。メンバーは揃えておきましたから。

皆表現はそれぞれ違うのだが、ありがたいことではある。

http://ameblo.jp/northavenue/entry-10137546023.html
http://ameblo.jp/northavenue/entry-10137977228.html





■観戦が一番

八月に入り、打つ回数は減らし、観戦を主体にしていった。

次の局誰がアガるか予想していくものである。
簡単に記せば、アガリ番の予知である。形勢、体勢の読みの訓練ということである。

麻雀を点棒のやりとりとしか思えない者は永遠に弱者だと私は考える。

どこが勝負か捉えられなければならないのだが、公式を自分なりに創っていくのがむつかしい。

観戦は俯瞰の心でみられる分、実際にプレイするよりはわかりやすい。

それと、ロン2の牌譜再生を相当量やった。

自分自身のいい部分、悪い部分すべてさらけ出してくれる。

朝、起きて、まずパソコンを開きロン2を眺める。

昼過ぎには若い友人たちの麻雀を観戦に行く。それの繰り返しの日々であった。

毎週木曜のスパルタ会は若い打ち手の生の声を聞けるのが嬉しい。
結構新しい発見、考え方を学んだ。

私だけでなく沢崎さんあたりもここしばらく良績をのこしているのはスパルタ会による処は決して少なくないと思う。




ある日、滝沢和典君、山井弘君、岡田茂君とAルールを18回ほどやっている最中に、わざわざ名古屋からやってきた石田純平君が後ろで観戦したあとに言ってくれた。

__どう好意的にみても前原さんの麻雀の序盤としては得心がいかないのですが・・・

控え目に言葉を選んで言ってくれた分だけ、その言葉は重かった。

滝沢君に尋ねたところ

__昨日よりはいいと思います。

そういう返事が返ってきた。

__3人麻雀の悪影響だな。

私たちくらいのキャリアになると、どうしても経済コースを選びたくなる。

競馬に例えるならば、馬混みを嫌い一見安全そうなコースを選びたくなるものである。

そうならないために3人麻雀でできるだけ前にでる稽古をしたわけだが、やはり弊害はあるもので、手組の仕方が歪になっていたのだろう。

麻雀は序盤が構想力を含め一番ちからがでる部分である。

ツモってきた牌の意味を最も考えねばならないところでもある。

そこをいい加減に考えていると、プロとしての麻雀は成り立たなくなる。

スパルタ会でも、ニュアンスは違うが、勝又健志君に同様のことを言われた。

三人麻雀はその日を限りにやめた。反路調教を終えたようなものである。

それでも、やはり、決勝の舞台では一度でている。







 ツモ

6巡目、この手牌からを打ち出している。

これは自分のことだから書きやすいが、私見としては、麻雀プロとしては駄目である。

少なくとも私の友人達は、誰もこのは打たないように思う。



配牌をご覧になればわかるように、ツモは全く伸びていない。

そこにツモってきたのは生牌のである。

ツモった牌の意味は、この局は止めろということだと思う。

それでも往きたいのならば、打だろう。

を切るからが来る。

それでも、懲りずにツモ切っている。

麻雀は本当に正直なゲームである。


麻雀プロの存在たらしめるものはプロセスである。


阿佐田哲也さんの溜息の意味がわかるような譜である。





■アイアムアイ


最後にもう1局。





普段から私は、タイトルを取る為に麻雀を打っているわけではないと言っている。

十段位に、勝つことだけにこだわるならば、ポイント差から考えてヤミテンが至当だろう。

うまい表現はできないが、常に稽古通りの麻雀を打ち続けていきたいということである。

このことは私たちの世界に限ったことではなく、どの世界も同じだと思う。

稽古以上のものは舞台で演じれるわけではない。

この半荘、この打ち込みでラスをひいた。

どうしょうもないな__

そう思いながら、苦笑混じりに独り溜息をつきながら牌を並べてみた。

でも、もう一方で、自分らしいな、とも思う。

たぶん麻雀と関わっていくということは、生きるということに近い。

今までがそうであったように、これからも。

それならば、どこまで行っても、アイ、アム、アイで行こうということなんだろう。





■ いつも遅れて咲く花 神の白い花





これは、何回目かに阿佐田先生邸に行った時いただいた色紙であるが、私の母親宛てになっているのは、私より先に先生のファンだったため。

いただいたときに、

__これはあなたへの言葉でもある。

そんなことをおっしゃられていたが、多くを語る方ではなく、こちらも若く、愚かで意味を尋ねなかった。
伺っておけばよかったと、今はそう思う。

何をさせても、つくづく私は遅すぎる。








文責:前原 雄大(執筆:2008年9月24日)

ページトップ
麻雀格闘倶楽部 好評稼働中!
GyaOバナー白
ALRAN
近代麻雀2
モンド21麻雀プロリーグ
麻雀格闘部呂倶
日本プロ麻雀連盟メールマガジン
トップページ牌画の利用について引用・リンクについて広告についてよくあるご質問お問い合わせサイトマップ
日本プロ麻雀連盟
Copyright 1997-2010 Japan Professional Mahjong League. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
ma-jan.or.jpの記事・写真等の無断転載はお断りします。