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on your mark

 


手牌の先にあるもの

__前原さん、麻雀の強さとはなんでしょうか?
__わたしは強さというものをあまり信じていないんだ。
__もし麻雀に真理が存在するならばそこに向かって行きたいんです。


石田純平君と会えば、いつもそういった類の話が延々と続く。
それだけで済まず、電話で数時間麻雀の話をすることも珍しくはない。



初めて会ったのはもう5・6年前だっただろうか。
名古屋で古川孝次さんに、
「競技会をやりたいのだけども、ノウハウがわからないので手伝ってもらえないか」
というくだりを受けて、半年間であればということで手伝わせていただいた。

その折に、たった半荘1回ではあったが、打ち筋に鋭い輝きを持った少年がいた。
アガリ形と河のバランスが異質だったことが印象に残った。
しかし、その少年は再びその集まりに加わることはなく、私もいつか記憶の彼方になっていた。



それから二年後、わたしが当時のホームグラウンドにしていた雀荘に異形の若い打ち手が現れた。
一目見た瞬間に、名古屋で逢った少年に違いないと思ったほど、若者はかつての面影を留めていた。

 ツモ ドラ 

東1局9巡目親番である。対面がを動いて打

親番の若者は、少考後に打とした。

状況はどれも通ってない牌であり、確かに対面の仕掛けは聴牌の可能性は高いが、絶対ではない。

その後カンが埋まり、ヤミテンのまま彼はを手元に引き寄せた。

 ツモ

ちなみに対面の手牌は、

 ポン

彼は、後ろで観戦していた私に尋ねた。

__弱い打ち筋ですかね?
__いや、頭では理解できるけど、そのカタチで麻雀とかかわっていくのは困難な道だよ。
__わかってはいるのですが。もっと簡単な道があることも、もっと簡単な勝つ方法があることも。

そう言って、若者は口を閉ざした。

わたしは何もこたえなかったが、わたしなら打とするように思える局面だった。
結果は同じだろうが、打と打はまるで違うものなのである。
勝ち負けという部分ではなく、麻雀に対する姿勢であり誠実さが違うのである。

それは、どこまで自分の読みと自分自身を信じきれるかという問いに近い。

__もしかして名古屋で逢ってない?
__ええ、一度だけ対面に前原さんがいて、打たせていただきました。

やはり、記憶力もいい。
間もなくして連盟を受験したが、その年は身内の不幸と重なり、受験票は出したものの一年見送った。

プロ試験の数日後、石田君と会った時に尋ねた。
__来年はどうするの?
__もちろん受験しますし、もう準備に取りかかっています。

そう答えた若者は、間もなくロン2のレーティング2.000を超えた。



そして一年後、日本プロ麻雀連盟に入会した。

石田君の麻雀は独学だったのだろうと思う。
本人も語らないが、相当な量と質の独学をこなした麻雀だと思う。
その分だけ、欠落した部分もある。

わたしが懸念したのは、観戦の量に思えてならなかった。
昨年度の鳳凰戦、周囲の反発を覚悟して、彼に採譜をお願いした。
はっきり言えば、わたしの我儘である。
ただ日本プロ麻雀連盟の質を向上させるためには、若い可能性を持った打ち手を育てねばならない。

城はひとなり、という言葉がある。
城格を保つためには器も数も大切ではあるが、精鋭も必要である。
組織の将来を考えたならば、人材の育成は大切だと信じている。

わたしは鳳凰戦に敗れた。失ったものはけっして少なくはない。
しかし、得たものもある。
それは再度麻雀に立ち向かう情熱であり、戦う姿勢を日々の中から創り出さねばならないという意識である。

そして石田君にとっては、なぜ前原は負けたのかを何処までも考え続けてもらうこと、それこそが一番得たものだろうと思っている。

もちろん、この事に関しては石田君だけに限ったことではないが。




姿勢とは

春を迎えたころ、石田君とは随分長い時間打ち続けた。

その日も二日ほど打ち続け、スパルタ会の時間が迫ってきていた。

__前原さん、30分時間をください。

そう言ってどこかへ出かけ、スーツで現れた。
ガムテープでズボンの裾を合わせていた。

__そこまでしなくてもいいんじゃない。

__自分はスパルタ会に麻雀を学びにいくのですから、、、。

出来そうで出来ないことではある。

今年の研修会で服装なども注意したりするのだが、やはりそこには、その人たちには学ぶ姿勢が別の部分でも見えて来ない。

わたしもあまり人のことは言えるような男ではないことはわかってはいるのだが。

今年、日本プロ麻雀連盟の受験に際し、13人の推薦をお断りしている。
それは、その人のしあわせも考えたからである。

石田君と麻雀をしている時、わたしがヤミテンでツモアガリをした時があった。

まあ遊びの場でもあったためだろう。
わたしの河とアガッた牌を拾い集めこう言った。

__前原さんの3シャンテンの手牌はこのカタチでしたか?

3シャンテン形を復元したのである。

これには正直驚かされた。
ここまで若い芽たちは育っているんだな。
嬉しくもあったし、わたしには出来ないことではあるが、
別なカタチで自分自身を大きくさせねばと強く感じたことは覚えているし、そういう関係は大切だと思っている。

石田君ほどの棋力は求めないにしても、これからは色んな才を持った打ち手が現れるだろう。

13人のお断りした方には申し訳ない気もしたが、推薦するということはある程度責任も持たされるし、こちら側もある程度の言葉も言いたくなくても言わねばならないということに他ならない。

先日ロン2の名古屋感謝祭で石田君が優勝した。

__少しは嬉しいのか?

__まあ嬉しいですが、まだ始まったばかりですから。

まあそうなんだろうな。

__もし麻雀に真理が存在するならばそこに向かって行きたいんです。

そこを目指す石田君ならば、始まったばかりなんだろう。

それにしても険しい道を選んだものである。

大抵の人は、限界と感じている地点からもう少し先にその人の限界が本当はあって、残念ながら自分自身で線を引いているだけのような気がしてならない。

そんな線、あったとしても見ない振りをして、踏み潰して行ってはじめて道が開けるように思うのはわたしだけだろうか。

 






文責:前原 雄大 (執筆:2007年12月25日)

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